アニメの全セリフ -ガンダム、ジブリ、鬼滅の刃など-

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ブレンパワード 第17話「カーテンの向こうで」全セリフ

ブレンパワード 第17話「カーテンの向こうで」全セリフ

ブレンパワード 第17話「カーテンの向こうで」全セリフ



 

ブレンパワード 第17話「カーテンの向こうで」全セリフ


前回のあらすじ
オルファンを前にして、勇がお姉さんとぶつかってしまった。
ナッキィ・ガイズはグランチャーだから、戦力になるようでならなかった。
その間に、勇はお姉さんに抱かれて消えちゃったの。
あれじゃ今頃、別の銀河の惑星に行っちゃって、オルファンが勇を追い掛けていくって事だってあるんじゃない?


依衣子
「勇……勇……」
「こんな所で寝ていると、風邪引くよ?」

「ああ」
依衣子
「お茶淹れたの。みんな待っているわ、いらっしゃい」

「有難う」
依衣子
「何してるの? 早くいらっしゃい……仕方ない子ね……」

「みんな居るんだね」
依衣子
「まだ寝惚けてるの? 早くいらっしゃい、勇……」

「分かってるよ」
「冷たい……」

「雪じゃないか、これ」
「ん? うぅっ……!」
「何処なんだ、ここは……。生きてるよな、俺……」
「そうか、飛ばされてたんだ」
「ブレン、お前が呼んでくれてたのか?」
「まるで知らない景色だ……」
「お前、大丈夫なのか?」
「俺が感情で流されたばかりに、お前をこんな酷い目に遭わせちまって……済まない、ブレン」
「どうするかね……?」
「状況が分からないなら、じっとしてない方がいいけど……」
「よし、いい子だ」
「ん?」
「怯えなくていい。敵だと決まってる訳じゃない。仲間かもしれないだろ?」
「ん? 何だ?」
「グランチャーのシルエットに似てるけど」
「来た!」
「グランチャーなのか?」
ジョナサン
「ふふっ、ははっ……!」

「ジョナサンの幻覚などに騙されるか」
ジョナサン
「残念だな、勇!」
「本物なんだよ! 幻でもないし、お前の錯覚でもない!」
「お前の頭が可笑しくなってない事は、この俺が保証してやる!」

「生きていたのか?」
ジョナサン
「今のお前と同じようにな」
「やれよ!」

「ブレン! 貴様……!」
ジョナサン
「再会を祝って歓迎してやったんだろ。孤独であるより楽しいぞ?」
「オーガニック・エナジーが作ってくれた、再会のチャンス! 共に祝おう!」

「ブレン、逃げろ! 相手に出来るもんじゃない! 逃げろ!」
ジョナサン
「行けぇっ!」

「無理だ! ブレン、下がれ!」
「無理だって……!」
「はぁっ、どうしてもやるのか? やれるのか? あんな変なグランチャーとでも、ブレン!」
ジョナサン
「ふっ、そうだよ。勇のブレンが泣いてるな! 勇、貴様が泣くのを見られるとは、人生捨てたものじゃない!」

「舐めるな! どういう状態だろうと……!」
ジョナサン
「まだ、そんな力が残ってんのか!」
「バイタル・ネットに引っ掛けたのか!」

「ブレン、これが分かってたのか。保つのか?」
「よくやった! もういい、逃げろ!」
「んっ……?」
ジョナサン
「嘗ての戦友だ。このぐらい力があった方が、倒し甲斐があるってものだ」
伊佐美ファミリーにはそろそろ引っ込んでもらいたかったんで、血祭りの手始め!」
「覚悟してもらうぜ!」

「分かった、ブレン! もう戦わなくていい! 抵抗せずに一気に……!」
ジョナサン
「ははっ、消えてなくなれ!」

「最後の一手は俺が打つ……!」
ジョナサン
「何だ、勇の援軍か?」

「別のアンチ・ボディ……ブレン・タイプに見えるけど……」
ネリー
「貴方達の邪気がこの森を……バイタル・ネットが造る結界を汚しています」
ジョナサン
「何を偉そうに物を言うか! ここは俺とバロンズゥの造る結界だぞ!」
「生意気な……!」
ネリー
「やはり、バロン・マクシミリアン……」

「バロン・マクシミリアン?」
ネリー
「バロン・マクシミリアン! グランチャー・バロンズゥを嗾ける事は、罪を犯す事です」
「バロンズゥを退かせなければ、私のブレンパワードまで暴発するかもしれません」
「それでは私も罪を犯し、私も貴方も罰を受ける事になります」

「罪を犯し、罰を受ける……? バロンだと?」
ジョナサン
「勇と一緒に潰してやる。それで貴様の罪と罰もチャラにしてやるよ」
ネリー
「おやめなさい、バロンズゥを操る人……貴方には、貴方が思うほどの力などはないのです」
「バロンズゥ、お帰りなさい。貴方のプレートに」
ジョナサン
「俺のバロンズゥ、何ビビってる? たった一人のブレンだぞ?」
バロン
「ジョナサン・グレーン、退くがいい」
ジョナサン
「何故止める、バロン・マクシミリアン?」
ネリー
「可哀想……動けます?」

「ブレンに聞いてやって」
ネリー
「あぁ……」

「大丈夫なんですか?」
ネリー
「分かりません」

「でも行くんですね?」
ネリー
「はい。憎しみの瞳の前には、居られないでしょ?」
ジョナサン
「おめおめ逃がすかよ!」
バロン
「やめろ、ジョナサン」
ジョナサン
「バロンがこのグランチャーを、俺に与えてくれたからって……!」
バロン
「君は自分の感情に流され過ぎる。それでは、そのバロンズゥの能力を引き出す事は出来ない」
ジョナサン
「そんな事はない! 俺はオルファンでグランチャーを……!」
バロン
「未熟だからここに飛ばされたのだ。急ぐ事はない。あのブレンとはすぐに会える」
「それまで学ぶ事がまだある」
ジョナサン
「くっ……!」
ナンガ
「じゃあ、勇のブレンパワードは、バイトル・グロウブに乗って強制的に飛ばされたって訳か」
カント
「それ以外考えられませんし、そうなら撃墜はされてないと思います」
「オルファンから逆流した膨大なオーガニック・エナジーを受け止めるには、ブレンパワード一体では荷が重いんですよ」
ナンガ
「じゃあ、前にグランチャーを吹き飛ばしたのも、同じ現象なんだな?」
コモド
「でも、何処に飛ばされたか分からないんでしょ? オーガニック・レーダーだって」
ナンガ
「ありゃ、カバーが狭いもんな」
カント
「そうなんですよね。バイタル・グロウブのネットの分布って、まだよく分かってないし……」
カナン
「でも、カント・ケストナー
「バイタル・ネットを使って、帰ってくる事だって出来るんでしょう?」
カント
「そりゃ出来ます。理論的にはね」
カナン
「なのに連絡もない……」
カント
「オルファンの移動によって、地球上のバイタル・グロウブが乱れ始めています」
「そのせいで、彼の位置を掴み辛くなっているという問題もあります」
ナンガ
「しかし、勇が生きている可能性は皆無ではない……」
カント
「そりゃそうですよ。ブレンが付いてるんですよ?」
コモド
「なら、決まりだね」
ナンガ
「何がだ?」
コモド
「オグンの神に祈るの」
ナンガ
「なら、俺の分も祈ってくれ」
ナッキィ
「あはっ、全員ここに居るじゃないですか」
カナン
「何の用です?」
ナッキィ
「ご挨拶ですね……僕だってまだブレンが居るんです。仲間に入れて欲しいな」
ナンガ
「今は警戒態勢中だ。持ち場に戻るぞ」
比瑪
「……何するの?」
ナッキィ
「同情するよ。恋人のユウ・イサミの生死が心配だろ?」
比瑪
「短絡的な表現しか出来ない人ね」
ナッキィ
「済まない」
比瑪
「だけど貴方は、ノヴィス・ノアに馴染んでくれて、一緒に戦ってくれると思ってる」
ナッキィ
「それはそうしたいけど、分からないな……」
比瑪
「何が……?」
ナッキィ
「好きでもない奴の為に、思い詰められる女の子ってさ」
比瑪
「はっ……!」
ナッキィ
「ふふっ……」
ネリー
「どうぞ」

「君は……?」
ネリー
「ネリー。ご覧の通りの女です」

「そうでしょうけど……」
ネリー
「どうぞ?」

「済まない」
ネリー
「ここなら安全です」

「そ、そうですか」
ネリー
「でも、ここではブレンの傷を治してあげる事は出来ません」
「でも強い子ね……。私のブレンの傍に居れば、少しは落ち着いてくれるわね」

「あ、あの……君は何者で、何故ブレンパワードに乗ってるんだ? あのグランチャーは何なんだ?」
「ここは……」
ネリー
「ふふっ……」

「何が可笑しいんだ?」
ネリー
「貴方が訊いてばかりいるから。それに私、暫く人と話してなかったから、嬉しくなったの」
「すぐ吹雪が来ます。小屋に入りましょう」

「あ、ああ」
ネリー
「お友達をお願いね?」
ネリー
「ベッドは貴方が使っていいのよ?」

「もう少し見ていたいな」
ネリー
「何を?」

「君を……」
ネリー
「どうして?」

「君が、知ってる人に似てるから」
ネリー
「どんな所が?」

「顔……じゃないな。全然性格は違うんだけど、雰囲気なんだな」
「ブレンと話をしてるみたいなところなんか、そっくりなんだ」
ネリー
「だって、本当に話してるのよ? 貴方だって話せるでしょ?」

「少しは……いや、嘘だな。俺にはあいつの言葉は聞こえない」
ネリー
「そうは思えないな。瀕死の重傷を負いながらも、貴方のブレンは貴方を守ったのよ」
「貴方達がお話出来ないなんて事ないわ」

「比瑪は『言葉はなくとも、何となく分かる』と言ってた。あいつが話すと比瑪ブレンは喜ぶんだよ」
「俺は弄れてるから……」
ネリー
「そういう風に話せるようになったのなら、もう聞こえるわ。今までは聞こうとしなかったんでしょ?」

「聞こうとしてなかった……?」
ネリー
「そうでしょ? 貴方の気性は激しかった」
「でも、あのブレンと付き合うようになって、柔らかくなったんでしょ?」

「そうか……そうだね……」
ネリー
「その比瑪って人、貴方の大切な人なのね?」

「違うよ。俺にはそんな人は居ない」
ネリー
「ふふっ、そう思い込もうとしてるだけでしょ?」
「人間は、誰だって大切な人を持っているものよ。だから生きていける……」
「一人で生きて行くのは辛いし怖いわ。ブレンパワードのような、オーガニック・マシンと呼ばれる存在だってそうなのよ?」
「だからあの子達、私達のような人を水先案内人として選ぶのよ」

パイロットって元々そういう意味か……」
「分かったよ。俺みたいな癇の強いのと付き合ったお陰で、あいつはあんな目に遭っちまったんだ」
「それに引き換え、姉さんは……」
「あの時だって見切ってた。グランチャーを傷めないようにした」
「姉さんは、グランチャーの気持ちを分かっている……」
「……君だって、大切な人は居るんだろ?」
ネリー
「勿論居たわ。けど、お別れしてきたの」

「どうして?」
ネリー
「こういう時代でしょ? あの子と居る事を選んだのよ」

「ネリー・ブレンと居る事を……?」
ネリー
「そうする事が、正しいと思ったから……」

「戦う為?」
ネリー
「違うわ。出来れば、あの子と二人で静かに暮らしてきたかった……」
「でも、そういう訳には行かないのね」
「この時代に何かを成す為に生まれてきたものだから、このような事も起こる……それは思っていたわ」

リバイバルを見たから?」
ネリー
「それはそう」

「痛っ……!」
ネリー
「動かないで。肩の骨が外れて、周りの筋肉が炎症を起こしているのね」
「骨をはめるわ」

「え?」
ネリー
「ん、ちょっと痛いわよ……!」
「済んだわ」

「外れてたんですか?」
ネリー
「ええ。湿布を貼ります。シャツを脱いでください」

「用意はいいんだね。ここに居たんじゃないんだ?」
ネリー
「この上空は、バイタル・ネットのクロスする所……」

「冷ゃっこい!」
ネリー
「暫くは、ここからは出られないわ」

「バイタル・ネットのせいで?」
ネリー
「ええ……それは、あのグランチャー・バロンズゥも同じ……」
「今日の勢いでは、ここでの決着を付けに来るでしょうね」
ジョナサン
「バロンが……バロン・マクシミリアンが慣れる必要があるというから、バロンズゥを出したのだ」
バロン
「その激情を静めるのだ、ジョナサン」
「一瞬のやり取りで敵の力を見極めるという事を……その程度が出来ないようでは、まだまだ……」
ジョナサン
「感謝しているんだ、バロン。あんたがあの強力なグランチャーを提供してくれた事を……」
「自重もしよう、約束する。だからだ……頼む、オルファンに行こう」
「バロンズゥで行けば、伊佐美ファミリーも土下座する」
バロン
「何れ行くつもりだ。私の使命と考えているから……」
ジョナサン
「使命? ガバナーは貴方だったのか?」
バロン
「残念だが違うな」
ジョナサン
「貴方のような方がリクレイマーのリーダーだったら、オルファンはもっと健やかであったものを……」
バロン
「そうなのか?」
ジョナサン
伊佐美ファミリーの息子は、ノヴィス・ノアに寝返るような奴だ」
「家族同士の甘えの中で、親も子も、自堕落この上ないのです」
「あんなファミリーに再生されたオルファンこそ、同情すべき存在なのですよ」
バロン
「あぁ……」
ジョナサン
「可笑しいな……何故こんな話を、あんたにするんだろう。誰にも話した事ないのに……」
バロン
「相性、というのかな……。合うのだろう」
ジョナサン
「あ、あぁ……」
バロン
「決着は付けてもらう」
ジョナサン
「あの女のブレンパワードをか?」
バロン
「あれの隠れ場所は検討が付いている」
ジョナサン
「流石、バロン・マクシミリアン……」
TV中継
津波の心配だけではなく、地殻が不安定になっている為に」
「いつ自分の足元の地面に亀裂が入り、地の底に落ちるのか、その不安の方が大きいのです」
「その不安は、軍・治安部隊にまで及び、暴徒鎮圧事態……」
モハマド
「最早……最早、国連など当てにはならん」
アイリーン
「パニックは世界規模になりましたからね」
モハマド
「リクレイマーに、オルファンを止めろという国が何処にも居ないのなら」
「太平洋沿岸の難民の子供達を一人でも多く収容して、インド洋に出て、我々の国に移動しましょう」
アイリーン
「そうします。けれど、オルファンの動きを沈める……戦うのはやめませんよ?」
モハマド
「そりゃそうです。オルファンの怒りのエネルギーが、どういうものか分かっていないんですから……」
アイリーン
「いい事を仰いましたわ、ミスター・モハマド」
モハマド
「は、はい……」
アイリーン
「だからですよ。オルファンの怒りを抑止する為に、私はノヴィス・ノアに子供達を集めたいんです」
モハマド
「はぁ……」
アイリーン
「子供達の溌剌とした生気を、オルファンは全部吸っちゃうのかしら?」
モハマド
「吸っちゃうんじゃないんですか?」
アイリーン
「私、そうは思えなくなったんです」
モハマド
「どうして……?」
アイリーン
「ブレンとグランチャーとオルファンを見てると……」
「それに、生物までの関わりを見ると、一方的に一方のエネルギーを吸い取る関係には見えないんですよね」
モハマド
「第一線で観察した結果がそうなら、嬉しい事ですね」
ノヴィス副官
「天才カント・ケストナー君も言っています。この事件、物理学じゃないってね」
モハマド
「成程。オーガニック・エナジー……生体エネルギーは、情愛とも関連している訳ですね」
ノヴィス副官
「はい」
モハマド
「そうか……子供達も、ノヴィス・ノアの戦力になるんですね?」
アイリーン
「その可能性はあると……」
モハマド
「凄い……!」
ゲイブリッジ
「既にアメリカが動き始めています。ですから私も動きます」
直子
「動くって……?」
ゲイブリッジ
アメリカの動きを牽制したいのです」
直子
「出来ますか?」
ゲイブリッジ
「分かりません。歴史のないアメリカという国は、あらゆる歴史的なものを手に入れたいのです」
「そのような衝動に駆られてしまうものを押さえるのは、実に難しい事です」
「お付き合い願えますか?」
直子
「はい」
ゲイブリッジ
「驚かないのですね?」
直子
「貴方の事を昔からよく知っていた筈なのに、あの時は即答出来ずに後悔しました」
「もう、ああいう事は嫌ですから……」
ゲイブリッジ
「勇君は分かってくれるだろうか?」
直子
「あの子も、もう大人ですよ」
ネリー
「おはよう、勇ブレン。気持ちは落ち着きましたか?」
「そう、気が合ったのね。ご苦労様」
「私なら大丈夫。勇君もいい友達になれた」
「おはよう、勇」

「おはよう」
ネリー
「この子、貴方に興味があるのね」

「有難いな」
「ブレン、済まないな。何もしてあげられなくて」
ネリー
「駄目。貴方はまだ動いてはいけません」

「ネリー・キムの言う通りだ。もう少し養生するんだ」
ネリー
「聞き分けのいい子だ」
「ブレン?」

「何か来るのか、ネリー?」
ネリー
「分かりません」

「ブ、ブレン……!」
ネリー
「私を貴方の中へ」

「ネリー、またあいつが来たんだな?」
ネリー
「そうでしょう」

「ジョナサンか!」
ジョナサン
「外に居たのは運がいいと言いたいが、この方がいい。バロンズゥの慣熟訓練だからな」

「ブレン、開くか?」
「ネリー」
ネリー
「バロン・マクシミリアンは、あのグランチャーを邪悪に使う事を目指しているだけ」
「それに、あの青年を手伝わせるという心は、一体何なの?」
ジョナサン
「俺は俺の戦い方をバロンに示し、その上でオルファンに凱旋をする」
「行けよや!」
ネリー
「飛びませ、ブレン!」
ジョナサン
「勇を討たせてくれれば、貴様の話を聞いてやってもいいんだぞ」
ネリー
「何故そのような口が、邪悪な心で言えるのです!」

「頼む、動いてくれブレン!」
「そうだ、お前は強い。あのネリー・ブレンを助けられる」
「来た!」
ジョナサン
「はい、これでさよならだ、勇」

「そうなのか?」
比瑪
「勇……」

 

 

 

 

 

 

ブレンパワード 第16話「招かれざる客」全セリフ

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前回のあらすじ
ラッセ・ブレンは、自分の意思で神風をやったんですって。
だったら、グランチャーだってオルファンだって、ああいう事をやるかもしれないんだ。
そうか、それで地球が全滅しちゃうんだ。
でも逆に考えれば、ラッセさんが生き残れたのは、ブレンからオーガニック・エナジーを貰えたからでしょ?
という事は、オルファンが人間にはとってもいいように作用する事も考えられるな。


ガードマン
「着艦するなって言ってます」
「オルファンに近付きたがってる連中が、ノヴィスに逃げ込んで満杯になってんです」
モハマド
「後部デッキが空いているだろう」
ガードマン
「あのデッキは傾いてるんですよ?」
モハマド
「着艦しなさい」
ノヴィス・クルー
「エアポケットに入ってた飛行機は、怪我人を満載してたんだからしょうがないでしょ」
TV関係者
「――そんな事言わないでくださいよ」
アイリーン
「言いたくもなります。貴方がたは招かれざる客です」
「遭難信号を出していたから着艦を許しただけで、貴方がたのインタビューに答えるつもりは私にはありません」
TV関係者
「おっ、また遭難機だ」
「黄金のヘリじゃないか……」
「モハマドだぞ!」
「経済界の重鎮が何しに来たんだ?」
「アラブがノヴィス・ノアを買い取ったのか?」
モハマド
「は~い、アイリーン。お待たせしたね~」
ユキオ
「塞ぎ込んでる暇があったら……!」
アカリ
「ブレンを擦ってやったら?」

「心配するな、そのつもりだよ」
「今は休め、気にするんじゃない。お前一人騒いだって、どうなるってもんじゃないんだから」
ラッセ・ブレンが活躍出来たんで、焦ってるのか?」
「気持ちは分かるけど……オルファンを見れば、そう簡単に行かない事くらい分かるだろ?」
比瑪
「勇」
「また一人で、何とかしようなんて考えてるんじゃないでしょうね?」

「こいつが興奮して落ち着かないんだ」
「だから……色々考えなくちゃならないだろう」
「下手に自爆が効果あるなんてブレンが理解しちゃったら、みんな俺達の言う事を聞かなくなっちゃうぞ」
比瑪
「そ、そうか……」

「そうだよ」
「そういう気分がさ、比瑪ブレンにも感染しないようにしないとな」
比瑪
「了解」
「君は優しいんだから、比瑪ブレンと仲良くしてね」
カント
「ん、あれ……?」
ノヴィス副官
「何だ、天才少年?」
カント
「艦長さんはいらっしゃらないんですか?」
ノヴィス副官
「ミスター・モハマドと会議中だ」
カント
「えぇ……?」
ノヴィス副官
「性懲りもなく、この船の指揮権を買いに……」
ノヴィス・クルー
「副長、輸送船です」
ノヴィス副官
「輸送船……何処のだ?」
アイリーン
「皆さん、聞いて頂戴」
モハマド
「ハロー、エブリバディ」
アイリーン
「ミスター・モハマドが、いいお話を持って来てくださいました」
ノヴィス副官
「し、信じられないけど……」
アイリーン
「本艦が南下するにつれて補給の心配があったのですが」
「華僑連合とアラブ連合が援助をしてくれる事になりました」
ノヴィス副官
「そ、そりゃ僥倖……」
モハマド
監査役のモハマドです」
「アジアとアラブは、力の限りノヴィス・ノアをバック・アップ致します」
アイリーン
「孤児院の件、お忘れにならないでくださいね?」
モハマド
「勿論ですよ、アイリーンさん」
アイリーン
「あ、有難う……」
カント
「孤児院って?」
アイリーン
「ノヴィス・ノアを孤児院にするのよ」
カント
「へぇ……」
モハマド
「太平洋側の各地には、津波の被害による難民が沢山出ています」
「子供が犠牲になる状況は、こりゃ戦争です。ですから……」
ノヴィス副官
「い、いや、ご高説に感銘致しました。そのような趣旨なら、我々も賛成です」
比瑪
「ビー・プレートっていうのが、何だか分からないっていうのが変じゃない」

「どういうものか分からないから、ビー・プレートって呼んだんだよ」
比瑪
「それがあれば、オルファンをやっつけられんでしょ?」

「そのくらい力のあるもんだから、探しに出たんだろ?」
比瑪
「ならさ、探しに行こうよ」

「双子が生まれるプレートしか見付から……わっ!」
比瑪
「いきなり危ないでしょ? どうしたの?」

「アンチ・ボディが降りてくる」
「グランチャーだぞ」
比瑪
「何で?」

「何だよ、あいつ……」
比瑪
「青少年一名?」
ナッキィ
「ふんっ……」
比瑪
「吠えるのやめなさい」

「何だよ、あいつら……!」
比瑪
「喧嘩売るんじゃないの?」

「そんなつもりはない」
勇、比瑪
「あっ……?」
クマゾー
「ブレンも、ブレンも」
アカリ
「今日は、ご苦労様です」
クマゾー
「ブレン……みんな友達も」
ノヴィス・クルー
「誰に断って入ってきたんだ?」

「グランチャーも居る。アカリ、クマゾーはユキオの所へ行って、ブレン達のマッサージの道具を」
アカリ
「うん」
ノヴィス・クルー
「そのグランチャーは怪我でもしてんのか? 自律神経失調症か?」
ナッキィ
「いや……」

パイロットは、アンチ・ボディに乗ってるのか?」
比瑪
「誰も居ないみたい」

「あのグランチャーは?」
ナッキィ
「あれも僕のです」
勇、比瑪
「リクレイマーなのか?」
ナッキィ
「ふっ、またまた……」

「ふざけるんじゃない」
「ブレン三人にグラン一人、なのに乗り手は貴様一人だというのか?」
ナッキィ
「無礼な……!」
「面倒見ているんです、あの四人を」

「ひ、一人で、アンチ・ボディ四人をか?」
ナッキィ
「人手がなければ止むを得ないでしょ?」
比瑪
「な、ならどうして貴方は、こんな……」
ナッキィ
「君はチャイニーズ? コリアン? マレーシアン?」
比瑪
「ジャパニーズ!」
ナッキィ
「オー、ゲイシャ・ガール! ヤマトナデ……!」
「ヤマトナデ、ヤマトナデ……!」
比瑪
「何だってんです?」

「俺の女に何をするんだ!」
比瑪
「俺の女~?」

「取り敢えず……やめなさいよ!」
ナッキィ
「僕はナッキィ・ガイズ。ノヴィス・ノアのアンチ・ボディ部隊の戦力を補強する者です」
研作
「ノヴィス・ノアの動きがオルファンに干渉していると考えられるのだ」
依衣子
「なら、あいつらを撃破してもいいのだな?」
研作
「勿論だ……が、条件がある」
「一気に始末を付けるという事だ。出来るか?」
依衣子
「望むところだ。ブレンに侵されて、オルファン嫌悪症に罹ってる連中など……」
研作
「ずっとそう言っているが、勇一人討てないでいる……。ガバナーの忍耐も限界だぞ」
依衣子
「ガバナーも切れるという事か?」
研作
「私とて、いつまでも庇い切れるものでは……」
依衣子
「分かっている!」
研作
「親として最後の忠告だ」
依衣子
「余計な事を……!」
「抗体として、アンチ・ボディの任務を果たしてみせる」
「ガバナーにはそう伝えておけ」
研作
「聞いたな、翠?」
カント
「勇さんは?」
ノヴィス・クルー
「そこのブレンの股だ」
カント
「すいません」

「――大丈夫だって。悪いようにはしないから安心しな」
カント
「グランチャーが何処なんです?」

「隣の倉庫だ」
カント
「ブレンと隔離したんですね?」

「伝染病なんて持ってない。場所がないんだ」
カント
「でも、ブレンがパイロットの人数より多くなって良かったですね」

「ナッキィは、四人共使いこなしてるってさ」
カント
「どんな人なんです?」

「俺が知りたいよ」
あいつだいけ好かない奴だろ?」
カント
「え?」
「カント・ケストナーです。宜しく、ナッキィ・ガイズさん」

「……な?」
カント
「聞こえなかったんですよ」
「この船に怒ってるのかもしれない」

「何でだよ?」
カント
「だって、だらしないじゃないですか」

「天才少年が……!」
クマゾー
「寝んねしてるも?」
アカリ
「そうみたいね」
ユキオ
「ヘルパー達は、病気じゃないかって言ってるけど……」
クマゾー
「あっ……」
ユキオ、アカリ
「ん?」
アカリ
「あっ……!」
ユキオ
「比瑪姉ちゃん」
「グランチャーでも気持ちいいのかな?」
比瑪
「同じアンチ・ボディなんだから当たり前でしょ?」
アカリ
「そうなの?」
比瑪
「さっさと手伝いなさい」
ユキオ
「あ、はい」
アカリ
「は~い」
クマゾー
「僕も!」
「あっ……」
比瑪
「どうしたの?」
「ナッキィさん……。ごめんなさい、勝手にマッサージやっちゃって」
「でもこの子、喜んでますよ?」
クマゾー
「嬉しいも」
ナッキィ
「ブレン的なものに包まれているノヴィス・ノアの中では、消耗する一方かもしれないと思っていたが……」
比瑪
「ケアですよ、ケアの仕方」
ナッキィ
「流石、ゲイシャ・ガール!」
比瑪
「宇都宮比瑪です!」
アカリ
「むっ……!」
ナッキィ
「ナイス・ガール!」
比瑪
「やめてください!」
ナッキィ
「ブレン達と中国に入って、このグランチャー・タイプと出会った時、彼は殆ど死んでいたんです」
「けど、僕にはリクレイマーの素質があるのかどうか知れないんだけど」
「何ていうのかな……こいつとは気が合うんですよ」
比瑪
「そう……この子だって、私には優しい目をしてるって見えるわ」
ナッキィ
「そうでしょう?」
「ですから僕は、グランチャーとブレンパワードの共生だって出来るんじゃないかって考えてるんです」

「……こういう奴も居るのか……」
ナッキィ
「君達のような素晴らしい子供達と、何より貴方が居る……」
「オー・ナイス! 来た甲斐があったというものです!」
比瑪
「そう言ってくれて嬉しいけど……」
「なら、ナッキィさんも擦ってあげなさい。グランチャー喜ぶわよ」
ナッキィ
「そうでしょうが、元々、マッサージは人間にやるものでしょ?」
ユキオ
「あっ……」
アカリ
「んっ……」
クマゾー
「も……」
ナッキィ
「大人同士の話をするとね」
比瑪
「何ですよ?」
ナッキィ
「この艦は戦争状態の中に居る筈なのに、全く緊張感がない」
比瑪
「そんな事ないです」
ナッキィ
「そうですよ? 僕がこうしていると、君は体を固くしている」
比瑪
「当たり前でしょ? 子供達も見ている」
ナッキィ
「こういう緊張感がなければならないのに、ノヴィス・ノアにはこれがない……腑抜けの天国です」
アイリーン
「申し訳ないわね、ナッキィ・ガイズ」
ナッキィ
「ね? だから体が訛ってるんですよ」
アイリーン
「捜しました。始めまして、艦長のアイリーン・キャリアーです」
「ピリピリしているだけが、緊張している事ではないと思うんですけどね」
ナッキィ
「あんたみたいな若い女性が、どうして艦長なんだ?」
アイリーン
「私、人を使うの上手いのよ? 人間に針を打つのもね」
ナッキィ
鍼灸師の先生でしたよね」
クマゾー
「わっ……!」
アカリ
「見てみて」
比瑪
「へぇっ……!」
クマゾー
「やったも! 元気だも!」
ユキオ
「比瑪姉ちゃん!」
比瑪
「へぇ、見た目以上に動けるじゃない」
アイリーン
「グランチャーが動いていいの?」
比瑪
「だってこの子、ブレンと同じですよ? プヨプヨして」
アイリーン
「プヨプヨ?」
ナッキィ
「こんな奴の事を、プヨプヨ……?」
アイリーン
「勇、何が起こったの?」
「アイリーンです」

「遭難している」
アイリーン
「難破船?」

「そいつ、動けんのか?」
比瑪
「勇が出るの?」
ナッキィ
「私が連れてきたグランチャーだ」

「グランチャーはオルファンの抗体だ」
比瑪
「あの子は……」
アイリーン
「勇」

「はい」
ナッキィ
「何です?」
アイリーン
「オルファンの海域に入って、遭難した船があるんです」
ナッキィ
「民間の船ですか?」
アイリーン
「地球を脱出したがってる人の難民船」
ナッキィ
「そんな……自分の事しか考えない奴らなど、救う必要はない」
アイリーン
アメリカ軍からブレンパワードを盗み出した貴方に、言える事かしら?」
ナッキィ
「何っ……?」
アイリーン
「モハマドさんから拾われるまでの大陸での放浪生活だって、貴方の我侭さが感じられるわね」
ノヴィス副官
「これ以上逃げ込んでくる奴が居ても、受け入れられない」
「ナンガ、ヒギンズ、カナンのブレンは、そういう連中を追い返す」
「勇ブレンは救助作業」

「完熟飛行だよ。ノヴィスの装備にも慣れなくちゃならないだろ」
アイリーン
「カナン、ヒギンズ、貴方達は動いては駄目よ?」
比瑪
「今日に限って勇がフリュード・スーツで、私がTシャツなんだ」
クマゾー
「も、も……!」
ユキオ
「駄目だよ、グランチャーにブレン・バー持たせちゃ……まだどういう反応するか分からないんだぞ」
ナッキィ
「君達のマッサージのお陰で、元気になった」
ユキオ
「気が付いたばかりで……」
アカリ
「全部元気になってない」
ナッキィ
「こいつとは長い付き合いだから、心配するな」
「艦長さんにグランチャーの特性を見せたいんだ」
モハマド
「艦長が淹れてくれたんだぞ?」
ガードマン
「我々の好みをよくご存知です」
ナッキィ
「連中は、オルファンが一つ動いたら、ノヴィス・ノアが沈んでしまう事が分かっていない」
「何を考えているのやら……」
比瑪
「こちら、ノヴィス・ノアのブレンパワードです」
船長
「漂流してオルファンに吸い込まれているようだ」
比瑪
「船に乗ってる人を助けるっていったって……」
「勇、救命ボートに乗り移ってもらおうか?」

「馬鹿言いなさい。どうやって運ぶの?」
「このまま流されると……。比瑪、この船落っこちるぞ」
比瑪
「落ちる? どうして?」

「進路のシミュレーションだ」
比瑪
「うん、見える」

「オルファンが海面を盛り上げていて、その先は滝になっている」
比瑪
「だから落ちて沈むの?」

「多分ね」
「しかし、錨の楔を引っ張って、落ちないように……」
「奴のグランチャーだ」
「ナッキィか? オルファンに行くつもりだ」
比瑪
「勇……!」
ナッキィ
「うっ、この頭痛は何だ? ナッキィ・グランよ、何を苛立ってるんだ?」

「体が震えてるぞ。そんな調子で何処へ行くつもりだ?」
ナッキィ
「グランチャーなら怪しまれずに接近出来る。潜入だって簡単だ」
「そうしたら、一発でオルファンにトドメが刺せる」
「俺は一躍ヒーローになれて、アメリカに凱旋出来るんだ」

「オルファンはそんな簡単な相手じゃない。退け、ノヴィスへ戻る」
「ん、あれは……」
「ナッキィ、グランチャーに行かせるな」
ナッキィ
「心配するな。こいつのコントロールは俺がしてるんだ。この頭痛は初めてのものだ」
「俺には分かる。こいつはオルファンに帰りたがっていない」
「すぐに呼んでくれなかったオルファンに、仕返しをしたがってるんだ」
「ナッキィ・グラン、まず愛想良く帰ってきたよって感じで、接近しようぜ」

「山脈一つ潰すというのが、オルファンを破壊する事なんだぞ。ナッキィ」
ナッキィ
「グランチャーはオルファンのプレートから生まれたものだ。こいつはオルファンの急所を知ってる」
比瑪
「こんな船を、私一人で引っ張っていけるのか……?」
遭難者
「この嵐を乗り切れるのか?」
「エンジンは止まってるんだって?」
比瑪
「うぉぉっ……!」

「バイタル・グロウブのネットが干渉してるのか……?」
ナッキィ
「気にするな、俺のグランチャー。敵は目の前だ」
「どうした?」
「気合を入れろ! 私の頭痛など、気にしないでいい!」
「怯えてどうなるものでもない!」
「ん、オルファン……あれがオルファンか」
「何だ? オルファンのグランチャーか?」
「ユウ・イサミ、逃げられないのか?」

「ブレン、落ち着け。この程度の金縛りなんか……」
「ん?」
「クインシィ……姉さんのグランチャー!」
依衣子
「勇でしょ?」

「姉さんか?」
依衣子
「やっぱり……来ると思っていたよ、勇」

「どうしたんだ? いつもと様子が違う……」
依衣子
「勇、私殺される……ガバナーに私、殺されるのよ……」
比瑪
「あんな高低差があるの? どうやったら沈没させないで抜けられるの?」
「ブレン、出来るの? あの船、一杯人が居るのよ?」

「何があったんだ、姉さん? 辛いならオルファンを出ればいい」
依衣子
「オルファンから出たら生き残れない。体のエネルギーを吸われて、みんな死んでしまうんだよ」

「そんな事させるもんか。上の村に一緒に帰って、あそこの空気を吸えば……」
依衣子
「今更、故郷に帰れるものか。そんな事、出来る訳がない」
「お前に出来ても、私には出来ない」
「お前のせいなんだ……」

「姉さん……!」
依衣子
「勇、私を姉と思うなら、この世から消えてなくなれ!」

「姉さん!」
依衣子
「お前のような弟が居るのは、私の名折れなんだ!」
ナッキィ
「何だ、あのグランチャーは? 姉とか言っていたか?」
「兄弟同士の戦いなどで、決着が付く訳ないだろ!」

「どけ、ナッキィ!」
ナッキィ
「やめろ、姉さんなんだろ?」

「今は違う! グランチャーに毒されて、変わっちまったんだ!」
ナッキィ
「それでも姉さんだろ? やっちまったら一生後悔するぞ!」

「しかし……!」
依衣子
「このぉっ!」
ナッキィ
「兄弟同士で殺し合う辛さからは、俺が救ってやる!」

「ナッキィ・ガイズ!」
ナッキィ
「どうした? しっかりしろ、おい!」
「うっ……!」
依衣子
「餓鬼は消えろ!」

「ナッキィ!」
ナッキィ
「下に行った!」

「分かっている!」
比瑪
「あんなにオルファンに近い所で、勇が戦っている?」
ナッキィ
「くっ……!」
依衣子
「落ちろ、落ちろ……落ちろ、勇! お前のせいで私は、ガバナーに誓っている忠誠心も疑われているんだぞ!」
「落ちろ、落ちろ……ガバナーに殺される訳にはいかないんだ! 落ちろ!」

「何だ?」
比瑪、ナッキィ
「はっ……!」
依衣子
「一緒に付き合え!」

「入られた!」
比瑪
「勇! ナッキィさん!」
ナッキィ
「うぅっ……!」
比瑪
「勇、クインシィさんだったの?」

「何だよ姉さん、このっ……!」
「やめようよ、こんな事! 姉さん!」
ナッキィ
「何が……何が起きたんです?」
比瑪
「何って、オルファンのバリアが何かしたんでしょ?」
「貴方が無茶したから、こんな事が起こったんじゃないの!」
「オルファン……私達を脱出させてくれるの?」
ノヴィス副長
「あの形、オルファンの輪郭に見えますな」
カント
「動き出したんですよ、オルファン」
モハマド
「ノヴィス・ノアの孤児院化は無駄なのかな?」
アイリーン
「いいえ。そういう愛の形は、オーガニック的なものでしょ?」
「オルファンがオーガニック的なものなら、こういうやり方で対抗する事も出来るのよね」
「ね、クマゾー君?」
クマゾー
「うん」

 

 

 

 

 

 

ブレンパワード 第15話「一点突破」全セリフ

ブレンパワード 第15話「一点突破」全セリフ

ブレンパワード 第15話「一点突破」全セリフ



 

ブレンパワード 第15話「一点突破」全セリフ


前回のあらすじ
オルファンは海の上に頭を出しているようだし、グランチャーの数だって増えているようだけど、
思っているほどの戦争になっていないんだよね。
でも勇に言わせれば、オルファンは人類を絶滅させるものだっていうから、
オルファン封じ込め作戦は実行するのである。


カナン
「揺れるわね……」
ナンガ
「どうだ、様子は?」
カナン
「変わりようがないわ。今日は少し熱があるだけ……」
「作戦はどうなったの?」
ナンガ
「逃げ出すつもりはないようだな」
「ブレンによる特攻ぐらいはやるつもりだよ」
カナン
「神風か……」
ラッセ
「……作戦から外すほど弱っているのか、俺は……」
「くそっ、こんなもの……!」
「カナンのスカーフ? ナンガめ……!」
比瑪
「あ、何でしょこの子も……?」
「でも鴎も集まるし、この子達のお陰で、ブレン達も落ち着いてるみたいですね」
ナンガ
「オルファンの海域の鳥がここに集まってくれてるってのは、ノヴィス・ノアが安全だって事の証明だ」
比瑪
「この戦いで終わりにしたいですね」
ナンガ
「勇のお陰で、オルファンにも弱点があると分かったし……」
比瑪
「オーガニック・エナジーも私達の味方をしている」
ナンガ
「彼らの働きだって俺にすれば、比瑪ちゃんの言ってる事を証明してくれてるぜ?」

「いいのか、お灸してなくて?」
ラッセ
「随分破壊力のあるミサイルを持ち出したじゃないか」
「良かったら、俺にも一口乗せてくれないか?」

「んっ……」
ラッセ
「何だよ?」

「何言ってんだ! カナンを泣かせるような事になるかもしれないんだ!」
「そんな事に、手を出させる訳には……」
ラッセ
「俺が早死にするのは運命だ」
「彼女に会っていなければ、ずるずるやって野垂れ死にするのを待っていただろう」
「けどな、彼女に出会えたから、命を捨てる戦い方なんかしない」
「カナンとはもっと愛し合いたいものな」

「オルファンを潰すには特攻しかない。バイタル・ネットに乗ったって……」
ラッセ
「神風は聞いているさ。都合良くオルファンの懐に飛び込める訳がないからな」

「それが分かってるなら、今は黙って病人をやっていてくれよ」
ラッセ
「俺だってそうしたいが、あいつだって遣りたがってる」

ラッセ・ブレンが?」
ラッセ
「な? あの目を見てやってくれ」
「ボロボロになっても、オルファンに一矢報いたいんだよ」
比瑪
「ブレンがオルファンに敵意を持ってるなんて……勇ブレンも?」

「俺のブレンまでそう思うのか……」
「敵愾心って奴で掛かっていいのかよ?」
ラッセ
「勇からそういう台詞を聞くとは思わなかったな」
「今回の騒動は、グランチャーとブレンっていうのが、元々敵対関係にあったからなんだろ?」
「俺達を連中のセンサーにされて、巻き込まれちまったんだよ」

「ブレンはオルファンに受け入れられなかったんで、嫉妬してるのか」
アイリーン
「バイタル・ネットはオルファンの力で揺らいでいるわ。だから、侵入方向は一つに固定出来ないわよ?」
ヒギンズ
「了解しています。出撃準備に入ります」
アイリーン
「コモド達から連絡は?」
ノヴィス・クルー
「特にありません」
比瑪、ヒギンズ
「あっ……!」
比瑪
「ごめんなさい、大丈夫ですか?」
ヒギンズ
「大丈夫よ」
比瑪
「あっ……勇が大丈夫じゃないんですよ、艦長!」
アイリーン
「はい……?」
ノヴィス・クルー
「本当にいいんですね?」
ラッセ
「ノヴィスは沈める訳にはいかないだろ」

「あれがカナンさんの男か……」
アイリーン
「覚悟は有難いけど……」
比瑪
ラッセの出撃の手助けをするなんて、勇はクマゾー以下のまんまです」
アイリーン
「比瑪ちゃん」
比瑪
「何ですか?」
アイリーン
ラッセの動きは見守ってやってくださいね」
比瑪
「言われなくたってやりますけど……艦長からも、二人には言ってやってください」
アイリーン
「それは言います」
比瑪
「宜しく」
アイリーン
「勇、ラッセか……」
「私は任せるわ。二人共、利口で勇気があって、女性が好きなんですものね」
コモド
「この乱気流じゃアンチ・ボディ以外は近付けない……風の精霊に祈ってくるんだった」
ノヴィス・クルー
「グランチャーがこちらを睨んでます」
コモド
「あっ……只の威嚇だよ」
アイリーン
「出撃準備は整いましたが、司令の方の首尾は如何なんでしょう?」
ゲイブリッジ
「ああ、国連はまだリクレイマー側の報告を信じている」
「という事は、私の立場では君の作戦は支持出来ない」
アイリーン
「オルファンを撃破するという作戦は……」
ゲイブリッジ
「ブレン達の単独行為を、我々は阻止出来るのだろうかね?」
アイリーン
「それは出来ませんね」
ゲイブリッジ
「そうなんだ。それが問題である……」
アイリーン
「了解です」
ゲイブリッジ
「……私の采配は、間違いではないでしょ?」
直子
「でも出撃させた事で、アイリーンさんは責任を取らされます」
ゲイブリッジ
「成功すれば不問だよ」
「作戦が失敗すれば、後の世界はないのだから……」
直子
「あぁ、責任を問う人達も居なくなってますよね」
「オルファン現象って、そういうものなんですね……」
ラッセ
「大丈夫か、ブレン?」
アカリ
「あっ、乗っちゃう……!」
クマゾー
「乗っちゃう!」
アカリ
「止めるぞ」
クマゾー
「止める」
ユキオ
「待てよ」
アカリ
「比瑪姉ちゃんは、ラッセを出撃させちゃ駄目だって言ってたじゃないか」
ユキオ
ラッセ・ブレンが行く気になってんだ」
「見てみろよ、ラッセさんだってブレンに従ってんだ」
「勇ブレンだって、ラッセに優しいみたいだしさ」
クマゾー
「優しい……」
ラッセ
「ふふっ、スパイをしていたか……」
「お前達なら、頼まなくっても生きていけるよな?」
比瑪
「勇! ラッセさんも、そのブレン出すの可哀想でしょ?」

ラッセ・ブレンが行きたがってんだから、助けてあげなくちゃならないだろ」
比瑪
「君、駄目だよ! それじゃ死んじゃうよ!」

「いいな、ブレン?」
ラッセ・ブレン、付いて来れるな?」
「よし、ブレン行ってくれ」
ナンガ
ラッセ、ブレンを消耗させる訳には行かないんだ。出撃はやめろ」
ラッセ
「全員で出撃するんだろ?」
「ナンガ、ヒギンズ……それにカナンは、殿を執ってくれ」
カナン
ラッセ! ブレンが出たいと言ったら、言い聞かせて出撃をやめさせるのが貴方の役割でしょ?」
ラッセ
「カナンには、俺の子を生んで欲しいんだよ」
カナン
「妊娠させてくれなければ……ラッセ!」
「おっちょこちょいのラッセにブレン……!」
「比瑪、ナンガ、ヒギンズ! こちらも編隊組んで出撃でしょ?」
レイト
「これだけ鯨が居ると、デコイを撒く必要もないな」
キメリエス・クルー
「オルファンの老廃物に魚が引き寄せられてるんですね」
コモド
「勇ブレンが来た」
「補給したら支援に上がります」

「了解」
コモド
ラッセ・ブレンも出てる?」
ラッセ、それじゃ無理でしょ? 私にも世話を焼かせようなんて……」
「ナンガ、比瑪、どういう事?」
ナンガ
「オルファンの空域はどうなんだ?」
コモド
「グランチャーだって、オルファンの動きに戸惑ってる」
ナンガ
「そうだろう」
コモド
ラッセはいいのかい?」
ナンガ
「祈ってやってくれ」
コモド
「ナイルの女神、オヤに祈ってやる。本当にいいんだね?」
ナンガ
ラッセが貧血症状でも、連携プレーぐらいは出来るだろうさ」
「近いぞ」

「来るのか、ん……来る!」
ジョナサン
「ははっ……伊佐美ファミリーは最早、我が手の内! お前達も一挙に殲滅する!」
シラー
「格好いいよ、ジョナサン! そういうジョナサンを待ってたんだ!」
TV関係者
「ノヴィス・ノアのブレンが攻撃に出たんだ!」
 〃
「停戦したんじゃない! はっきり映っている!」
「何考えてんだ、あいつらは……!」
依衣子
「ジョナサンの動きは浮かれている……この状況で、ノヴィス・ノア側が何も考えずにやられに来るものか」

「違うわよ、クインシィ。彼は力に溢れているのよ。良きアンチ・ボディ……抗体になっているんだわ」
依衣子
「それが認めるべき現実というの?」
ラッセ
「俺は、今回の勇の作戦は信じている。だからカナン達は牽制してくれるだけでいい」
カナン
「オルファンの上の方に、中枢神経のターミナルがあるというのが、勇の情報」
「ファミリーでなかった私には、教えてもらってなかった事……」
「うっ……!」
ナンガ
「いいぞ、カナン! 一気にオルファンの頭に接近しろ!」
ヒギンズ
「頭の中枢を攻撃すると見せて、本当の攻撃目標は海面下!」
「私の男が乗ってんだ。簡単に死なせやしない!」
比瑪
「勇は重装備なんだから、前へ出過ぎないで!」

「そんなに位置を取った攻撃では消耗するだけだ」
「奴らは降下している……急がないと」
「ジョナサン!」
ジョナサン
「ノコノコ出て来て、今度はオルファンを沈めようという魂胆か」

「オーガニック的なものが影響し合ってるんだ!」
ジョナサン
「こういう力が発生するのか!」
「うわぁぁっ!」

「よーし、ブレン! お前の気力が、あの爆発を力あるものにしてる!」
「もう一つ! 行け!」
ラッセ
「勇、もう仕掛けたのか。この爆発はノーマルじゃない……チャクラがある」

「おぉっ……!」
「もっとだ! もっと爆発のエネルギーを正面に纏めて、集中させろ!」
「うわぁぁっ!」
比瑪
「勇!」
「勇、ブレンをバラバラにする気? 何をやったの、今!」

「説明は後だ。ヒギンズ達は?」
比瑪
「作戦通りやってる」

「それでいい。勇ブレンの体をマッサージしてくれ」
比瑪
「分かってる」
「勇はこれと同じ事を、ラッセにさせようとしてるんでしょ?」

ラッセは俺以上に覚悟があるんだ」
「俺だって、オルファンを沈められるならバラバラになったって構わないって思ったけど……出来なかった!」
比瑪
「勇……そういう覚悟を持っていたの?」

「馬鹿な家族を持ってる俺は、一人前の覚悟も出来ない男なんだ!」
比瑪
「甘ったれやさんの意気地なし!」

「そうだ。お前はそれでいいが、チームを崩すなよ」
ラッセ、何処だ? 今の爆発は見えてるな?」
ラッセ
「最後の衝撃は拡散したか……」
「勇、心配するな。俺の方はちゃんとやって見せる」
「こいつら、オルファンの老廃物を餌にして集まっている……共存共栄出来ると思っていいのか?」
「オルファンのオーガニック・エナジーの臨界なんていうのは、全く心配してないんだ」
「レイトの野郎も抜け抜けと接近している。お互い女一人の為に命懸けて、馬鹿な事よ……」
シラー
「ジョナサン、大丈夫か?」
ジョナサン
「うっ……」
シラー
「よく、今の爆発を潜り抜けた」
ジョナサン
「今の爆発、異常だぞ。後続の部隊はどうなってるんだ?」
レイト
「いつ攻撃されても文句が言えなくなったぞ」
キメリエス・クルー
「はっ……!」
レイト
「第二波、第三波、一気に叩き込む」
ラッセ
「おいおい、スキンヘッドのお父さん……」
「グランチャーの足を止める為にハッチを攻撃してくれんのはいいが、ちっとばかり早過ぎないか?」
「オルファンの急所は女のフィギュアだ」
「勇はそいつを俺に教えてくれて、上と下から攻撃しようといったんだぜ」
研究員
「的確に五つの発進港が撃破されました」
依衣子
「勇め……あいつは、オルファンの情報をノヴィス・ノアに売ったな?」
研究員
「先程の上空の爆発で、頭頂部に痺れが見えます」
依衣子
「ドクター研作は、オルファンの循環器の保全
「フィジジストには、グランチャーの別のルートの発進港を開発させろ」
研究員
「はい!」
依衣子
「ドクター翠……?」
研究員
「――交戦中ですよ?」

「ジョナサンの動きが気になりますから……」
「な、何です?」
依衣子
「掠り傷とはいえ、オルファンが初めての痛みに体を震わせているというのに……!」

「何ですよ?」
依衣子
「あんたという女は……!」

「貴方は、親に向かって……!」
依衣子
「子供を作れたから親が子の上なのか?」
「子供は、女と男の屑以下の親の負債を抱えて帳尻合わせに必死になっているんだ!」
「雌をやっている暇があったら、オーガニック・エナジーの研究者らしい大人をやって見せろ!」

「バイタル・ネットだ。比瑪、ナンガ、カナン、ヒギンズ、お前達突っ込みすぎだぞ!」
ジョナサン
「何、弄ばれてんだ? たった4機のブレンだぞ?」
「い、いや……たった5機だ!」
「シラー、勇のブレンは見えないか?」
シラー
「オルファンの巻き起こす雲で見えない!」
「いや、居た……!」
ヒギンズ
「カナン、ナンガ! 敵はレイトのキメリエスの接近に気付いたんだ!」
ナンガ
「いや、読まれたのは勇とラッセの作戦だ」
「カナン、俺達は陽動を掛けないと……!」
カナン
ラッセが潰される? 比瑪ちゃん……!」
比瑪
「んな事、分かってますよ!」
「きえぇぇっ!」
「勇は病人を使い、病人は病人で一人前のつもりで……!」
シラー
「チャクラ光だが、オルファンのものじゃないぞ」
ジョナサン
「何だあの光? ベルトになったチャクラ……」

「ジョナサン、シラー! これ以上、下には行かせない!」
「このチャクラ・ベルト、グランチャーの二、三人くらいは金縛りに出来る! 自爆をするぞ!」
「それを覚悟なら、降下してみろ!」
シラー
「私の部下が……!」
ジョナサン
「同時に二機を落としたのか!」
「勇、貴様! ブレンのオーガニック・エナジーを……!」

「ブレンと共に我の物にした!」
ラッセ
「あれが勇の言っていたフィギュアか……」
「あの馬鹿、何で来た……?」
カナン
ラッセ、出来るの?」
ラッセ
「見れば分かるだろう。ああもはっきりした目標があればな」
カナン
「でも大きな物よ。そのランチャーくらいじゃ……」
「ラ、ラッセ? どうしたの?」
ラッセ、まさか特攻……神風をやるんじゃ……」
ラッセ
「ブレンが離れろと言ってる。俺じゃない」
「それにあれを見ろ。急所が丸出しと見えるあれは、オルファンがオーガニックなるものである証拠だ」
「問題はあそこまでの距離だ。まだランチャーの射程距離にない……」
「なのに、斯くもはっきりと見える……」
「何……?」
「太古からの恨み……ブレンのメッセージか?」
カナン
「オルファンに応えたのよ」
ラッセ
「そっちにも?」
カナン
「こちらには『やれ』という文字が……」
ラッセ
「俺のブレンに応えたか?」
カナン
「唆されては駄目よ、ラッセ
ラッセ
「分かっている」
「何? ブレン、落ち着け……!」
カナン
「ブレン、あの人を止めて!」
ラッセ!」
ラッセ
「おぉっ……!」
ジョナサン
「勇が仕掛けた攻撃?」
シラー
「海中からやったのか!」
ナンガ
「やっちまったのか、ラッセの野郎……!」
ヒギンズ
「カナン……止められなかったの?」
比瑪
ラッセに神風をやらせたの? 勇は……!」

「誰がそんな事を勧めるか!」
ラッセ
「おぉっ……!」
カナン
「あぁっ……!」
ジョナサン
「見えたぞ! あれはブレンパワードの自殺だ!」
「な、何だぁぁっ!」
カナン
ラッセラッセ……!」
「あ、あれ……!」
ラッセ……!」
ラッセ
「カナン……」
カナン
ラッセ、良かった……」
ラッセ
「お、俺はどうしたんだ……ブレンは……?」
カナン
「自爆したわ。まるで意志あるもののように……」
ラッセ
「オルファンは無傷か……」
カナン
「でも、動きは止まっているわ」

「ジョナサンが行方不明だというのか? 何故です?」
依衣子
「情念もオーガニック・パワーなんだ。気の多いジョナサン、他の所に女を探しに行ったんだろ?」

「馬鹿を仰い……!」

 

 

 

 

 

 

ブレンパワード 第14話「魂は孤独?」全セリフ

ブレンパワード 第14話「魂は孤独?」全セリフ

ブレンパワード 第14話「魂は孤独?」全セリフ



 

ブレンパワード 第14話「魂は孤独?」全セリフ


TV関係者
「あの、島のように見えるのがオルファンでしょう。そうとしか考えられません」
「あんなものが宇宙に飛ぶ訳はねぇだろう」
「もっと島に接近しろ!」
「筋雲を避ければいいんでしょ?」
「近付けよ!」
「うわぁぁっ……!」
コモド
「筋雲だってカーテンだって、バイタル・グロウブのネットなんだよ? ボヤボヤするから……!」
比瑪
「勇ブレンは……」
「勇ブレンを捜すのよ! どきなさい!」
「ごめん、勇ブレン! 私は馬鹿だ! 君を一人にしちゃって、ごめんなさい!」
「勇ブレン!」
「怪我してない? 何処か痛い所ない? 引き攣るとかさ、ね……!」
「手と足はちゃんと付いてるわね?」
「凄い! ちゃんと戦ってちゃんと生きてる! 偉いよ、君!」
「怖い? 怖くないの? どうなの?」
「き、君……どうしたの? 何処に行くの?」
ナンガ
「比瑪……比瑪! 何処に居る? 別働隊が居るぞ」
比瑪
「あいつ、勇の気性が移ったんじゃないのか?」

「馬鹿か、お前は!」
「図体がデカイからって、パイロットが乗ったグランチャーと戦えるほど、お前はよく出来ちゃいないんだ!」
「親父達が何と言おうと、お前達は、人間を乗せる為のスペースを用意して生まれたんだ」
「それは何故だか分かるか? え?」
「お前達が、この地球の進化の歴史の中で学んだ事だよな?」
「人間の反射神経と判断と感性……それに、生殖だけは人間のものを利用するつもりだからだ」
「こいつのコピーは面倒だもんな」
「しかし、力を行使する事は自分達のものにした」
「人間って奴は、力の使い方を知らない、エゴイスティックな動物だからだろう」
「だからお前達は、お前達に必要な人間だけを摂取して」
「地球が育てた生体エネルギーの全てを吸収して、銀河旅行をするつもりだ」
「それがお前達だ」
「けど、そういうお前達が、何故かグランチャーとブレンパワードという二つに分かれて生まれた」
「しかも、雄と雌との関係でもない」
「もっと根源的に、陰陽とかプラスマイナスくらい、はっきりと反発しあう習性を持ってる」
「何故だよ? 一つで完全無欠に永遠であるものなど、この世の中にはない」
「だからこうやって、グチャグチャに生まれてきたんなら、オルファンだってそうだろ」
「自分の反対にあるものと戦って、探してるものがあるんだろ」
「ビー・プレートとか、もう一人のオルファンとかさ」
「オーガニックで有機的なものが、一つのものである訳はないのに」
「貴様は、お前は……比瑪程度の女に唆されて……!」
「馬鹿野郎!」
「お、おい、怪我はないよな? どうだ、え?」
ノヴィス・クルー
「勇ブレンが戻ったぞ!」

「ブレン、痛い所はないか? 悪口は言ったつもりはないぞ」
「よし」
ノヴィス・クルー
「身体検査しないと駄目だろ!」

「よく戻ってきた、ブレン」
「……震えてるのか? 何があったんだ?」
「俺が付いててやるから、怖がるな。何が怖かったのか教えてくれるか?」
ノヴィス・クルー
「勇ブレン、また発進!」
アイリーン
「任せておいて」
桑原
「オルファンの動きは止まりましたね」
アイリーン
「バイタル・ネットは?」
桑原
「安定した出力を見せています」
カント
「そのネットとノヴィスのオーガニック・エナジーが、三隻の随伴艦のプレートととも繋がって……」
「オルファンの動きが止まったんですか?」
桑原
「そう考えるしかないタイミングじゃないか」
カント
「ここの数値は全て、ノヴィスを設計した人間が弾き出した数字です」
アイリーン
「オルファンには通用しないというのね?」
カント
「それも断定出来ませんけど……」
アイリーン
「そうであっても、私達は最善の事をやるしかないです」
カント
「大人は大変ですね。僕は子供のままで居たいな」
アイリーン
「君の頭と口先は、立派な大人よ?」
カント
「違いますよ」
アイリーン
「不幸ですけど、大人です」
カント
「本当ですか、博士?」
桑原
「天才少年って褒めたいけれど、君はニーチェを超えてるな」
カント
「粗製濫造された神々が、踊り狂ってるんですよ」
アイリーン
「やっぱり大人じゃない」
依衣子
「本当にオルファンは、頭を押えられているというのだな?」
兵士
海上には、上からの力が掛かっているというデータが」
依衣子
「その程度の事で、オルファンが止まるのか! ノヴィスが何か作戦をやったというのか……」
ジョナサン
「それなら、こちらも同じ事をするまでだろう、クインシィ・イッサー」
依衣子
「ジョナサン……」
ジョナサン
「こんな所にノコノコ出て来るからさ! 力のない者が!」
カナン
「何? あの艦隊は……」
ヒギンズ
「こちらに断りなく出て来た国連軍でしょ?」
ラッセ
「ああなったら、只の虐殺じゃないか」
シラー
「食らえ!」
「ジョナサンの邪魔はさせない!」
ナンガ
「イランド部隊は国連の艦隊を守れ。俺と比瑪はグランチャーを止める」
比瑪
「あの船には、何百人もの人が居るんだ。これが戦争なんだ」
「怖い? そうだよね、本当は戦いたくないよね?」
「でも、みんなを守らないと……。勇ブレンだって戻ってくれるよ?」
ナンガ
「こいつら一体、何機居るんだ?」
ラッセ
「数で勝てないが、指揮官を落とせば……!」
ナンガ
「待て、ラッセ!」
ラッセ
「止めてみせる!」
ジョナサン
「まだまだ!」
カナン
ラッセ……!」
シラー
「カナン! 裏切りの代償は払ってもらう!」
カナン
「シラー・グラス?」
ラッセ
「こいつ……!」
「うっ……!」
ジョナサン
「死ねって事よ!」
ラッセ
「痛みが来た……何?」
ジョナサン
「トドメを貰う!」

「ジョナサン! もうやめろ!」
ジョナサン
「勇、やっと来たか。逃げ出したかと心配したぜ」
カナン
ラッセ……ラッセ・ルンベルク! 大丈夫なんでしょ? 生きているんでしょ?」
ラッセ……ラッセ!」
ラッセ
「大丈夫、生きてるよ」
カナン
「了解、ラッセ・ルンベルク」
シラー
「仲良く死なせてあげようっていうのに……当たらない?」
比瑪
「カナンさん、早く!」
「勇!」

「ジョナサン、貴様は……アノーア艦長に……!」
ジョナサン
「ぐぁっ!」

「お袋さんに復讐する為に、リクレイマーになったんだろ?」
「お袋さんは……アノーア艦長は、責任を感じていた!」
「だから、プレートと一緒に海に消えた! 居なくなったんだよ! もう他人を巻き込む必要はないんだ!」
ジョナサン
「もうあんな女の事に拘っちゃいない!」

「そんなパンチ……!」
ジョナサン
「自分のプライドしか考えられない女の事などで、誰が思い悩むか!」

「嘘を吐け! 親子の情をそんな簡単に切れるものか!」
ジョナサン
「ははっ……貴様は覚悟が足らないから、そういう事を言うんだよ!」
「意気地なしめ、男じゃないんだよ!」

「意気地なし? 覚悟がない?」
ジョナサン
「本当の覚悟が出来ていれば、親殺しだって出来る!」
「切れてやるんじゃない。逆上しなくたって、正義の確信があり」
「信念を通そうという確固たるものがあれば、出来るもんだ」

「事情があった! 事情が……!」
ジョナサン
「ははっ……覚悟がないから、オルファンだって沈められないんだ!」

「な、何……?」
ジョナサン
「本気でオルファンを沈めるつもりがあれば、お前が来た時、原爆なり水爆を持ち込めた筈だろ」

「その程度の事では、オルファンは沈む訳はない!」
ジョナサン
「沈むな。20、30の核を体内で爆発させてみろ。オルファンだって沈む」

「沈まない!」
ジョナサン
「勇よ、可笑しかないか? なら何で外に出て行って、オルファンを沈めようなんて言ってんだ?」

「それは……マイクロ・ウェーブとか、ビー・プレートとかの可能性はあった」
ジョナサン
「二親と姉さんの居るオルファンなんか、端から沈める気はないんだ」
「それがお前の本当の気持ちだから、アンチ・ボディ戦なんかやってみせて」
「ノヴィス・ノアから食い扶持を貰う為に格好だけは付けてんだ」

「違う!」
「あいつらはオルファン諸共、消えてなくなればいい!」
ジョナサン
「本当にそう思えるか?」

「何を言いたい……?」
ジョナサン
「俺さ、クインシィ・イッサーと愛し合ったな」

「俺の知った事か」
ジョナサン
「粉を掛けたら、すぐに寄って来たんだ」

「男と女のやる事、珍しくもない」
ジョナサン
「ドクター・ミドリ……イサミもなんだ」

「何を言ってるんだ……?」
ジョナサン
「いやさ、ババァなんて馬鹿にしてたさ……。がね、いや味わい深かったって感動した」

「クッ……!」
ジョナサン
「ははっ、怒れよ!」

「はぁぁっ……!」
ジョナサン
「普通、こういう話は面白がるんだぜ? 怒るって事の意味は分かるよな?」
「お前には、オルファンを沈める事は出来ない!」

「嘘だ! ジョナサン流の強がりだ!」
ジョナサン
「ならお母ちゃんに聞いてみなよ。情熱を秘めた肉体……」

「貴様……!」
ジョナサン
「済まない、言い過ぎたな」
「しかし、もう一つ現状報告をしておくと」
「女房の態度が変わってもそれに気付かないのが、お前のお父ちゃんって事だ」
「お前は、そういう男と女の間に生まれた子供なんだ!」
「可哀想にな、生きてたって辛いだろ? 楽にしてやるよ」
「心配するな、クインシィだってたっぷり可愛がってやる。俺、包容力ってのはあるつもりだからさ」

「言うなぁぁっ!」
ジョナサン
「ははっ……!」

「何故こんなものだけで、オルファンが停止するのかしら?」
「オルファンのエネルギー・レベルなら振り切れる筈よ」
研作
「こちらの計算ではそうだが、これがオルファンの意志ならどうなる?」

「オルファンの意志なら?」
研作
「どちらにしても、今様子を見た方がいい」

「そうでしょうか?」
研作
「グランチャー部隊にだって影響が出る筈だ」

「なら、引き上げさせましょう」
桑原
「いいぞ、このままオルファンを海底へ押し戻せるかもしれない」
アイリーン
「オーガニック・エンジン、臨界点へ持ち上げてみます」
ノヴィス副長
「了解。カウント・ダウン、開始」
「10・9・8・7・6・5・4……」
ノヴィス・クルー
「国連本部より通信です」
アイリーン
「こんな時に?」
ノヴィス・クルー
「はっ、はっ……」
軍人
「ノヴィス・ノア及び、バイタルティ・ネット作戦に参加してる艦隊の作戦は中止」
「オルファンの静止が認められたので、現状のまま待機」
桑原
「な、何を言ってんです?」
ゲイブリッジ
「オーガニック・エンジンの出力を戻す」
アイリーン
「ゲイブリジ司令……!」
ゲイブリッジ
「上の決定には逆らえん」
桑原
「しかし……!」
ゲイブリッジ
「彼らは、リクレイマーの言い分を信じているようだ」
「オルファンがオーガニック・エナジーを吸収せず、そのまま宇宙へ行ってくれるなら、それでいいのだと」
桑原
「そんな事は有り得ません!」
ゲイブリッジ
「その調査の為の停戦だ」
アイリーン
「リクレイマーが動いたんですね」
ゲイブリッジ
「ああ、そうだろうな」
アイリーン
「仕方がない? 仕方がないんですね?」
カント
「でしょうね」
「この船のオーガニック・エナジーの放出が、オルファンに気持ちいいって事、それは有り得るもんな」
「その結果は、データなんかじゃ分からないよな。あんなもの、過去の検証だけで未来予測はしないもの」
ジョナサン
「ははっ……そういう風に怒るお前には、俺一人落とせやしない!」

「やったな、ジョナサン・グレーン!」
比瑪
「勇、何を撃ってるの? もう相手は居ないでしょ?」

「貴様のやった事、どんな理由があろうと、犬畜生以下だ!」
「鬼だ! 外道の極みだ!」
「うわぁぁっ……!」
比瑪
「勇、どうしたの? 泣いてるの?」
「勇、何で泣いてるの……?」

「放っといてくれぇぇっ!」
ナンガ
「5、6機も落としたか」
コモド
「ああ。引く事はないように見えたけど……」
ナンガ
「そうでもない。勇のブレンは俺のより参ってる」

「さっきは大声を出しちゃって、済まなかった」
比瑪
「何か……」
カナン
「――無茶よ!」
ラッセ
「事情は見りゃ分かるだろ? あの位は無茶な事じゃない」
カナン
「そうだからって、まるで死んでもいいっていうような戦い方は異常です!」
「貴方は、ファイティング・ハイになるような人ではないのに、どうしたっていうの?」
比瑪
「カナンさん?」
カナン
「英雄気取りでやったのなら、もっと質が悪い。ブレンだって大怪我をさせて、得な事なんか何もないのよ?」
ラッセ
「泣くなよ、カナン。そう簡単に俺はくたばったりしない」
カナン
「自惚れないでね」
ラッセ
「ああ」
カナン
「先生を呼ぶわ」
ラッセ
「頼むわ」
「うっ……!」
カナン
ラッセ? どうしたの?」
ラッセ
「ちょっと目眩がしただけだ。休めば良くなる」

「何だ……?」
コモド
「何を知ってんのさ? 教えなさいよ」
比瑪
「何なんです?」
ナンガ
「あいつ、白血病の持病があって……それで疲れやすいんだ」
カナン
「えっ……?」
比瑪
「でも、今は治らない病気じゃないわ」
ナンガ
「そうなんだが……」
アイリーン
「彼は、一切の治療を拒んでいるのよ。神が成すままに運命を受け入れるって」
カナン
「どうしてなんです?」
アイリーン
「ここに来た時からそう。私にはお灸の治療しかさせてくれないのよ」
カナン
「そんなの変ですよ!」
アイリーン
「勇」

「はい」
アイリーン
ラッセが呼んでるわ。貴方に話したい事があるって」

「でも……」
比瑪
「私が行く」

「頼む」

「熱くないのか?」
ラッセ
「熱いさ。気持ちいいけど」

「何だよ? カナンは怒って、どっか行っちゃったぞ」
ラッセ
「それでいいさ。泣かれるとは思わなかったんで、結構効いたよ」
「今まで、俺の事を泣くほど心配してくれる奴なんて、居なかったからな」

「だったら、治療すればいいじゃないか」
ラッセ
「俺は、ブレンに会った時に願掛けをしたんだ」
「この気に入ってる地球を」
「オルファンみたいな訳の分からないものに壊されるくらいなら、命を賭けるってね」

「そりゃ分かるけど……」
ラッセ
「だから、一人で戦おうって勇の気持ちは分かってたんだが」
「俺達を利用するくらいの気合を持って欲しいんだ」

「そういう話か」
ラッセ
「一人でやるよりはいいぜ」

「カナンを泣かせるな」
ラッセ
「まだそういう約束は出来ないな。あの子を生かす為に……」
比瑪
「ひだまりの館の先生が、よく歌ってくれた子守唄よ」

「カナンは?」
カナン
「あっ……酷い顔を見に来たの?」

「ごめん、心配で……」
カナン
「有難う」

「いや……」
カナン
「自分がこんなに弱いなんて、思わなかったな」

「カナンは強いよ」
カナン
「両親から望まれずに生まれれば、恨みしか知らずに独りで生きてしまう……」
「そんな私に、人類への復讐も出来て銀河旅行が出来るって言われれば、グランチャー乗りになれると思えた」
「でもそんな事しても、結局は自分の思いからは逃げられないって分かったのよ」

「だからカナンは強いんだよ。俺は逃げてばかりだ」
カナン
「私をここに呼んでくれたのは勇よ。勇は復讐なんて意味がないって分かったんでしょ?」

「それは分かったさ。外からオルファンを眺めて、はっきりそう思えたんだ」
「あれは優しい姿をしていた……。ふくよかで、凶暴なものには全く見えなかった」
カナン
「それ、まるで母なるものの事ね」
「人間の女達が母になる事をしなくなった。それで子供達は奈落に落ちる……」
「だから、オルファンが敵になる……」

「そう、それもあるかもな」
「女が母になる事をやめて、男もそれを許したんだ」
カナン
「戦争がなくなって自由過ぎて、男も女も自分達の欲望だけに目を向けてしまったのよ」

「生存競争を自分に向けたら、エゴだけが育ったんだ」
カナン
「このブレンチャイルドに触っていると、そういう考え方の間違いに気付くみたいで……」
「私、あの人を愛してもいいのかしら?」

「いいよ、素敵な事じゃないか。カナンとラッセならベスト・カップルだ」
カナン
「有難う」
比瑪
「ふーん……」
ナンガ
「このままの状況を永遠に維持出来る筈はないでしょう」
ゲイブリッジ
「それは分かってるが、国連という組織の命令には逆らえない」
コモド
「前線に居る私達の方が、状況は分かっています」
「このままバイタル・ネットが消滅したら、どうするんです?」
ナンガ
「今がチャンスなんです。これを逃せば、オルファンを沈める事は出来ない」
アイリーン
「ここのクルーはみんな頭が固いんです。こうと決めたら……」
ゲイブリッジ
「知ってるとも。このクルーを集めたのは私だ」
「この首一つで人類が救われるなら、賭けてみるか」
アイリーン
「あぁっ……!」
コモド
「よし……!」
カント
「いいんですか?」
桑原
「そうそう大人を疑うもんじゃない」
アイリーン
「問題は、バイタル・ネットで固定出来ても沈められないほど巨大なものを、どうやって……」

「可能性はあります」
ゲイブリッジ
「ん……」

「世の中に、完璧なんてものないんです」
「俺が知ってる情報は全て提供します」
ゲイブリッジ
「助かる」

「でも、両親の口から出た事が全てですから、確たるものじゃありません」
アイリーン
「それは?」

「オルファンは、あれそのものがオーガニック・エンジンなんですが」
「基本的に生物的なものですから、弱点はあるんです」
「例えば、老廃物を排出する器官はあります」

 

 

 

 

 

 

ブレンパワード 第13話「堂々たる浮上」全セリフ

ブレンパワード 第13話「堂々たる浮上」全セリフ

ブレンパワード 第13話「堂々たる浮上」全セリフ



 

ブレンパワード 第13話「堂々たる浮上」全セリフ


前回のあらすじ
勇がお父さんを追い掛けた時、クマゾーが付いていってしまった。
クマゾーは、シラー・グラスというグランチャー乗りと仲良くなった気配がある。
男は、あの歳からそういう事をやっているの?
愚行するに、クマゾーが居たから、勇はオルファンに潜入出来たって考え方もあるんだよね。


ノヴィス・クルー
「た、高波を横に受ける馬鹿が居るか!」
アイリーン
「あっ、すみません」
ゲイブリッジ
「何……これからはずっと続くぞ」
アイリーン
「わ、分かってます」
「オルファンの浮上は?」
ノヴィス副官
「間違いなく続いています」
ノヴィス・クルー
「既に、オルファンの頭部は、海上に出ているかもしれません」
アイリーン
「本当に、あのシルエットがオルファンなんですか?」
ゲイブリッジ
「そうだろう」
アイリーン
「オルファン……つまり、孤児っていうコード・ネームは、妙ですね」
ゲイブリッジ
「中核に人の形があったからだろうな」

「気持ち悪くないか?」
クマゾー
「うん、大丈夫も」
カナン
「あの雲の中に、私の居たオルファンが居る……」
民間人
「わぁぁっ!」
依衣子
静止衛星軌道上の監視衛星は?」

「全て撃破しましたよ」
研作
「これがオルファンの威力だ。太平洋沿岸の国々は、どう考えようと連携行動は出来まい」
依衣子
「博士……敵に、我々の手の内を見せ過ぎてはおりませんか?」

「オルファンは全能です。もう誰にも止められません」
依衣子
「浮上中のエネルギーの分散化は、オルファンを無防備にするのではなかったのですか? 博士」
アカリ
「クマゾー、勇、ご飯だよ」
比瑪
「カナンさんもどうぞ」
ユキオ
「食べられたらの話だけど……」
アカリ
「トンカツだって」
ユキオ
「うぇっ……!」
クマゾー
「まんま? 降りる!」
「降ろしても」

「ブレンから降りたら、船酔いになるんじゃないの?」
クマゾー
「降りるも」
カナン
「有難う、頂くわ」
「気が重いのは分かるけど……」
比瑪
「別に、責任感じなくたっていいんだよ?」

「何をさ?」
比瑪
「オルファンの事よ」

「忘れてた。オルファンの新しいデータ、整理しといたんだ」
比瑪
「え?」
「へぇ、マメじゃない」
「勇……!」
アカリ
「……どうしたの?」
比瑪
「な、何でもないよ」
ユキオ
「勇、変じゃない?」
比瑪
「感じやすいってのは、ナイーブな事なんだけど……」
「勝手に参っていていいって時じゃないと思うな」
民間人
「押さないで!」
 〃
「上が閊えてんだ!」
 〃
「神様! 罪深き私達をお許しください!」
桑原
「オルファン浮上に伴う津波は、かつて地中海のミロス文明が消滅したのと同じ結果を生みます」
ゲイブリッジ
「それは、オルファンの肩が海上に出たぐらいでの話だ」
「オルファンが本当に浮上したら、どうなるのかね?」
桑原
「オルファンのオーガニック・エンジンが加速しますので、生命体に影響を与えるものになります」
アイリーン
「ノヴィス・ノアのオーガニック・エンジンは、人体への影響は認められないのに……ですか?」
桑原
「エネルギー総量の問題なのです」
「オルファン規模のエネルギー吸収量を持ったものが、海上から浮上して」
「衛星軌道に上る間に、どれほどの被害を及ぼすか……」
比瑪
「すいません、遅れて……。すいません!」
アイリーン
「……オルファンを止めましょう」
比瑪
「は、はい……」
カナン
「オルファンを止める……?」
ヒギンズ
「あんな容積のあるものを?」
ラッセ
「どうやって止めるんです?」
ノヴィス副官
「艦長、成算があるんですか?」
アイリーン
「桑原博士や源野博士に、オーガニック・エンジンの調整をしてもらいました」
「尚且つ、本艦に収容されている、プレートを調べてもらいました」
「これらのプレートの硬化現象は、進んでいなんです」
ゲイブリッジ
伊佐美勇君の言っていた、ビー・プレートの可能性があるという事かね?」
アイリーン
「そうです。ですから、それらのプレートをレディ1以下に搭載して、オルファンを包囲します」
「プレートの共振によって、オルファンの頭が押えられれば……」
桑原
「オルファンは、自分自身が放出するエネルギーの反発を受けて、沈んでくれます」
ゲイブリッジ
「性格的な事を考えれば、ブレン自体もビー・プレート的と言える」
「本艦のプレートとブレンの存在で、オルファン封じ込め作戦の……」
カナン
「そうか……オーガニック的な力というのは、そういう可能性も孕んでいるのね……」
比瑪
「アイリーンさんって偉い!」
カント
「馬鹿みたいだけど、考え方としては素敵ですね」
「オーガニック的なるものというのは、無機的に定められたものではないですからね」

「俺はここに帰ったつもりで居たけど、オルファンが追い掛けてきちゃったか……」

「さあ、私達の家に帰るのよ」
「もう……男の子はいつまでも甘えん坊で困るわ」
「ほら、これで家族一緒よ」
依衣子
「勇ったら、照れて暴れるなんて」

「誰も笑いはしませんよ」

「無視されて当然なのか、子供の気持ちなんて……」
比瑪
「勇、居るんでしょ? 勇?」
「開けないなら、アノーア艦長の時のように開けちゃうから」

「煩い!」
「うっ……?」
比瑪
「カナンさんも心配して、司令に言ってくれたのよ?」
直子
「勇がオルファンを浮上させた訳ではないんだから……」

「分かってるよ」
ゲイブリッジ
「太平洋の土地の被害、我々には、直接助けられる力はない」

「当たり前です」
ゲイブリッジ
「……が、君が提供してくれたデータだが、オルファンのエネルギー総量の推測がついた」
「桑原博士達も、プレートの……」

「ゲイブリッジさんは、どうして婆ちゃんと一緒にならなかったんだ?」
ゲイブリッジ
「ん……?」
直子
「勇……」

「あんた達が一緒になってれば、あんな馬鹿なお袋は生まれる事はなかったし、俺だって生まれなかった」
直子
「め、巡り合わせです」
ゲイブリッジ
「そう、巡り合わせだった……」
「私は、直子との結婚を考えて、軍を辞めたんだ」
「しかし、日本に行く途中、オルファンの存在を知るチャンスを得た」
「招かれたと思える体験だった」
「それで結局軍に戻って、オルファンの探査チームを創設したりして、直子を裏切る結果になった」
直子
「私に堪え性がなかったのよ」
ゲイブリッジ
「しかし、私は後悔していない。お陰でお前のようなお孫さんが育ってくれたからね」

「どういう意味です?」
ゲイブリッジ
「意味など……」

「魂胆というか、考え方ですよ」
ゲイブリッジ
「オルファンからリバイバルしたブレンを連れてきた君を、人類の救世主だと思っている」

「俺は何も出来てない! 誰も救えないで、こんな天国みたいな所でウダウダしてんだ!」
直子
「そんなに自分を卑下する事はないわ」

「もう婆ちゃんの時代は終わったんだ! 悪かったよ、昔の事なんか持ち出して……」
「あんた達は、老いらくの恋を楽しんで、青春を謳歌すりゃいい!」
直子
「勇……!」
ゲイブリッジ
「直子……」

「ではジョナサンは、グランチャー部隊を指揮出来ると思っているのね?」
ジョナサン
「そりゃそうです。クインシィ・イッサーは、ドクター達のお子さんだから遠慮してました」
「しかし、オルファンが頭を海上に出し始めたんだ」
「核保有国が水爆を連発して打ち込んできたりすりゃ、オルファンだって分かったもんじゃない」
「そうでしょ?」

「危険要因の一つではありますね」
ジョナサン
「だから、娘を第一線に出したくないという、あんたの気持ちも分かります」

「それとこれとは違います」
ジョナサン
「そりゃどうでもいいんだ。グランチャー部隊の実質的指揮権を頂けりゃ、鬱憤晴らしが出来る」
「世界中の人間に向かってな」
「女へ、母親への恨みもぶつけられる」

「そういう男が好きな女も居るのは、忘れないで」
ジョナサン
「了解している、ドクター」

「……可愛い動物だこと……」
「私は、こういう下等な雄しかいない地球が、ほとほと嫌なのよ……!」
ナンガ
「おう、似合ってるじゃないか」

「あ……」
比瑪
「どう、きつくない?」

「いいね。オルファンのフリュード・スーツより楽だな」
カナン
「採寸が良かったのよ」
比瑪
「あら、そんな事したんですか?」
カナン
「しなくて体に合う訳ないでしょ?」
比瑪
「そうか~?」

「そうでしょ?」
比瑪
「カナンさんが取ったの?」
カナン
「ええ、まあ……」
ナンガ
「御一同、プレート運搬作業急ぐぞ」

「ようし……!」
ユキオ
「こういうの見せられて、ようやく伊佐美勇も一人前だよね」

「よく言うな、ユキオ」
アカリ
「本当だもの」
クマゾー
「本当も」
ナンガ
「こうしてフリュード・スーツを着てくれた事には、感謝するよ」

「俺の身勝手でやってる事さ」
カナン
「私を誘ってくれた時から、勇は一貫しているわ」
ナンガ
「君は、直感的に可能性を洞察している」
「な、比瑪ちゃん?」
比瑪
「そういう男の子だよね?」

「……とは言えないな」
「な、天才カント・ケストナー君」
カント
「何です、急に?」

「俺も、アイリーン艦長の作戦に賛成した。けどこの作戦、可能性はないんだろ?」
カント
「全否定はしてません」
「バイタル・グロウブのネットとオーガニック・エナジーの関係から、実行する価値はあります」
ナンガ
「天才の保証があれば、勇気百倍だ」
カント
「それに、全てがオーガニック・エナジーの影響下にある事件です」
「皆さんの生き生きとした働き、これが一番の力になる……僕はそう洞察します」
直子
「え、えぇ……そうですよね」
ラッセ
「また盛り上がっているようだな」
カナン
「そんな風に見えるわね」
コモド
「さっさと済ましとくれよ?」
ナンガ
「オグンの御加護があるさ」
ヒギンズ
「気圧の変化も激しくなっている」
比瑪
「変だよこれ、勇……!」
「あっ……!」

「当たり前だろ。オルファンの浮上は続いてんだから」
桑原
「また馬鹿にしに来たのかね?」
カント
「いえ、この元気な花を見て欲しいんです」
桑原
「ほう……この船のオーガニック・エンジンと共生しているのかね?」
カント
「そう考えていいでしょう」
「これであのプレートがビー・プレートなら、作戦は完璧なんですけど……」
桑原
「この艦のブリッジがピラミッドの形をしている事も、計算に入れて欲しいな」
カント
「ですから、オルファン封じ込め作戦、全面否定なんかしてませんよ」

「――出来てるの?」
ノヴィス・クルー
「支度は順調だ。全部使えるとは限りません」
比瑪
「オルファンから設計図持ってきたの?」

「接近戦用の道具は必要だろ? 使えるかどうか……」
ユキオ
「勇、少し休みなよ」

「駄目か……」
「次を試させてくれ」
ノヴィス・クルー
「どうぞ」
ナンガ
「危ないじゃないか」
ヒギンズ
「何やって……」

「ようし……係数熱量、出てるね?」
「次を試すぞ」
アイリーン
「勇、ご苦労様。医務室へ来て頂戴」

「あ、はい」
アイリーン
不整脈はないけど、疲れているわね……」
「フリュード・スーツを着てみせるなんて、気がいいのね?」
「気が付いていても体は正直よ。虚していて反応は遅いわ」

「虚して……虚脱の“虚”ですか?」
アイリーン
「そうよ。肉体そのものもね、いい体験や悪い体験の記憶はしている」
「吐き出すものは吐き出させてあげないとね」

「分かるけど……僕に出来るのかな?」
アイリーン
「出来るわよ」
ノヴィス副官
「艦長、オルファン封じ込めシフト完了」
アイリーン
「了解、すぐに上がります」
「勇は、15分ほど静かにしていて」

「はい」
依衣子
「オルファンの処女飛行が始まって、空中に体を晒すと」
「オルファンは防衛能力がないものとやらなければならない」
「故に、全機出撃!」
ジョナサン
「そりゃ駄目です」
依衣子
「何故だ?」
ジョナサン
「勇ブレンの潜入もあったんだ。グランチャーの動かし方は、俺に任せてもらう」
依衣子
「私はガバナーからの信託を受けている。外に出ても、外敵オルファンに入れなければいいのだ」
「それに……!」
ジョナサン
「それに?」
依衣子
「勇を倒せば、ガバナーの信頼を確実に得る事が出来る」
ジョナサン
「しかし博士、母親にとって息子は恋人同然であると言います。宜しいのか?」

「そのような例え、何と古風な事……」
ジョナサン
「では小生は、伊佐美勇を恋敵というつもりで排除する事に全力を尽くします」
「クインシィ・イッサー」
依衣子
「何で一々、あの女の確認を取るのだ!」
ジョナサン
「グランチャーの補強にも力を貸して頂いておりますから」
依衣子
「あの二人、何があったのだ? あの二人に……!」
ノヴィス・クルー
「オーガニック・エナジー、上昇ノーマル」
ノヴィス副官
「レディ1・2・3、オーガニック・エナジー感応」

「姉ちゃんだって……」
アイリーン
「状況は?」
カント
「異常なし、ですね……」
桑原
「プレートに変化なしでした」
ゲイブリッジ
「オーガニック・エンジンは順調です」
ノヴィス・クルー
「オルファンと思われる物の、巨大質量の浮上スピード、30%落ちです」
アイリーン
「成功?」
ノヴィス副官
「そう思いましょうや、その方が嬉しい」
ジョナサン
「指揮権を取りたいのなら、実力で見せてくれなければな」
「肉親というのは、身内を見下ろした時には、他人以上に苛烈になるもんだ」
「ほう、出て来たか……」
「ふふっ……親子それぞれ、やってみなよ」
依衣子
「ジョナサン、お前は私に従うものなのだ。分かっているな?」
ノヴィス・クルー
「続いてナンガ、ラッセ・ブレン、出るぞ!」
ユキオ
「比瑪姉ちゃん!」
比瑪
「はい!」
ユキオ
「勇のブレンも連れてけって、艦長さんが言ってる」
比瑪
「どういう事?」
アカリ
「勇がまだ、針治療が終わってないんだって」
ユキオ
「コックピットで確認してご覧よ」
比瑪
「了解」
「聞きました。出来ると思います?」
アイリーン
「ノヴィス・ノアの上空に、滞空させておくだけでいいのよ」
比瑪
「勇、そんなに参ってるんですか?」
アイリーン
「想像力のある子だから、精神的に一人で負っちゃうのよ」
「あ、副長……勇の針、抜いてあげなくちゃ」
比瑪
「大丈夫だよね? 上で飛んでるだけでいいんだから……」
ユキオ
「グランチャーが一杯くるんだ」
アカリ
「ブレン」
クマゾー
「ブレン、一緒に行くも」
アカリ
「馬鹿言うんじゃない」
コモド
「やだ、あんなに居る」
「ナンガ、後ろを取ってもらうよ」
ナンガ
「コモドの野郎、動き過ぎると流れ弾に当たるぞ」
「ん?」
ラッセ
「ナンガめ、一人で前に出るなよ。狙い撃ちにされるぞ」
「来る……!」
カナン
ラッセも一人で突撃して……!」
ヒギンズ
「もう、みんなして勝手なんだから……!」

「みんな出ちゃったのか?」
「俺のブレンが居ない……え? あいつ……!」
比瑪
「よし、回れ右をするぞ」

「比瑪、何やってる?」
「ブレン、僕はここだ!」
比瑪
「ここでクマゾーやアカリ、ユキオを守っておやり」
コモド
「あっ、イランドでグランチャーに近付くから……!」
ジョナサン
「雑魚はいい! 勇の野郎、何処に隠れてる?」
ナンガ
「今度は、背後から援護してくれりゃいい」
コモド
「りょ、了解!」
ナンガ
ラッセ、押されやがって……!」
ジョナサン
「勇ブレン以外、興味はないんだよ!」
ラッセ、シラー
「くっ……!」
比瑪
「こんな数の敵、まともじゃ……!」
ジョナサン
「またこいつが邪魔するのか……!」
「何なんだ? このブレンは二度も傷を負わせる……!」
比瑪
「魂胆悪いからでしょ? 宇都宮比瑪ブレン、根性直してやるから!」
カナン
「クインシィ・イッサーも出ている?」
依衣子
「まだ、ノヴィス・ノアの砲門を開かせるところまで行っていないのか?」
「情けないアンチ・ボディ達だ!」
カナン
「クインシィが先頭に立つ作戦なら、彼女を倒すしかないけど……!」
依衣子
「勇だよ! 勇を出しなさい!」
比瑪
「っとに、もう……!」

「あの馬鹿、何格好付けてんだ? 俺はここに居るんだぞ!」
「あの数、姉貴も出て来たんだ!」
アイリーン
「比瑪ブレンを援護します」
ノヴィス副官
「宜しいでしょう」
アイリーン
「キメリエスも援護を」
依衣子
「な、何を……!」
「止まれば狙い撃ちにされるか! ならば、ノヴィス・ノアへ……!」
ノヴィス副官
「二時の方向から来ますが」
アイリーン
「はい。ランチャー、機銃座も宜しく」
依衣子
「勇が居た! 勇が!」

「ブレン一人でクインシィに掛かろうったって、どうなるってもんじゃないだろ!」
ユキオ
「勇のブレンなら出来るんじゃないの?」
アカリ
「そうだよ」
カント
「バイタル・グロウブと連動する活性化があれば、それはオルファンにも同じ効果を上げさせていますから……」
ゲイブリッジ
「アンチ・ボディ戦については……」
ノヴィス副官
「それぞれの個体の能力のぶつかり合いになりますな」
アイリーン
「それでは、昔のままじゃないですか」

「艦長」
アイリーン
「何です?」

「イランドでもウェッジでもいい、俺をブレンにまで連れてって」
アイリーン
「全機出撃中。貴方が呼び戻しなさい」

「ったく……!」
「お前達は救命チョッキを出しとけ」
ユキオ
「了解」
アカリ
「どうしてさ?」
クマゾー
「どうして?」

「ブレン、戻ってこい!」
「無理だ、お前一人じゃ……無理だよ!」

 

 

 

 

 

 

ブレンパワード 第12話「単独行」全セリフ

ブレンパワード 第12話「単独行」全セリフ

ブレンパワード 第12話「単独行」全セリフ



 

ブレンパワード 第12話「単独行」全セリフ


前回のあらすじ
私はチラッとしか見ていないけど、難しそうなお父さん。
それに、姉さんのクインシィさんまで攻めてきたんだから、世の中どうなるんでしょうね。
カント君は姉弟の出会いを見ているんだけど、そういう事になると、あの子、何も教えてくれないんだな。


直子
「戻ってこないね」
比瑪
「そうですね」
アカリ
「いいお野菜、一杯買えて良かったね、比瑪姉ちゃん」
「比瑪姉ちゃん」
比瑪
「あ、何?」
アカリ
「勇の事、そんなに心配しても、しょうがないでしょ?」
比瑪
「あんな奴の事、誰が心配するもんですか」
アカリ
「そっか~?」
比瑪
「こら」
クマゾー
「あっ……」
比瑪
「勝手に入っちゃ駄目でしょ?」
クマゾー
「違うも、スパイだも」
比瑪
「お腹空いてる訳ないのに」
クマゾー
「違うも、違うも」
アカリ
「あ~っ!」
比瑪
「あっ……!」

「あっ……!」
アカリ
「勇!」
比瑪
「何してんの、そんな所で……!」
女将さん
「知り合いなら、お金、貸してもらいな。こんな所の代金は安いんだから……」

「いえ、知り合いじゃありません」
比瑪
「ちょっと、そういう態度はないんじゃない? みんな心配……」

「うわっ!」
アカリ
「喧嘩だ!」
女将さん
「え?」

「喧嘩?」
比瑪
「何て町さ……」
女将さん
「ちょいと、バケツの水をぶっかけるんだよ」

「あ、はい」
女将さん
「こっちまで巻き添えにされちゃ堪んないから、追い出しな」

「掛けますよ」
女将さん
「バシャッとね」
比瑪
「あれ、勇のお父さん?」

「え?」
アカリ
「そうみたい」

「本当か? どれさ?」
怪しい男
「馬鹿タレが! 何も分かってねぇんだから……!」
「どうもすいません、先生」
研作
「いや……」

「何で、あんな連中と一緒なんだ?」
比瑪
「お父さんでしょ?」

「これ、頼む」
比瑪
「ちょ、ちょっと……!」
アカリ
「勇、待って!」
クマゾー
「僕も!」
比瑪
「待ちなさい!」
女将さん
「お嬢ちゃん、あの子は勘定の半分しか働いてないんだよ。払っていきな」
比瑪
「あぁ……」
比瑪
「アカリ」
アカリ
「スパイ続行中」
比瑪
「え?」
店員
「姉ちゃん……」
比瑪
「え?」
店員
「これだけ貰うぜ?」
比瑪
「そんな……」
「クマゾー、アカリ!」
クマゾー
「あっ……!」
アカリ
「クマゾー、大丈夫か?」
クマゾー
「だいじょ、だいじょ」
「むぅっ……!」
アカリ
「静かに」

「あんな連中をリクレイマーに勧誘しようってのか?」
「……え?」
クマゾー
「行くなも」

「こんな所で、逃げる訳ないでしょ」
比瑪
「そうかしら」
アカリ
「勇のお父さんを追い掛けてるんだろ?」

「その倉庫に入った。声を出すなよ。待ってるんだ」
比瑪
「クマゾーはいいわ。動くんじゃないのよ?」
「あんな事言っても、オルファンに帰るかもしれないし、油断なんか出来るもんですか」

「プレート……?」
比瑪
「プレートがどうしたの?」

「静かにして」
比瑪
「プレートを、勇のお父さんが持ってくって事ならさ」
「リクレイマーが新しいプレートを手に入れるって事よ?」

「触んな」
「勝手な事すんなよ」
比瑪
「入口を見張るわ。勇はそこで監視して」

「おい……!」
研作
「……全部、偽物じゃないか」

「金を出すのが惜しくなったのか?」
研作
「こんな物を口実に、私に接触するとは」

「はっ!」
研作
「うっ……!」

「お、親父……!」

「本物だろうが偽物だろうが、俺達には関係がない」
「俺達をノヴィス・ノアに乗れるようにしてもらうぜ」
研作
「そ、そんな事は無理だ……」

「あんた! あんたの命を引き換えなら、どうとでもなる筈だ!」
研作
「ノヴィス・ノアは、無理だ!」

「強情だな……命縮めるよ、博士? 二、三日ここで考えてくれれば……やってくれるよな?」
 〃
「誰だ!」
比瑪
「農家の人、ごめんなさい!」
アカリ
「ジャガイモさん、ごめん!」
クマゾー
「カボチャさん、ごめん!」

「どこの餓鬼だ!」
比瑪
「ごめんなさい!」

「うっ……!」
 〃
「ふざけんな!」
比瑪
「あっ……!」
アカリ
「えっ……!」

「えいっ!」
研作
「勇!」

「やめねぇか!」
「うっ……!」
比瑪
「決まった!」
アカリ
「偉いぞ!」
クマゾー
「やったも!」
研作
「済まなかったな、勇」

「別に、あんたを助けたくて来たんじゃない」
研作
「そうだろうが……」
勇、研作
「ん?」

「貴様達が要らねんなら、海に捨てちまう!」
比瑪
「クマゾー、下がって!」
勇、研作
「うっ……!」
研作
「しまった、あのプレートは生きているのか」

「偽物が生きてんのかよ?」
研作
「あんな連中に、本当の事が分かるものか」

「比瑪、アカリ、クマゾー、大丈夫か?」
比瑪
「こっちよ」
「プレートどうしたの?」

「走ってった」
比瑪
「走っていった?」
民間人
「プレートが来るぞ!」
 〃
「わっ……!」
 〃
「近寄ったら危険だぞ!」
研作
「ノヴィス・ノアの、プレートの研究員です」
警察官
「近付いたら、リバイバルに巻き込まれるぞ。下がってなさい」
比瑪
「お巡りさんの言う通りよ? どうすんの?」

「親父の口振りじゃ、少なくともグランチャー・タイプにはならない」
民間人
「プレートのみんなが、リバイバルするもんじゃないんでしょ?」

「他人の車で……!」
アカリ
「比瑪姉ちゃん」
比瑪
「追い掛けるっていったって……」

「分かってるよ」
研作
「物事を諦めないというところは、母親そっくりだ」

「並べよ」
比瑪
「このバイクの運転は難しいんだから……!」
研作
「一緒にオルファンに戻るか?」

「ふざけるな! 何故、俺がオルファンから逃げたのか、分からないのか?」
研作
「たまには、外に出たくなるのは分かる」

「あんたがオルファンの動きを止めようとしなかったからだ」
アカリ
「お父さんを撃つのか?」

「こうしなければならない時だってある」
研作
「オルファンは、自分の力でもうすぐ海上に出る。とっくに止められなくなっていた」

「中からぶち壊せばいい」
研作
「止められるほどに壊せるものか」

ブレンパワードを使えばやれるんだろ?」
研作
「やれる訳がない」

「ブレンとグランチャーが、本能的に反目し合ってるのは何故だ?」
「ブレンが、オルファンの中で活性化しないのは何故だ? それを考えれば……」
研作
「そうか、そこに方法があるのか……」

「ブレンの抗体反応は、オルファンの体には毒になる」
比瑪
「そういう考え方があるんだ」

「ブレンがパワーアップしてるってのは、オルファンには驚異になる筈だ」
研作
「お前のつもりなど」

「わっ……!」
「親父め!」
研作
「親父……グランチャーで来たのか?」
「やっぱりだ。選りに選って、同じような所に隠して……!」
比瑪
「やる事が一緒なんて、やっぱり親子ね」

「嫌味か?」
比瑪
「事実でしょ?」
研作
「ノヴィス・ノアと勇はどう動くか、手並みを見せてもらうぞ」
アカリ
「そら」
比瑪
「待ちなさいよ! 追い掛けてどうするの?」

「潰すんだよ」
比瑪
「親を潰したって、どうなるものでもないわ」
勇、比瑪
「あっ……!」
アカリ
「比瑪姉ちゃん、勇、大丈夫か?」
比瑪
「……分かったわ。お父さんの行方を追うにしても、援護はするわ」

「頼む」
アカリ
「喧嘩してたのか?」
比瑪
「違うよ」
アカリ
「ん?」
比瑪
「クマゾーは?」
アカリ
「ん?」
比瑪
「あっ……!」
クマゾー
「わぁぁっ!」
アカリ
「あ~っ!」
比瑪
「クマゾー!」
「どういう事なの?」
アカリ
「やだ~!」
比瑪
「勇、クマゾーが引っ付いてんのよ!」

「ブレン、親父を追って……」
「ん?」
「ブレン、済まない」
「クマゾー、何やってんだ?」
「一体、何をやろうとしてたんだ?」
クマゾー
「スパイだも、スパイ。比瑪姉ちゃんはいつも、勇をスパイしろって言うも」

「まだそんな事言ってんのか、あいつ」
勇、クマゾー
「ん?」

「親父の奴、真っ直ぐにオルファンに帰るのか」
研作
「このまま付いてきたら、勇……お前はまた、オルファンのアンチ・ボディになる」
「ブレンと人間のアンチ・ボディ化は、違うからな」
アカリ
「そうなの、アイリーンさん」
比瑪
「だから、ブレンみんなで勇を追い掛けるんです」
アカリ
「すぐ港に着くよ」
比瑪
「……ブレンがオルファンに対抗する者なら、元々、そういう力を持たされている訳よね?」
「だから、勇は一人で戦えると思ったんだ」
「なら、みんなでやれば、何とかなる……?」
研作
「海に浸ると落ち着くのは、太古からの記憶に抱かれているからだ」
「この意味を分かってくれ、勇」

「クマゾーも居るんだって感じさせれば、ブレンは頑張ってくれる」
ノヴィス・クルー
「船は外海に出るぞ」
カナン
「ドクターの誘いに乗ってオルファンに近付けても、その後、どうするつもり? 勇……」
ラッセ
「無茶する坊やだって思わないか?」
ヒギンズ
「何としてでも、オルファンを止めたいんでしょ」
「私は好きだな。ね、ブレン?」
ノヴィス副官
「キメリエスに進路を確保させろ。レディ1とレディ2は前衛だ」
アイリーン
ラッセ・ブレンが比瑪ブレンを桟橋まで運んでくれるわね?」
カナン
「私も連れていきます」
アイリーン
「なら、全員で比瑪ちゃんを迎えて、それから移動で間に合いますね?」
カナン
「勿論。イランドを追い越せます」

「何だと? オルファンはこんなに浮上してるのか」
クマゾー
「負けるも?」

「負けるもんか」
比瑪
「ブレン!」
「そこで待ってらっしゃい。すぐにウェッジが迎えにきてくれるから」
アカリ
「うん。行ってらっしゃい、比瑪ブレン」

「こんなに大きかったのか」
クマゾー
「大きい? 大きいも?」

「ああ」
「引かれてるのか、ブレン? 苦しくないか?」
「触る?」
「ここか?」

「プレート台の上に休ませるだけでは、グランチャーは活性化しません」
「総合フェロモンの投与と、神経系への投与も忘れるな」
シラー
「お呼びですか、ジョナサン・グレーン」
ジョナサン
「ああ。フィジジスカの方から、グランチャーを出してくれと言ってきた」
「行ってやってくれ」
シラー
「分かりました」
「ドクター翠、いやに張り切っているじゃないですか」
ジョナサン
「グランチャー部隊の存在が分かったのさ」

「ジョナサン・グレーン」
ジョナサン
「はっ……」

「新兵器の事で相談があります。手が空いたら研究室に」
ジョナサン
「今でも宜しい?」

「無論です」
ジョナサン
「プレートの残りカスと言いますが、あれは使えます」

「お帰りなさい」
研作
「おう」

「どうでした、会議は?」
研作
光合成とオーガニック・エンジンの関係をついた者が居た」

「流石、人物は居るものですね」
研作
「オルファンと植物エネルギーの総量を再チェックする必要があるが……」

「こちらも取り込み中ですが……」
研作
「やむを得んな」
依衣子
「ジョナサンまで一緒なのか」
研作
「クインシィ、体はいいのか?」
依衣子
「当たり前だ」

「何事です?」
依衣子
「私が休んでいる間に、グランチャー部隊の編成を変えようとしたな?」

「いけないかしら?」
依衣子
「部隊に関しては、全て私に任されてる。ガバナーからもね」
「ジョナサン、付き合いな」

「私と彼でも、グランチャーの強化の相談をしています」
依衣子
「私と相談しろ!」

「くっ……!」
「この辺りは、まだ手を入れてない所じゃないか?」
「すぐに戻るから……動くんじゃないぞ」
「近くの偵察だけだ」
クマゾー
「すぐだも?」

「ブレン、クマゾーを頼む」
クマゾー
「あ、苦しい……!」

「クマゾーを外には出すなよ?」
クマゾー
「おしっこ……」
カナン
「比瑪さん、出過ぎです。急がないで」
「オルファンは近いのよ? 勇と町で何があったの?」
比瑪
「勇が、お父さんのグランチャーに付いていけば、オルファンに潜り込めるって」
カナン
「そんな馬鹿な……」
比瑪
「そうですか?」
カナン
「え?」
比瑪
「カナンさん、リクレイマーの教義に縛られ過ぎてません?」
カナン
「そうか……」
「信じ込まされてたけど、私は今、双子のブレンの一人に抱かれてる……」
ヒギンズ
「比瑪もカナンもコックピットへ入って。私達は、オルファンの海域に入っているんだよ?」
クマゾー
「降ろしてよ……漏っちゃうも」
「え?」
「有難う。勇に内緒、内緒な」
研究員
「いいね、シラー・グラス。助かる」
シラー
「後、三箇所で済むの?」
研究員
「今日はね」
シラー
「……ガバナーは何で、あんな伊佐美ファミリーに、リクレイマーのリーダーを任せたんだろうね?」
「昔は……」
「あっ……」
「まだここに居るね?」
研究員
「ああ」
クマゾー
「あれ、どっちだったっけ?」
シラー
「おい」
クマゾー
「わっ……!」
シラー
「ここは立ち入り禁止地区だぞ? 居住区の子が、何で入り込めたんだ?」
クマゾー
「ご、ごめんも……ごめんなも」
シラー
「泣くんじゃないよ。どこの居住区なんだい?」
クマゾー
「ノ・バ……」
シラー
「ああ、ノバビア区の子かい。半日歩きっ放しじゃなかったの?」
「こんな所まで探検するなんて、元気な子だ」
「お前みたいのが、銀河で暮らせるようになる新人類なんだろうね」

「これじゃ、偵察する前に迷子になっちまう」
「え?」
研究員
「はっ……!」
「今の、伊佐美勇じゃないのか?」
シラー
「参ったね。ミイラ獲りがミイラになっちまった」
「フィジジスカに連絡を取るか……」
クマゾー
「む、向こうも。向こう」
シラー
「そうかい?」
「あら……?」
クマゾー
「わっ……!」
シラー
「こ、こら!」
「放せ! 落とすぞ!」
「勇のブレンじゃないか」
「何でこんな所に居るんだ、こいつが……」

「ん、何?」
「シラー、クマゾーを放せ!」
シラー
「そういう事か!」

「動くな!」
シラー
「貴様……!」

「クマゾーの面倒を見ていてくれたのか」
シラー
「そういう趣味がある訳ないだろう」

「弟達を食べさせる為、オリンピックの選手になろうとした気持ちを忘れてないなら、オルファンから出ろよ」
シラー
ブレンパワードに汚染された奴の話なんか、聞きたくもない!」

「ブレンは、乗り手の気持ちを分かってくれるアンチ・ボディだ」
シラー
「弟達を飢えで死なせちまった私の気持ちを、分かってくれる訳はないだろう!」

「分かってくれるよ……!」
シラー
「なら、あいつに涙を流させてご覧よ。胸が苦しいって悶えるかい?」

「意気地なしの当て擦りか!」
研究員
「居たぞ!」
シラー
「くっ……!」
研究員
ブレンパワードが動いてる?」
シラー
「何で潜り込まれたんだ?」
研究員
「そんな事言われたって……」
シラー
「こいつ、活性化している……!」

「よ、よし、クマゾーのお陰だ」
クマゾー
「も」
クマゾー
「ご、ごめん……ごめんな」

「怒っちゃいない。一人にさして済まない」
「何?」
シラー
「いけしゃあしゃあと、オルファンに入ってきて……帰すものか!」

「こんな内輪喧嘩をして、何になるんだ!」
カナン
「冗談でしょ?」
比瑪
「フリュード・スーツに着替えた方が良かったのかな……」
「あれ? 海底が明るいの?」
「ち、違うわ。あれ、オルファン……」
「駄目だ。オーガニック・レーダーが滅茶苦茶だ」
「こんなものに勇が引かれていったの? そ、そんなの……」
クマゾー
「うぇぇ、比瑪姉ちゃん……!」

「俺が抱いてやってるんだぞ。怖がるとブレンが焦るだろ」
クマゾー
「比瑪姉……!」
シラー
「往生際が悪いぞ!」

「比瑪の所に帰りたかったら、俺とブレンを信じてろ!」
シラー
「勇め……!」
クマゾー
「ぶつかる!」

「ぶつからない!」
「シラー、やるな!」
シラー
「この! 私に斬られてしまえ!」

「シラー! 闇雲にオルファンの為に戦ったって、お前の弟達が喜ぶものか!」
シラー
「何の力も無かったから、弟達を飢え死にさせちまったんだ!」
「グランチャーの力があれば、こんな時代にした連中に仕返しが出来る!」
「オルファンが銀河旅行をすれば、星になった弟達にだって、会う事が出来る!」

「そういう生命力を吸ってオルファンは浮上するんだ。その時は人類は全滅する」
「全滅したら仕返しする奴も居なくなる」
シラー
「結構じゃないか!」

「その命の力を、逃げる為に使うな! 生きる為に使わせるんだ、オルファンにも……!」
シラー
「出来る訳ない!」

「出来る!」
「目を覚ませ、シラー!」
シラー
「煩い! みんな死んじまえ!」
クマゾー
「死にたくないも!」
「死ぬと冷たいも! 死んだ母ちゃん、氷だったも! 何も言わないも!」
シラー
「うぉぉっ……!」
クマゾー
「や、やっつけちゃわないのか、勇?」

「やっつけたって……やっつけたって、どうしようもないんだよ」
「グランチャーの大群……あんなにか!」
「逃げる!」
カナン
「数が読めないけど……」
比瑪
「勇が浮上している?」
ラッセ
「敵情視察もしてないんだぞ」
ヒギンズ
「見た目の数は、20とか30という数」
ラッセ
「勇を収容して後退だ」
クマゾー
「比瑪姉ちゃん!」

「下がるの、急げ!」
比瑪
「クマゾーは居るのね?」
クマゾー
「逃げるも! グランチャーが一杯だも!」
比瑪
「分かってる」
ヒギンズ
「イランド隊には、偵察・監視依頼します」
「上昇」
カナン
「宜しい? 空域、離脱します」
アカリ
「日本とお別れするの?」
比瑪
「そうだね……」
「ね、シラー・グラスってどういう人?」
クマゾー
「強い、優しい、肩硬いも!」
比瑪
「昔から知り合いなんだよね」

「そりゃ、色々あったけど……」
比瑪
「色んな女の人、知ってんだ」

「他人の事なんか、何も分からないよ」
比瑪
「そうなの? そうなんだ……」

 

 

 

 

 

ブレンパワード 第11話「姉と弟」全セリフ

ブレンパワード 第11話「姉と弟」全セリフ

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ブレンパワード 第11話「姉と弟」全セリフ


前回のあらすじ
そりゃ、アノーア艦長が息子さんの事で悩んでいたからって、その事と行方不明になった事は関係がない。
私が出会ったのとは質が違うプレートは、回収した方がいいって艦長は判断したのよ。
それが冷静さを失わせて、プレートに呑み込まれた。とても残念。


カント
「想像していた通りの規模だけど、計算通りの出力が出たらどうなるのかな」
ノヴィス・クルー
「結局、見付からなかったって?」
「そりゃそうだろ。プレートのスピード、なまじじゃねぇもんな」
ラッセ
「ナンガ、いいのか?」
ナンガ
「オグンの御加護のお陰だね」
ラッセ
「新しい艦長の噂は聞いてるのか?」
ナンガ
「キメリエスのレイトが昇格するんだろ?」
ヒギンズ
「何も聞いてない。レイト艦長は潜水艦が好きだから」
ゲイブリッジ
「待たせて申し訳がなかった」
「アノーア艦長の捜索は続けなければならないが、我々の任務は急を要している」
「ここで緊急対策として、新任の艦長を認めて頂きたい」
ノヴィス・クルー
「新任の艦長?」
「誰が艦長だっての?」
ノヴィス副官
「静かに。アイリーン・キャリアーは士官学校でも優秀だった」
「その上、医師と針の免許を持ち、我々は彼女に尻の穴まで見られてる現実がある」
ノヴィス・クルー
「賛成だ」
「オーガニック・シップにはお医者さんがベスト」
ユキオ
「当然、当然」
クマゾー
「当然」
アカリ
「賛成」
カナン
「何ていう船? こんな人選……」

「まったく、みんなで何を考えてんだか」
比瑪
「何が気に入らないのさ?」

「別に。感動してんだよ、民主主義に」
ゲイブリッジ
「満場一致という事で、君に艦長をやってもらう」
アイリーン
「はい」
「では只今より、アイリーン・キャリアーがノヴィス・ノアの艦長を代行させてもらいます」
「本艦はオルファン対策会議の間、機関整備と補給を警戒態勢のまま行います」
「各員、部署へ戻ってください」
ノヴィス・クルー
「働け、働け!」
「お手柔らかにね」
アイリーン
「こちらこそ」
ナンガ
「病室で教えてくれたって良かったのにさ」
アイリーン
「だって、今日いきなりだったのよ?」

「あんた、それでいいのかよ?」
アイリーン
「こんな時でしょ? やります」
比瑪
「勇……」
アイリーン
「勇は優しいわ。私が重荷を背負わされたと思っているのよ」
比瑪
「あいつ、そういうとこ敏感なんです」
アイリーン
「有難いわ」
「でも、敏感過ぎるのは良くないわね」
「グランチャーに乗っていた事に、いつまでも罪悪感を持っているから……」
「慰めてあげられない?」
比瑪
「私が……?」
三尾
「あら……」
軍人
ブレンパワード、本当に飛んでいるぞ」

「ブレンが恥ずかしがってる。さっさと行けよ」
三尾
「坊やは相変わらず……ブレンパワードは相変わらず、素敵に雄々しいわ」
クマゾー
「比瑪姉ちゃん」
アカリ
「綺麗な花よ」
ユキオ
「あんまり見ない花なんだ」
比瑪
「本当」
クマゾー
「綺麗」
比瑪
「そうだね。蘭でしょうね、これ」
ユキオ
「でも、葉っぱが違うよ?」
アカリ
「ほ~ら比瑪ブレン、見えるでしょ? 綺麗な花」
「勇ブレンも見なさい。綺麗だろ?」

「へぇ……」
アカリ
「な?」

「綺麗だな」
アカリ
「あげる」
カント
「植物は強いですよね。地球が汚れてしまっても花を咲かせる……」
「強さと美しさで、人の心を慰めてくれる」
「カント・ケストナーです。想像通り優しい姿に嬉しくなりました、ブレン」

「何でお前みたいのが、こんなとこに居るんだ?」
カント
「こんな所へ? 変な聞き方しますね」

「だってお前、外国帰りだろ?」
カント
「何で分かるんですか?」

「俺もそうだからさ」
カント
「ああ、すいません。行かなくちゃ」
比瑪
「誰?」

「どなたでしょうね?」
三尾
「今日の発表は、リクレイマーに負けちゃいません」
桑原
「私は、彼らと理論闘争をしようとは思っていない」
三尾
「あら、博士は伊佐美博士への当て付けで、オーガニック・エンジンを開発したんじゃないんですか?」
桑原
「違うよ」
三尾
「失礼」
「あっ……」
桑原
「あいつが……?」
研作
「久し振りだな、桑原君」
桑原
「き、貴様こそ、日の光に当たっている顔をして……」
研作
「オルファンは、そのくらいの物は完備しているさ。自給自足しているんだからね」
依衣子
「発進準備、出来ているな? 指名された者は揃っているな?」

「待ちなさい! 貴方の考えている出撃は軽率です」
依衣子
「ドクター達の独断的行動のお陰で、オルファンに危機を呼ぶかもしれないのだ」

ブレンパワードの性能は、私達が思っていた以上だった……。あの人はそれを確かめに行ったのです」
依衣子
「何も自分が行く事はない」

「心配しなくても、お父様は……」
依衣子
「心配なのは、あの人の頭脳がノヴィス・ノア側に利用される事だ」

「そんな事は有り得ません」
依衣子
「お前達は、オルファンの循環器の整備をすればいい」

「クインシィ・イッサー、まるで……まるで軍隊気取り……」
依衣子
「オルファンが輝きを増してる……銀河を夢見てるんだ」
「太陽か」
「久し振りに海の上に出た」
「本当に綺麗……勇にも見せてあげたいな」
「あの子ったら、何処に行ったのかしら?」
「しょうがない子だ。ちっともジッとしていないで、いつも心配ばかり掛けて」
桑原
「オルファンが海面に浮上する際の津波による被害は、既に述べた通り、甚大な物になりますが」
「本当の危機は、オルファンが海面から宇宙に飛び立つ時でありまして」
「膨大なオーガニック・エナジーが地球から失われるという事です」
「それを定数化したものが、これです」
官僚
「悲観的過ぎないか?」

「何て数字だ」
桑原
「シダ類以下の菌類は生き残りますが、生き物らしいものは全滅するでしょう」
官僚
「全滅だって?」

「ノヴィス・ノアは、それをさせない為の船なんだろ」
桑原
「ノヴィス・ノアは、三隻の随伴艦と行動を共にしております」
「各艦には、プレートが搭載されておりますので、これらをオルファンを囲む位置に配置しまして」
「オーガニック・エンジンとプレートを共振させ」
「更に、バイタル・グロウブのオーガニック・エナジーとも共振させ」
「オルファンのオーガニック・エナジーを宇宙に放出させます」
「そうすれば、オルファンは沈水化します」
研作
「エネルギーが放散されるだと?」
桑原
「この予測について、私以上にオーガニック・エナジーについて詳しい」
伊佐美研作博士の見解を伺いたいのです。どうか……」
研作
「オルファンは止まるかもしれないな」
桑原
「はい、プレートについての……」
警備員
「止まれ!」

「奴はリクレイマーだぞ! 俺は直接関係者なんだ!」
桑原
「失礼しました。では、伊佐美博士、お願いします」
官僚
「オルファンのアンチ・ボディ!」

「ははっ……!」
研作
「まず最初にお伝えしたい事は、オルファンの制御は不可能ではないという事です」

「親父の言う事なんて、嘘だ!」
警備員
「いい加減にしろ!」
ゲイブリッジ
「放してくれまいか」
アイリーン
「彼はノヴィス・ノアのクルーで、ブレンパワードに乗ってる少年です」
警備員
「は、はっ……!」

「何で親父に話させる?」
アイリーン
「彼は研究員として、正規のルートでこの会議に出席しているのよ?」

「だからって……」
ゲイブリッジ
「現実を認めるんだな」
「ノヴィス・ノアの建造費を出してる者の中にも、リクレイマーに支援している者も居るのだ」

「自分達だけが助かりたくて、オルファンに乗せてもらいたがってる連中の事か」
アイリーン
「そういう人達を怒らせたら、ノヴィス・ノアは動かなくなるわ」

「何て事だ。それが現実だって……」
ゲイブリッジ
「そうなのだよ、勇君」
研作
「植物の光合成と、オーガニック・エナジーの繋がりについては、未だに……」
官僚
「貴様は、グランチャーの動きはどう説明するんだ?」

「勝手にプレートを集め回って、各地で事を起こしてる」
桑原
「そうです。博士はアンチ・ボディについては、一切触れていませんでした。その点……」
研作
「花……蘭の花か」
カント
「博士は、光合成について正確には説明なさっていませんでしたが?」
研作
「そ、そうだったか?」
桑原
光合成との関係……?」
カント
「はい、植物も生物だと……」

「あいつ、何だってんだ……?」
カント
「オルファンの現象は、生命体全ての問題ですから、グランチャー現象は瑣末な問題です」
「無視して宜しいでしょう」
「この、バイタル・グロウブのネットが……」

「何者なの?」
アイリーン
「カント・ケストナー。十歳で博士号を取った神童」
カント
「近年、植物の繁茂の著しい地域です。これにバイタル・グロウブのラインを重ねます」
「という訳です。つまり、オルファンと植物に活性化の関係があると知ったのです」

「だから何だっての?」
アイリーン
「いい勘をしている子よ」
ゲイブリッジ
「ん……?」
カント
「蘭の花はその代表的なものです。僕はこの事実を知った時、とても感動しました」
「人類が汚してきた地球は、まだ人類に絶望せずに地球の生態系を救う術を与えてくれていたと」
「この植物の活性化現象は」
「世界各地のプレートの出現場所とバイタル・グロウブのネットと重なる所で起こっております」
「つまり、オーガニック・エナジーの飽和が起こっているのです」

「植物との関係か……」
カント
「この現象の意味するところは、植物の光合成とオルファンの働きには、繋がりがあるという事です」
「この点は、伊佐美博士と意見が似ています」
「けど、博士の意見は嘘です」
三尾
「えっ……?」
カント
「オルファンのエネルギー総量は太陽みたいなものですから、人間にコントロール出来ません」
桑原
「ノヴィス・ノアのエンジンは、光学的に集積力を持っている」
カント
「でも、オーガニック的なものの考え方だと、オルファンは生物ですよね?」
桑原
「そ、そうだが……」
カント
「生物の根本的な作用は追生成です」
「プラス・マイナス、雄と雌、陰陽の二元論に根差しています」
研作
「だから少年、私はオルファンの存在に拮抗する存在として、ビー・プレートを仮定したのだ」
カント
「オルファンが雄なら、雌に相当するものがある……」
「卓見でいらっしゃいますが」
「そのようなものが見付けられない限り、オルファンは銀河系外にそれを求めるでしょう」
ユキオ
「そうなのか。この辺のも外国から入ってきた花が多いのか?」
カント
「港町の宿命だね。在来種の方が少ない」
クマゾー
「綺麗、これ綺麗。光ってる」
カント
「こんな所にまで、オンシジウムの変種が咲いているのか」
アカリ
「光ってるように見えないか?」
ユキオ
「あっ……?」
カント
「こうしたら、どう見える?」
ユキオ
「あぁっ……!」
カント
「という事は、この辺りもバイタル・グロウブの境界線に当たるのかな」
官僚
「ははっ、想像するのと見るのとは大違いですな。二十万トンとか」
ラッセ
「天才少年の出現は面白かったけど、面白がっちゃいられないという面もあるよな」
カナン
「オーガニック・エナジーが数量的に計算出来るようになったのは、最近ですものね」
ラッセ
「ああ。しかし、データよりこうやって付き合ってくれるブレン達を見りゃ……」
カナン
「どうしたの、ラッセ?」
ラッセ
「あいつらの毒気に当てられたのさ」
カナン
「え? あぁ……」
研作
「ここのブレンは生き生きとしている。まるで、ノヴィス・ノアそのものが、ビー・プレートとも思える」
「母さんが心配してるぞ」

「何処にそんな奴が居る?」
比瑪
「あれが勇のお父さん……?」
ノヴィス・クルー
「アンチ・ボディ、五つです。間違いありません」
アイリーン
「只今、本艦に向けてグランチャーが接近中」
「ゲストの皆様は、只今よりノヴィス・ノアからの退艦は出来ません」
官僚
「何だと?」
「我々を避難させるべきだ」
ゲイブリッジ
「この船は、何の為にあるのですか? 彼らを信じましょう」
ナンガ
「五機だって? 近いじゃないか、アイリーン」
アイリーン
「貴方は駄目よ」
ナンガ
「俺はもう大丈夫だ」
アイリーン
「許可出来ません」
ナンガ
「医者としてか? それとも、艦長として?」
アイリーン
「ここで私を補佐して欲しいのよ。実戦なんて初めてなのよ?」
ナンガ
「あんたなら、すぐに一級の戦術家になれますよ」
アイリーン
「でも……」
弾幕を前方に展開用意!」
ナンガ
「勇も出られるのか?」

「聞こえてる。ナンガはブリッジに居た方がいいと思うな」
ナンガ
「ほう、いい覚悟じゃないか」
アイリーン
「ミサイル! イランド、ブレンに当たらないように、一斉射!」
依衣子
「ほら見ろ。グランチャーで来てみれば、ムキになって敵対行動を取るのがノヴィス・ノアだ」
「奴らは、オルファンを害する者なんだ!」
カナン
「クインシィ・イッサーのグランチャー?」
ラッセ
「前へ出るぞ。ヒギンズ、カナン」
ヒギンズ
「了解」
「ノヴィス・ノア、後ろから撃ち落とさないで。私のブレン……!」
比瑪
「この敵、変よ? 勇!」

「何だ、この感触……?」
「クインシィ・イッサーか!」
依衣子
「見付けた、勇!」

「姉さんだろ!」
依衣子
「勇、私に撃たれなさい!」

「姉さん……姉さん! 外を見ろよ、外を!」
依衣子
「黙りなさい!」
カナン
「ブレン全員へ! 勇とあのグランチャーを戦わせては駄目よ!」
ラッセ
「カナン、どういう事だ?」
カナン
「あれはクインシィ……勇の姉さんの依衣子さん!」
ラッセ
「何だと?」
比瑪
「勇の姉さん? 落ちる?」

「何を考えてんだ! 親父が国際会議に来て、今度は姉さんまで……!」
依衣子
「研作博士の考える事など、私の知った事ではない! 私はオルファンのアンチ・ボディ!」
「お前なんか……!」
「そこから引き摺り出して、グランチャーに潰させる!」

「クインシィになりきって……!」
依衣子
「くっ、何だっていうの……!」
比瑪
「お父さんも居るのに、何で、お姉さんはノヴィス・ノアを攻撃するの?」

「オルファンで銀河旅行をするつもりだからさ」
比瑪
「本当にそんな事の出来る宇宙船なの?」

「そりゃ、親父達の推論だ」
比瑪
「勇!」
研作
「私だ! 依衣子、クインシィ・イッサー!」
「聞こえるか、応答してくれ! 今はまだ、ノヴィス・ノアを沈めちゃならん!」
依衣子
「話が違う……話が違う! ブレンは連携して戦っている!」
カナン
「クインシィ・イッサー!」
依衣子
「何?」
カナン
「博士の命まで無視する戦い方をして……!」
依衣子
「お前まで勇に惑わされたのか? オルファンに戻らないのか?」
カナン
「グランチャーの抗体反応は、凶器よ!」
依衣子
「黙れ!」
カナン
「ごめん、ブレン! でも、オルファンには戻りません!」
依衣子
「ならば消えろ!」
ラッセ
「うぉっ……!」
カナン
ラッセ?」
依衣子
「何で、チャクラ・シールドになるんだ?」
ラッセ
「カナン、大丈夫だな?」
カナン
「勿論、ラッセ
依衣子
「お前達は……!」
「何?」
カナン
「勇! クインシィと……!」
ラッセ
「出るんじゃない、カナン!」
三尾
「あはっ、ブレンが跳ねてるわ!」
ユキオ
「こっちに来るぞ!」
アカリ
「来た!」
ユキオ
「ふ、伏せろ……!」
「あっ……」
アカリ
「ブレンと……」
クマゾー
「ブレン……!」
ユキオ
「しっ……!」

「姉さん、落ち着いてくれ。コックピットから……」
「地上に出たんだ。ここで話せば……」
「離れていろ! 潰されるぞ!」
カント
「確かめたい事があります。気にしないでいいですよ」

「グランチャーだぞ」
「正気か? グランチャーもパイロットも……」
カント
「大切な事なんです、黙っていてください」

「花……?」
依衣子
「光ってる花かい?」
「憶えているかい、勇?」

「な、何を……」
依衣子
「あんたが花をくれた事があったろ?」
「いつも二人だけで、お婆ちゃんは下の村にパートに行ってた頃さ」
「あのプレゼント嬉しかった……誕生日のプレゼントだった……」

「ごめん、憶えていない」
依衣子
「そうかい、そうだろうね」
「あんたは両親を裏切り、家族の絆など断ち切って、オルファンから出て行った!」

「違う! 姉さんだってオルファンを離れれば、俺の言おうとしてる事は分かってくれる!」
依衣子
「お前はオルファンを、傷付ける!」

「姉さん!」
カント
「あっ……!」

「姉さん、あっ……!」
カント
「わっ……!」

「全く、抗体になりきってる……!」
「何が不満なんだ、この世界に……!」
官僚
「いや、流石……」

「町には、ミサイル一発落ちなかったといいますぞ」
ゲイブリッジ
「皆様のご協力があればこそです」
研作
「……仰られますな、お母さん。我々は人類の敵になる為に、オルファンを復活させたのではありません」
「翠にも依衣子にも、そんな事はさせはしませんよ。それは本当です」

「今あいつをどうにかしたって、オルファンは止まらない……」
「どうするんだ、勇?」
比瑪
「勇、何処に行くの?」

「放っといてくれ」
「ノヴィス・ノアなんかに居られたら、どうする事も出来ないじゃないか。どうする事も……」
「どうする事も出来ないじゃないか!」