アニメの全セリフ -ガンダム、ジブリ、鬼滅の刃など-

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紅の豚 全セリフ スタジオジブリ作品

紅の豚 全セリフ スタジオジブリ作品

紅の豚 全セリフ スタジオジブリ作品

 

 

紅の豚 全セリフ スタジオジブリ作品

 

ポルコ:へ〜い。
電話の音:ポルコ・ロッソすぐ飛んでくれマンマユート団が出たんだ。
ポルコ:マンマユート?安い仕事はやらねえぜ。
電話の音:ヴェニスからのチャーター船が狙われてる。鉱山会社の給料を積んでるんだ。
ポルコ:それだけか?え?
電話の音:いや…その…。バカンスツアーの女学校の生徒達が乗ってるんだ。
ポルコ:そいつはちと高くつくぜ。
電話の音:契約14条の第3項を該当させる。
ポルコ:第4項もだな。

ボス:止まれ〜!止まらねえと沈めるぞ〜!
女学生たち:さらわれる〜。海賊だ〜。海賊じゃないよ空賊っていうんだよ。

ポルコ:ゲホっゲホっ…。そろそろオーバーホールしなきゃいかんな。

女の子A:あなた達悪人さん?
子分A:そうさ。
女の子B:あたしたち人質ね。
子分A:そうだよ。
女の子C:空賊っていうのよね。
子分A:よく知ってるね。
女の子A:ガイコツ!
女の子B:上手だねぇ。
ボス:早くおいで〜!忙しいんだからもう…。
子分B:15人もいますけどみんな連れてくんですか?
ボス:仲間外れをつくっちゃかわいそうじゃねえか。

ポルコ:ん!?

船の人:お〜い!お〜い!
ポルコ:遲かったか。

船長:女の子と金貨をさらわれた!取り戻してくれ〜!:あっちに逃げた〜!
ポルコ:・・・
みんな:違う!そっちじゃないよ〜!
ポルコ:間違えちゃいねえぜ奴らの手口は分かってる。

ポルコ:見えなくなるまで飛んですぐ針路を変えるに違ぇねえ。奴らは貧乏でケチだからガス代を渋ってこの近くの島に…。いけねえ!このっ!こりゃあんまり時間がねえな。
ポルコ:いやがった!
ポルコ:なんだよ、島めぐりの觀光艇じゃねえか。
娘たち:キャ〜!豚よ!豚さんよ!豚さ〜ん!かわい〜い!こっち向いてえ。
ポルコ:こんな所で遊んでると団体でさらわれちゃうぜ!
娘たち:カッコいい〜!

ボス:うるさいなぁ。
子供達A:飛んでる!
子供達B:見せて見せて。うわあ。こわい。
子供達C:あたしにも見せてェ。
ボス:こらっダメだよ!静かに!静かにしなさ〜い!おい何とかしろよ!
子分B:だからみんな連れて行くのかって聞いたのに…。
子分C:ちょっとだけだぞホントはいけないんだから。
女の子B:きれいね。あっ見て!赤いヒコーキ!
子分C:どこ?どこ?
女の子B:いたよね〜!
女の子C:ね〜!
ポルコ:もう逃がさねえぞ。
女の子BとC:ほら来た!
子分C:ポルコ・ロッソだ!
女の子BとC:見えない!
子分C:あっいけねえ!
女の子C:止まっちゃった!
女の子B:落ちる〜!
子分C:落ちない!もう1発ある!
ボス:クソ〜何てことしやがる!撃て撃て!撃ちまくれ!
チビB:強いね赤いヒコーキ。
女の子B:当たらないね。
子分C:邪魔だなぁ。
子分A:豚から信号!「お前の負けだ話を聞け」。
ボス:うるせぇ!
子分C:来る来るこっちへ来る頭下げて!どこ?どこ行った?
女の子C:あっ隠れてる!
子分C:うわっ!?あ〜っ!?
子供たち:キャ〜!
女の子BとC:落ちた〜!沈没する〜!沈没する〜!
子分C:沈没しない!飛行艇だぞ!あらら〜!わぁ〜!
チビ共:沈没する〜!
ボス:やめなさい!危ない!止めろ!大事な人質だぞ!
女の子A:心配しないで私達スイミングクラブの子だから。
ボス:違う違うったら…!
子分A:豚から再び通信「金貨は半分くれてやる残りと人質を置いてうせろ」!?
ポルコ:さもないと皆殺しにしてやるぜ。
子分A:…と言ってますが!
子分B:金貨半分?
ボス:うるせぇ!来やがれ豚野郎最後の勝負だ!くらえ!あれ!?壊れた!
子分:降参だ!降参です!降参です!
女の子一同:さようなら!また遊んでね!
子分BとC:さようなら!
子分A:よかったですね修理代だけでも残って。
ボス:バカ野郎!志をもっと大きく持て!
女の子達:キャー、キャハハハ。
ポルコ:静かに!静かにしなさい。ああー。あぁそこ引っ張っちゃダメだよ壊れる!
一同:キャハハハ…。
ポルコ:危ないプロペラに近寄っちゃダメ。
女の子達:おしっこ〜。
ポルコ:おしっこ!?その辺でしなさい。

ボスB:マンマユートの連中今日は来れねえとさ。
ボスA:クソ〜小汚ねぇ賞金稼ぎが英雄気どりやがって!だがなその若ぇのはアメリカ人だろ?
ボスE:アメリカ人に助っ人を頼むのはアドリアの飛行艇乗りの恥だぜ。
交渉屋:いやぁ彼のバアちゃんは4分の1イタリア人ですよ。とにかくポルコを何とかしないと皆さんはお困りなんだから。
ボスE:しかし10%は法外だ。
カーチス:シ〜っ!
カーチス:美しい……。
ボスC:来た。
空賊一同:野郎イヤな面だぜ。カッコつけやがって。
カーチス:シーッ。
記者:ポルコ・ロッソさん!ネプチューン社の特派員ですが今回もお手柄でしたねぇ。マンマユート団は当分再起不能でしょう。ところで今年の賞金総額の予想なんですが去年を軽く超えると思われますが…。あら?ちょっと君離したまえちょっと…。あらっ!うっ!
カーチス:歌は静かに聴くんだ…!素晴らしい人だ。ホテル・アドリアーノのマダム・ジーナは故郷の飛行艇乗りにも有名だもんな。そこでは空賊も賞金稼ぎもいい子にしてるってよ。
ポルコ:おもてのカーチスはおめぇのか?
カーチス:ああ名声と金を運んで来る幸運のガラガラ蛇さ。
ポルコ:シュナイダー・カップで2年続けてイタリア艇を破ったやつだ。
カーチス:スピードだけじゃねえ空中戦でも強いぜ。ここらじゃポルコ・ロッソとかいう豚が名を売ってるそうじゃねえか。
ポルコ:空賊どもと手を組むんなら気をつけろよ若ぇの。奴らはケチで貧乏だ。風呂にも入らねえから臭ぇしな。
カーチス:ヒヒヒ…確かに。
ボス一同:何を!クサレ豚やるか!?
ジーナ:なぁに今夜は偉い人ばっかり集まってまた悪だくみしてるの?
一同:エヘヘヘ。
ボスC:当たり〜。
ジーナ:来てくれて嬉しいわでも戦争ごっこはダメよ。
ボスD:分かってるよジーナ。この店の50km以内じゃ仕事はしねえさ。
ボスF:豚とだって仲良くやってるぞなぁ!
ジーナ:みんないい子ね。
カーチス:また会おうぜ。
ボスたち:あってめぇ…!
女A:ポルコお話聞かせて。
女B:ねぇ。
ポルコ:今度2人きりの時にな。

ジーナ:あのアメリカさんおかしいの。私の顔を見るなり「結婚してくれ」だって。だから教えてあげたわ。私は3回飛行艇乗りと結婚したけど1人は戦争で1人は大西洋で最後の1人はアジアで死んだって…。
ポルコ:分かったのか…。
ジーナ:今日連絡があったの。ベンガルの奥地で残骸が見つかったって…。3年待ったわ、もう涙も枯れちゃった。
ポルコ:いい奴はみんな死ぬ。友へ…。
ジーナ:マルコありがとういつもそばにいてくれて。もうあなただけになっちゃったわね古い仲間は。
ポルコ:この店で1つだけ気にくわねえのはあの写真を外さねえことだ。
ジーナ:ダメよ破いちゃマルコが人間だった時のたった1枚だけ残った写真なんだから。どうやったらあなたにかけられた魔法が解けるのかしらね。
ポルコ:あのアメリカ野郎いい腕してるぜ。

行員:うらやましい。私もこのくらい稼いでみたいですな。
ポルコ:今月の払いだ。
行員:飛行艇のローンは終わりました。いかがでしょう愛国債券などお求めになって民族に貢献されては?
ポルコ:そういうことはな人間同士でやんな。

小僧:いらっしゃいポルコ・ロッソさん出来てますよ。
ポルコ:弾丸も60発くれ。
小僧:はい。
ポルコ:地上は随分騒がしいな。
じいさん:そうかい?また政府が変わるのかね。じゃ何だなあんたらもじきに非合法になるな。
ポルコ:豚に国も法律もねえよ。
じいさん:ヒヒヒ!違ぇねえモグラも同じさヒヒ…。
小僧:いつものだけでいいんですか?高性能焼夷弾とか徹甲弾も入荷してますよ。
ポルコ:坊ず俺達ゃ戦争やってるんじゃねえんだよ。またな。
小僧:まいど!親方戦争と賞金稼ぎとどう違うの?
じいさん:あぁ?そりゃあ戦争で稼ぐ奴は悪党さ。賞金稼ぎで稼げねえ奴は能なしだ。

ボス:ローンをしょった空賊なんぞ絵にもならねえ。
子分A:仕方ねえですよ修理代がかさみましたからね。
子分B:連合の艇だ〜!
ボス:ったく!何の因果であんなシケた奴らとつるまにゃいかんのだ。
子分A:豚のせいですよ豚の。
空賊A:何だよマンマユートの奴らペンキ代もねえのかみっともねえなぁ。やっとみんな揃いやがったな。おい!後ろどうだ?アメリカ野郎は来てるか?
Aの子分:太陽の中にいま〜すセオリー通りやってます。
空賊C:目標発見!『地中海の女王号』だ!
子分A:あんなデカいのやるんですか?
ボス:だから団体を組んだんじゃねえかビビるな!
空賊F:「われエンジン不調援護する先にかかれ」。
空賊D:てめぇずるいぞ!決めた通りにしろ!
空賊G:やられた時の修理代はワリカンだよな。
空賊C:女々しい野郎だぜ自己負担に決まってんだろうが!
空賊E:爆弾も自己負担なのか?
空賊C:当ったり前だろうが!
空賊F:ワレ、エンジン不調エンジン不調。
空賊A:その話はついてるはずだ。
空賊D:ケチくせぇ野郎だ。
ボス:うるせぇ〜!黙れ!

アナウンス:お客様にお知らせしますお客様にお知らせします。
空中海賊が本船を狙っていますけれどもご安心ください。
本船には優秀な戦闘艇が備えてあります。
勇敢な2人のパイロットをご紹介しましょう。1号艇「黒いエスタリオン」シニョール・バラッカ!2号艇「ティベレの狼」ヴィスコンティ中尉!
ボス:用心棒を連れてやがった!
空賊F:こんな話聞いてねえぞ!
カーチス:あ〜あ取り乱しちゃってまぁ…。
空賊G:こっちに来るな〜!カーチス!
カーチス:よ〜し待ってろ!

ポルコ:こりゃいよいよいかんな。やっぱりミラノに運ぶしかねえか。
ラジオ:…は撃墜されましたがパラシュートで脱出に成功しました。同船の金目のものを洗いざらい奪い取った空賊連合は次のメッセージを残しています。
ボス:次はおめぇだ!
一同:豚出て来〜い!
ポルコ:・・・
ラジオ:繰り返します「次はお前だ豚出て来い」。この襲撃事件について…。
ポルコ:やるじゃねえかゴミ野郎が。ハハハハハ!悪いが俺は休暇だ。真っ白なシーツ美しい女達…。ミラノまでもってくれよエンジンちゃん。

ポルコ:イヤな天気になって来やがったな。雲の下を行くしかねえか。いい子だ頑張れホレホレ。そうそういい子だよエンジンちゃん。
カーチス:ブタ〜っ!
ポルコ:!
カーチス:1対1だ勝負しろ!
ポルコ:今それどころじゃねえ!
カーチス:逃げるな!みんなに言いふらしちゃうぞ〜!
ポルコ:また会おうぜアメリカ野郎!ハハハハ…。いけね出ちゃった。いかん!
カーチス:当たった!
ポルコ:てめぇの弾丸なんぞ当たっちゃいねえ故障だ!
カーチス:やった!これで俺も有名人だヒャッホ〜!手ぶらで戻っちゃ奴ら信用しねえからな。証拠に何か…。おっ!あった!この軽薄な赤間違いねえ。アラバマのおふくろにいい土産ができたぜ。ん〜!

ジーナ:急いでちょうだい。
給仕:奥様〜!奥様お電話ですご無事です生きておられました。
ジーナ:えっ!?
給仕:フロントの電話でお話しください。
ジーナ:マルコ!あなたなの?ケガは?今船で捜しに行こうとしていたの。そう…よかった。
ポルコ:程よく痩せたぜ2日ほど無人島にいたからな。これから艇を直しにミラノへ行って来る。あのアメリカ野郎が店に来たら伝えてくれねえか「今度また会おうぜ」ってよ。
ジーナ:何よ!ひとを伝言板か何かと思ってるの!?いくら心配したってあんた達飛行艇乗りは女を桟橋の金具くらいにしか考えてないんでしょう!マルコ今にローストポークになっちゃうから…。私イヤよそんなお葬式。
ポルコ:飛ばねえ豚はただの豚だ。
ジーナ:バカ!

ピッコロ:今夜あたり着くと思って待っとったよ。
ポルコ:またやっかいになるぜ。
ピッコロ:こりゃまたひどくやられたなぁ。新造したほうが早くないかい?
ポルコ:こいつは残してぇんだ。
ピッコロ:まぁ気持ちは分かるよ。
フィオ:下がって!バックで入れるから。
ポルコ:誰だ?あのカワイコちゃんは。
ピッコロ:アメリカに行っとった孫だよ。
フィオ:わぁ…きれいな艇おじいちゃんきれいね。いいラインしてる。
ピッコロ:近頃はこんな仕事をする職人はいないよ。
ポルコ:似てねえな。
ピッコロ:ん?
ポルコ:本当にじいさんの孫なのか?
ピッコロ:手出すなよ。
ポルコ:えぇ?
ピッコロ:フィオあと頼むよ。
フィオ:うん!:やっとく。

ポルコ:相手はカーチスだあと15ノットほど欲しいんだ。
ピッコロ:カーチスか…懐かしいな。どうだい。
ポルコ:こりゃフォルゴーレじゃねえか。
ピッコロ:出どころは聞くな。1927年のシュナイダー・カップでこいつをつけたイタリア艇はカーチスに負けたんだ。だがこいつのせいじゃないメカニックがヘボだったからだ。フフフ…血が騒ぐなぁ。
ポルコ:あんまりデリケートにチューンするなよ。レースじゃねえんだからな。
ピッコロ:そういうのをなアジアじゃ「ブッダに教えを説く」っていうんだよ。
ポルコ:有り金全部持ってく気かよ。
ピッコロ:近頃はな札束が紙クズ並の値打ちしかないんだよ。ポケットの金も出しなプロペラ代と塗装費と…。

ポルコ:こいつは滞在費だぜホテル代とかメシ代とか…。
ピッコロ:ここに泊まりゃいいメシ代込みで安くしとくよ。
ポルコ:息子どもの姿が見えねえな達者なのか?
ピッコロ:3人とも出稼ぎだ。
ポルコ:じゃあ設計は誰がやるんだよ?
ピッコロ:フィオがやるよ。
ポルコ:フィオ!?さっきの娘か?
ピッコロ:年は若いがなフィオには息子どもにないものがあるよ。
ポルコ:じいさん長い付き合いだがな今度の仕事は他を当たらせてもらうぜ。
フィオ:待って!私が女だから不安なの?それとも若過ぎるから?
ポルコ:両方だよお嬢さん。
フィオ:そうね当然だわ。ん〜…ねぇいいパイロットの第1条件を教えて。経験?
ポルコ:いやインスピレーションだな。
フィオ:よかった経験だって言われなくて。ねぇおじいちゃんに聞いたんだけどあなたの単独飛行はとても早かったんですってね。その時からとても上手だったって。
ポルコ:1910年だ17歳の時だったな。
フィオ:17歳!今の私と同じ。女をやめるわけにはいかないけど…。やらせてくれない?前の図面もあるし。うまく行かなかったらお金はいらないわ。ねぇおじいちゃん。
ピッコロ:わしの孫だうまくやるさ。わしだって12歳の時にエンジンをバラしてたからな。
フィオ:今夜はここで寝て明日ベッドを作るから。朝ごはんは7時ねシャワーお湯が出るわ。タオル置いてあるからおやすみなさい。
ピッコロ:金がちっと足りないが昔のよしみだ。残りはローンにしておくよ。

フィオ:おはよう。眠れた?
ポルコ:あんた徹夜したのか?
フィオ:ラフプランだけどどうかしら?平面形はそのままにして新しい翼断面を使いたいの。これだけで5ノットぐらいは速くなるはずよ。前の図面見て驚いちゃった翼も木製モノコックだったのね。この計算書すごいわ。この翼を作った人本当に木の性質をよく知ってる。感動しちゃった。
ポルコ:こいつはなたった1艇だけ作られたんだが危なくて飛べねえってんで…倉庫でホコリをかぶってたのさ。
フイオ:やっぱり!こんな過激なセッティングでよく水から離れられるわね。
ポルコ:難しいのは離着水の時だけさ。スピードに乗れば粘りのある翼だ。翼の取り付け角を図面より0.5度増やしてくれ。あとはこのまま進めていい。
フィオ:やらせてもらえるのね!ありがとう一生懸命やるわ。
ポルコ:だがなお嬢さん1つだけ条件がある。徹夜はするな睡眠不足はいい仕事の敵だ。それに美容にも良くねえ。
フィオ:フフッ、そうするわ。あのねゆうべ胸がドキドキしちゃってとても寝ていられなかったの。ホントのこと言うとねやっぱりこの仕事任せてくれないんじゃないかって心配だったのだから嬉しい!コーヒーいれるね!
ポルコ:作るのも自分1人でやるなんて言うんじゃねえだろうな…。

ピッコロ:次は姪のモニカ製図をやる。
モニカ:よろしく。
ピッコロ:甥っこの嫁のシルヴァーナ仕上げをやる。フィオの姉ジリオラ。サンドラも来てくれたのかいいとこだ。マリエッタきれいになったね。息子の嫁達だマリアティナアンナその妹のミレッタ。
バアちゃん:ポルチェリーノ!!
ポルコ:バアちゃん!!まだお迎えが来ねえのか?
バアちゃん:ハハハ、あんたもイイ男になっちまったねぇ。
ポルコ:ハハハ…!?バアちゃん達も働くのか?
バアちゃん:ひ孫に小遣いやりたくてね
三人:アッハハハ…。
ポルコ:男が1人もいねえな。
ピッコロ:ああ…。
ポルコ:みんなおやじの一族なのか?
ピッコロ:そうだよ。ここんとこ仕事がなくてよ。男はみんな出嫁ぎに出ちまったんだよ。
ポルコ:世界恐慌ってやつか。
ピッコロ:心配するな女はいいぞよく働くし粘り強いしな。
ポルコ:パンケーキを作るんじゃねえんだからな…。
ピッコロ:天にまします我らの神よあなたは倒産寸前のわが社にパンと仕事をお与えくださいました。女の手を借りて戦闘艇を作る罪深き私どもをお許しください。
一同:アーメン。
ピッコロ:さあモリモリ食べてビシバシ働こう!

ピッコロ:いい音だ!このエンジンは当たりだぜ!どうだ。よく回るだろう。
ポルコ:いいかげんにしねえと小屋が飛んじまうぞ!
ピッコロ:ああ?カーチスなんぞ屁でもないやな!

ピッコロ:ウ〜ム確かにいいアイデアだ。
フィオ:ねっだからお願い!
ピッコロ:だがなぁ…こりゃあ高くつくぜ。もう予算オーバーの請求書がこんなになっちまったんだ。スポンサーがなぁ…。
フィオ:ポルコ…。
ポルコ:分かったそんな目でひとを見るな。好きにやれよ。
フィオ:やったぁ!工場とは話がついてるのすぐ発注するね。ポルコ大好き!
ピッコロ:3か月は何とか待つよ。
ポルコ:空賊にでも転職するか。
ピッコロ:いい子だろう。
ポルコ:ああ。
ピッコロ:手、出すなよ。
ポルコ:尻の毛まで抜かれて鼻血も出ねえや。

ポルコ:少佐か出世したなフェラーリン。
フェラーリン:バカが何で戻って来たんだ。
ポルコ:行きたい所はどこへでも行くさ。
フェラーリン:今度は当局も見逃さないぞ。尾行されなかったか?
ポルコ:まいてやったよ。
フェラーリン:お前には反国家非協力罪密出入国退廃思想ハレンチで怠惰な豚でいる罪ワイセツ物陳列で逮捕状が出される。
ポルコ:ハハハハ…。
フェラーリン:バカ野郎笑ってる時か!お前の戦闘艇も没収すると言ってるぞ。
ポルコ:ひでぇ映画じゃねえか。
フェラーリン:なぁマルコ空軍に戻れよ今なら俺達の力で何とかする。
ポルコ:ファシストになるより豚のほうがマシさ。
フェラーリン:冒険飛行家の時代は終わっちまったんだ。国家とか民族とかくだらないスポンサーをしょって飛ぶしかないんだよ。
ポルコ:俺は俺の稼ぎでしか飛ばねえよ。
フェラーリン:飛んだところで豚は豚だぜ。
ポルコ:ありがとうよフェラーリンみんなによろしくな。
フェラーリン:いい映画じゃないか。気をつけろ、奴らは豚を裁判にかける気はないぞ。
ポルコ:ああ。
フェラーリン:あばよ戦友。

フィオ:ポルコ乗ってく?
ポルコ:いや〜助かったぜ。
フィオ:明日艇を湖に運ぶんで借りて来たの。いよいよテスト飛行だわ。
ポルコ:テストは抜きだすぐ飛ばなきゃならねえ。
フィオ:バカなこと言わないで!テストもしないで引き渡せやしないわ!それに一度バラして湖に運ぶだけで一日かかるもの。
ポルコ:時間がねえんだそこの窓から後ろを見てみなそっとだ。ファシストの秘密警察だよ。フィオをつけていたのさ。
フィオ:私を?なぜ?
ポルコ:俺が尾行をまいちまったからな。それにフィオは俺の飛行艇をいじってるからだ。
フィオ:ねぇポルコって本当はスパイなの?
ポルコ:ハハハハハ!俺がスパイかハハハ…。スパイなんてものはなもっと勤勉な野郎がやることさ。
フィオ:でも戦争の時は英雄だったんでしょう?だっておかしいわよ何もしてないなら。
ポルコ:俺もそう思うぜ!おっと!こっちの道じゃねえ。
フィオ:何もしてないってわけじゃなさそうね。
ポルコ:さあ忙しくなるぜ。

ピッコロ:いつでも飛べるよ。
バアちゃん:裏にも2人隠れてるでね表は3人だ。何かワクワクする…。
ピッコロ:バアちゃんあんまりウロウロするなよ。
ポルコ:…!?
フィオ:いってきます。
フィオの姉:気をつけて。
フィオ:ありがと。
ポルコ:フィオ!何のまねだ!
フィオ:私も行くの乗る所作るから5分待って。
ポルコ:冗談じゃねえ!お前何を言ってるのか分かってるのか!
フィオ:シッ!大きな声出しちゃダメよ。
ポルコ:フィオあのな…。お前はカタギの娘なんだぞしかも嫁入り前の身だそれを…。
フィオ:そっち持ってくれる?ありがとう。大急ぎで作ったのほら!ピッタリ!そっち押さえてくれる?
ポルコ:お嬢さんよ俺は凶状持ちの賞金稼ぎだぞ。遊覧飛行に行くんじゃねえんだ!
フィオ:ごめんなさい。でも初めての仕事だからきちんとやりたいの。一度飛んでから手直ししなきゃ。
ポルコ:だがな裏のドブ川から飛ぶんだぞ。無事に飛び立てるかどうかも分からねえんだ。
フィオ:だからなおのことよ。それにカーチスとやり合うならちゃんとした整備士がいるでしょう?
ポルコ:あのな俺は男だ。2人きりで無人島で野宿するんだぞ。
フィオ:平気よ私野宿好きだもの。
ポルコ:そういうことじゃねえ!!
ピッコロ:連れてけよ。カーチスに勝ってもらわないと払いが残ってるからなぁ。未払いになるとわが社は破産だからよ。
ポルコ:てめぇそれでも祖父か?
ピッコロ:給料はまけとくよ。それにほれ、伝声管も付けるぞ。
ポルコ:よっぽど孫をお尋ね者にしたいんだな。
フィオ:ううん私はポルコの人質になるの。それで工場のみんなは仕方なく協力したことにすれば当局に言い訳がたつでしょう?だからお願い連れてって役に立つから。
ポルコ:右側の機関銃を外しな。
フィオ:えっ?
ポルコ:いくら小さな尻でも機関銃の間は狭過ぎだ。1挺降ろすんだ。
フィオ:よかった!私のお尻見かけより大きいの。1分で外すね!
ポルコ:すぐ出発だ。まごまごしてるとバアちゃんまでついて来そうだからな。
ピッコロ:そうか!その手もあったなウフフフ…。
女:バアちゃん早く早く!
バアちゃん:フィオお土産はいいからね。
ピッコロ:コンタクト!開けろ〜!
ポルコ:離せ!!
ピッコロと女達:人さらい〜!金払え〜!

フィオ:舵はどう?ポルコ!?
ポルコ:お前そっくりのジャジャ馬だ一段と過激になりやがった!
フィオ:一度止めて!セッティングを変えるわ!
ポルコ:そんな暇はねえ!何とか持ち上げてみせらぁ!水がへばりつきやがるぜ。
フィオ:前から船!!
ポルコ:飛ぶぞ!戻れジャジャ馬!
フィオ:エルロンが水で叩かれてる!タブを使って!
ポルコ:タブ?
フィオ:新しく付けたやつ。早く!!
ポルコ:いいぞ急に素直になりやがった。

フィオ:きれい…世界って本当にきれい。追っ手かしら?
ポルコ:攻撃にしちゃ様子が違う。こりゃとんだイタリア空軍のお出ましだぜ。フェラーリンの野郞だな。
フィオ:知り合い?
ポルコ:この先で空軍が網を張ってる抜け道を教えてくれるとよ。このまま低空でアドリア海へ抜けろと言ってる。ありがとうよ戦友!
フィオ:ありがとう!
ポルコ:あの野郎フィオを見て豚に真珠だと言いやがった。

 

カーチス:美しい。
ジーナ:!?
カーチス:まさに秘密の花園に咲く1輪のバラ。
ジーナ:いけない人ここはプライベートな庭よ。
カーチス:どうしてもこれを見てほしくてね。
ジーナ:まあハリウッドからね。貴殿の送付されたシナリオの映画化と出演について…
カーチス:前向きに検討中につき至急連絡されたし。題名は『アドリア海の花束』っていうんだ。
ジーナ:すてきじゃない。
カーチス:本当?じゃ決まりだな。ジーナ一緒にハリウッドへ行こう。空賊の用心棒なぞ金と名声のほんのワンステップさ。次はハリウッドの大スターだ。
ジーナ:その次は?
カーチス:大統領!
ジーナ:アッハハハハハ
カーチス:俺はマジだぜ!ジーナを必ず大統領夫人にしてみせる!ジーナ!
ジーナ:私あなたのそういうバカっぽいところ好き。
カーチス:ホント!?
ジーナ:でもダメ、私今賭けをしてるから。
カーチス:……?
ジーナ:私がこの庭にいる時その人が訪ねて来たら今度こそ愛そうって賭けしてるの。でもそのバカ夜のお店にしか来ないわ。日差しの中へはちっとも出て来ない。
カーチス:あの野郎戻って来やがった。
ジーナ:バカ…。降りないで行ってしまったわまた賭けに負けちゃった。
カーチス:まさか…賭けってあの野郎のことなのか!?
ジーナ:いけない?ここではあなたのお国より人生がもうちょっと複雑なの。恋だったらいつでもできるけど…。ハリウッドへはボク1人だけで行きなさいね。
カーチス:ボ…ボク…。

フィオ:急にアクロバットするんだもの頭をぶつけちゃった。
ポルコ:古いなじみに挨拶したんだ。
フィオ:ホテル・アドリアーノジーナさん?さっきテラスにいた白い服の人ね。おじいちゃんが教えてくれたの。アドリア海飛行艇乗りはみんなジーナに恋をするんだって。
ポルコ:じじい、よけいなことを……。
フィオ:ねぇジーナさんてどんな人?ポルコも恋したの?
ポルコ:給油に降りるぞ、おしゃべりをやめねえと舌かむからな。
フィオ:わっ待って!あ〜っ!

 

給油の少年:戦闘艇に女の子が乗ってらぁ。
フィオ:ポルコは?
給油の少年:父ちゃんと難しい話をしてるよ。

 

居酒屋の親父:臨時政府だけじゃねえよ王党派の連中までがよ空賊連合を抱き込もうって動いてるって話だぜ。
空賊狩りやっても今日びは一文にもなりゃしねえよ。よ。
おかみさん:出来たよ。
ポルコ:すまねぇ。
おかみ:やだねぇ不景気な話ばかりで。
年寄りA:何だポルコもどっちかへ売り込んだらいいんだよ。
A:あんたの腕なら、いい金出すだろうに。
B:タバコあるか。
A:カーチスなんかじきアメリカに帰ぇっちまうさ。
親父:アメリカに行かなきゃならねえのは俺達のほうだよ。
ポルコ:「さらばアドリア海の自由と放埓の日々よ」ってわけだ。
A:それバイロンかい?
ポルコ:いや、俺だよ。またな。
親父:まいど。
フィオ:ポルコひどいのよ。ガソリンがイタリアの3倍だってメチャクチャよ。足元見ないでまけなさいよ。
給油の少年:うちのは混ぜものなしなんだよだから女はイヤなんだ。だんな何とか言ってよ。
ポルコ:払ってやれよフィオ。済んだらその見かけより大きな尻を機関銃の隙間にしまってくれ。アジトに飛ぶぜ。
フィオ:ちゃんとガス代も請求書に入れときますからね。
ポルコ:ぼってるんじゃねぇ。もちつもたれつなんだよ。海も陸も見かけはいいがなこの辺りはスッカラカンなのさ。
フィオ:ふ〜ん。
ポルコ:見えたぜ、あの島だ。
フィオ:わあ…。きれい。すてきなアジトね。あ〜〜!お尻がゴワゴワになっちゃった。
ポルコ:!
フィオ:!
空賊共:ブタ〜っ!!
一同:動くな〜!
ポルコ:また汚ねぇのがたくさん出て来やがったな。
子分B:ボス!捕まえましたよボス!
ボス:クソ〜ひとを踏みつぶしやがって。どけ〜!待っていたぞ豚野郎。
ボスA:お前が来るのは分かってたんだ…。
ボス:てめえにはたっぷり借りがあるんだ。
ボスC:あ〜っ!女の子だぞ女の子乗せてんだ。
ボスF:かわいい。
ボス:うるせぇ!女がどうした世界の半分は女だ。
ポルコ:おい、その子はただの娘じゃねえ、ピッコロ社の設計主任だ。
一同:え〜っ!
ボスC:こんなに若くてかわいいのに…。
ボスF:女だぞ本当か?
ポルコ:俺の艇を前よりずっといい艇にしたんだ。若いがいい腕してるぜ。
一同:オーッ。
フィオ:本当?ポルコ。
ポルコ:飛行艇についてはウソはつかねえ。丁重に扱えよ借金取りについて来ちまったんだからな。
ボス:ガハハハ!てめぇもローン持ちかザマ〜みろ!やい!やい!こいつのハレンチで真っ赤っかの艇をローンだけ残してぶち壊してしまえ!
フィオ:壊すって私が作った艇を壊す気?あんなきれいな艇を斧で壊すっていうの?
ボスF:お嬢さんこれには深い訳があるんだ。
フィオ:壞すのね。
ボスF:だからその……。
フィオ:あなた達それでも飛行艇乗りなの?どいて私の靴。私ね小さい時から飛行艇乗りの話を聞いて育って来たの。飛行艇乗りの連中ほど気持ちのいい男達はいないっておじいちゃんはいつも言ってたわ。それは海と空の両方が奴らの心を洗うからだって。だから飛行艇乗りは船乗りよりも勇敢で陸の飛行機乗りより誇り高いんだって。
男共:そうだそうだ!
ボス:言われるまでもねえそれが飛行艇乗りってもんよ。
フィオ:彼らの一番大事なものは金でも女でもない名誉だって。
男共:そうだ!その通りだ!ねえちゃんいいぞ!飛行艇乗り万歳!
ポルコ:とんでもねぇ娘だぜ。
ボス:話しは判った。あんたの作った飛行艇を斧で壊すのはやめた。だがこのまま引き下がっては空賊の名誉が守れねえ!豚をミンチにしてやるぜ!
男共:そうだ!豚野郎を叩き割れ!
フィオ:何をトンカチなこと言ってるの!ちっとも分かってないじゃない!あなた達恥ずかしくないのかって言ってるの!アメリカのカーチスに助けられてよく平気ね。お母さんが聞いたらきっと泣くわ何よお風呂にも入らないで!ポルコはアドリア海飛行艇乗りの名誉と誇りのためにカーチスと1対1の対決をしにここへ戻って来たのよ!意地も見栄もない男なんて最低よ堂々と戦いなさい!
ボスF:だからわしはカーチスを雇うの反対したろ。
ボスC:女々しい野郎だぜ、すぐ逃げをうちやがって。
子分B:ボスどうします?
子分C:説得力はありますね。
ボスA:ここはひとつ両方の顔を立ててだな、カーチス野郎に頼んでみるか。
ボスD:もう1回豚と勝負してくれって言うのか?
ボスA:契約切れてたんだよな。
ボス:オレは恥ずかしい。
カーチス:ハハハハハ…ハハハハハ…!
空賊:カーチスの野郎だ!
カーチス:話は聞いた!俺は逃げも隠れもしないぜ!
ポルコ:バカ野郎どもがあんな所に道を作っちまいやがって…。
空賊共:お〜っ!
ポルコ:おい預かっとれ。
カーチス:要するにリターンマッチをしたいんだろう?だがな一度はついた勝負だ。それに俺はもうこの連中の用心棒じゃねえ。
フィオ:タダじゃやらないってこと?条件は?
カーチス:ん?美しい…。俺が勝ったら俺と結婚するか?
ポルコ:!!!!
カーチス:俺はマジだぜ。
フィオ:分かったわ。その代わりポルコが勝ったらこの請求書はあなたが払うのよ。
ポルコ:待てフィオ!
ボス:てめぇはすっ込んでろ!フィオさん取り消すなら今のうちですよ。
フィオ:聞くならこの人に聞いて。
カーチス:ちっと高いぜ。この請求書…。
フィオ:格安よ。
ボス:やるのか、やらないのか!
カーチス:愛する者のためだ喜んで戦うぜ。
ボス:よ〜し。みんな聞け〜!俺はフィオ嬢の心意気に惚れた!この決闘はわがマンマユート団が取り仕切るぞ!
ボスA:空賊連合にもかませろ!
ポルコ:フ〜っ。
男共:フィオさ〜ん待ってますよ〜!またお会いしましょう!
ポルコ:クソッタレめ!
男達:豚野郎!逃げるなよ〜!
ポルコ:うるせぇ!さっさとうせろ〜!
ボス:あばよっ!
ポルコ:まったく妙なことになっちまったぜ。大体お前はな…!
フィオ:怒らないで!自分でもバカだって分かってる。
ポルコ:フィオ…。どうやら礼を言わなきゃならねえらしいな。お前がチャンスをくれたんだ。ありがとうよ俺達は運命共同体ってわけだ。
フィオ:パートナーってわけね。
ポルコ:勝負は五分五分だぞ。
フィオ:私、ポルコを信じてる!
ポルコ:「信じる」か…大嫌いな言葉だがお前が言うと違って聞こえて来るぜ。どうしたんだ?具合でも悪いのか?フィオ。
フィオ:大丈夫…。今になって急に胸がドキドキして苦しくなっちゃった…。ホントはとっても怖かったの…。困っちゃった膝がガクガクするんだもん。
ポルコ:お…おい…。
フィオ:私泳ぐ!ポルコ大失敗!
ポルコ:どうした!?
フィオ:さっきの請求書水増ししとけばよかった!損しちゃった〜!
ポルコ:ハハハハハ!違ぇねえハハハハハ…。

フィオ:ポルコ…。
ポルコ:ん…?眠れねえのか?
フィオ:今ね…!夢だったのかしら…。
ポルコ:安心して寝ろよ明日は早えぇぞ。
フィオ:ポルコ。
ポルコ:ああ。
フィオ:ポルコはどうして豚になっちゃったの?
ポルコ:さあてね…。
フィオ:私マルコ・パゴット大尉のことたくさん知ってるの。父が同じ部隊だったでしょう?大尉が嵐の海に降りて敵のパイロットを助けた時の話大好きで何度も聞いたわ。ポルコ私がキスしてみようか。
ポルコ:えっ!?
フィオ:ほら!カエルになった王子様がお姫様のキッスで人間に戻るって話あるじゃない。
ポルコ:バカ野郎!そういうものは一番大事な時にとっとけ!
フィオ:私じゃダメかな…。
ポルコ:ヘヘ…おめぇはいい子だフィオを見てるとな人間も捨てたもんじゃねえってそう思えて来るぜ。さあいい子だから寝てくれ。
フィオ:何かお話して、そしたら寢るから。
ポルコ:お話…?そうだなぁ…。あれは戦争の最後の夏だった。俺達はいつものパトロールにイストリアを目指してアドリア海へ出たんだ。
ポルコ:俺の横をベルリーニの奴が飛んでいた。
古い仲間でなやっこさん2日前に結婚したばかりだったよ。
俺が立会人になって式を挙げたんだが休暇が足りなくてその足で戦場へとんぼ返りしたんだ。
周り中敵も味方もハエのように墜ちて行った。
俺は手練れの3機に追い回されてな。
仲間に気を配る暇もなかった。
そのうちに味方は俺だけになっちまった。
それでも奴らはやめねえんだ死に物狂いで逃げ回ったよ。
手も足もしびれて来て目までくらんで来やがってな。
もうダメだって思った。
その時だ突然目の前が真っ白になっちまった。
フィオ:真っ白?
ポルコ:ああ光の中と言ったほうがいい。妙に明るいんで雲の中だと気がつくまでに随分時間がかかったよ。俺は疲れきっていて操縦する気力も残っていなかった。それなのに艇は勝手に飛んで行くんだ。
フィオ:雲の平原…。
ポルコ:ああ…。やけに静かでな空が本当にきれいなんだ。ず〜っと高い所を不思議な雲がひと筋流れていてな。
ポルコ:ベルリーニ!無事だったのか!ベルリーニ待て!どこへ行く!ベルリーニ!行くな!ジーナをどうする気だ!俺が代わりに行く!
ポルコ:気がついたら海面スレスレを俺だけ1人で飛んでいた。
フィオ:神様が「まだ来るな」って言ったのね。
ポルコ:フッ…俺には「お前はずっとそうして1人で飛んでいろ」…って言われた気がしたがね。
フィオ:そんなはずはないわ!ポルコはいい人だもの!
ポルコ:いい奴は死んだ奴らさ。それにあそこは地獄かもしれねえ。さあお話は終わりだ寝てくれ。ジャンク屋の野郎サビ弾丸よこしやがって…。
フィオ:私ポルコが生きて帰って来てくれて嬉しい。私ポルコ好きだもの。おやすみ!!

アイスクリーム屋:アイス、アイスクリームはいかが?
男A:男ならドンとはれい!ドドーンとはってみろー!
男C:さあさあ、豚が勝つか、カーチスが勝つか。
男D:空賊連合公認のトトカルチョだよ!
ポルコ:バカどもがお祭り騒ぎにしちまいやがって…。
フィオ:この人達みんな空賊なの?
ポルコ:ギャング海賊密輸団スパイに私服…。カタギもちっとは交じってるかな。
カーチス:ヘヘヘ…これで俺の名声がますます上がるってもんよ。
アナウンス:スタート10分前!スタート10分前!
ボス:これよりポルコ・ロッソ対ドナルド・カーチスの決闘を始める!ルールは特にねえ。しかし卑劣なまねをした奴は永久に軽蔑されるであろう。
群衆:能書きはいい。早くしろー!ひっこめ!演説を聞きに来たんじゃねえぞ!
ボス:黙れ〜!グズグズ言う奴はぶち殺すぞ!
ポルコ:10トン爆弾でも投げりゃあいいんだ。
ボス:俺達の敬愛するフィオ・ピッコロ嬢の運命が決まる決闘だグジャグジャ言わせねえぞ!分かったか?分かったら拍手しろ拍手!
男共:パチパチ:パチパチ:パチパチ
ポルコ:さっさと始めようぜ。
ボス:ウルセエな。ケジメだよ。ケジメ。では双方賭け金を出せ。どうぞ。
フィオ:ありがとう。
ボス:さっさと置けよ!双方文句はねえな?では始める前に握手でもしな。
ポルコ:イヤなこった俺はきれい好きなんだ。
ボス:チェっ!愛想のねえ野郎だぜ。
カーチス:フィオ、終わったらすぐ教会に行くからな。心配するな、おふくろの話じゃ惚れるより慣れだってよ。
ボスC:お写真をご一緒に…。
その他:風呂に入って来ました!
ふとったやつ:皆さんニッコリして!
ボス:笑え〜!
ふとったやつ:ハイ!

ボスE:さあさあ、時間がないよ。
ボスF:3分で勝負がつけば黒有利!
ボスA:すげぇぞ!毎月これをやってくれねえかなぁ。
アナウンス:発進15秒前!
子分A:かっこいいですね。:
ボス:ウーム。
アナウンス:5秒前。
アナウンス:4
アナウンス:3
アナウンス:2
アナウンス:1
アナウンス:0
ボス:カーチスが上をとった!こりゃあ一方的な展開になって来たぞ。
フィオ:貸して!ポルコ何してるの!高度をとって〜!
ボス:今頭を上げるともろに弾丸をくうぞ水面スレスレのほうが撃ちにくいんだ。
カーチス:ムダ弾丸撃たせようったってその手にはのらねえぞ。
ボス:ひねりこみだ!!ブタが後ろをとった!
フィオ:ひねりこみ!?
ボス:豚はあの技でアドリア海のエースになったんだ。
カーチス:クソッ。
ボス:撃つぞ!
男A:撃たねえぞ!
男BとC:機関銃の故障か?
女:どうしたのかしら?
ボス:読めたぞあの野郎最後まで撃たねえつもりなんだ。
フィオ:えっ?
ボス:豚は殺しはやらねえんだ。今はアメリカ野郎がピンピンしてるだろ?そこだ!撃て!やっぱり撃たねえなっ!俺の言った通りさ。今撃つとアメリカ野郎にも当たっちまうからな相手がよれておとなしくなってからエンジンに2〜3発当ててケリをつける気なんだよ。戦争じゃねえとか何とかキザでイヤな野郎だぜ。
フィオ:ポルコ…。
カーチス:てめぇおちょくる気か!撃って来い!さてはマシンガンがイカレやがったなザマ〜みろ!
ボスC:こっちへ来るぞ!
カーチス:ナメやがって…しっかりついて来い豚野郎!
アナウンス:こっちに来るな〜!ウワーッ!
ボス:豚をひっぺがした!
アナウンス:下りろ〜!わ〜っ!
群衆:キャ〜!
ボスA:向こうでやれ〜!
ボス:すげぇ!豚が雲をひいた!
ボスA:こんな空中戦一生に一度しかお目にかかれねえぞ。
ボスB:俺感動しちゃった!

アドリアーノパイロット:せっかく用意したのに早くしないと終わっちゃうぜ。
棧橋係:それがお部屋に入ったきりなんだよ。
アドリアーノパイロット:行くのかな行かないのかなぁ…俺だって見たいのに。
フェラーリン:「ハートのGへ豚へ連絡請う。空軍がかぎつけたバカ騒ぎをやめろ」。
ジーナ:「F」…フェラーリンだわ。急がなきゃ。

子分A:それにしても、二人ともタフですね!:
ボス:まだまだ、これからよ。
フィオ:ポルコ〜!頑張って〜!
ポルコ:クッ…!
カーチス:うぬぬ…豚野郎が…!
ポルコ:てめぇなんかにフィオをやれるか!
ボス:お〜し豚が後ろをとったぞフィナーレだ!
ポルコ:あれっ?目詰まり起こしやがった。
カーチス:フィニッシュだ!あれっ?あれっ?詰まりやがったか!
ポルコ:バカ野郎おめぇのほうは弾丸切れだ!いけね折れちまいやがったフィオの尻のせいだ。
カーチス:引き分けなんかにしねえからな!
ポルコ:ハハハ!西部劇じゃねえんだそんなもの当たるかよ。てめぇ!
カーチス:ハハハ!そんなものが届くか。ハイヨー。シルバー。
ポルコ:ワッハハハ。
カーチス:このクサレ豚!
ポルコ:ハハハ…。届くものかあ痛っ!
カーチス:ワッハハハ。
ポルコ:このチキン野郎!
カーチス:やりやがったな!
ポルコ:何が愛のためだ。
カーチス:黙れイモ豚!
ボス:何だか様子が変だぞ。
フィオ:あっ降りて来る!戻って来た!
ボス:待ちな!景品がいなくなっちゃダメだよ。しょうがねえな…待てよてめぇら!
カーチス:食い過ぎの豚め!
ポルコ:カウボーイ野郎が!
カーチス:ゲンコツで来い!
ポルコ:牛の所へ帰れ!
フィオ:ああっ!ポルコ頑張って!
カーチス:わっ!てめぇ汚ねぇ…!
ポルコ:この〜!
ポルコ:ブァッ、ブァッ、ブァッ
ボス:アッパー!アッパー!ブロック!ブロックブロック!
ボスA:いいぞいいぞ〜!賭けだ賭けができる!連合が胴元になるぞ!
ボスB:ゴングはねえかゴング!

ジーナ:もっとスピード出ない?
パイロット:無理です、エンジンが燃えちまう。
ジーナ:ホントに飛行艇乗りってみんなバカなんだから!

ポルコ:フィオ今の俺のパンチ見たか…。
カーチス:次の回でケリをつけてやるぜ。
ポルコ:今度こそおねんねさせてやる…。
フィオ:ポルコしっかり!頑張って!
カーチス:ノシ豚にしてやるぜ!来い!色魔野郎!
ポルコ:色魔はてめぇだ!手当たり次第に口説きやがって…。
カーチス:てめぇこそ!ジーナかフィオかどっちかにしろ!
ポルコ:何だぁ!?
カーチス:独り占めするな!ジーナはなぁ…!
ポルコ:ジージーナと気やすく呼ぶな!
カーチス:ジーナはてめぇに惚れてんだ〜!
ポルコ:ああ?
カーチス:彼女はおめぇが来るのをなぁ…。ず〜っと庭で…。待ってんだぞ〜!
フィオ:ポルコ!!
ボス:ゴングだァ!!
觀客:カウントとれよ!だってほら見ろよ!

ジーナ:見えた!イタリア軍はまだ来てないわ。

ポルコ:汚ねぇデマ飛ばしやがって…。
カーチス:分かんねえなこのバカが…。デマじゃねえっつうのに!
ポルコ:フィオはやらねえ!
ボス:ジーナの艇だ!!
フィオ:救難信号だわ!
ボスC:ワン!ツー!
ボス:先に立ったほうが勝ちだぞ!
ジーナ:みんな道を空けてちょうだい。
ボスC:ファイブシックス!セブン!ジーナだめだよ。エーイト!
ジーナ:マルコ!マルコ聞いてる?あなたもう1人女の子を不幸にする気なの?
ボスC:ナイン!
ボス:やった〜!
フィオ:ポルコ〜!
観衆:ワアアアアアアーッ。
フィオ:ポルコありがとう!
ポルコ:な〜に軽いもんよ。
ジーナ:さあお祭りは終わり!イタリア空軍がここへ向かってるわ。みんな早く逃げてちょうだい。その代わり私のお店に来てうんとサービスするから。
ボス:野郎ども引き揚げだ!
ジーナ:終わったのよ。
子分A:親分はやく!はやくー!:
ボス:うるせぇ!ケジメだケジメ!豚は嫌ぇだがあんたは好きだ。いい飛行艇屋になりなあばよ!
フィオ:ありがとう!時々お風呂に入ってね!ありがとうあなたもミスター・カーチス。
カーチス:次は賭けじゃなくて正式に申し込みに行くぜ。
フィオ:いいわ!でも私もう決めたから。
ポルコ:お前はジーナの艇に乗るんだ。
フィオ:イヤよイヤ!ポルコの艇に乗る!パートナーだって言ったじゃない!あ〜っ!
ポルコ:ジーナこいつをカタギの世界へ戻してやってくれ。
ジーナ:ずるい人…いつもそうするのね。
ポルコ:すまねぇ…。行ってくれ。
ジーナ:出して。
カーチス:イタリア空軍のお出ましだ。
ポルコ:手伝うか?奴らをよそに引っ張って行くんだ。
カーチス:ああっ!おめぇその顔!待てよおい!顔見せろって!
ポルコ:お前の艇はそっちだろ!
カーチス:ちょっとだけ!

フィオ:イタリア空軍の出動が空振りに終わって私がミラノに帰る日が来てもポルコは姿を見せてくれなかった。でもその代わりに私はジーナさんととてもいい友達になった。あれから何度も大きな戦争や動乱があったけれど、その友情は今も続いている。ピッコロ社を継いだ後も、夏の休暇をホテル・アドリアーノで過ごすのは私の大切な決まり。ジーナさんはますますきれいになって行くし、古いなじみも通って来る。そうそう、まだ大統領にはなってないけど、ミスター・カーチスも時々手紙をくれる。あのアドリア海の夏が懐かしいって。
ジーナさんの賭けがどうなったかは私達だけの秘密…。


END

 

風の谷のナウシカ 全セリフ スタジオジブリ

風の谷のナウシカ 全セリフ スタジオジブリ

風の谷のナウシカ 全セリフ スタジオジブリ

風の谷のナウシカ 全セリフ スタジオジブリ

風の谷のナウシカ 全セリフ スタジオジブリ

 

 

風の谷のナウシカ 全セリフ スタジオジブリ


ユパ:また村が1つ死んだ。行こう、ここもじき腐海に沈む。

ナウシカ:あっ…。王蟲の道。まだ新しい。あっ!王蟲の抜け殻…。すごい…。完全な抜け殻なんて初めて。フフ…いい音。ああっ…。
ウフフ…セラミック刀が欠けちゃった。谷の人が喜ぶわ。
道具づくりの材料にず〜っと困らなくてすむもの。すごい目。
これ1つなら持って飛べるかな。あっ取れた。
わ〜何て軽いんだろ!ウフフフ…。ムシゴヤシが午後の胞子を飛ばしている。
きれい…。マスクをしなければ5分で肺が腐ってしまう死の森なのに…。
ん?誰?何かしら?胸がドキドキする。あっ!蟲封じの銃だ!誰かが蟲に襲われてる!
あっごめん!
あそこだ。すごい胞子の煙。王蟲!きっとあの抜け殻の主だわ。あっちに逃げてはダメだ。気がついて。応えた!こっちへ来る!
あの人は…!何て立派な王蟲
風上へ!

ユパ:すまん!

ナウシカ王蟲森へお帰り!この先はお前の世界じゃないのよ!ねぇいい子だから!
怒りにわれを忘れてる静めなきゃ。

ユパ:閃光で王蟲が目を回した。蟲笛…。
ナウシカ王蟲目を覚まして!森へ帰ろう。
ユパ:おおっ!王蟲が森へ帰って行く。光弾と蟲笛だけで王蟲を静めてしまうとは…。

ナウシカ:ユパ様!
ユパ:おおっ!ハハハ…。アハハハ!ナウシカ見間違えたぞ。
ナウシカ:1年半ぶりですもの父が喜びます。
ユパ:礼を言わねばならんよい風使いになったな。
ナウシカ:いいえ父はまだまだだって。
ユパ:ん?そうそうこいつのことをすっかり忘れておった。
ナウシカ:まあキツネリス!私初めて!
ユパ:こいつが羽虫にさらわれたのを人の子と間違えてなつい銃を使ってしまったのだ。
ナウシカ:それであんなに王蟲が怒ったのね。
ユパ:気絶しておったので毒を吸わなかったようだ。いや〜手は出さんほうがいいチビでも凶暴だ。
ナウシカ:おいで。さぁ。
ユパ:おっおい。
ナウシカ:ほら怖くない。怖くない。うっ…!ほらね怖くない。ねっ?おびえていただけなんだよね。ウフっ!フフフフ…。ユパ様このコ私にくださいな。
ユパ:ああ…構わんが。
ナウシカ:わぁありがとう! カイにクイ私を覚えてる?
ユパ:不思議な力だ。
ナウシカ:ウフフ…疲れたでしょいっぱい走って。ウフフフ…。
ユパ:皆に変わりはないかな?どうした?
ナウシカ:父が…。父はもう飛べません。
ユパ:ジルが?森の毒がもうそんなに…。
ナウシカ:はい。腐海のほとりに生きる者の定めとか…。
ユパ:もっと早くに訪れるべきであった。
ナウシカ:いいえ。本当によく来てくださいました。先生後でぜひ見ていただきたいものがあるんです。私の秘密の部屋。
ユパ:ほぉ〜。
ナウシカ:みんなには内緒怖がるといけないから。私先に知らせに行きます。先生も急いで!ユパ様!これ運んでくださる?気流が乱れてうまく飛べないの。
ユパ:ハハハ…それにしてもよく風を読む。さぁもう少しだ。

ゴル:おぉ〜ユパ様!
ムズ:ようこそ!
ユパ:皆も息災か?
ゴル:ハハハ…水も風も滞りなく穏やかです。
谷の人々:ユパ様!
ユパ:あぁみんな元気だね。
谷の人:あぁユパ様だ!お待ち申しておりましたユパ様!ユパ様がお帰りになったんだ!
ミト:姫様お着きになりましたぞ。
ナウシカ:もうちょっと。
ミト:ユパ様〜!
ユパ:ミトおじ、精が出るな。
ミト:今宵はまた異国の話を聞かしてくだされ!
ナウシカ:いいわ回して。
ミト:いいようですな。
ナウシカ:うん。

ゴル:おぉ本当によい品じゃ。早速明日にでも人手を繰り出して取りに行かねばな。
ナウシカ:さぁ、トエト。
トエト:ええ。
ナウシカ:ユパ様、今年生まれたトエトの子です。
ユパ:おぉどれどれ…。おぉよい子だ幼い頃のナウシカを思い出す。
トエト:どうかこの子の名づけ親になってくださいませ。いつもいい風がその子に吹きますように。
ユパ:引き受けようよい名を贈らせてもらうよ。
トエト:ありがとう。どうか姫様のように丈夫に育ちますように。
ミト:うむ丈夫というなら姫様は折り紙つきじゃ。だが腐海遊びまで似ると困るぞ。
ナウシカ:でもおかげで王蟲の殻を見つけたのよ。
ミト:しかしだ城オジのわしの身になってみろ。心配でオチオチしておれんわい。
ゴル:ハハハ…王蟲の殻となりゃ姫様の腐海遊びもムダとは言えんのう。
ユパ:そうともわしもそれで助けられたのだからな。
みんな:ハハハハ…。

子供たち:わ〜い!アハハハ!
ユパ&ジル:ハハハ…。
ジル:負うた子に助けられたか。
ユパ:この谷はいつ来ても心が和む。
ジル:今度の旅はどうじゃった?
ユパ:う〜ん…ひどいものだ。南でまた2つの国が腐海にのまれてしまった。腐海は着実に広がっている。なのにどこへ行っても戦に飢え不吉な影ばかりだなぜこの谷のように暮らせぬのか…。
大ババ:ここは海から吹く風様に守られておるからのう。腐海の毒も谷へは届かぬ。
ユパ:どうだユパそろそろこの谷に腰を据えぬか?わしはこのザマだ皆も喜ぶが。
大ババ:フフフ…ムダじゃよ。ユパは探し続けるよう定められた男じゃ。
定めか…。
ナウシカ:大ババ様探すってな〜に?
大ババ:おや!ナウシカは知らなかったのかい?ほれあの壁の旗にあるじゃろうわしにはもう見えぬが左の隅にいるお方じゃよ。
「その者青き衣をまといて金色の野に降り立つべし。失われし大地との絆を結び…」。
「ついに人々を青き清浄の地に導かん」。
ナウシカ:ユパ様私古い言い伝えだとばかり思ってました。
ユパ:ババ様からかわれては困る。
大ババ:同じことじゃろうが。
ユパ:私はただ腐海の謎を解きたいと願っているだけだよ。我々人間はこのまま腐海にのまれて滅びるよう定められた種族なのか、それを見極めたいのだ。
ナウシカ:私にユパ様のお手伝いができればいいのに…。

ミト:姫様…姫様。
ナウシカ:何?ミト。
ミト:ゴルが風がにおうと言うとります・もうすぐ夜明けねすぐ行くわ。

老人:ご苦労さん。
ゴル:いい嵐なんじゃがどうもおかしい。
ナウシカ:ハッ!あそこ!ほらまた。船だわ。
ミト:なぜこのような辺境に船が…。
ユパ:何事かね?
ミト:ユパ様船です。船?
ナウシカ:来るわ!
ミト:大きい!うお〜!あ…。
ユパ:トルメキアの大型船だ。
ナウシカ:飛び方がおかしい。不時着しようとしている。ゴル上げて!えっ!?姫様ムチャじゃ!海岸に誘導する。
ユパ:回って来たぞ。
ゴル:え〜い行きますぞ!
ナウシカ:テト。

ナウシカあっ!何てことを!腐海に降りて蟲を殺したんだわ!ハッ!舵を引け〜!ぶつかるぞ〜!舵を引け〜!舵を〜!あっ!
ミト:落ちた!姫様…。
ゴル:海際の崖だ!
ミト:行こう!動ける者はみんな出ろ〜!
早くしろ〜!
ナウシカ:あのコだわ!生きてる!あっ!
ラステル:あ…ここは…?
ナウシカ:風の谷よしゃべってはダメ。あっ!
ラステル:私は…うっ!うぅ…!ペジテのラステル…。積み荷を…積み荷を燃やして…。積み荷?お願い…燃やして…。
ナウシカ:積み荷ね分かった。大丈夫みんな燃えたわ。
ラステル:よかった…。
ミト:姫様〜!
この方はペジテ市の王族の姫君ですな。

谷の人:蟲だ!ウシアブが生きてるぞ〜!
谷の人:マズい!仲間を呼んでる!傷ついて飛べないんだ。
谷の人:銃を持って来い!
谷の人:ダメだ!撃てばもっと仲間を呼ぶぞ!
谷の人:即死させる!
谷の人:ウシアブが銃で死ぬもんか!
谷の人:じゃあどうするんだ!?
ナウシカ:待って!ミト、メーヴェを持って来て。
ミト:はい。姫様!
ナウシカ:森へお帰り大丈夫飛べるわ。そういいコね。
ミト:姫様。
ナウシカ:ありがとう。
谷の人:やった!やった!
ミト:よかった…たった1匹殺しただけでも何が起こるか分かりませんからな。
ナウシカ王蟲…。

子供:あった!来て!こっち。
子供:やっぱりあの船に胞子がくっついてたんだね。
谷の人:まだ毒は出してないな。
谷の人:もうひとふんばりだ。
子供:うん、1つでも残すと大変だからね。

谷の人:何だろう?この塊は。
谷の人:あの炎でも燃えないとはなぁ。
ミチ:さぁみんなこいつの詮索は後回しだ。
胞子を焼く手伝いに行ってくれ。
念入りに頼むぞ!まったく厄介なものを持ち込みおって…。
ユパ:ミトここを見ろ。
ミト:はぁ?
動いとる!まるで生きとるようだ。
ユパ様これは…。
ユパ:旅の途中で不吉な噂を聞いた。
ペジテ市の地下に眠っていた旧世界の怪物が掘り出されたというのだ。
ミト:旧世界の怪物?
ユパ:巨神兵だ。
ミト:巨神兵!あの「火の7日間」で世界を焼き尽くしたという…。
こいつが…。
ユパ:巨神兵は全て化石となったはずだった。
だが地下で千年も眠り続けていたヤツがいたのだ。
ミト:そういえばこいつは人の形にも見えます。
ユパ:トルメキアははるか西方の凶暴な軍事国家。
死んだペジテの虜囚といい気になる。

ナウシカ:あとお願い。
何かしら…。
谷の人たち:え?あら?うわっ!?キャ〜!!
ナウシカ:逃げろ〜!!トルメキアの船だ。みんなを城へ!
谷の人たち:キャ〜!!うわ〜っ!!
ナウシカ:みんな!城へ〜!
みんな城へ集まれ〜!城へ!
あっ!父上!
ジル:ババ様は隠れておれ!
大ババ:わたしゃここにいるよ。

城の人:姫様!
ナウシカ:ハッ!おのれっ!!うわっ!!うわっ!!うわ〜っ!!うわっ!!
クロトワ:あうっ!
ナウシカ:はっ!!ううっ!!はあっ!!はっ!!
…!うわ〜っ!!ハッ!
ユパ:双方動くな!動けば王蟲の皮より削り出したこの剣がセラミック装甲をも貫くぞ!
装甲兵:あの男ユパです。
ユパ:トルメキア兵に聞く。
この谷の者は昨夜そなた達の船を救わんと必死に働いた。
今もまた死者を丁重に葬ったばかりだ。
小なりとはいえその国に対するこれがトルメキアの礼儀か?
戦を仕掛けるならばそれなりの理由があるはず。
まず使者を立て口上を述べるべきであろう。
ナウシカ…落ち着け、ナウシカ
今戦えば谷の者は皆殺しになろう、生き延びて機会を待つのだ
クロトワ:え〜い、クソ〜…小娘が!
クシャナ:やめろクロトワ。
クロトワ:しかし…。
あ〜あ何てヤツだよ、み〜んな殺しちまいやがった。
クシャナ:諫言耳が痛い。
辺境一の剣士ユパ・ミラルダとはそなたのことか?われらが目的は殺りくではない。
話がしたい、剣を収められよ。

谷の人たち:姫様だ!姫様だ!姫様!
クロトワ:聞け!トルメキア帝国辺境派遣軍司令官クシャナ殿下のお言葉だ。
クシャナ:われらは辺境の国々を統合しこの地に王道楽土を建設するために来た。
そなた達は腐海のために滅びに瀕している。
われらに従いわが事業に参加せよ。
腐海を焼き払い再びこの大地をよみがえらすのだ!
谷の人たち:腐海を焼き払うだと?そんなことできるのか?
クシャナ:かつて人間をしてこの大地の主となした奇跡の技と力をわれらは復活させた。
私に従う者にはもはや森の毒や蟲どもにおびえぬ暮らしを約束しよう。
大ババ:待ちなされ!腐海に手を出してはならぬ!
クロトワ:何だこのババアおい連れて行け!
クシャナ:言わせてやれ。
大ババ:腐海が生まれてより千年。
幾たびも人は腐海を焼こうと試みて来た。
…がそのたびに王蟲の群れが怒りに狂い地を埋め尽くす大波となって押し寄せて来た。

大ババ:国を滅ぼし街をのみ込み自らの命が飢餓で果てるまで王蟲は走り続けた。
やがて王蟲のむくろを苗床にして胞子が大地に根を張り広大な土地が腐海に没したのじゃ。
腐海に手を出してはならん。
クロトワ:黙れ!そのような世迷い言許さんぞ。
大ババ:おやどうするんじゃ?わしも殺すのか?
クロトワ:き…貴様!
大ババ:殺すがいい!盲の年寄りさ簡単なものだよ。ジルを殺したように。
谷の人たち:ジル様が!?何てひどい!ジル様は病人なのに!出て行け〜!人殺し!
クロトワ:黙らせろ!逆らうヤツは容赦するな!
ナウシカ:みんな待って!私の話を聞いて!
これ以上犠牲を出したくないの。
お願い。
谷の人たち:姫様…。
ナウシカ:大ババ様も分かって。
この人達に従いましょう。
谷の人たちの泣き声

トルメキア兵:ほらもうひと息だ!
トルメキア兵:早くしろ!モタモタするな!
クシャナ:なかなかいい谷ではないか。
クロトワ:私は反対です。
本国では一刻も早く巨神兵を運べと命令しています。
クシャナ:命令は実行不能だ。
大型船すらあいつの重さに耐えきれず墜落してしまった。
クロトワ:しかしまさか本心でこの地に国家を建設するなど…。
クシャナ:だとしたらどうなのだ?
お前はあの化け物を本国のバカどものオモチャにしろというのか?
クロトワ:そりゃまぁ分かりますがね。
私はいち軍人にすぎません。そのような判断は分を越えます。
クシャナ:フンタヌキめ。
私はペジテに戻る。留守中、巨神兵の復活に全力を注げ。
クロトワ:はっ。
クシャナ:このガンシップは使えるのか?
クロトワ:はい拾いものです。

クシャナ:間違えるな。
私は相談しているのではない。
誰か:しかし姫様をペジテへ連れて行くなど…。
誰か:人質5人にガンシップに食糧とは…。
クシャナ:人選は任せる明朝の出発までに準備を完了しろ。
ユパ:人質ご苦労。
誰か:わしらはともかく見てくださいヤツら何もかも持って行っちまうつもりですぜ。
ユパ:わしは一度この地を離れひそかに戻って機会を待つ。
何としてもあの化け物の復活をやめさせねばならん。
誰か:はい。

ユパ:ナウシカ
テトお前の主はどこにいるのだ?
ユパ:おおっ!
あっ…。
ナウシカこれはどういうことだ。
腐海の植物ではないか!
ナウシカ:私が胞子を集めて育てたんです。
大丈夫瘴気は出していません。
ユパ:毒を出さぬ?確かにここの空気は清浄だが…。
なぜだ?猛毒のヒソクサリが花をつけておるのに。
ナウシカ:ここの水は城の大風車で地下500メルテから上げている水です。
砂は同じ井戸の底から集めました。
きれいな水と土では腐海の木々も毒を出さないと分かったの。
汚れているのは土なんです。
この谷の土ですら汚れているんです。
なぜ…。
誰が世界をこんなふうにしてしまったのでしょう?
ユパ:そなたそれを自分で…?
ナウシカ:ええ…父やみんなの病気を治したくて。
でも…。
もうここも閉めます。
さっき水を止めたからやがてみんな枯れるでしょう。
私自分が怖い…。
憎しみに駆られて何をするか分からない。
もう誰も殺したくないのに…。

子供たち:姫ねえ様〜!これみんなで集めたの。
ナウシカ:チコの実。
子供たち:姫ねえ様にあげます。
ナウシカ:みんな…。
こんなにたくさん…大変だったろうに。
ありがとう大事に食べるからね。
子供たち:姫ねえ様かわいそう!
トルメキア兵:搭乗急げ!出発だ!
ナウシカ:さぁみんなもう泣かないで。
大丈夫よ、私はすぐ帰って来るわ。
子供たち:ホントに?
ナウシカ:あら私がウソついたことあった?
子供たち:ない。
ナウシカ:ねっ。
子供たち:うん。
ホントね?
ナウシカ:うん!さぁ危ないから。
子供たち:うん。
きっとね〜!
谷の人:姫様を頼むぞ〜!
人質の人:あとをよろしくな〜!

ゴル:ペジテはまだかいな。
ギックリ:腰が痛くなっちまった。
ニガ:やれやれ姫様も惜しげのない者ばかりよう選んだわい。ヒヒヒ…。
ゴル:のうおかしいと思わんか?
何でこんなに密集して飛ぶんじゃ?
ギックリ:まるで襲撃におびえてるようだ。

ナウシカ:雲の下はすごい瘴気の渦だわ。
ハッ!ん?
装甲兵:動くな!
ナウシカガンシップ
ああっ!!
トルメキア見張り:敵襲!二番艦がやられた!
ゴル:言った通りじゃ!
ギックリ:ぐわ〜恐ろしい!
トルメキア兵防御円陣!
トルメキア兵:ペジテのガンシップです!
ナウシカ:ペジテ?
トルメキア兵:クソっ三番艦も食われた!コルベットは何をしてるんだ!
ミト:なんちゅうもろい船じゃ。
トルメキア兵:うわっ!しんがりを巻き込んだ!
ナウシカ:あっ!バージのワイヤーが!
テト早く!
ミト:ダメじゃこれも落ちる。
姫様!
ナウシカ:やめて!もう殺さないで!
やめて〜!!
アスベル:うわっ!あっ!
ミト:姫様…うわっ!
ナウシカ:急いでミト!
ミト:アチチ…姫様もうダメじゃ!
ナウシカ:飛べるかもしれない!
ミト:何ですと!?
ナウシカ:ミト早く!
ミト:は…はい!
ナウシカ:エンジン始動!砲で扉を破る!
ミト:はい!
ナウシカ:来い!早く!早く中へ!
ミト行ける?
ミト:どうにか!
ナウシカ:発砲と同時にエンジン全開!
ミト:了解!
ナウシカ:よ〜い撃て!
瘴気マスクをつけろ雲下に降りてバージを救出する!
温かい…死なないでテト。
ミト:何という世界だこんな濃い瘴気は初めてだ。
ナウシカ:後席右後方に注意、近くにいる。
ミト:へっ?
ナウシカ:まだ飛んでる。
ミト:あっ!ホントだ!ホントにいた!うおっ!
ゴル:おっ姫様じゃ!
ギックリ:姫様〜!
ナウシカ:みんな頑張って!今ロープを伸ばす!
ニガ:フックが壊れとるじゃ!空中収容は無理じゃ!不時着して蟲に食われるのはイヤじゃ!ひと思いに死にます!
ミト:落ち着け〜!荷物を捨てるんじゃ!
城オジ達:お元気で〜!
ミト:言うことを聞け!荷物を捨てろ〜!後席エンジンを切れ!な…何と!?エンジン音が邪魔だ急げ!はい!あれ…?姫様な…何を…。
ゴル:姫様マスクを〜!
ギックリ:死んじまう!
ニガ:マスクをしなされ〜!
ナウシカ:みんな必ず助ける!私を信じて荷を捨てなさい!
城オジたち:な…何でもしますから!お願いじゃ早うマスクを!
ギックリ:姫様笑うとる…。
助かるんじゃ。
城オジたち:急げ!荷を捨てろ!
ミト:機首が落ちてる!
ナウシカ:エンジン点火…不時着地を探す。
少し肺に入った…。

城オジたち:ほれ早うせい!早くほれ!
ムズ:姫様〜!
ナウシカ:みんな無事?
クシャナ:動くな!
ゴル:あっ!
ミト:貴様…!
クシャナ:先ほどはご苦労。
ゴル:姫様なぜこんなヤツを!
クシャナ:甘いな…私がはいつくばって礼を言うとでも思ったのか?
ナウシカ:あなたは腐海を何も分かっていない。
ここは人間の世界じゃないわ。
銃を使うだけで何が起こるか分からない所よ。
さっきの戦闘で船がたくさん森に落ちて蟲達が怒っている。
見なさい上を。
大王ヤンマは森の見張りよすぐ他の蟲を呼び集めるわ。
すぐ脱出する予備のロープを早く!
城オジたち:は…はい!
ナウシカ:ミト、フックを直して!
ニガ:うわっ!
クシャナ:動くな!命令は私が下す!
ナウシカ:あなたは何をおびえているの?
まるで迷子のキツネリスのように。
クシャナ:何~!?
ナウシカ:怖がらないで。
私はただあなたに自分の国へ帰ってもらいたいだけ。
クシャナ:貴様!うっうわっ!うわ〜っ!
城オジたち:何だこれ!?
ナウシカ:来た!静かに!怒らしてはダメ!
ギックリ:ここは王蟲の巣じゃ!
城オジたち:か…囲まれた…。
クシャナ:うう…うっ…。
ナウシカ:私達を調べている。
王蟲ごめんなさいあなた達の巣を騒がして。
でも分かって私達あなた方の敵じゃないの。
誰か:ひ…姫様〜!
ナウシカ:あの人が生きてるの?
待って!王蟲
ぎっくり:何が始まるんじゃ!?
ムズ:王蟲の目が真っ赤だ!
うわぁ〜!姫様!
ゴル:メーヴェなどどうなさる気じゃ?
ナウシカ:水が静まったらすぐ離水して上空に待機!
1時間して戻らなければ谷に帰りなさい!
ミト:しかし…。
姫様…うわっ!
ギックリ:行ってしまわれた…。
ミト:渡してもらおう。
ミト:さぁみんな姫様の言われた通りにするんだ。
姫様…。

アスベル:ああっ!クソっ!
あっ…。
うわ〜っ!あ〜〜っ!ああっ…!あっ!
君は?
ナウシカ:あなたは殺し過ぎる。
もう光弾も蟲笛も効かない。
あ〜っ!!ん?
アスベル:あっ…!流砂だ!クソ〜…!うっ…。

ギックリ:もう2時間になるぞ。
ゴル:蟲が増えるばかりじゃ。
ギックリ:姫様〜!!姫様〜!!

ジル:ナウシカナウシカ
おいで
おいで
子供ナウシカ:父さん!母様もいる。
イヤ…私そっちに行きたくないの
来ちゃダメ〜!
何にもいないわ
何にもいないったら。
出て来ちゃダメ!
ゴル:王蟲の幼生です
ジル:やはり蟲に取りつかれていたか
渡しなさいナウシカ
子供ナウシカ:イヤ!何にも悪いことしてない!
ジル:蟲と人とは同じ世界には住めないのだよ
子供ナウシカ:ああっ!お願い!殺さないで!お願い…泣き声
テト…。

ナウシカ:不思議な所…。
アスベル:やぁ!やっと見つけて来たよ。
気分はどう?
ナウシカ:ここはどこ?
アスベル:まずお礼を言わせてくれ。僕はペジテのアスベルだ。
助けてくれてありがとう。
ナウシカ:私は風の谷のナウシカ
ここはどこ?
アスベル:ハハハ…驚くのは当たり前さ僕らは腐海の底にいるんだよ。
ナウシカ腐海の底?
アスベル:ほらあそこから落ちて来たんだよ、砂と一緒にね。
ナウシカ:私達マスクをしてない!
アスベル:そうなんだ、ここの空気は澄んでいるんだよ。
僕も驚いた。
腐海の底にこんな所があるなんてね。
どうした?
ナウシカ!あんまり遠くへ行くなよ!
ナウシカ:何て立派な木。
枯れても水を通している。
井戸の底の砂と同じ。
石になった木が砕けて降り積もっているんだわ。
アスベル:ナウシカ、泣いてるの?
ナウシカ:うん、うれしいの。

アスベル:ラステルは僕の双子の妹なんだ。
そばにいてやりたかった。
ナウシカ:ごめんね、話すのが遅れて。
アスベル:いや…。
すまなかった。
妹をみとってくれた人を僕は殺してしまうところだった。
ナウシカ:ううん。
アスベル:そうかあいつは風の谷にあるのか。
うっ!ん〜…!あ〜…不思議な味のする実だね。
ナウシカ:チコの実というのとっても栄養があるのよ。
アスベル:フ〜ン…。
味はともかく長靴いっぱい食べたいよ。
ナウシカ:ウフフフ…。

アスベル:腐海の生まれた訳か。
君は不思議なことを考える人だなぁ。
ナウシカ腐海の木々は人間が汚したこの世界をきれいにするために生まれて来たの。
大地の毒を体に取り込んできれいな結晶にしてから死んで砂になって行くんだわ。
この地下の空洞はそうして出来たの。
蟲達はその森を守っている。
アスベル:だとしたら僕らは滅びるしかなさそうだ。
何千年かかるか分からないのに瘴気や蟲におびえて生きるのは無理だよ。
せめて腐海をこれ以上広げない方法が必要なんだ。
ナウシカ:あなたもクシャナと同じように言うのね。
アスベル:違う!僕らは巨神兵を戦争に使う気なんかない!明日みんなに会えば分かるよ!
ナウシカ:もう寝ましょう明日たくさん飛ばなきゃ…。

トルメキア兵:異常ありません!
クワトロ:うむ。
順調か?
トルメキア兵:上体はほぼ固まりました。
クロトワ:まったく見れば見るほどかわいい化け物だぜ、おめぇは。
貧乏軍人の俺ですら久しくサビついてた野心がうずいて来らぁ。
ケッ!笑ってやがる。
てめぇなんぞこの世の終わりまで地下で眠ってりゃよかったんだ。
装甲兵:参謀!殿下の編隊がペジテの残党に襲われコルベット1艦を残して全滅しました。
クロトワ:殿下はどうなされた?
装甲兵:艦は空中で四散したそうです。
クロトワ:…
装甲兵:参謀!
村の者にはまだ気づかれていないな?
装甲兵:はい。
クロトワ:よしすぐ行く。
他の者はこのまま作業を続けろ。
他の者たち:はっ!
クロトワ:うだつの上がらねえ平民出にやっと巡って来た幸運かそれとも破滅の罠か…。

子供:ミトじい達が戻って来たんだって。
酸の湖でユパ様を待ってます。

ミト:わしらだけおめおめ戻って…。
ユパ:いや無事で何よりだった。
クシャナ:釈放だと?
ユパ:巨神兵を酸の湖深く沈め本国へ帰ってくれぬか?
谷に残る兵は少ない。
今戦うは易しいがこれ以上の犠牲は無意味だ。
クシャナ:ヤツには火も水も効かぬ。
歩きだすまではもはや動かすこともな。
分からぬか?もはや後戻りはできないのだ。
巨大な力を他国が持つ恐怖ゆえに私はペジテ攻略を命令された。
ヤツの実在が知られた以上列国は次々とこの地に大軍を送り込むだろう。
お前達に残された道は1つしかない。
巨神兵を復活させ列強の干渉を排しヤツと共に生きることだ。
見ろ。
ユパ:蟲にか?
クシャナ:わが夫となる者はさらにおぞましきものを見るだろう。
腐海を焼き蟲を殺し人間の世界を取り戻すに何をためらう!
わが軍がペジテから奪ったようにヤツを奪うがいい。
ユパ:巨神兵は復活させぬ。
伝令の子供:大変だ!
番兵の子供:おい!合い言葉を言え!
伝令の子供:急いでるのに!
番兵の子供:「風」…。
伝令の子供:「谷」!
番兵の子供:よし。
伝令の子供:胞子が残っていたんだ!
ミト:何だと!?
伝令の子供:すごい瘴気を出して谷じゅう大騒ぎになってる!

谷の人たち:渡せ!早くしろ!渡せ〜!早くしないと谷は全滅しちまうぞ!
手鉤と火筒を渡せ!
どんどん育ってるんだ!
トルメキア兵:胞子を焼く道具は武器にもなります、渡すのは…。
クロトワ:仕方あるまい銃以外は戻してやれ。
トルメキア兵:はっ。

トルメキア兵:コルベット出発します。
クロトワ:今度はぬかるな。
ペジテに残る兵力を全てこの谷に集結させろ。
トルメキア兵:はっ。
クロトワ:やれやれ面倒なことになって来やがったぜ。
城オジたち:早くしろ!急げ!
城オジたち:姫様をお願いします。
ユパ:谷を頼むぞ、戻るまで自重してくれ。
城オジたち:はい!わしらは谷へ行くぞ!

谷の人:ダメだこんな所まで菌糸が来ている。
谷の人:こっちもやられているぞ!どいて!
装甲兵:何をする!
谷の人:あぁ…ここも…。
谷の人:大ババ様…。
大ババ:燃やすしかないよ、この森はもうダメじゃ。
手遅れになると谷は腐海にのみ込まれてしまう。
谷の人:何とかならんのかのう。
貯水池を300年も守ってくれた森じゃ。
クソ〜!あいつらさえ来なければ…。
城オジたち:こりゃこのままじゃ収まらんぞ。
わしらも行こう。

アスベル:そうかなぁ僕にはいつもと同じにしか見えないが。
ナウシカ:蟲達がいない。
なぜかしら…こんなに胸がドキドキする。
アスベル:もうすぐだあの山を越せば僕の仲間がいる。
ペジテのほうがおかしい…
何だろう?あのモヤは。
ナウシカ:あっ!アスベルマスクをつけて!
アスベル:蟲だ!死んでる…。
ナウシカ:ペジテへ行く!
アスベル:気をつけて!
あそこにはトルメキア軍がいるはずだ。

アスベル:ああっ!
ナウシカ王蟲まで…。
アスベル:センタードームが食い破られるなんて…。
ペジテはもう終わりだ。
トルメキア軍を全滅させたってこれじゃ…。
ナウシカ:全滅させた?どういうこと?アスベル。
ブリッグだわ。
アスベル:仲間の船だ!降りるぞ行こう!
ペジテ市長:アスベル!生きていたか!
アスベル:何てことをしたんです!あれじゃ再建もできない!
ペジテ市長:街を見たんだね。
大丈夫、腐海にのまれてもすぐ焼き払える。
アスベル:でも巨神兵はここにはいないんだ。
ペジテ市長:分かっている風の谷だ。
アスベル:なぜそれを?
ペジテ市長:ハハハ…我々も遊んでいたわけじゃない。
作戦の第2弾も発動したよ、今夜にも風の谷のトルメキア軍は全滅だ。
アスベル:何だって!?
ナウシカ:全滅って何をするの!?
ペジテ市長:アスベルこの人は?
アスベル:風の谷のナウシカ、命の恩人だ。
ペジテ市長:風の谷…。
ナウシカ:教えて何があるの?
アスベルあなた知ってるんでしょ?教えて!
アスベル:蟲に襲わせるんだ。
ナウシカ:ペジテを襲わせたのもあなた達なの?
何てひどいことを…。
ペジテ市長:どうあっても復活する前に巨神兵を取り戻さなければならないのだ。
ペジテの人:世界を守るためなんだよ分かってくれ。
ナウシカ:それで谷の人達を殺すというわけ?
やめて!すぐやめて!お願い!
ペジテ市長:もう遅いんだ!走りだしたら誰も止められない。
トルメキア軍に我々はほとんど殺されてしまった。
もう他に方法がないんだ。
押さえろ!
ナウシカ:離して!行かせて〜!
ペジテ市長:今はつらくても巨神兵を取り戻せば腐海を焼き人間の世界を取り戻せるのだ。
ナウシカ:ウソだ!あなた達はトルメキアと同じよ!
ペジテ市長:違う!彼らは破壊に使うだけだ!
ナウシカ:あなた達だって井戸の水を飲むでしょ?
その水を誰がきれいにしていると思うの?
湖も川も人間が毒水にしてしまったのを腐海の木々がきれいにしてくれているのよ。
その森を焼こうというの?
巨神兵なんか掘り起こすからいけないのよ!
ペジテ市長:ではどうすればいいのだ!
このままトルメキアの言いなりになるのか!?
ナウシカ:違う!違う!アスベルみんなに言って!
腐海の生まれた訳を!
蟲は世界を守ってるって!
アスベルお願い!
ペジテの人:何をする!?
アスベル:動くな!そのコを行かせてやれ!
ペジテの人:落ち着けアスベル!
アスベル:僕は本気だ!手を離せ!
ナウシカみんなに知らせろ!うっ!あっ!
ナウシカ:アスベル!離して!うっ…。

城オジたち:愚か者が…。
城オジたち:始まっちまったものは仕方ねえ。
城オジたち:だが自重しろと言われたのに…。
クロトワ:ジタバタしねえで戦車で兵を救出しろ!
装甲兵:参謀!最後の1人がやられました!
クロトワ:こっちへ来るか?
装甲兵:分かりません、村中が集まりつつあります。
やだねぇ森の1つや2つで殺気立ちやがって。
ペジテの二の舞いだぜ…
おっ?えっ?
城オジたち:うりゃ〜!
よいしょ。
うわっ!うわ〜っ!!
クロトワ:戦車を取りやがった!
城オジたち:早く動かせ!
城オジたち:そうせくな。
城オジたち:うわ〜来るぞ!前へ〜!ほれほれ早うせい!
城オジたち:これかな?あっ動いた!
ギックリ:どっちへ行くんじゃ!
あっあぁ〜!前へ行くんじゃ前へ!
城オジたち:分かっとるがな。
クロトワ:クソっ!戦車を全部出せ!
おっ!あ…生きてたよ。
短ぇ夢だったな…。
殿下!
ギックリ:わしらが食い止めるから皆を酸の湖に避難させてくれ。
城オジたち:分かった!
城オジたち:姫様がガンシップで戻るまでの辛抱じゃ!みんな急げ!
城オジたち:早くしろ!
城オジたち:ボヤボヤせんとお前も手伝え!
城オジたち:わしゃギックリ腰。
城オジたち:来た!戦車が来たぞ〜!
ギックリ:急いで!
ニガ:分かっとるがなもう。
城オジたち:うわ〜っ!!

トルメキア兵上司:間違いないか?
トルメキア兵:ペジテのブリッグです。
あの雲の向こうにチラっと見えました。
トルメキア兵上司:よし!

見張りの男:気をつけてください、さっきまで暴れていたから。
ラステルの母:急いで。
ナウシカさんここから出してあげます。
谷へ知らせに行って。
あなたの凧ならまだ間に合うかもしれない。
用意してあります。
アスベルからみんな聞きました。
身代わりの子:私が身代わりになるから早くこれを。
ナウシカ:あなたは?
ラステルの母:ラステルの母です。
ナウシカ:おかあ様…。
ラステルの母:本当にごめんなさい。
私達のしたことはみんな間違いです。
身代わりの子:早く!
ナウシカ:あのコは?
ラステルの母:大丈夫、心配しないで。
ペジテ女性市民たち:気をつけてね。
ペジテ女性市民たち:ひどい仕打ちを許しておくれ。
アスベル:ナウシカこっちだ!さぁ!急げ!
ナウシカ:皆さんありがとう。
アスベル:すまない遅くなっちまって。
ここから飛べるか?
ナウシカ:やってみる。
コルベット!うわっ!
ペジテ市長:退避!雲の中へ急げ!
トルメキア兵:撃ち方やめ!バカめ!
雲の中は乱流と電気の地獄だ!
ペジテ市民男:ダメだ!舵が利かない!
ペジテ市民たち:うわ〜!キャ〜!
アスベル:船が分解するぞ!
ペジテ市長:みんなやむを得ない!雲を出て戦おう!
ペジテ操舵手:あ〜っ!
ペジテ市長:読んでいたな!
アスベル:クソっ!どうする気だ!
ナウシカ:雲よ!雲に押しつけて乗り移る気だわ!
アスベル:ヤツらが来る!飛び出すのは今しかない!
ナウシカ:ダメよ私も残る!身代わりになってくれたコやかあ様をほっては行けないわ!
アスベル:谷の人を救えるのは君だけだ。
頼む行ってくれ!
僕らのために行ってくれ!
あっ!
トルメキア兵上司:船はもらう、捕虜をつくるな、根切りにしろ!
アスベル:行けナウシカ!行け〜!
ナウシカ:アスベル!

ミト:姫様〜!
ナウシカ:ミト!
ミト:ヒャッホ〜!
ナウシカ:ミト!ユパ様!
ミト:姫様〜!早く!
ナウシカ:みんなが…みんなが!
ミト:今収容フックを出します!ユパ様、右の赤いレバーを!

トルメキア兵上司:残るはここだけだ急げ!
アスベル:ドアが砕けるぞ!
ペジテ市長:いつでも来るがいい。
ペジテの誇りを思い知らせてやる。
身代わりの子:何かしら…鳥?
トルメキア兵:船だ!風の谷のガンシップ
トルメキア兵:何!?うわっ!
トルメキア兵:ああっ!
トルメキア兵:貴様…うぉ〜っ!
トルメキア兵たち:うわ〜っ!
トルメキア兵上司:ユパだ!討ち取って名を上げろ!
おおっ!
ユパ:降伏しろコルベットはもはや戻らん。
トルメキア兵上司:つ…強い…。

ミト:姫様!ムチャだ!エンジンが爆発しちまう!
ナウシカ:谷までもてばいい!
300まで上げて!
神様風の神様、どうかみんなを守って。

クロトワ:テコでも動きそうにありませんな。
クシャナ:帰りを待っているのだ。
クロトワ:帰り?
クシャナ:あの娘がガンシップで戻ると信じている。
クロトワ:ガンシップは厄介ですなぁ、今のうちにひと当てやりますか?
クシャナ:お前はあの船が何だか知っているのか?
クロトワ:「火の7日間」の前に造られたヤツでしょ?
ウソか本当か知らねえが星まで行ってたとか何とか…。
えらく硬いから砲も効かねえが、なに穴にぶち込めば…。
クシャナ:私も待ちたいのだ。
クロトワ:えっ?
クシャナ:本当に腐海の深部から生きて戻れるものならな…。
あの娘と一度ゆっくり話をしたかった。
どうだ?
決心はついたか?
降伏を勧めに行くなら放してやるぞ。
ペジテの二の舞いにしたいのか?
城オジたち:あんたも姫様じゃろうがわしらの姫様とだいぶ違うのう。
城オジたち:この手を見てくだされジル様と同じ病じゃあと半年もすれば石と同じになっちまう。
城オジたち:じゃがわしらの姫様はこの手を好きだと言うてくれる。
城オジたち:働き者のきれいな手だと言うてくれましたわい。
クシャナ腐海の毒に侵されながらそれでも腐海と共に生きるというのか?
城オジたち:あんたは火を使う。
城オジたち:そりゃわしらもちょびっとは使うがのう。
城オジたち:多過ぎる火は何も生みやせん。
城オジたち:火は森を一日で灰にする。
城オジたち:水と風は百年かけて森を育てるんじゃ。
城オジたち:わしらは水と風のほうがええ。
城オジたち:あの森を見たら姫様悲しむじゃろうのう。
戦車の兵:参謀殿、命令はまだですか?
クロトワ:引っ込んでろ。
戦車の兵:はい。
クロトワ:何があったか知らねえがかわいくなっちゃってまあ…。
クシャナ:クロトワその者達を放せ。
クロトワ:はっ?じゃ待ちますか?
クシャナ:兵に食事を取らせろ1時間後に攻撃を開始する。
クロトワ:メシねぇゆっくり食うことにしますか。

谷の人:誰か来る!ゴル達だ。
ゴル:ん?
ギックリ:どうしたんじゃ?
ゴル:風がない。
ギックリ:風が?ホントじゃ風が止まった。

子供:ババ様どうしたの?大ババ様。
大ババ:誰か…誰か私を外へ連れ出しておくれ…。
子供:風がやむなんて初めて。
子供:空気がピ〜ンと張りつめているババ様耳が痛い。
大ババ:大気が…大気が怒りに満ちておる。

ミト:近い!腐海をきれた!酸の湖まで3分!
ナウシカ:エンジンスロー!
雲の下へ降りる!
ミト:何じゃこの光は!
ナウシカ王蟲
ミト:腐海があふれた!風の谷に向かっている!
ナウシカ:なぜ…どうやって王蟲を…。
ハッ!誰かが群れを呼んでる。
ミト!シリウスに向かって飛べ!
ミト:は…はい!
ナウシカ:いる!ミト照明弾!よ〜い…。
撃て!
ミト:何だ?あれは。
ナウシカ:ああっ!何てひどいことを…。
あのコをオトリにして群れを呼び寄せてるんだ。
ミト:クソったたき落としてやる!
ナウシカ:ダメよ〜!!撃っちゃダメ!ミトやめて!
ミト:なぜじゃ!なぜ撃たせんのじゃ!
ナウシカ王蟲の子を殺したら暴走は止まらないわ!
ミト:どうすればいいんじゃ!このままでは谷は全滅だ!
ナウシカ:落ち着いてミト、王蟲の子を群れへ返すの。
やってみる!
ミト:何をするんじゃ姫様!
ナウシカ:ミトはみんなに知らせて!
ミト:姫様〜!武器も持たずに…。あっ!

トルメキア兵:わが軍の照明弾ではありません。
クロトワ:距離は?
トルメキア兵:約20リーグ、湖の対岸と思われます。
クシャナガンシップだと思うか?
クロトワ:おそらく。
クロトワ:救援を求める信号です。やはりガンシップですな。
クシャナ:1時間たった、行こう。
クロトワ:待たないんで?
クシャナ:しょせん血塗られた道だ。
分隊長:装甲兵前へ!
クロトワ:殿下は中へ。
クシャナ:ここでいい。
トルメキア兵:ん?ガンシップだ!空襲〜!
クシャナ:撃つな〜!
やめろ!やめんか!
城オジたち:クソ〜っ!姫様〜!
クシャナ:この場で待機!発砲するな!
クロトワ:殿下!うっ!
クシャナ:あの娘はどうした?
城オジたち:姫様は?
後ろに乗っとらんぞ。
ミト:王蟲だ!王蟲の群れがこっちへ来るぞ!
ゴル:何じゃと!王蟲が?
ミト:姫様は暴走を食い止めるために1人残られた。
戦なんぞしてる暇はない。
みんな高い所へ逃げろ!急げ〜!

子供:あっ、ババ様、赤い光が見えます。
子供:どんどん増えてるみたい。
子供:こっちへ来るんだわ。
大ババ:ババにしっかりつかまっておいで。
こうなってはもう誰も止められないんじゃ。
谷の人:慌てるな!まだ大丈夫だ!早く!
谷の女性:ミトどうせ死ぬんじゃ谷で死ぬよ。
ミト:ダメじゃ!姫様が諦めない限り諦めるな。

クシャナ:よいかできるだけ時間を稼げ私はすぐ戻る。
クロトワ:殿下まさかあれを…まだ早過ぎます!
クシャナ:今使わずにいつ使うのだ。
行け!

ナウシカ:撃たないで!
話を聞いて!
ペジテの王蟲を人質にとった上司:クソっ!鳥みたいなヤツだ。
ペジテの王蟲を人質にとった部下:あの人は敵じゃないよ、何か叫んでいた。
ペジテの王蟲を人質にとった上司:作戦を邪魔するヤツはみんな敵だ早くオトリを谷に放り込まないと俺達が危ないんだ。
来るぞよく引きつけてから撃て。
ペジテの王蟲を人質にとった部下:あ…!あ…あ…。
ペジテの王蟲を人質にとった上司:今だ撃て!
ペジテの王蟲を人質にとった部下:イヤだ〜!ラステルさん…。
ペジテの王蟲を人質にとった上司:どけ!うっ!うわ〜っ!

ナウシカ王蟲…ううっ!怒らないで怖がらなくていいの。
私は敵じゃないわ。
ごめん…ごめんね許してなんて言えないよね。
ひど過ぎるよね。
動いちゃダメ!体液が出ちゃう!いい子だから動かないで。
あっ!

ペジテの王蟲を人質にとった上司:大変だ見つけられた!
ペジテの王蟲を人質にとった部下:あ…こっちへ来る!

ナウシカ:ダメよ!そんなケガで入ったら…。
この湖の水はダメだったら!ああ〜っ!!
あっ!
お前…。
優しいコ…私は大丈夫。
今みんなが迎えに来るからね。
あっ…。
それて行くこっちへ来ない。
王蟲!ダメよ!そっちは谷があるのに!
怒りでわれを忘れてるんだわ。
静めなきゃ谷が…。

ペジテの王蟲を人質にとった上司:ハッ!ハハハ…バカめ自分で招き寄せていやがる。
ペジテの王蟲を人質にとった部下:助かった…。
ペジテの王蟲を人質にとった上司:すぐ脱出だエンジンを調べる。
よ…よせ!は…話せば分かる!
ナウシカ:私達を運びなさいあのコを群れに返します。
ペジテの王蟲を人質にとった上司:そんなことをしたってもうムダだ群れは止まりはしない。
あ〜っ!
ナウシカ:私達を群れの先に降ろすだけでいい。
運びなさい!
ペジテの王蟲を人質にとった部下:しかし君も死ぬぞ。

子供:ババ様みんな死ぬの?
大ババ:定めならね。従うしかないんだよ。

クロトワ:ビクともしねえな。
トルメキア兵:退却しましょう。
クロトワ:バカ野郎逃げるったって、どこへ逃げるんだよ?
ああっ…こら逃げるな!待て!
お〜い!殿下が戻るまで踏みとどまれ!
殿下…おっ殿下だ!
兵達:おぉ〜…。
行け!やっつけろ〜!
巨神兵だ!
クロトワ:腐ってやがる、早過ぎたんだ。
クシャナ:焼き払え!
どうした!それでも世界で最も邪悪な一族の末裔か!
うおっ!
クロトワ:うわ〜!
すげぇ…世界が燃えちまうわけだぜ。
兵達:クシャナ殿下万歳!
兵達:万歳!
クシャナ:なぎ払え!
どうした化け物さっさと撃たんか!
兵達:うっ!うわ〜っ!
兵達:ダメだ!逃げろ〜!
子供:巨神兵死んじゃった。
大ババ:そのほうがいいんじゃよ。
王蟲の怒りは大地の怒りじゃ。
あんなものにすがって生き延びて何になろう。
子供:姫ねえ様!
姫ねえ様が!
谷の人:あっ!あんな所に!
ムチャだ!
姫様!
おぉ〜っ!

ユパ:王蟲の攻撃色が消えて行く。
大ババ:大気から怒りが消えた。
ミト:止まった王蟲が止まったぞ。
子供:姫ねえ様が!
谷の人:おぉ〜!
子供:姫ねえ様が死んじゃった…。
大ババ:身をもって王蟲の怒りを静めてくだされたのじゃ。
あの子は谷を守ったのじゃ…。
子供たちの泣き声
谷の人:見ろ!
人々:おおっ!
クロトワ:な…何だこの光は…。

ナウシカ:テト。
よかった。
王蟲ありがとう。
ありがとう。
城オジたち:奇跡じゃ!奇跡じゃ!
大ババ:何といういたわりと友愛じゃ…。
王蟲が心を開いておる。
子供達よ、わしのめしいた目の代わりによく見ておくれ。
子供:姫ねえ様、真っ青な異国の服を着てるの。
まるで金色の草原を歩いてるみたい。
大ババ:おぉ〜…。
その者青き衣をまといて金色の野に降り立つべし。
おおっ…。
子供:ババ様。
大ババ:古き言い伝えはまことであった…。
子供:あっ見て!
谷の人たち:メーヴェだ!
谷の人たち:風だ、風が戻って来た!
谷の人たち:うわ〜!
姫様〜!
アハハハ…。


そしてエンディングへ

 

 

 

風の谷のナウシカ 全セリフ スタジオジブリ

風の谷のナウシカ 全セリフ スタジオジブリ

風の谷のナウシカ 全セリフ スタジオジブリ

風の谷のナウシカ 全セリフ スタジオジブリ

風の谷のナウシカ 全セリフ スタジオジブリ

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漫画版も最高なので、まだ未読の方は、ぜひ、読んでみてくださいね。

 

 

天空の城ラピュタ 全セリフ集 スタジオジブリ作

天空の城ラピュタ全セリフ集 スタジオジブリ

天空の城ラピュタ 全セリフ集 スタジオジブリ

 

天空の城ラピュタ 全セリフ集 スタジオジブリ作品

 

ドーラ:ふへっへっへっへ…
乗組員:おおぁ
乗組員:だぁぁ、海賊だぁっ!
乗組員:…ぐふっ襲撃だぁーふっ、ぐふっ、ぐふ、んん
乗組員:でぇ、えぇい
乗組員:うわぁ、あああ
乗組員:くそお…うぁぁ!!
客:うわ、おわ…
客:きゃあーーー
ムスカ:くいとめろ。君は床に伏せていたまえ。
シータ:はぁぁぁ…
黒メガネ:催涙ガスだ…ぁっはあ、あっふぁぁ
シャルル:くぁーぁぁぁ!
乱闘:ぎゃっ、と…ぐおあ、げふ、てやぁぁ…げふっ、てやや…おうぁ、がふっ
シータ:はっ…
ドーラ:何をぐずぐずしてるんだ、さっさと、蹴破らないか!
シータ:ぇ、っえ…
シャルル:ぶわぁ、っへぇっ、はあ…ぁあ、へ、くそお…んどこへいった…
ルイ:い・た、はっ、っは、ママ、いた!隠れてた!
シータ:えっ…え、
ドーラ:はやくつかまえるんーだよ!
ルイ:ああー、…ママ、落ちる!わぁーっぁぁぁ
シータ:ふっ、へぇえ…
ドーラ:あれだ、あの石だ!
ルイ:わあーぁぁ…ううーー
ドーラ:早くとなりの部屋へ!
シャルル:はは、
ドーラ:飛行石だよ!!
シータ:う、ううーぅぅ…はっ!
客:うぁーぁ
シータ:はぁは、はぁ…
シータ:はっ…はゃぁーーーーーぁぁぁ…
ドーラ:しまったぁ、ひこうせきがーーぁ…

パズー:おじさん、肉団子ふたつ入れて。
おじさんめずらしく残業かい。
パズー:うん。今日は久しぶりに忙しいんだ。
おばさんまだ仕事
パズー:うん。
パズー:んん
パズー:…なんだろう…
パズー:…!人だ!!
パズー:うお、おあーあ、えっ
パズー:ん…うおわあーっ…ん、んんんんー、んん…ええーー…
パズー:…え、え…ん、えー、ん、はぁー…
親方:パズー!
パズー:うおっ!
親方:そこで何してやがる!!…めしは、どうした
パズー:親方ー、そ、空から女の子
親方:くそ、あっちち…
パズー:あ…お・あっ…えっ…
パズー:親方、空から女の子
親方:くそー、ボロエンジンめ。
パズー:あ、親方!女の子が
親方:んー、二番のバルブを、しめろ!
親方:あちちちち…
親方:パズー、レンチよこせ
パズー:はい
親方:手が放せねぇ、お前やれ!
パズー:え…
親方:下の連中を待たすんじゃねぇ!
パズー:はい!…ええ、
親方:落ち着いてやりゃぁ、できる!
パズー:はいっ!…っえ、
親方:ブレーキ!!!
親方:…はっ!
親方:ふぅ…
鉱夫達:あぁー…どうかね
鉱夫達:だぁめでさぁ、銀どころか錫さえねぇ
鉱夫達:掘るだけ、無駄か…
鉱夫達:東の方へ掘ったほうが、いいんじゃねぇかなぁ
鉱夫達:あっちは昔の穴だらけだよ。
鉱夫達:やり直すしかねぇですね。
鉱夫達:はぁー…あがってくれ…
鉱夫達:あぁー…。…そぅれ!…ううーぅぅ
親方:ボイラーの火をおとせ。残業は無しだ。…この不景気じゃひあがっちまう。
親方:パズー、そのオンボロに、油さしとけよ!
パズー:はぁい。
シャルル:ダメだママ。真っ暗で何も分からないよ。
ドーラ:ちゃーんと探したんだろうね!!しょうがない。明るくなってから、出直しだ!

パズー:はぁーーんんーーあぁ…ん、え、んん…ふー…
シータ:はぁっ!
パズー:ーっはははははははははは、やあ、気分はどぉうわ、あ、こら待て、待てったら!…ああっ…
シータ:はあっ…
パズー:え、ぼくはパズー。この小屋でひとり暮らしをしてるんだ…あ、あ…吹き終わったら、
あげるきまりなんだ。
シータ:ふわぁ、ああ、あはっ、っはっ、ふふふふふーはあ、はははは…ふふふふふ、ふふは、ふふふ…
パズー:ふ、安心した。どうやら人間みたいだ。さっきまで、ひょっとすると天使じゃないかって、心配してたんだ。
シータ:ありがとう。助けてくれて。私シータっていうの。
パズー:シータ。いい名前だね。…驚いちゃった。空から降りてくるんだもの。
シータ:そうだわ。…私どうして助かったのかしら…。飛行船から落ちたの。
パズー:覚えてないの
シータ:うん。
パズー:ふーん…
パズー:ねぇ、それ、ちょっと見せてくれる
シータ:これ
パズー:うん。
シータ:私の家に、古くから伝わるものなの。
パズー:きれいな石だね。…ちょっと。
パズー:…ん…んんあれ…んん…
パズー:んふふふー。見てー!
シータ:はっ!…あ!…あ、パズー!
パズー:ん、ん、ん…んっふふ…、やっぱり、このせいじゃなかったみたいだ…うわぁーあ!
シータ:はぁっ!…ああっ…
パズー:んんー…いいいっ、うん、うんん…
シータ:ふっ…ええ、パズうわっ!!…ああっ!!
パズー:ああーあぁ!
シータ:ああっ
パズー:ん…んん…
シータ:パズー、しっかり…
パズー:ん…にいぃ…
シータ:だいじょうぶ
パズー:うん、シータは
シータ:平気。ごめん…。痛かった
パズー:うぅうん、ぼくの頭は、親方のゲンコツより、かたいんだ。
シータ:あはっ…ふふっ…
パズー:…ん、うっははははははははははは、あ、そうだ!ポットかけっぱなしだった!
お腹減ってるだろご飯にしよう。あそこで顔洗えるよ。
パズー:タオルもあるから。
シータ:ありがとう。
シータ:…・ラピュタ。…。
パズー:シーターシータ、まだ
パズー:それ、父さんが飛行船から撮った写真なんだ。
パズー:『ラピュタ』っていう、空に浮いている島だよ。
シータ:空に浮いている島
パズー:うん。伝説って言われてたけど…ぼくの父さんは見たんだ。
パズー:その時撮った写真なんだよ。ガリバー旅行記で、スウィフトがラピュタのこと書いてるけど、
あれはただの空想なんだ。これは、父さんが書いた想像図。今はもう、誰も住んでない
宮殿に、たくさんの財宝が眠ってるんだって。…でも、誰も信じなかった。
パズー:父さんは詐欺師扱いされて死んじゃった…。
パズー:…けど、ぼくの父さんはうそつきじゃないよ!今、本物を作ってるんだ。きっとぼくが
ラピュタを見つけてみせる。
シータ:はぁっ…
パズー:オートモービルだ!めずらしいなぁ。
シータ:あの人達海賊よ。
パズー:…え
シータ:飛行船を襲った人たちだわ…
パズー:シータをねらってるの
シータ:さあ…
パズー:…早くこっちへ!
パズー:おはよー!
ルイ:ぁ…よお、待ちな!
パズー:ぁあ…何んー、急いでんだから早く!
ルイ:女の子が、この辺に来なかったかい
パズー:きのうー、来たかな親方んとこの、チビのマッジが!
ルイ:んんーこんの、いっちまえ!
パズー:バーイ!
パズー:…やっぱり、シータをねらってるんだ!
子分ケ:ルイ!女の子の服だ!
ルイ:なぁに!化けてたんか!お前ら、…んママに知らせろ!!
子分ケ:あいよ!

親方:見かけねぇな…
シャルル:かわいい子でねぇ…黒い髪のお下げをしてるんだ。
パズー:おやかたーぁ!…おやかたーぁ!!
シャルル:ちょうどあのぐらいの年頃でさ。
シータ:わぁっ…
パズー:うっ…
シータ:ああっ!!
アンリ:なぁ
シャルル:んん
パズー:ああっ、ああああああ…
シータ:あああ…
ルイ:アニキー!そいつだぁ!
シャルル:うあーーーあ!!
アンリ:んんーーーーん!!
シータ:ふあぁ!!
パズー:ふう、ええっ!あいつら海賊だ!この子をねらってるんだ!
アンリ:んん…んん…
ルイ:へぇ、へぇ…
マッジ:海賊ぅみるーー!…あぁっ…
親方:それ以上よるんじゃねぇ
シャルル:わたしてもらおう。
親方:海賊か。
ルイ:ドーラ一家だ!
親方:帰んな。ここには貧乏人しかいねぇ
パズー:うっ!…えっ、おかみさん。
おかみ:この隙に裏からお逃げ!!
パズー:ぼくも戦う!
おかみ:相手は武器をもってんだよ
パズー:でも!!
おかみ:ん…いい子じゃないか。守っておやり!
パズー:ん…
シャルル:どうしてもどかねぇか!
親方:男ならゲンコツで通れ。
シャルル:ふん!おもしれぇ!!
アンリ:にいちゃんやっちゃえー!
シャルル:けっ、くっ…ムッ!ムーーーーンムーンーーんんー…んむん!
鉱夫:やれ、ダッフィ、見せてやれぃ!
親方:フンッ!ん、ん、んんーーーーんんん…ふへっへっへっへぇ…
アンリ:お、あああ…
ルイ:…すんげぇ…
親方:はぁ、ふんっ、ふっふっふ…
おかみ:誰がそのシャツを縫うんだい
親方:へ…
シャルル:ふぬー…ホイッ!
親方:っふっへっへっへっへ…
シャルル:っはっはっはっは…
親方:ひっへっへ…
シャルル:へっへへ…
親方:にっへへ…
シャルル:えーうおい!
親方:ぬぅお!!
親方:ぐいぇーー!
シャルル:はははは
ルイ:アニキー
アンリ:アニキ負けるな!
シャルル:くぁっ!んぬおぉーーだぁっ!
親方:っぅお!っとっとっつぅおわぁ!!
シャルル:ぐ、…
親方:ひっへへぇ…
シャルル:てぇっ!
親方:ぬうお!
アンリ:いけー!いけー!
鉱夫:おーい…
アンリ:ぬぁあー!
ルイ:そぉらよっと!
ルイ:うおわ…てぇっ!!

ドーラ:私をだませると思うのかい追うんだ!
子分キ:へい!
パズー:…えっ…おーーーい!!
パズー:…乗って!
シータ:は、はぁ、はぁ、は、ふっ!
パズー:いいぞ!…えっ!
機関手:パーズー、仕事サボってデートかぁ
パズー:悪漢に追われてるんだ!
機関手:あぁ…
パズー:ドーラ一家だよ。
機関手:海賊かいおい。
パズー:隣町まで乗せて!警察に行く!
機関手:わぁかったぁ!釜たき手伝え!
パズー:うん!
ルイ:ーんん
アンリ:ママ!
ドーラ:このバカ息子ども!さっさとお乗り!!
ルイ:ええだって、女の子はあすこに…
ドーラ:裏口からとっくに逃げたよ。出しな!
ルイ:だあぁー!!アニキー!!
親方:まっちやがれーー!!
群衆:わーわーわー
シャルル:くうっ!
群衆:わーーーおおーー!!おうわーーー!
機関手:パズー、来おったぞ!
パズー:おじさん、もっとスピードでない
機関手:だいぶ年寄りじゃからなぁ!
ドーラ:かわりなー!
アンリ:うわあっと、っとあったぁ…
シャルル:っと、っとっと…
ルイ:うわぁぁーー!!
ルイ:ママ…お、ち、るーっ…
機関手:蒸気をあげろ、追いつかれるぞ!!
シャルル:そら行けー
パズー:シータ、こっち!
シータ:っえっ、…
パズー:釜たき、たのむ!!
シータ:はい!
パズー:んっく…ん・ん…うんぬ…っく…ええー、
ドーラ:まーぁけるなぁーー!!
パズー:うぅあーああ!!
ドーラ:押せー!押しまくれー!!
ルイ:そおぉらあ!
シータ:ふっ!
シャルル:ああーーー!
ルイ:ふぇ…
ドーラ:まーてーぇぇ!!
ドーラ:逃がしゃしないよ!
ドーラ:グズグズしないでこいつを谷底へ捨てるんだ!!
シャルル:ほぇー…
機関手:ほへっへっはっはっはー!そぉーれ、突っ走れぇー!
パズー:ぼくがやる。
シータ:ううん、やらして。
海賊:よーいしょ、よーいしょぃえ…よーーい
ドーラ:お待ち!
ルイ:やつらだ。ママ、どうしよう…
ドーラ:このままひきさがれるかい。すぐ出発だ!!
機関手:ああー
機関手:いや、こーりゃおったまげた。軍隊のおでましだぁ…
機関手:おーい。この子達を保護してやってくれ。海賊どもに追われとるんだ。
シータ:はっ!
パズー:…シータ
シータ:…さよなら!
パズー:あっ…
黒メガネ:ぅお…あ、まてーぃ
シータ:んんっ!
黒メガネ:どわっ!…おぁーーー
パズー:うわーわぁーーわぁ…
パズー:シータぁーー!!
兵士:止まれ!止まらんと撃つぞ!
機関手:ふぃんしょ!
兵士:どぅわぁー…
シータ:はっ!ぁあーっ!
ルイ:装甲列車だ!
ドーラ:かまうもんか、突っ込めーー!!
シータ:はぁっ!…ああっ!
パズー:ああ…あ、ああ…あ、…シータ、一体どうしたんだ!!
シータ:来ちゃだめーー!
シータ:ああ…
海賊:うわーーーだぁっ!
海賊:うぉぉぉーーーー!!
パズー:うぁぁぁっ!!
パズー:ぁぁっ!…ふんっ…
シータ:あぁっ!!!
パズー:ふおわぁっ!くっ…
シータ:あぁあーっぁ…
アンリ:ぅぅお、落ーちるぞー!
ドーラ:静かに!よぉーく見てなー!
パズー:ぅん…くく…
シータ:ぁあっ…
パズー:…っあっ!!
パズー:あぁーーーーーーっっっ!!!!
シータ:あぁーーーーーーっっっ!!!!
ドーラ:んんんん…
ドーラ:ぉおーぉぉ…!!
シータ:…あぁ…
パズー:浮いてる…!
ドーラ:みんな、飛行石の力だよ!!
パズー:やっぱり、その石の力なんだ!すごいや!!!
シータ:あ…あ…
パズー:あっははは…
シータ:はぁっ…
シータ:ああっ…
パズー:大丈夫。このまま、底まで行こう…。
ドーラ:すごい!ほしーいぃ!!
兵士:撃てぇーーーっ!!
海賊:わぁぁぁあ!
シャルル:おおおおおー!!
ルイ:だぁっ!
ドーラ:すばらしい!!必ず手に入れてやる!!
海賊:ぁぁあああっ…

シータ:ああっ…消えてく…
パズー:あぁぁ、待ってくれ!
パズー:シータが、降りてきたときもそうだったよ。
パズー:…入口があんなに小さいや。
シータ:ひどい目にあってないかしら…。親方さんや、機関士さんたち…
パズー:大丈夫。鉱山の男は、そんなにヤワじゃないよ。さあ、行こう!出口を探さなきゃ。
パズー:この辺りは、大昔から鉱山があったんで、穴だらけなんだ。
パズー:はいっ。
シータ:うれしい!おなかペコペコだったの。
パズー:あと…、りんごが一個に、あめ玉がふたっつ。
シータ:わぁ、パズーのカバンて、魔法のカバンみたいね。何でも出てくるもの。
パズー:んっ…あ…しゅるるる、…ん、…にぃ!
シータ:ぅふっ!…しゅ、しゅぅぅぅ…
パズー:ゴンドア…、ずぅっと北の、山おくだね。
シータ:ええ。私、父も母も死んじゃったけど、家と畑は残してくれたので、何とか一人でやっていたの。
パズー:その、黒メガネ達にさらわれてきたの
シータ:ええ。
パズー:さっきの男もその一人。…何者だろう…。軍隊と一緒にいるなんて…
パズー:ドーラも黒メガネも、その石をねらっているんだね。
シータ:でも、この石に不思議な力があるなんて、私ちっとも知らなかった。…
ずっと昔から家に伝わってきたもので、母が死ぬとき私にくれたの。けっして人に
渡したり、見せたりしちゃいけないって。
パズー:ふぅん…。ぼくら、二人とも親なしなんだね。
シータ:ごめんね。私のせいでパズーをひどい目にあわせて。
パズー:ううん、君が空から降りてきたとき、ドキドキしたんだ。きっと、素敵なことが始まったんだって。
シータ:っはぁっ…
ポムじいさんん…
ポムじいさん小鬼だ。小鬼がおる…
パズー:ポムじいさん!…大丈夫、とってもいい人だよ。ポムじいさん!
パズー:道に、迷っちゃったんだ。
ポムじいさんはて…パズーによく似た子鬼だ。おまけに女の子の小鬼までおるわい…。
パズー:ぼくたち、海賊に追われてるんだ。
ポムじいさんほぉお
パズー:軍隊にも追われてるんだ。
ポムじいさんほぉ、っほ、っほ…。そりゃあ、豪気だなぁ。
ポムじいさんん…
ポムじいさんさあ。おあがりー。
シータ:ありがとう。…おじいさん、ずうっと地下で暮らしてるの
ポムじいさんふふっふ…、まさかなぁ…。ゆうべから石達が妙に騒ぎおってな…。
こういう時に下におるのが好きじゃがな…。
パズー:岩がざわめくの
ポムじいさんふっほ、っふ…石達の声は小さいのでな…。ふぅー…
シータ:ああ…。…ああ!
パズー:ああ!…あっ…ああ…
シータ:はあーっ…
パズー:…すごい…
シータ:パズー、上を見て…
パズー:ぁ…うわぁ!
パズー:さっきまで、ただの岩だったのに…
シータ:きれい…
ポムじいさんどれ、見せてやるかな。
ポムじいさん…んん…
パズー:わぁっ…
シータ:消えちゃった…
ポムじいさんこの辺りの岩には飛行石が含まれているんだよ。
パズー:飛行石
ポムじいさんんん…
ポムじいさんこのとおり、空気に触れるとすぐにただの石になってしまうがの…
シータ:…ぁ。
シータ:…光ってる…
ポムじいさんこりゃぁ…、たまげたぁ…。あんたそりゃあ、飛行石の結晶じゃ。
わしも見るのは…、初めてじゃ…
ポムじいさんどおりで、石が騒ぐわけだ…
シータ:この石には、不思議な力があるんです。
ポムじいさんその昔、ラピュタ人だけが結晶にする業をもっていたときいたがなぁ…
シータ:ラピュタ人…
ポムじいさんそいで、でっかい島を空に浮かばしたとな…
パズー:ああっ!ラピュタは、本当にあったんだね!シータ、やっぱりあるんだよ!
シータ:おじいさん、その島は今もあるんでしょうか
パズー:ポムじいさん
ポムじいさんすまんがその石を…しまってくれんか。わしには強すぎる…。
シータ:ぁ…あはい。
パズー:どうしたのじいさん。
ポムじいさんうん…ん…
ポムじいさんあー…。わしのおじいさんが言ってたよ。岩達が騒ぐのは、山の上にラピュタ
来とるからだとな…。
パズー:そうかぁ。そのとき空にのぼればラピュタを見つけられるんだ。シータ、父さんはうそつきじゃなかったんだ!
ポムじいさんなあ。女の子さん。…そのぉ…
シータ:はい。
ポムじいさんその石には強い力がある。わしは石ばかり相手に暮らしてきたからよぉー
わかるんだが…、力のある石は人を幸せにもするが、不幸をまねくこともよぉー
あることなんじゃ。
シータ:…はい。
ポムじいさんましてその石は人の手が作り出したもの…。…その…気になってのぉ…。
パズー:そぉんなことないよ!その石はもう2度もシータを助けてくれたじゃないか!すごいぞぉ、
ラピュタは本当にあるんだ!!
シャルル:いっちゃったよ。
アンリ:船へかえろうよママァ
ドーラ:静かすぎる…。こういう時は、動かない方がいい。
シャルル:腹減ったなぁ…
パズー:大丈夫だ、行こう!
シータ:おじいさん、ありがとぅ。
ポムじいさんきぃーつけてなぁ。
パズー:っはあ、はぁ、はぁ…はぁ…うわぁー、すごい雲ぉー!
パズー:あの、雲の峰の向こうに、見たこともない島が浮かんでいるんだ…
はぁーーー…やぁーるぞぉぉーーー!!きっとラピュタを見つけてやるー!
シータ:パズー…。
パズー:ぉん
シータ:わたし、まだ言ってないことがあるの…。
シータ:私の家に、古い秘密の名前があって、この石を受け継ぐとき、その名前も私継いだの。
シータ:私の継いだ名は…ルシータ。…ルシータ・トエル・ウル…ラピュタ…。
パズー:…ラピュタ…そ、それじゃ…
シータ:ぁあ…!
パズー:軍隊だ!!走れシータ!!!
パズー:ああ…
シータ:あ…あ!!
シータ:はあっはぁ、…
パズー:地下へ逃げろ!!!
シータ:はぁぁっ!…はっっ!!!
パズー:うぅわーぁぁ!!
兵士:動くなー!!
パズー:何をする!!
シータ:きゃぁーーあ!!
パズー:あ…
シータ:パズー!!!放してぇっ!!…ぁぅっ!
黒メガネ:どぉぁぁーー!
パズー:パズー、パズー!!!パズー!!パズー!!!!
兵士:収容しました。
ムスカ:てこずらせたな…。

パズー:ん…ん…ん…う・いつっ!…うんー…
パズー:…あー…。っ、開けろ!開けろっ!!
パズー:っえっ…ええっ!!
パズー:…シータ…。
パズー:…ん…あ、あ…
兵士:軍たーい、せいれーつ!!
パズー:んあ、んあっ…んんんーーんん
パズー:ん!…んんんんんーーー…おいっく、うんっく、ふんーーーぐ!!
ぐぐんぅぅぅぅ…ううわぁぁ!!
将軍:手ぬるい!あんな小娘締め上げればすぐ口を割るわい。
ムスカ:制服さんの悪い癖だ。事を急ぐと、元も子もなくしますよ、閣下。
将軍:ふん。初めから部隊が出動すれば、ドーラごときに出し抜かれずにすんだのだ!
ムスカ:閣下が不用意に打たれた暗号を解読されたのです。
将軍:っんなに!
ムスカ:これは、私の機関の仕事です。…閣下は、兵隊を必要なときに動かしてくださればよい。
将軍:んんーーーー!ムスカァ!!わしがラピュタ探索の指揮官だぞ!忘れるなぁ!!!
ムスカ:もちろん。私が政府の密命を受けていることも、お忘れなく。
将軍:んん…くそぉ、特務の青二才がぁっ!
シータ:…はっ!
ムスカ:よく眠れたかな
シータ:パズーはパズーに会わせて!
ムスカ:はやりの服は嫌いですか…彼なら安心したまえ。あの石頭は、
私のより頑丈だよ。…来たまえ。ぜひ、見てもらいたいものがあるんだ。
ムスカ:入りたまえ。
シータ:…はぁ!!
シータ:…これは…
ムスカ:すさまじい破壊力を持つ、ロボットの兵隊だよ。こいつが空から降ってこなければ、
誰もラピュタを信じはしなかったろう…
農夫:ぅおほ、うわぁーーー!!
ムスカ:こいつは…、地上で造られたものではない。この体が金属なのか粘土なのか、
それすら我々の科学力では分からないんだ。…ここを見てくれ。…
おびえることはない。こいつははじめから死んでいる。
ムスカ:そこだ。
シータ:はっ!!
ムスカ:同じ印が、君の家の古い暖炉にあった。…この石にもね…
ムスカ:こいつは君の手にあるときにしか、働かない。
シータ:はぁっっ…うっ…
ムスカ:石は持ち主を守り、いつの日にか天空のラピュタへ帰るときの道しるべとして君に受け継がれたんだ。
シータ:そんな!あたしなんにんも知りません!…石が欲しいならあげます!…あたし達をほっといて…
ムスカ:君は、ラピュタを宝島か何かのように考えているのかね…。
ムスカラピュタはかつて、恐るべき科学力で天空にあり、全地上を支配した、恐怖の帝国だったのだ!
ムスカ:…そんなものがまだ空中をさまよっているとしたら、平和にとってどれだけ危険なことか、
君にも分かるだろう。
ムスカ:私に協力して欲しい。飛行石にラピュタの位置を示させる、呪文か何かを、…君は知っているはずだ。
シータ:…ほんとに知らないんです…。…パズーに会わせて…
ムスカ:私は、手荒なことはしたくないが…あの少年の運命は君がにぎっているんだよ…。
シータ:ええっ…!
ムスカ:君が協力してくれるんなら、あの少年を自由の身にしてやれるんだ。
…ルシータ。…トエル・ウル・ラピュタ
シータ:…、どうして、それを…
ムスカ:ウルはラピュタ語で『王』。トエルは『真まこと』。…君はラピュタの正当な
王位継承者、ルシータ王女だ。
パズー:んっん…んはぁっ、はぁっ、…ん…ううぁぁ!…ん!!…だぁっ!…あぁーー…
うう…、うー…
兵士:出ろ。
パズー:…ぁっ…あっ!、シータァ!
シータ:パズー、けがは
パズー:大丈夫だ。君はひどいことされなかった
ムスカ:パズー君。君を誤解していた。許してくれたまえ。君がこの方を海賊から守るために、
奮戦してくれたとは知らなかったんだ。
パズー:シータ、一体…
シータ:パズーお願いがあるの。…ラピュタのこと忘れて…。
パズー:何だって!
ムスカラピュタの調査は、シータさんの協力で、軍が極秘に行うことになったんだ。…
君の気持ちは分かるが、どうか手をひいて欲しい。
パズー:シータ本当だって…
シータ:ごめんなさい。いろいろ迷惑かけて。ありがとう。パズーのこと忘れない。
パズー:まさか…!シータ…、約束したじゃないか!
シータ:…さよなら!!
パズー:シータァ!!…あっ…待って、シータァ!!
ムスカ:君も男なら、ききわけたまえ!!
パズー:…ぅっ…シータァ!!!
パズー:…ぁぁぁあ…
ムスカ:これはわずかだが、心ばかりのお礼だ。とっておきたまえ。
ムスカ:思いだしたまえ。…この石を働かせる言葉を。
ムスカ:約束さえ果たせば、君も自由になれる。
シータ:パズー…、え、う、う…
パズー:ふー、へー、ふぅー…、あー。
マッジ:ママァー!パズーだよ、パズーが帰って来たぁ!
おかみ:…ぁっ、パズー!
おかみ:心配してたんだよ。あれっきり、姿が見えなくなっちゃって…。
おかみ:…あの子はどうしたんだい
パズー:もういいんだ…。
おかみ:え…あ、パズー!
パズー:っくっは、っは、…うっ…う、う…。
パズー:…はぁー…。
パズー:…ぅおっっ!!あっ、お、うぁあー、は、はなせ!!何をする!!
アンリ:っ、騒ぐんじゃねえ!
パズー:…、っててて…
ドーラ:ちょっと借りてるよ、ぼーや。
パズー:出てけぇ!!…く、ぅぅ、ここはぼくのうちだぞ!!
ドーラ:偉そうな口をきくんじゃないよ。娘っこ一人守れない小僧っ子が!
パズー:なにぃ!
アンリ:こいつ金貨なんか持ってらぁ!
ドーラ:やれやれ。娘を金で売ったのかい
パズー:ちがう!!そんなことするもんか!!
ドーラ:その金で手をひけって言われたんだろうが!
パズー:…シータがそうしろって言ったんだ!…だから…。
ドーラ:くぺっ!でいじけてノコノコ帰ってきたわけかい。それでもお前男かい!えぇ!!
パズー:…、いばるな!!お前達だってシータをねらってるじゃないか!!
ドーラ:あたりまえさね。海賊が財宝をねらってどこが悪い!!おかしなのはあいつらだ。
:なぜこそこそ娘をさらったりするんだ。
ドーラ:…お前あいつらがあの娘を生かしておくと思うのかい
ドーラ:シータがそう言ったバーカ!お前を助けるためにおどかされてやったに決まってるじゃないか!!
ルイ:よく分かるねぇ、ママ。
ドーラ:だてに女を50年やってるんじゃないよ。泣かせるじゃないか、
男を助けるためのつれないしぐさ。あたしの若い頃にそっくりだよ!
ドーラ:お前達も嫁にするなら、ああいう娘にしな。
ルイ:はぁ…ママのようになるのぉあの子ぉ
海賊:わぁっ!
ルイ:んもったいない…
ドーラ:ひひひぃ、暗号を変えたって無駄だよ。
ドーラ:…飛行戦艦をよびよせたな
ドーラ:娘を乗せて出発する気だ。急がないと手が出せなくなる!
シャルル:…んえいしょぉ…
ドーラ:出かけるよ!いつまで食べてるんだい!
ルイ:んん…あハイ、ママ…
パズー:シータをさらいに行くの
アンリ:嫁はいらねぇ、飛行石さ!
パズー:石だけじゃダメだ!あの石はシータが持たないと働かないんだ!!…おばさん、
ぼくを仲間に入れてくれないか!…シータを…助けたいんだ。
ドーラ:甘ったれんじゃないよ。そういうことは、自分の力でやるもんだ。
パズー:そうさ…ぼくがバカじゃなくて、力があれば守ってあげられたんだ…。
ラピュタの宝なんかいらない!…お願いだ…。
ルイ:ほぉ!泣ぁかせるぅー
ドーラ:おだまり!!
ルイ:はぁ…ぁはい…
ドーラ:んん…その方が娘がいうこときくかもしれないね…
ドーラ:二度とここへは帰れなくなるよ!
パズー:分かってる!
ドーラ:覚悟のうえだね!!
パズー:うん!!
ドーラ:40秒でしたくしな!
パズー:ぅ、ぇぇっ!!
パズー:みんな、元気で…

ドーラ:こいつをベルトにつなぎな!お前達は本船でお待ち!
将軍:素晴らしい艦ふねだ!…ムスカ、娘は白状したか。
ムスカ:もう少し、時間がいります。
将軍:かまわん。空中でたっぷり締め上げてやれ。夜明けとともに娘を乗せて出発だ!
ドーラ:ぐぅずぐずしてると、夜が明けっちまうよぉー!
パズー:シータ!
シータ:えっ、えー…ふっえっ、えー…ふっ、え、えー…えっ、あぇー…くっ、えー…
おばあさんそれは困ったねぇ。
シータ:うぁっはぁぅ…ふっ、ひっ…
おばあさんそうだ。シータ、いいことを教えてあげよ。困ったときのおまじない。
シータ:おまじない
おばあさんそぉ。古い古い、秘密の言葉。
おばあさん『リーテ・ラトバリタ・ウルス。アリアロス・バル・ネトリール。』
シータ:リーテ…ア
おばあさん『我を助けよ。光よ甦れ』という意味なの。
リーテ・ラトバリタ・ウルス・アリアロス・バル・ネトリール。
シータ:リーテ・ラトバリタ・ウルス。アリアロス・バル・ネトリール…。
シータ:はぁっっ!ああっ!!
シータ:ああ、ああ、あぁーあ…、あぁーーぁ!!
ムスカ:すばらしい。
ムスカ:古文書にあった通りだ。この光こそ、聖なる光だ!
シータ:聖なる光
ムスカ:…ほぁぉあ!!
シータ:はぁーは!
ムスカ:どんな呪文だ!教えろその言葉を!!
兵士:おい!
兵士:ああ!
兵士:ああっ!
兵士:うううぇぁぁ!
兵士:動いたぁ!!
兵士:ひぁぁぁああ!
兵士:ロボットが、ロボットが生きてますぅっ!!!…、もしもしぃ!!
兵士:ふぁーーーー!!!
兵士:わっっ!!
兵士:ああー!!
シータ:はぁっ…
兵士:どぅあー、助けてくれー!!
兵士:う、動いてるぞ!
兵士:火を消せぇ!
兵士:ロボットだぁ!
兵士達:うわあー、そっちだぁー、わーわーわー
ムスカ:ロボット
兵士達:わー、おー、っだーー!、わーわー
ムスカ:ここへ来る気か
兵士:急げっ!
兵士達:ぉぉぉ、うぉおおおお!!
兵士:全員退避!、退避ーー!!
ムスカ:すごい…!!
ムスカ:そぉかぁ…
シータ:あぁっ!!
ムスカ:その光だ。…聖なる光で、ロボットの封印が解けたのだ!!
ラピュタへの道は開けた。来い!!
シータ:いやぁぁぁあ!!!
ムスカ:ああ、
シータ:ああーっ!
黒メガネ:うお、
ムスカ:ああ、ああ、ああー
黒メガネ:うお、だぁあー、
ムスカ:あああーーーっ、ああっっ!!
ムスカ:あああー、あぁーー!
ムスカ:飛ぶ気か!!
ムスカ:うああっっ!!!
黒メガネ:うぇえ、えっ…
黒メガネ:うえっ、だぁっっ!!
ムスカ:ああっ!
シータ:はぁは、はぁは、はぁは!
シータ:…空をさしてる…!
ムスカ:あの光のさす方向に、ラピュタがあるのだ!!…、まだか!早くしろ!!
将軍:ばぁく薬を使うばぁかもの!!要塞を吹っ飛ばす気か!!
将軍:…ぅん…もしもしもしもしおいっ!!どうした!!
黒メガネ:いいぞ。
黒メガネ:つながりました!
ムスカ:私はムスカ大佐だ。ロボットにより通信回路が破壊された。緊急事態につき、
私が臨時に指揮をとる。ロボットは北の塔の少女をねらっている。姿を現した
瞬間をしとめろ。砲弾から信管を抜け。少女を傷つけるな!!
兵士:いそげぇっ!早くしろ!
兵士:ってぇっっ!!
シータ:はぁああ!
兵士達:いやったーーー!!、おーー!
兵士:急げぇー!
兵士達:えーい!、わーー、おーー、
兵士達:うお…、お…
兵士:っへへ、ぺっちゃんこだ!
兵士:すげえ!
兵士:娘をとらえろ!!
兵士:死んだか
兵士:おぉい、起きろ!!
シータ:…あ…あ、あぁ…
兵士:…気を失ってるだけだ。
兵士:立てぇっ!!
兵士達:うおー、動いたぞ!!、おわー、うお、あー
兵士達:おあー、うお、あああー!!、わー
ムスカ:おおあ!!
兵士達:うわー、わーおわー
兵士達:うわーー、わーー!!!
パズー:はぁっ!
ドーラ:どーしたんだい、まぁるで戦だよ!
パズー:行こう!おばさん!
ドーラ:船長とお呼び!!
ドーラ:シャールルィ、もっと低く飛びな。
シータ:はっ!
シータ:はぁぁぁー…。
シータ:っぁ、ぁあ…やめて!!もうやめて!!お願い!!!
ルイ:ママ!ゴリアテが動き始めた!!
ドーラ:このまま行くと、あいつの弾幕に飛びこんじまう!出直しだ!
シータ:あそこだ!!シータがいる!!!
ドーラ:なに!!
ドーラ:どこだってぇ
パズー:このまままっすぐ飛んで。小さな塔の上にいる!
ドーラ:女は度胸だ。お前達援護しなぁ!!
パズー:シーターーーー!!
シータ:はぁっ!!
ドーラ:シータ、今行く!!
シータ:パズー!!
ドーラ:おばさん、もっと寄せて!
パズー:っっあぁっ!
シータ:っう、ぇぇ…
シータ:パズー!!…っあ、はなしてぇーーー!!!
シータ:…はぁーーー…
シータ:っぁぁぁぁああ!!
パズー:シータぁ!!!…っうおっ、あ…
パズー:おばさぁん!!
シータ:パズー!!
シータ:…ああっ!
シータ:…あぁっ、ああっ…あ…パズーー!!!
パズー:っあっえ、っっあ、う、ん…あ、っえ、うぐ、ん、あ、…
パズー:あっがれぇぇえええ!!!
パズー:っうっあ…
ドーラ:最後のチャンスだ、すり抜けながらかっさらえーー!
パズー:はい!!
シータ:ああっ!パズーー!!
パズー:いくよ!!
ドーラ:よぉーし!!
ムスカ:どけぇ!!…しまった…。
パズー:シーターーァ!!
ムスカ:くそぉ、ゴリアテ、何をしてる!!
ムスカ:っあ…
ムスカ:煙幕か…
将軍:っ、へぇ、へぇ、へぇ…ムスカァ、ロボットはどうした!!
ムスカ:破壊しました。娘はあそこです。
将軍:ぅ…んなに!!
将軍:…んんん…、なにをボヤボヤしとる!!火を消せい!!追跡隊を組織しろ!!
ムスカ:聖なる光を失わない…。
ムスカラピュタの位置を示している…。
ムスカ:将軍に伝えろ。予定通りラピュタに出発すると。

シータ:ふっ、ぅう、うっう…うっ、っうっう…ふっ、うっ、う…
ルイ:いいなぁ…
シャルル:信じられるかぁあの子がママみたいになるんだぞぉ
ドーラ:お前の谷だ。全く、とんでもない無駄足だったよ。
パズー:ねぇ。
パズー:…おばさん。ぼくたちを船に乗せてください。
ドーラ:船長と言いな。飛行石を持たないお前達を乗せて何の得があるんだい。
パズー:働きます。
シータ:ラピュタの本当の姿を…この眼で確かめたいんです。
ドーラ:ふん。宝はいらないとか、ラピュタの正体を確かめるとか。海賊船に乗るには
:動機が不純だよ。
ルイ:ママァ、連れてくのぉ
ドーラ:変なマネしたらすぐ海にたたっ込むからね!
パズー:…ああ!!
ルイ:やったーぃ!掃除洗濯、しなくてすむぞぉーぃ!!
アンリ:皿洗いもだー!!
シャルル:イモの皮むきもなー!ぃやっほーーぃ!!
ルイ:ひやっほー!
アンリ:やったーーーぃ!!
シャルル:お前プディングつくれるかぁー
シータ:…ええ…
ルイ:おれなぁ、ミンスミートパイが好きなんだ。
アンリ:おれねえ、えっと、ええとねーぇ、ぁ、何でも食う!!
ドーラ:いい加減にしなー!!…まったく、いつまでたっても子供なんだから…んとにもぅ…
パズー:…うわぁっ、あ、…
ドーラ:降りな。
パズー:…っぅ…
シータ:…ぁあ、
パズー:うわぁっ
シータ:あっ…
パズー:きれだ!この船、きれが貼ってある。
ドーラ:壊すんじゃないよ。
パズー:おわっ!
シータ:ああっ
ルイ:ぐずぐずしねぇで、狭いんだから。
シータ:っ、ぁぁ、ぁはっ、あっ…
ドーラ:早くしな、こっちだよ。
ドーラ:グズは嫌いだよ。
ルイ:お前はこっち!
パズー:うわあ
シータ:パズー…
ドーラ:とってくいやしないよおいで。
ルイ:遊びに来たんじゃねんだからな!
パズー:すごいエンジンだね…
ルイ:どーこ行っちゃったのかなぁ…じっちゃぁん、じっちゃん!
パズー:ほわっ…
ルイ:んじっちゃん、ほら、欲しがってた助手だ。
ハラ・モトロでーっけぇ声だすなぃ!!…聞こえとるわい。
パズー:行けよ…ママより怖いんだ。きぃつけろ…。
ハラ・モトロんー、狭くて手がはいらん。
パズー:っあ、このパッキンだね。
ハラ・モトロ名前は
パズー:パズー。
ドーラ:ほとんど真東だね飛行石の光が指したのは。…間違いないだろうね
シータ:私のいた塔から、日の出が見えました。今は、最後の草刈りの季節だから…
:日の出は、真東より、ちょっと南へ動いています。光は、日の出た丘の
:ひだりはしを指したから…
ドーラ:いい答えだ。そっちはどうだい
子分キ:ウンともスンともいわねぇです。
ドーラ:無線封鎖して、行方をくらます気だね。
アンリ:ママァ、ゴリアテの方が足が速いよどうするの
ドーラ:あたしらヤツの風上にいるんだ。貿易風をつかまえれば…こりゃあね、東洋の計算機だよ。
:風力が10、と…。なーんとかなりそうだ。
ドーラ:みんな、よーくお聞き!!ゴリアテは既にラピュタへ出発した。本船はこれより、
:追跡を開始する!風をつかまえれば明日には接触できるはずだ。ヤツを最初に
:見つけたものに、金貨10枚を出すよぉ!
シャルル:10枚
ドーラ:ラピュタがどんな島だろうが、まっとうな海賊をなぐさめてくれる財宝ぐらいあるはずだぁ!
ドーラ:さあみんな、しっかり稼ぎな!!
ハラ・モトロそれい!!
パズー:んへぃっ!!
ドーラ:進路98、速力40!
ドーラ:そのなりじゃなんにもできやしない…んぬー…。これを着な!
ルイ:ぃよっ…んん…いよっと…あん
ドーラ:お前の持ち場だよ。
ルイ:イイ…
ドーラ:食事は一日に五回だ。水は節約するんだよ。
海賊達:うん…あああ、ひゃあーっ…イテェ
ルイ:っ、はははは…
シャルル:へっへっへ…
ルイ:わっはぁーー!!
ドーラ:このバッカども、さっさと仕事をしないかぁ!!
シータ:…ふぁーーー…ふん!
シータ:ハイ。
ルイ:…んっ、ん…
シータ:ごめんなさい、ご飯、まだなんです。
ルイ:っぁぁっ…
シータ:飛行船の台所って、初めてで…。
シータ:あのぅ、何か
ルイ:イイ…
シータ:ええ
ルイ:っあ、いやいや、ぁひまだから、んなんか手伝おうかな、なんてなっはっはっは…
シータ:まぁー、ありがとう。じゃ、そのお皿…、しまってくださる
ルイ:へへ、おやすいご、お…
ルイ:お、おめぇ、さっき腹がいてえって…
シャルル:おれひまなんだ、なにかてつだ…あれ
ルイ:あー…
シャルル:どけよもぉー…
シャルル:もー、せめぇーなぁもー、こっちはまんたんなんだい
ルイ:何がはらいただこの野郎!
アンリ:よお、なんかてつだおっか!…あおぎゃんげ、ああーーあ
ルイ:ああっ
シャルル:げぇー!
ハラ・モトロドーラも変わったねぇ、ゴリアテなんぞに手を出すとはよ…勝ち目はねぃぜ…
ドーラ:ふんっ、ラピュタの宝だ無理もするさ。
ハラ・モトロっへっへ、確かにいい子だよあの二人はなぁ。
ドーラ:なぁにが言いたいのさ、このクソジジイ!
ハラ・モトロカタギに肩入れしてもよ、尊敬はしてくれねーぇぜって。
ドーラ:なんだってぇ
ハラ・モトロいーやほら、ふ、王手だな。
ドーラ:んん
海賊達:こりゃうまいな、うまい!、うまい、たまんねえ!、ああーあ!、うまい、うまいねえ
シータ:あの、おかわりあるから…
海賊:ん…。
シータ:あ、はい。
シャルル:おかわり!
ルイ:おかわり!
アンリ:おかわり!
海賊達:おかわり、おかわり!!
海賊達:んぐ、んがーががぐぐ…、んえーーー…、んぐーー…
ルイ:…おい。
パズー:っん…
ルイ:おきろ。
パズー:んんん…
ルイ:当直の時間だ。…もってけ、寒いぞ。
パズー:見張り
ルイ:ああ。
ドーラ:んがぁーぁあ…ふぐっ…んがが…
ルイ:うええい、寒ぶい!お前上だ。
パズー:っうん…。
アンリ:…うっ、へへーへーへー…
ルイ:交代だよ。
アンリ:うっへえい、ありがてえい…
パズー:っ、ああ!
パズー:…シータァ!!
パズー:…っあ、あ…うううわぁーー!!
シータ:ああっ!!
パズー:んぬ、っええい…
シータ:あー、怖かったぁ…ぅわぁー、きれい…。
シータ:んっああ、ん…んはー…
パズー:シータ、
シータ:んん
パズー:はいりな。
パズー:ねむれないの
シータ:んん…。あったかぁい…。
パズー:シータは後ろを見張って。
シータ:うん…。
シータ:…パズー…。
パズー:んん
シータ:わたし…、怖くてたまらないの…。
シータ:ほんとはラピュタなんかちっとも行きたくない。ゴリアテなんか見つからなければいいのに、
って思ってる…。
パズー:っっ、じゃあ…
シータ:んーん、光の指した方向は本当。…でも…
パズー:あの…ロボットのこと
パズー:…かわいそうだったね…。
シータ:うん…。おばあさんに教わったおまじないで、あんな事が起こるなんて…。
シータ:あたし、他にもたくさんおまじないを教わったわ。もの探しや、病気を治すのや…
絶対使っちゃいけない言葉だってあるの…。
パズー:使っちゃいけない言葉
シータ:滅びのまじない。いいまじないに力を与えるには、悪い言葉も知らなければいけないって、
でも決して使うなって…。
シータ:教わったとき、怖くて眠れなかった…。
シータ:あの石は外に出しちゃいけないものだったのよ。…だからいつも暖炉の穴に隠してあって、
結婚式にしかつけなかったんだわ。
シータ:おかあさんも、おばあさんも、おばあさんのおばあさんもみんなそうしてきたんだもの。
シータ:あんな石、早く捨ててしまえば良かった!
パズー:んん、違うよ。あの石のおかげで…ぼくはシータに会えたんだもの。…石を捨てたって、
ラピュタはなくならないよ。飛行機械が、どんどん進歩してるから…いつか誰かに
見つかっちゃう。
パズー:まだ、どうしたらいいか分からないけど…本当にラピュタが恐ろしい島なら、
ムスカみたいな連中に渡しちゃいけないんだ!
パズー:それに…っえ、今逃げ出したら、ずぅっと追われることになっちゃうもの。
シータ:でもあたしのためにパズーを海賊にしたくない!
パズー:ふふっ、ぼくは、海賊にはならないよ。
パズー:ドーラだって分かってくれるさ。見かけよりいい人だもの。
パズー:全部片づいたら…、きっとゴンドアへ送っていってあげる。…見たいんだ。
シータの生まれた、古い家や、谷や、ヤク達を…。
シータ:はぁー…、パズー…。
パズー:なんだあれ!!
パズー:船の下…ほらっ!あれ!
パズー:ゴリアテだぁ!真下にいるぞぉ!!
ドーラ:おもかじ逃げろぉーー!!
将軍:ムスカ!なぜ追わん逃がすとやっかいだぞ。
ムスカ:雲の中では無駄骨です。
将軍:なぬ…
ムスカ:手は打ちます。どうせやつらは遠くへは逃げません。…航海は極めて順調ですよ。
ドーラ:予想より進路が北だった。パズー、時間がない。よくききな。
ドーラ:ゴリアテに振り切られたらおしまいだ。お前は眼がいい。見張り台だけ雲から出して、追跡する。
パズー:どうすればいいの
ドーラ:その見張り台はタコになる。中にハンドルがあるだろう。
パズー:…あった!
ドーラ:時計回しにまわしな。
パズー:っぅ、…ぃっ、ぃ…
ドーラ:フックがかかったら、上のハンドルを回せば翼が開く!
シータ:…ぁ、ぇっ…
ドーラ:開いたらワイヤーを張りな!操縦は体で覚えるんだ!
ドーラ:シータそこにいるね
シータ:ハイ。
ドーラ:お前は戻っておいで。
シータ:なぜ
ドーラ:…なぜってお前は女の子だよ!
シータ:あら!おばさまも女よ。それにあたし、山育ちで眼はいいの。
パズー:シータ!…
シータ:お願い…
シータ:パズーもそうしろって。
ドーラ:…っはっはっはっはははは…。上がったら伝声管は使えないよ。中に電話があるからそ…ん
シータ:電話ってこれねおばさま!
シャルル:すんげぇ…
パズー:…はい。やってみます。上げてください。
ドーラ:いっくよぉー!
シータ:…いないわぁ…。
パズー:雲の中へ潜ってるんだ。
ドーラ:油断するんじゃない、前にいるとは限らないよ!
パズー:…はい。…ああぁ!
シータ:きゃぁ!
パズー:っ、しっかりつかまって!
シータ:ぅぅ…
ドーラ:どぉーしたんだぁー!
パズー:突風です!大丈夫!…ちょっとあおられただけです。…はいっ、見張りを続けます。
シータ:…はぁぁ…
パズー:怖い
シータ:…ぅううん。
パズー:やり方が分かってきたよ。…少し荒れそうだ。
パズー:シータ、ぼくのカバンから紐を出して。
シータ:えっ、えぇ。
パズー:そいつで、ぼくとシータを縛って。
シータ:はい!
ルイ:水銀柱が、どんどん下がってるよママ。
ドーラ:ついてないね。こんな時にしけるなんて。夜明けまでは!
シャルル:あと1時間!
パズー:夜が明ける…。
シータ:パズー、おかしいわ。夜明けが横から来るなんて。
パズー:そうか!ぼくらは東へ進んでいるはずなんだ。ブリッジ!!
ドーラ:ええ北へ向かってるってぇ
シャルル:コンパスは東を指してるよ。
ドーラ:風が変わったんだ。流されて進路がくるっちまった。
シータ:見てあれ!!
ドーラ:どぉしだんだい、ゴリアテかい!!
パズー:雲です。ものすごく大きな!
ドーラ:…雲
シータ:こっちへ近づいてくるわ!
パズー:…空の城だ…。
ドーラ:そいつは低気圧の中心だ。風に船を立てな!全速力ー!!
シャルル:ん…
ドーラ:引きずり込まれるよぉ!!
シャルル:んぁーー…
パズー:どんどん引き寄せられてます!
ドーラ:ふんばりな!収容はできない!!
パズー:うぁぁぁ!!
シータ:ふぁぁぁ!!
シャルル:…かじがうごかねぇ…!!
ドーラ:いーつものくそぢからはどーしたい!
ルイ:んんん…
ハラ・モトロドーラァ!エンジンが燃えちゃうよ!!
ドーラ:泣き言なんか聞きたかないね!なんとかしな!
ドーラ:…雲から出るよぉ!
パズー:シータっ!海だ!!
シータ:えっ!…
ドーラ:竜の巣だぁ…
パズー:竜の巣…これが!…
パズー:父さんの言ったとおりだ。向こうは逆に風が吹いている。
ドーラ:すぐそこに風の壁があるよぉ!
シャルル:ママァ、だめだぁ、吸い込まれるー!
ドーラ:男が簡単にあきらめるんじゃないよぉ!
パズー:ブリッジ!ラピュタはこの中だ!
ドーラ:なんだってぇ!
パズー:父さんは、竜の巣の中でラピュタを見たんだ!
ドーラ:ばぁかな!入ったとたんにバラバラにされちまうよぉ。
シータ:パズー!!あそこ!!
パズー:はっ!
ドーラ:…んぇー、このくそ忙しいときに。
パズー:行こうっ、おばさん!父さんの行った道だ!父さんは、帰ってきたよ!!
ドーラ:よぅし、行こう竜の巣へ!ぁぉぉ…
パズー:はぁっ…!
将軍:はぬっ…!
将軍:んぬぉーー!!ぃやったぞ!!
兵士:本艦も危険です。退避します。
ムスカ:このまま進め。
兵士:はぁ…
ムスカ:光は、常に雲の渦の中心を指している。
ムスカ:…ラピュタは嵐の中にいる。聞こえないのかこのまま進むんだ。必ず入口はある。
パズー:行くよっっ!シータ!
シータ:っええ!
パズー:…くっふっ…ああ…

パズー:んっ、んん…はっ!
パズー:シータ…シータ!…大丈夫
シータ:…はっ…
パズー:見て…
シータ:……ラピュタ…。
パズー:…うん。
シータ:…っはっっ!!
パズー:っ、ああ、ごめん!
シータ:ああ…
パズー:あっ、
シータ:あっ、待って。うんときつく結んじゃったの。
シータ:…んんっ、…ん、ん、手がふるえて…ん、ん…わぁっっ!
パズー:はぁーやったぁぁぁ!!!
シータ:あーぁぁっはっはっはっは…
パズー:はっはっはっはっはっは…
シータ:ふふふはははは…
パズー:はっはっはっは、うふは、うぅあ!!
シータ:ああっ!
パズー:あ、あ…
パズー:…う、くっはは…
シータ:うふっふ…
パズー:っはははは、あははははははは…
シータ:あはははははは…うふはははは、ははははは…
パズー:…鳥がいる…。
シータ:みんなどうしたかしら。
パズー:…あん
パズー:…シータのでむかえかな…
パズー:でもあたし、飛行石、持ってないわ。
パズー:…、ナイフで切ろう。
パズー:あっ…
パズー:っう、…
ロボット:…ポン、パン…
パズー:っ、何をする!
パズー:待って、…お願い、それを壊さないで。それがないと帰れなくなるの。
ロボット:…パン、ポン、ピン!
シータ:ヒタキの巣だわ。
パズー:このために
シータ:…よかったぁ、卵が割れてなくて。
パズー:人をこわがらないね。
ロボット:…ポン、パン…。
シータ:…おいでって。
パズー:言葉が分かるの!
シータ:そんな気がするだけ!
パズー:はぁは、…うおわーーぁ!
シータ:わぁーー!
パズー:…街だぁ…。
パズー:建物の中のはずなのに…
パズー:はっ
シータ:あっ…
パズー:シータ、あの空。
シータ:ええ。
パズー:立派な街だったんだぁ。科学も、ずぅっと進んでいたのに、どうして…
パズー:…お墓だね。彫ってある字が読めるといいんだけど…。
シータ:…花がそなえてある。
シータ:あなたが、してくれてるの…あっ…
シータ:パズー!
パズー:さっきのロボットじゃない!
パズー:ずぅっと前に、壊れたんだ…。
シータ:…あっ、…
パズー:きっと、園庭のロボットなんだ。…人がいなくなってからも、ずぅっとここを守ってたんだね…。
シータ:…はっ…
シータ:…はぁ…お墓にそなえる花を、つんできてくれたの
シータ:…ありがとう…。
パズー:君、ひとりぼっちなのここにはもう、他のロボットはいないのかい
ロボット:…ポン
パズー:あはっは…
ロボット:…ピン、ポン、ポン、パン…
パズー:ちっとも寂しくないみたいだね。友達もいるし、ヒタキの巣を見回ったりもしなきゃならないし。
シータ:…ぁぁ…。
シータ:はぁ、はぁ、…
パズー:こっちだ!
シータ:はぁっ、はぁつ…
パズー:裏側は…、崩れてたんだ。
兵士達:わーわーわー、…
パズー:タイガーモス号がやられてる!
シータ:おばさま達大丈夫かしら…。
パズー:シータ!…あそこ!
シータ:あぁっ!みんなつかまってるわ!
パズー:…海賊は、すぐしばり首だ!
シータ:助けなきゃ!
パズー:行こうっ!
兵士:街への突入口が開きました。
将軍:んん…
兵士:ごらんください、
将軍:んん!…
兵士:中は宝の山です!
将軍:んなは、んは…なあんは…はぁ、はっは…
ルイ:すんげぇ…
将軍:どーおだ、欲しいか。お前らにはたっぷり縄をくれてやるわい!
将軍:本国にラピュタ発見の報告をしたか
ムスカ:…これからです。
将軍:せーいぜい難しい暗号を組むんだなぁ…コーラー!!ネコババするなーー!!!
ムスカ:バカどもには、ちょうどいい目くらましだ。
シータ:…すごい木の根。
パズー:シータは、木登り平気だよね。…っえっ…いけそうだ。
シータ:っえっ…っ、ぅわっっ!
兵士達:うわーわー、おー、わー、うらぁ、おおー…
パズー:ひどいことするなぁ…
シータ:…あの人達が上の庭へ行ったら…。
パズー:シータ、飛行石を取り戻そう。
シータ:えっ!
パズー:ここをやつらから守るには、それしかないよ。
パズー:なぜ雲が晴れたのか、気になってたんだ。こんな風にならなければ、
やつらは上陸できなかったはずなんだ。
シータ:…わたしのおまじないのせい…
パズー:ムスカの言った、封印が解けたって、これなんだよ。きっと…。
パズー:もう、この城は眠りから覚めてるんだ。嵐に乗って飛行石を持つものを迎えに来たんだよ。
…このままではムスカが王になってしまう。…略奪より、もっとひどいことが始まるよ!
シータ:でも、飛行石を取り戻したって、わたしどうしたらよいか…。
シータ:…はっ、あの言葉…!!
パズー:…あの言葉、って…滅びのまさか!!
シータ:はっ
パズー:あっ!
兵士達:あー、わぁーおおー…
パズー:…下からまわれる。
パズー:先に飛ぶよ!
シータ:うんっ。
パズー:ううぁぁあ、んがが、う、う…
シータ:ああああっ!
パズー:うあぁ、ぅぅぅう…、ん、んんん…ああ、ん、ん、にぃ、ん、んん、くっ、ううあああ!
シータ:あっ、あっ…
ムスカ:この辺りだ。
シータ:はっ!
シータ:…神さまぁ…!
パズー:っん、にぃー、っえ、…
ムスカ:…これだ。
黒メガネ:ぅおおお!
シータ:はぁっ!
黒メガネ:なんだ
パズー:うぁっ、え、…
黒メガネ:…あの小僧だ!
パズー:うんっ!
シータ:えっ、ええい!!
黒メガネ:ぅあああ…
パズー:しまった!
ムスカ:撃つな!
シータ:ああっ!
ムスカ:とらえろ!
シータ:っうあぁぁ!!
シータ:ああああ!!
ムスカ:これはこれは、王女さまではないかぁ。
シータ:うううっ!
パズー:シータァ!っくそぉ…
パズー:っうあっ!
兵士:大佐ぁ!何事ですか!!
ムスカ:海賊の残りだ。
シータ:っう、う、うう…
ムスカ:もう一匹、その足もとに隠れているぞ。
兵士:はっ!探せぇっ!
シータ:うう、ぁ、あっ…
パズー:シータァ、待ってろぉ!!!
シータ:パズー!!!
パズー:あぁぁぁ!
兵士:手投げ弾を持ってこいっ!
ルイ:パーズー達かな…。
ルイ:っのお…
シャルル:あああ…
アンリ:なに
ルイ:はぁ
ハラ・モトロひぃっ…
ルイ:へ
ドーラ:っちがうぅぃ!
ドーラ:…んん
兵士達:うお、んんどうした、何かあったのか!、こっちだ、ええ、ハイ、次!
兵士:将軍閣下は、あちらです。
兵士:衛兵、集まれぇ!…急げぇ!
ルイ:ぅあっ…
シャルル:おおっ…
パズー:んっ、おばさん!
パズー:シータがつかまったんだ。ぼくは助けに行く。縄を切るから逃げて!…えっ、っんん、…
パズー:…うまく逃げてね。
ドーラ:…これ、お待ち!…持ってきな。
パズー:っあ、ぅあ、ありがと!
ドーラ:へっ!急に男んなったね。
将軍:んなんだと!!んムスカが無線機を全部ぶっ壊しただと!!
兵士:はっ、艦内が手薄になった隙をつかれました。当直の兵、数名が重傷です。
兵士:大佐は、下部の黒い半球体の中です!…兵が目撃しました。
将軍:…青二才め。本性をあらわしおったな。兵を集めろ!スパイ狩りだ!!
兵士:小隊集まれぇー!!
兵士:こらぁ!早くしろぉ!
兵士:抵抗する場合は、射殺してかまわん!!
兵士:入口を探せぇ!
黒メガネ:…大佐ぁ、ここは、一体…
ムスカラピュタの中枢だ。上の城など、ガラクタにすぎん。…ラピュタの科学は、
全てここに結晶しているのだ。
ムスカ:お前達はここで待て。
黒メガネ:うあああ、大佐!
黒メガネ:大佐ぁ!
ムスカ:ここから先は、王族しか入れない聖域なのだ。
ムスカ:…なんだこれは!
ムスカ:…木の根が、こんなところまで!!
ムスカ:…一段落したら、全て焼き払ってやる。
ムスカ:来たまえ、こっちだ。
ムスカ:っくそぉっ!…あった!!これだ!!
ムスカ:…ここもか!…はぁっ!
ムスカ:くっそぉっ!!
ムスカ:…あっ、ぐっ、…あった…。
ムスカ:おおおお。…見たまえ。この巨大な飛行石を。これこそ、ラピュタの力の根源なのだ。…
すばらしい。700年もの間、王の帰りを待っていたのだ!
シータ:…700年
ムスカ:君の一族は、そんなことも忘れてしまったのかね
ムスカ:…黒い石だぁ。…伝承の通りだ。
ムスカ:はっ、はぁっ、はぁへ!…読める、読めるぞぉ!
シータ:あなたは一体だれ
ムスカ:わたしも、古い秘密の名前を持ってるんだよ。…ルシータ。
ムスカ:わたしの名は、ロムスカ・パロ…ウル・ラピュタ
シータ:ええっ!
ムスカ:君の一族と私の一族は、もともと一つの、王家だったのだ。地上に降りたとき、
二つに分かれたがね。
兵士:ヒビ一つ、はいってないぞ。
兵士:ただの石じゃないな!
将軍:っ爆薬をありったけ仕掛けろ!
ムスカ:閣下。
将軍:おんっ…
ムスカ:そんなことをせずとも、
将軍:おん
ムスカ:入れますよ…。
将軍:ムスカァ、どこにいるっ!!
黒メガネ:んだぁっ!!!
黒メガネ:うあああっ!!
将軍:んんにゃっは…
兵士達:ううお、おおー!、おーぅおぅおぅお…
パズー:っ、ああ…。
兵士達:おー、おおお…
パズー:ううああああーーーーーぁ!!!
パズー:うぅあっ!!えぐぐっ、はぁえっ、ああっ、うぎええっぐ…あはぁぁ、はぁは…ぁ…
パズー:…ううぅ!!
将軍:…んくっ、んくっ…
ムスカ:さあ!何をためらうのです。中へお進みください閣下。
将軍:えいっ!こぉーい!!
兵士:閣下に続けぇー!!!
兵士:っそぉりゃぁぁぁ!!
パズー:んん…
将軍:続けぇーーーーっ!!!…んだっ、ん、な、なん、なんだここは!
ムスカァーーっ!!出てこぉい!!
ムスカ:お静かに…。
兵士:おおー、おおっ…、どおー、おお、おおおおおお!
将軍:ああーっなんのマネだ!!
ムスカ:…言葉をつつしみたまえ。君はラピュタ王の前にいるのだ。
将軍:きさま、正気かぁ
ムスカ:これから王国の復活を祝って、諸君にラピュタの力を見せてやろうと思ってね…。
パズー:…シータァ!
ムスカ:見せてあげよう。ラピュタのいかずちを!
パズー:…っ、シータァ!!えっ…うああっ!!!
兵士達:ぬああああ!おあぁぁああー!…
パズー:うわぁぁあっ!…うはぁぁあ!
ムスカ旧約聖書にある、ソドムとゴモラを滅ぼした、天の火だよ。ラーマ・ヤーナでは、
:インドラの矢とも伝えているがね。
ムスカ:全世界は再びラピュタのもとにひれ伏すことになるだろう。
将軍:…すばらしい、ムスカ君。君は英雄だ。大変な功績だ!!
将軍:あ…あら……ふぬっ…
ムスカ:君のアホ面には、心底うんざりさせられる…。
シータ:…はぁはっ!んんっ!!
ムスカ:ん、ああっ!!くっ、こいつ…!
シータ:みんな逃げてぇーっ!!…ああっ!!!
ムスカ:ああ…、死ねぇぇぇっっっ!!!!
将軍:なあああああ…あああーーーーーーーーーーぁぁぁぁ…
兵士達:あああ、ああああーーー!!、うあああ!
兵士達:うわぁ、わーー!あっ!!
ムスカ:っふっはっはっはっはっはっはっはっは…
兵士達:うあー、ああー!!おい!あああーー!
兵士達:うわーわー、ああーー!!
ドーラ:あのバケモンだ!
ルイ:いっぱいいるなぁ…
ドーラ:みんな、逃げるよ!!
ルイ:ぁはい!
ドーラ:フラップターを調べな!
シャルル:ママァ、飛べるよ!!
ルイ:早く逃げようよぉ…
ドーラ:静かに!!…声をたてるんじゃないよ!
ドーラ:何をグズグズしとるんだい、あの二人は!おいてっちまうよ…!
シータ:っ、ぅうっ…
ムスカ:私をあまり怒らせない方がいいぞ。
シータ:…んん、ああっ!!…はぁっ!
ムスカ:当分二人っきりでここに住むのだからなぁ!
ムスカ:ははっ…さっさと逃げればいいものを。
ムスカ:はっっはっはっはっはっは、私と戦うつもりか!
シータ:っ、ええっ、うっ…
パズー:…う…、うっふっ…あ、ぇ、…うおわ、うああーー!!
パズー:…んっ、んががーんん…くっく…
パズー:…ロボットだ!
ロボット:ピン、ポン…
パズー:ぅぅあ、ううわあっ!!…あっ…
パズー:…にぃえぇっ!…へぇへ、んん、へえへ、へえへ、んん…んがんがんん…へ、
へえへ、ぎあっぐ、あんぐ、…っっあぁっっ!!
パズー:へぇが、んん、はぁは、はぁは、んんぐ、はぁは、はぁは、…シィータァー!!
シータ:…はぁっ!!
シータ:はぁー…はっ!…
ムスカ:すばらしい…!最高のショウだと思わんかね。
ムスカ:…ほぉぉ!ふっはっは、見ろ!!人がゴミのようだ!!っはっはっはっはっはっはっは…
シータ:…ぇぇえ!
ムスカ:っ、何をする!!
シータ:あぁぁー!!!
ムスカ:くそぉ…。
ムスカ:返したまえ…いい子だから。さあ!
シータ:お願い、開いてぇー!…っあっ!!わっ…
ムスカ:っはっはっはっは、どこへゆこうというのかね
シータ:開いてぇーー!!
パズー:…にんんっ!…ぅぉっ…
パズー:う、はぁは、ばへえへ、うあ、へぇへ、あいあいっ、うんぎっ、…んんお…ぁっぇえ、…シータァー!!
シータ:はぁは、っん、ん、っぇぇっ…
ムスカ:っはっはっはっはっはっはっは…
シータ:はぁは、はぁは、はぁは、はぁは、はぁは…
パズー:シーーターー!!
シータ:…パズー!…パズーーーー!!!
パズー:シーターー!
シータ:パズーー
パズー:シータァ!
シータ:はっ!
パズー:シータ!
シータ:…はぁっ!パズー!!
パズー:シータ、いま行く!!…っくっそぉ…、下がって!
シータ:早くこれを!!…
シータ:ムスカが…急いでぇ!!
パズー:っ、あぁあっ、んぐぐ…くっ…あっぁ…
シータ:海にすててぇー!!
パズー:…っあっ…
シータ:ああっ!!
パズー:シータァ!!
パズー:…うわあぁーー!!!…ぁ、えっ、…
ムスカ:その石を大事に持ってろ!小娘の命と引き替えだ!!
パズー:…んなっはぁ、…ん…あぁぁ、にん、ん、…
パズー:…む、んに、に、いいっ、くくっ、…う、ああ…、…おあ!
パズー:んぁぇ…
ムスカ:…立て!鬼ごっこは終わりだ!!
ムスカ:…終点が、玉座の間だとは、上出来じゃないか。ここへ来い!
シータ:これが玉座ですって!!ここはお墓よ。あなたとあたしの。
シータ:…国が滅びたのに、王だけ生きてるなんてこっけいだわ。あなたに石は渡さない!…あなたはここから出ることもできずに、私と死ぬの!!…いまは、…ラピュタがなぜ滅びたのかあたしよく分かる。ゴンドアの谷の歌にあるもの…『土に根をおろし、風と共に生きよう。種と共に冬を越え、鳥と共に春をうたおう。』…どんなに恐ろしい武器を持っても、…たくさんのかわいそうなロボットを操っても…
土から離れては生きられないのよ!!!
ムスカラピュタは滅びぬ。何度でも甦るさ!ラピュタの力こそ、人類の夢だからだ!!
ムスカ:次は耳だ。…ひざまづけ!命ごいをしろ!!小僧から石を取り戻せ!!!
パズー:待てーーーっっ!!
パズー:石は隠した!シータを撃ってみろ、石は戻らないぞ!!
シータ:パズー来ちゃだめ、この人はどうせあたし達を殺す気よ!!
ムスカ:小僧。娘の命と引き替えだ!石のありかを言え!!…それとも、その大砲で、
私と勝負するかね
パズー:…シータと、二人っきりで話がしたい。
シータ:来ちゃだめぇ!!石を捨てて逃げてぇ!!
ムスカ:3分間待ってやる。
シータ:…パズー!!!
パズー:…シータ。落ち着いてよく聞くんだ。…あの言葉を教えて。…ぼくも一緒に言う。
シータ:ぇっ…
パズー:ぼくの左手に、手を乗せて…。
パズー:…おばさん達の縄は、切ったよ。
シータ:…はっ…。
ムスカ:時間だ!答えを聞こう!!
ムスカ:…んん
パズー&シータ:バルス!!
パズー:うぅっ!
シータ:きゃぁっっ!!
パズー:うああーーーーぁぁ!!!
ムスカ:ぉうああああーーーーっ!!!があっっ!!!
ムスカ:へぁぁぁーー、はぁぁ、目がぁー!目がぁーーぁぁぁぁぁぁぁ!!
ムスカ:ああ、ああ、目が、あああぁぁぁぁあーー!…ああああ…!!
シャルル:ママ、崩れるよ!
ドーラ:しかたない、脱出!急ぎな!
アンリ:はやくぅ!!
アンリ:ママ、見て!釜の底が抜ける…!!
ルイ:シータ…いい子だったのに…。
ドーラ:…滅びの言葉を使ったんだ。あの子たちはバカどもからラピュタを守ったんだよ…。
ルイ:ああ…
シャルル:んん!…崩れが止まった!!
ルイ:っ飛行石だ!とびっきりでかいやつだよ!!
海賊:…ん昇っていく…
ドーラ:…木だぁーー!!あの木がみんなもってっちまう!追うんだああーー!!
ドーラ:おーもーい!!みんなおりな!!
シャルル:そんなムチャな!
パズー:…シータ、…
シータ:…パズー…。
シータ:…まあ!
パズー:木の根が、ぼくたちを守ってくれたんだ。
パズー:…ぇっ…ぇ…
シータ:…っん…
パズー:…ぃっぇ…
パズー:ワイヤーを張れば大丈夫だ。
パズー:…行くよ。
シータ:ええ!!
パズー:えぃっ…
ドーラ:えぇーい、いけいけいけぇぃ!!
ドーラ:何してるんだい、ちっとも昇らないじゃないか!!
アンリ:無理だよー、こんなに乗ってるんだものぉ。…おっと…。
ドーラ:…うぇ…
ルイ:シータだぁ!!
海賊達:シータだぁ!!!
シャルル:生きてらぁ!!
ドーラ:…んおぉーぉ…
ハラ・モトロ:小僧だぁ!!
海賊達:おーい、わっはは、はっはっは、わーい、やった!
シータ:おばさま!!
ドーラ:はぁっ!!…よく生きてたねぇ…。
パズー:みんな!!
ハラ・モトロへっへへへぇ…
パズー:無事だった!
ハラ・モトロ無事なもんかい!!わしのかわいいボロ船が…トホホホ…。
ドーラ:メソメソするんじゃないよ!もっといい船つくりゃいいんだ!!
シータ:…うっ…
ドーラ:かわいそうに、髪の毛を切られる方がよっぽどつらいさ…。
シータ:…うっぅっ、おばさま痛い!
ドーラ:ふふ、ごめんよ。
シータ:…ふぅ…。
ドーラ:情けないじゃないか、さんざん苦労してこれっぱかしさ。
海賊達:んにひひひひひひひ…
シャルル:何しろ時間がなくてよぉ。
パズー:…あ、ぁ…
シャルル:ふゃぁっはっはっはっは…
パズー:はっはっはっは…
シータ:はっはははは、ふっふふふふふ…
海賊達:はっはっはっはっはっは…

 

 

天空の城ラピュタ全セリフ集 スタジオジブリ

天空の城ラピュタ 全セリフ集 スタジオジブリ

 

今は遠い冒険の記憶。

さいころに憧れた、雲の上の空のお城。

大きな雲が出ると、ラピュタを思い出してしまう感覚。

滅びの呪文でラピュタは消えても、

人々が憧れた壮大な物語は消えない。

これは、どうしてここまで心を打つのか。

それは貴方がまだ、小さき日の純粋な心を残しているから。

 

となりのトトロ 全セリフ スタジオジブリ

となりのトトロ 全セリフ スタジオジブリ

となりのトトロ 全セリフ スタジオジブリ

 

となりのトトロ 全セリフ スタジオジブリ


サツキ:お父さん、キャラメル

お父さん:おっ、ありがとう。くたびれたかい?

サツキ:ううん

お父さん:もうじきだよ

サツキ:あっ! メイ、隠れて!

サツキ:お巡りさんじゃなかった。おーい!

サツキ・メイ:アハハハ…

お父さん:お家のかたは、どなたか、いらっしゃいませんか?

お父さん:あっ、どうも

お父さん:草壁です。引っ越してきましたぁ! よろしくお願いしまーす

カンタの父:ご苦労さまです

お父さん:どうもありがとう

お父さん:さあ、着いたよ

サツキ:わあっ!

メイ:あー、待って

お父さん:よっ!

サツキ:メイ、橋があるよ

メイ:ハシ?

サツキ:魚! ほら、また光った

お父さん:どうだい。気に入ったかい?

サツキ:お父さん、ステキね! 木のトンネル!

サツキ:あーっ、あの家?

メイ:わーっ

サツキ:早くーっ

サツキ:わあーっ、ボロッ!

メイ:ボロ~ッ!

サツキ:お化け屋敷みたい!

メイ:お化け?

サツキ:アハハハ… あっ。 フフッ、腐ってる

サツキ・メイ:ワハハハ… アハハハ…

メイ:こわれるーっ

サツキ:こわれるーっ。アワワワ…

サツキ・メイ:アハハハ…

サツキ:メイ、見てごらん。ほらっ。大きいね

メイ:クション

サツキ:フフフ…

サツキ:お父さん、すごい木!

お父さん:ああ、クスの木だよ

サツキ:へぇーっ。クスの木

メイ:クスノキ

サツキ:あっ?

お父さん:おっと…

サツキ:ドングリ!

メイ:うわっ、見せて!

サツキ:あっ、また…

メイ:ああっ。ん? あっ、あった! うん?

お父さん:こらこら。雨戸が開けられないじゃないか

メイ:ドングリ!

サツキ:部屋の中にドングリが落ちてるの

メイ:上から落ちてきたよ

お父さん:ふーん… リス…でもいるのかな?

サツキ・メイ:リス?

お父さん:それともドングリ好きのネズミかな?

サツキ:えーっ

メイ:メイ、リスがいい!

運転手:これ、どこへ運びます?

お父さん:あっ、ここへ… 今開けます

お父さん:サツキ、ウラの勝手口を開けて

サツキ:はーい

お父さん:行けばすぐわかるよ

サツキ:うん

 

サツキ:ほら、おいで

メイ:待ってー

サツキ:ほら、早くーっ

メイ:ああっ…

ススワタリ:(ザザザ…)

サツキ:ハッ?

サツキ・メイ:ワアアア~ッ!!

サツキ:行くよ

メイ:うん

メイ:おフロ

サツキ:うん

サツキ:いないね

メイ:…うん

お父さん:そこは、おフロだよ

サツキ:お父さん、ここに何かいるよ

お父さん:リスかい?

サツキ:わかんない

サツキ:ゴキブリでもない。ネズミでもない。黒いのが、いっぱいいたの

お父さん:ふーん

お父さん:うむ…

サツキ:どう?

お父さん:こりゃ、マックロクロスケだな

サツキ:マックロクロスケ? 絵本にでてた?

お父さん:そうさ。こんないいお天気に、お化けなんか出るわけないよ

お父さん:明るい所から、急に暗い所に入ると、目が眩んで、マックロクロスケが出るのさ

サツキ:そっか!

サツキ:♪マックロクロスケ出ておいで

サツキ・メイ:♪出ないと目玉をほじくるぞ

ススワタリ:(ザザザ…)

サツキ・メイ:アハハハ…

お父さん:さあ仕事、仕事。二階の階段は、いったい、どこにあるでしょうか?

サツキ:えっ?

お父さん:階段を見つけて、二階の窓を開けましょう

サツキ:はーい!

メイ:あっ、メイも!

メイ:お便所!

サツキ:アレーッ?

サツキ:アレーッ?

メイ:アレーッ?

サツキ:アレーッ?

メイ:アレーッ?

サツキ・メイ:アハハハ…

メイ:アレーッ?

サツキ:ない!

メイ:ない! エイッ! いたーい

サツキ:あっ! メイ、あったよーっ

サツキ:まっくらだね

メイ:マックロクロスケ…

サツキ:あっ?

メイ:ドングリ…

サツキ・メイ:♪マックロクロスケ出ておいでーっ

ススワタリ:(ザザザ…)

サツキ・メイ:ワーッ…

サツキ:マックロクロスケさん、いませんか?

サツキ・メイ:ハッ

メイ:わっ

ススワタリ:(ザザザ…)

メイ:うん?

サツキ:お父さーん。やっぱりこの家、何かいる

お父さん:そりゃあスゴイぞ!

お父さん:お化け屋敷に住むのが、子供の時から、お父さんの夢だったんだ

お父さん・運転手:ああっとォ!

サツキ:大変!

メイ:ワッ!

メイ:とった! おねえちゃーん!

カンタのばあちゃん:おお?

メイ:わっ

お父さん:メイ?

ばあちゃん:ハハハ。元気だネー

お父さん:この家を管理されてる、隣のおばあちゃんだよ。応援に来て下さったんだ

サツキ:サツキに… 妹のメイです。こんにちは

ばあちゃん:はい、こんにちは。賢そうな子だよぉ

ばあちゃん:こんなに急ぎでなきゃ、家の手入れも、しといたんだけんど…

お父さん:ハハ… これで充分ですよ

ばあちゃん:いま時分は田んぼが忙しくて、んでも時どき掃除は、しといたんだ

サツキ:メイ、手まっくろじゃない。どうしたの

メイ:マックロクロスケ逃げちゃった

サツキ:ああっ、メイの足!

メイ:あっ

サツキ:ああっ、私のもマックロ

ばあちゃん:ほぉほぉ。イヤイヤイヤ…

ばあちゃん:こりゃ、ススワタリが出たな

サツキ:ススワタリ?

サツキ:ススワタリって、こんなんで、ゾワゾワ~ッて動くもの?

ばあちゃん:んだ。だあれもいねぇ古い家に湧いて、

ばあちゃん:そこら中、ススと埃だらけにしちゃうのよ

ばあちゃん:小ちぇー頃には、わしにも見えたが…

ばあちゃん:そうか、あんたらにも見えたんけぇ

お父さん:そりゃ妖怪ですか?

ばあちゃん:そったら恐ろし気なもんじゃねえよ

ばあちゃん:ニコニコしとれば、悪さはしねぇし、

ばあちゃん:いつの間にか、いなくなっちまうんだ

ばあちゃん:今頃、天井裏で、引っ越しの相談でもぶってんのかな

サツキ:メイ、みんな逃げちゃうってさ

メイ:つまんない

サツキ:だって、こーんなの出てきたら、どうすんの?

メイ:メイ、こわくないもん

サツキ:あら、じゃあ夜になっても、お便所、一緒に行ってやんない

ばあちゃん:ヘヘヘ… さあさ、掃除しよう。川で水、汲んで来ておくんな



サツキ:川で?

メイ:メイも行く!

サツキ・メイ:アハハハ…

サツキ:メイは、そこで待ってな

メイ:お魚とれた?

サツキ:おばあちゃーん。出たーっ!

ばあちゃん:よーく漕ぎな。水がちめたくなるまで

サツキ:はーい

サツキ:ん? あっ、さっきの… なあに、ご用?

カンタ:カアちゃんが、ばあちゃんに…

サツキ:なあに?

カンタ:ん

サツキ:えっ?

カンタ:ん…!

サツキ:あっ… あ。ね、待って! これ何?

ばあちゃん:カンタかぁ?

カンタ:やーい、おまえん家… おっばけやーしき~

ばあちゃん:カンタ!

サツキ:ベー!

お父さん:ハハハ…そういうのお父さんにも覚えがあるなあ

サツキ:男の子キライ!

サツキ:でも、おばあちゃん家のオハギは、とーってもスキ!

ばあちゃん:たんと、お上がり

サツキ:ご苦労さま

お父さん:どうもありがとうございました

サツキ・メイ:さよならー

サツキ:わあっ!

メイ:お父さん、お家ボロだから潰れちゃうよ

お父さん:ハハハ… 引っ越したばかりで、潰れるのは困るな

サツキ:ハッ

お父さん:ワッハッハッハ… みんな笑ってみな。おっかないのは逃げちゃうから

お父さん:ハッハッハ…

メイ:メイ、こわくないもん

サツキ:ハッハッハ…

メイ:こわくないもん

サツキ:エヘヘヘ…

メイ:きゃあ

お父さん:ガオー! ガオー!

サツキたち:アハハハ…

サツキ・メイ:イッチニ、イッチニ、イッチニ…

お父さん:それ、がんばれ、がんばれ

お父さん:よーし。洗濯、おわり

サツキ・メイ:わーっ

サツキたち:しゅっぱーつ!

サツキたち:キャーッ

サツキ:おばあちゃーん! こんにちはー

お父さん:ご精が出ますね

ばあちゃん:お揃いでお出かけかーい?

サツキ:お母さんのお見舞いに行くの

ばあちゃん:そりゃエライよなー。よろしく言っとくれーっ

サツキたち:はーい

カンタ:べー!

サツキ:べー!

サツキ:あっ、こっちこっち…

サツキ:こんにちは

患者:いらっしゃい

メイ:あーっ。お母さん!



お母さん:メイ。よく来てくれたわね

メイ:お父さん、道、間違えちゃったんだよ

お母さん:そーお… いらっしゃい

サツキ:今日、田植え休みなの

お母さん:あっ、そうか

メイ:お父さん、先生とお話してる

お母さん:みんな来てくれて嬉しいわ。新しいお家はどう? もう落ち着いた?

お母さん:ん。えっ、お化け屋敷?

サツキ:うん

メイ:お母さん、お化け屋敷スキ?

お母さん:もちろん! 早く退院して、お化けに会いたいわ

サツキ:よかったね。メイ

メイ:うん

サツキ:心配してたの。お母さんがキライだと困るなって

お母さん:サツキとメイは?

サツキ:スキ!

メイ:メイ、こわくないよ

お母さん:フフフ… メイの髪の毛、サツキが結ってあげてるの?

サツキ:うん

お母さん:じょうずよ。いいね、メイ

メイ:でも、おねえちゃん、すぐ怒るよ

サツキ:メイはおとなしくしないからよ

お母さん:サツキ、おいで。ちょっと短すぎない?

サツキ:私、この方がスキ

メイ:メイも、メイも

サツキ:順番!

お母さん:相変わらずのクセッ毛ね。私の子供の頃とそっくり

サツキ:大きくなったら私の髪も、お母さんのようになる?

お母さん:たぶんね。あなたは母さん似だから…

サツキ:お母さん、元気そうだったね

お父さん:ああ、そうだね。先生も、もう少しで、退院できるだろうって言ってたよ

メイ:もう少しってアシタ?

サツキ:またメイのアシタが始まった

お父さん:明日はちょっとムリだなあ

メイ:お母さん、メイのおフトンで、一緒に寝たいって

サツキ:あれっ、メイは大きくなったから、一人で寝るんじゃなかったの?

メイ:お母さんはいいの!

サツキたち:ハハハ…

サツキ:お父さーん。朝ですよ!

お父さん:うーん

メイ:えいっ。起きろーっ!

お父さん:すまん。また寝すごした

サツキ:今日から私、お弁当よ

お父さん:しまった。すっかり忘れてた

サツキ:大丈夫。みんなのも作るね

メイ:焦げてる

サツキ:待ってぇ

サツキ:これ、メイのね

メイ:メイの?

お父さん:メイ、座って食べなさい!

サツキ:はい。自分で包んで

みっちゃん:サーツキちゃーん

サツキ:あっ、大変。ハーアーイ

お父さん:もう友だちができたのかい?

メイ:サーツキちゃーんだって

サツキ:うん、みっちゃんっていうの

サツキ:ごちそうさま。行ってきまーす

お父さん・メイ:行ってらっしゃーい

サツキ:おはよう

みっちゃん:おはよう。早く行こう

お父さん:ふぁ~あ

メイ:お父さーん。メイ、おねえさんみたい?

お父さん:うん。お弁当さげて、どちらへ?

メイ:ちょっとそこまで

メイ:お父さーん。お弁当まだ?

お父さん:えっ、もう…?

メイ:お父さん、お花屋さんね

メイ:オジャマタクシー!

メイ:あっ! あれっ! 底ぬけだ…

メイ:ん? みーっけ! あっ。あっ。うわぁ

メイ:あっ。あーっ。ん。あぁ! ん? ああっ! んあっ

メイ:あーっ! ハッ。うあーっ!

メイ:ハッ。ハハハ… …フフフ。ワーッ。フフフ… ワーッ!

メイ:わぁーっ

トトロ:グルルル…

メイ:フフフ… フハッ

トトロ:ハッ、ハッ… ブワァークション!

メイ:んー。あなたはだあれ? マックロクロスケ?

トトロ:ドゥオ、ドゥオ、ヴロロロ…

メイ:グワーッ!

トトロ:ドゥオ、ドゥオ、ヴロロロ…

メイ:トトロ! あなたトトロっていうのね

トトロ:フワーッ

メイ:やっぱりトトロね。トトロ…

トトロ:フワーッ

みっちゃん:じゃあね

サツキ:あとでねーっ

サツキ:ただいま

お父さん:おかえり。あっ、もうこんな時間か

サツキ:メイは? みっちゃん家に行くの

お父さん:お弁当、まだなんだ。メイ、庭で遊んでないかい?

サツキ:メーイッ。メーイッ

お父さん:メイ

サツキ:メーイッ

サツキ:お父さーん。メイの帽子があったー!

サツキ:あっ。メイ… メイ…

メイ:んっ

サツキ:あっ。フーッ。メイッ。こらっ。起きろ!

メイ:はっ

サツキ:こんなとこで寝てちゃ、ダメでしょ

メイ:トトロは?

サツキ:トトロ?

メイ:あれ? あれ?

サツキ:夢みてたの?

メイ:トトロいたんだよ

サツキ:トトロって絵本に出てたトロルのこと?

メイ:うん。トトロってちゃんと言ったもん

メイ:毛がはえて、こーんな口してて、こんなのと… こんくらいのと…

メイ:こーんなに大きいのが寝てた

さつき:はーっ

お父さん:いた。いた。へえ… すごいね。秘密基地みたいだな

サツキ:お父さん。メイ、ここでトトロに会ったんだって

お父さん:トトロ?

メイ:うん。こっち!

お父さん:おーい、待ってくれ

メイ:あれっ?

サツキ:ここ?

メイ:ううん。さっきは大きな木のとこに行った

サツキ:だけど一本道だったよ。あっ、メイ。戻っておいでーっ

サツキ:メイったらーっ

サツキ:アハハハ…

メイ:ほんとだもん! 本当にトトロいたんだもん! ウソじゃないもん!

サツキ:うん

お父さん:メイ

メイ:ウソじゃないもん

お父さん:うん。お父さんもサツキも、メイがウソつきだなんて思っていないよ

お父さん:メイはきっと、この森の主に会ったんだ

お父さん:それはとても運がいいことなんだよ。でも、いつも会えるとは限らない

お父さん:さあ、まだ挨拶に行っていなかったね

サツキ:あいさつ?

お父さん:塚森へ出発!

サツキ:ハアッ

お父さん:ひゃあ、メイも重くなったなぁ

サツキ:お父さん。あのクスの木! 大きいねえ

メイ:あった!

サツキ:あの木?

メイ:うん!

サツキ:お父さん。早く早く!

メイ:あっ!穴、なくなっちゃった…

サツキ:本当にここ?

メイ:うん

サツキ:穴が消えちゃったんだって

お父さん:ねっ。いつでも会える訳じゃないんだよ

サツキ:また会える? 私も会いたい

お父さん:そうだな。運がよければね。立派な木だなあ

お父さん:きっと、ずーっとずーっと昔から、ここに立っていたんだね

お父さん:昔々は、木と人は仲よしだったんだよ

お父さん:お父さんは、この木を見て、あの家がとっても気に入ったんだ

お父さん:お母さんも、きっと好きになると思ってね

お父さん:さっ、お礼を言って戻ろう。お弁当を食べなきゃ

サツキ:そうだ! みっちゃん家に行く約束なんだ

メイ:メイも行く!

お父さん:気をつけ。メイがお世話になりました。これからもよろしくお願いいたします

サツキ・メイ:お願いいたします

お父さん:家まで競争!

サツキ:あっ、ずるーい

メイ:ああーん

サツキ:待ってーっ

メイ:ああ

サツキ:早くーっ

メイ:待ってーっ

サツキ:今日は、すごいニュースがあるんです。

サツキ:メイがお化けのトトロに出会いました。

サツキ:私は、自分も会えたらいいなと思っています。

カンタの母ちゃん:カンタ! 早くしないと遅れるよ

カンタ:うん…

先生:これっ!

サツキ:ハッ。…メイ? 先生!

先生:はい、サツキさん

サツキ:あの… 妹が…

サツキ:おばあちゃん? メイ…

ばあちゃん:ごめんな。おねえちゃんのとこ行くって、きかねぇもんだから…

サツキ:だって… メイ。今日はお父さんが大学へ行く日だから、

サツキ:おばあちゃん家で、イイ子で待ってるって、約束したでしょう

サツキ:私は、まだ2時間あるし、おばあちゃんだって忙しいのに…

ばあちゃん:ずっとイイ子にしていたんだよ。ねえ。

サツキ:ふー。おばあちゃん。先生に話してくる

先生:サツキさんのお家は、お母さんが入院されていて大変なんです

先生:みなさん。仲よくできますね

子供たち:はーい

みっちゃん:なあに、それ?

メイ:トトロだよ

サツキ:シーッ… おとなしくしてなきゃ、ダメでしょ

メイ:うん

サツキ:ふーっ

みっちゃん:メイちゃん、バイバイ

サツキ:クラブ休むって言って

みっちゃん:うん。先生に言っとく

友達:まったねー

メイ:バイバーイ

サツキ:メイ、急いで。雨ふるよ

メイ:うん

サツキ:わあっ、ふってきた!

メイ:わっ!

サツキ:あ。ほら

メイ:メイ、泣かないよ。エライ?

サツキ:うん。でも困ったね…

サツキ:お地蔵さま、ちょっと雨やどりさせて下さい

カンタ:ン… ン…

サツキ:あ

カンタ:ン…

サツキ:でも… あっ

メイ:おねえちゃん。よかったね

サツキ:うん…

メイ:カサ、穴あいてるね

サツキ:うん…

サツキ:お父さん、カサ持ってかなかったね

メイ:メイもお迎え行く!

カンタ:だから、忘れたの!

カンタのお母さん:雨がふってる時に、カサを忘れるバカがどこにいるの

カンタ:いってえ

カンタのお母さん:どうせ振り回して壊しちゃったんだよ

カンタ:ちがわい!

カンタ:あっ!

サツキ:ごめんください

カンタのお母さん:あら、サツキさん。メイちゃんも… ばあちゃん!

サツキ:今日は、すみませんでした

カンタの母:こっちこそ、お役に立てなくてね

サツキ:あの、このカサ、カンタさんが貸してくれたんです

カンタの母:へえ。あの子が… やだよ。こんなボロガサ

サツキ:メイもいたから、とても助かったの。でもカンタさんが濡れちゃって

サツキ:ありがとうございました

カンタの母:いいのよ、いつだって泥だらけなんだから

カンタの母:ちっとは、きれいになるでしょう。お父さんを迎えに行くの?

サツキ:ええ

カンタの母:エライねえ。メイちゃん。バイバイ

メイ:バイバイ

カンタ:ブーン…

ばあちゃん:だれか来たんけぇ?

カンタ:知らねえ!

サツキ:あっ、ちょうど来たよ

メイ:あはっ

車掌:乗りますか? 発車オーライ

メイ:お父さん、乗ってないね

サツキ:きっと次のバスなんだよ。メイは、おばあちゃん家で待ってる?

サツキ:どうしたの?

メイ:む

サツキ:メイ… 眠いの?

サツキ:だから言ったのに… 今から、おばあちゃん家、行く?

メイ:ううん

サツキ:もうすぐだから、がんばりな。バス、遅いね…

サツキ:ほら

サツキ:あ。ハッ。トトロ?

トトロ:グゥォォォ…

サツキ:あっ、待ってね。貸してあげる。早く。メイが落ちちゃう

サツキ:こうやって使うのよ

サツキ:わっ

トトロ:グゥオオオ…

サツキ:ハッ。バスが来た! ハァ?

ネコバス:グルルル…

サツキ:ひっ

サツキ:トトロ、お父さんのカサ、持ってっちゃった…

お父さん:やあ。すまん、すまん…

車掌:発車オーライ

お父さん:電車が遅れてね。バスに間に合わなかったんだ。心配したかい?

サツキ:出たの! お父さん、出た出た!

メイ:ネコ! ネコのバス!

お父さん:ん?

サツキ:すっごく大きいの

メイ:こーんな目してるの

サツキ・メイ:コワーイ

サツキ:エヘヘ。会っちゃった。トトロに会っちゃった。ステキーッ

メイ:コワーイ

カエル:グエーッ

サツキ:ねえ…

サツキ・メイ:ウワーッ。ハハハ…

サツキ:お母さん。まだ胸がドキドキしてるくらいです。

サツキ:とてもフシギで不気味で楽しい1日でした。

サツキ:それにトトロのくれたお礼もステキだったの。

サツキ:ササの葉でくるんで、竜のヒゲで縛ってある包みでした。

サツキ:家に帰ってから開けてみました。

サツキ:そしたら、中から木の実が…

サツキ・メイ:わあーっ

お母さん:お家の庭が森になったらステキなので、木の実は庭にまくことにしました

お母さん:でも―

サツキ:なかなか芽が出ません。

サツキ:メイは、毎日毎日、まだ出ない、まだ出ないと言います。

サツキ:まるで、サルカニ合戦カニになったみたい。

お母さん:まあ。フフフ…

サツキ:もうすぐ夏休みです。早く元気になって下さい。

サツキ:お母さんさま。サツキ。

サツキ・メイ:ハハハ…

お父さん:これこれ。よっ。おっ、おっと

サツキ・メイ:アハハハ…

お父さん:消すよ

サツキ:待って

メイ:お父さん。アシタ芽でるかな

お父さん:そうだなあ。トトロなら知っているんだろうけどな。おやすみ

サツキ:…メイ

メイ:うーん

サツキ:木の実をまいたとこだよ

メイ:うん

メイ:あーっ

サツキ:…アハハ

トトロ:ウーン… プゥアッ!

サツキ・メイ:あーっ。ワアッ

トトロ:ウーン… ブゥアッ!

メイ:うわーっ

サツキ:ウーン… ワアッ!

メイ:ウーン… エイッ! わあ

サツキ・メイ:やったー! やったー! うわ!

メイ:うわぁーっ。うははっ

サツキ:ハッ。えいっ

トトロ:グゥオオオ…

サツキ・メイ:ワァーオ

サツキ:メイ。私たち、風になってる!

メイ:うん!

オカリナの音:(ポー。ポー。プィ~。ポー。ポー。ポー。)

サツキ:ハッ

メイ:木がない…

サツキ:あっ!

メイ:あっ!

サツキ:やったー!

サツキ・メイ:わあああ…

サツキ:夢だけど…

メイ:夢じゃなかった

サツキ:夢だけど…

メイ:夢じゃなかった

サツキ・メイ:バンザーイ。やったー。うふふ… わはは…

郵便配達:草壁さーん。電報でーす。草壁さーん。電報です… 留守かな?

メイ:おばあちゃーん

ばあちゃん:こっちだよ。これなら食べ頃だ

メイ:あは

サツキ:おばあちゃん。これは?

ばあちゃん:ええよ

サツキ:ふう。おばあちゃんの畑って宝の山みたいね!

ばあちゃん:ハハ… さあ、ひと休み、ひと休み

ばあちゃん:よーく冷えてるよ

サツキ:いただきまーす。んふ。おいしい

ばあちゃん:そうかい? お天道さま、いっぱいあびてっから、身体にもいいんだ

サツキ:お母さんの病気にも?

ばあちゃん:もちろんさ。ばあちゃんの畑のもんを食べりゃ、すぐ元気になっちゃうよ

サツキ:今度の土曜日、お母さん帰ってくんの

メイ:メイのおフトンで一緒に寝るんだよ!

ばあちゃん:そうかい。いよいよ退院か

サツキ:ううん、まだ本当の退院じゃなくて、月曜日には病院へ戻るの

サツキ:少しずつ、ならすんだって

ばあちゃん:そうかい。んじゃ、どんどん食べてもらわなくちゃ

メイ:メイがとったトンモコロシ、お母さんにあげるの

ばあちゃん:お母さん、きっと喜ぶよ

メイ:うん!

カンタ:電報。留守だからってあずかった

サツキ:私ん家?

サツキ:おばあちゃん。お父さん、夕方まで帰らないの

ばあちゃん:開けてみな。急ぎだといけねぇから



サツキ:うん

サツキ:レンラクコウ。シチコクヤマ…

サツキ:七国山病院! お母さんの病院からだわ。お母さんに何かあったんだ…

サツキ:おばあちゃん、どうしよう! 連絡しろって

ばあちゃん:落ち着いて、落ち着いて… お父さんの居場所わかんのか

サツキ:研究室の番号は知ってるけど、でも電話がないもん

ばあちゃん:カンタ。本家へ連れてってあげな。電話かしてもらえ

カンタ:うん

ばあちゃん:メイちゃんは、ここにいな

サツキ:メイ。おばあちゃんのとこにいな

サツキ:もしもし。市外をお願いします。東京の31局の1382番です。はい

本家のおばあちゃん:かわいい子じゃねえ。カンタ…

サツキ:もしもし。はい…

サツキ:もしもし。考古学教室ですか? 父を… あの、草壁をお願いします

サツキ:私、草壁サツキです。はい

サツキ:あっ、お父さん! 私、サツキ!

お父さん:やあ、なんだい? フンフン。病院から…

お父さん:わかった。いますぐ病院に電話してみるよ

サツキ:お母さんに何かあったの? どうしよう。お父さん!

お父さん:大丈夫だよ。病院にたしかめたら、すぐそっちへ電話するから

お父さん:そこで待たせてもらいなさい

サツキ:うん

お父さん:じゃあ、いったん切るからね

サツキ:おばあちゃん。ここで待たせて下さい。お父さんが電話してくるの

本家のおばあちゃん:ああ。ゆっくりしてきな

メイ:おねえちゃーん。ハッ

ヤギ:メエー。メエー。

メイ:ダメだよ。これ、お母さんのトンモロコシだよ

ヤギ:ンメエー。

メイ:ダメだもん! お母さんにあげるんだもん!

サツキ:メイ。お母さんの体の具合が悪いんだって

サツキ:だから今度、帰ってくるの延ばすって

メイ:ヤダーッ!

サツキ:しかたないじゃない。ムリして病気が重くなったら困るでしょ

メイ:やだ~っ

サツキ:ねっ。ちょっと延ばすだけだから…

メイ:やだ~!

サツキ:じゃ、お母さんが死んじゃってもいいのね

メイ:やぁだ~!

サツキ:メイのバカ! もう知らない!

カンタ:行こうよ

メイ:ウァーン… おねえちゃんのバカァ。ウワーン。バカァ

ばあちゃん:そろそろ洗濯物をしまわねぇと… そんなに気を落とさんで

ばあちゃん:ばあちゃんが手伝いに来てやったから、元気だしな

ばあちゃん:お父さんは病院に寄ると言ってんだしよ

ばあちゃん:お母さん風邪だっていうんだから、次の土曜にゃ戻ってくるよ

サツキ:この前もそうだったの… ほんのちょっと入院するだけだって

サツキ:風邪みたいなものだって… お母さん、死んじゃったらどうしよう

ばあちゃん:…サツキちゃん

サツキ:もしかしたら、お母さん… ウァーン

ばあちゃん:大丈夫。大丈夫

ばあちゃん:こんなかわいい子たちをおいて、どこのだれが死ねっかい

ばあちゃん:泣くんでね。は、泣くんでね

ばあちゃん:父ちゃんが戻るまで、ばあちゃんが、いてやっから。な?

ばあちゃん:メイちゃーん

サツキ:メーイッ。メーイッ

サツキ:メイ、戻ってきた?

ばあちゃん:バス停にもいなかったけ?

サツキ:うん

ばあちゃん:おかしいな。どこさ行っちゃったもんだか

サツキ:さっきメイとケンカしたの。だってメイったら…!

サツキ:あの子… お母さんの病院に行ったんじゃないかしら…

ばあちゃん:七国山の病院か? 大人の足でも3時間かかるわ

サツキ:見てくる!

ばあちゃん:カンタ~。早く父ちゃん呼んでこい。メイちゃんがいなくなっちゃたんだ

サツキ:メイのバカ。すぐ迷子になるくせに。メーイッ!!

サツキ:すいません… おじさん。あの…

農夫:え?

サツキ:この道を小さな女の子が、通らなかったですか? 私の妹なの

農夫:さあてねえ… 女の子? 見たら気がついただろうけどなあ

サツキ:こっちじゃないのかしら?

農夫:たしかに、こっちへ来たのかい?

サツキ:わからないの

サツキ:メーイッ!!

サツキ:ハァ。ハァ…

サツキ:止まって下さーい!

若い男:おーとと… バッカヤロー。危ねぇ!

サツキ:妹を捜してるんです! 女の子、見ませんでしたか?

若い女:妹さん?

サツキ:七国山病院へ言ったらしいの。4才の女の子です

若い男:リョウコちゃん。気がついた?

若い女:ううん。私たちね。七国山から来たの

若い女:けど、そういう子は見なかったわよ

サツキ:…そう。ありがとう

若い男:おまえ。どこから来たの

サツキ:松郷です

若い男:まつごう?

若い女:ああ、何かの間違いじゃない

若い男:じゃあな

カンタ:サッキー

サツキ:カンちゃーん! いた?

カンタ:ダメだ。こっちも?

サツキ:うん

カンタ:今、父ちゃんたちが捜してる

カンタ:オレ、かわりに七国山へ行ってやるから。おまえは家に戻れ

サツキ:メイは病院へ行こうとして、途中で道を間違えたのよ。きっと

カンタ:さっき、神池でサンダルが見つかったんだ!

サツキ:ハッ

カンタ:まだメイの物って決まってないぞ!

サツキ:ハァ。ハァ…

男:見つかったかい?

ばあちゃん:ナンマンダブ。ナンマンダブ…

カンタの父:そっちの方は泥が深いから… その先

男:オーイ。竿あまってないかぁ

みっちゃん:おばあちゃん。サツキちゃんが来た

サツキ:おばあちゃーん

ばあちゃん:これ。これだよ

サツキ:メイんじゃない

ばあちゃん:へ… ふぁ~

ばあちゃん:よかったよぉ… わたしゃてっきりメイちゃんのかと思って…

カンタの父:なんだぁ。ばあちゃんの早とちりか

男:おーい。間違いだとよぉ

男:じゃあ、どこいったんだろ

男:もういっぺん捜しなおしだな

女:早くしないと暗くなるよ

カンタの父:すまねぇな。みんな。ご苦労でも手分けしてたのむよ

男:いやあ、おたがいさまだから…

男:だれか駐在に知らせた方がいいな…

サツキ:お願い。トトロの所へ通して。メイが迷子になっちゃったの

サツキ:もうじき暗くなるのに、あの子どこかで道に迷ってるの

サツキ:あっ

サツキ:トトロ! トトロ。メイが迷子になっちゃったの。捜したけど見つからないの!

サツキ:お願い。メイを捜して。今頃、きっとどこかで泣いてるわ

サツキ:どうしたらいいか、わからないの…

トトロ:グゥオオ…

トトロ:ウオオオ…

サツキ:ハッ?

ネコバス:ナ~オオオ…

サツキ:みんなには見えないんだわ

サツキ:ああっ。うあーっ!

ネコバス:ナ~オオオ…

サツキ:わあっ。アハハ…



ばあちゃん:メイちゃーん

サツキ:あ。木がよけてる!

サツキ:メーイ

メイ:ハッ。おねえちゃーん。おねえちゃーん

サツキ:メーイ

サツキ:メイ

メイ:おねえちゃーん

サツキ:バカメイ

メイ:ごめんなさーい

サツキ:トウモロコシを、お母さんに届ける気だったの?

ネコバス:ナーオ…

サツキ:あっ

サツキ:あはっ… 病院へ行ってくれるの? ありがとう!

お母さん:ごめんなさい。ただの風邪なのに、病院が電報打ったりしたから…

お母さん:子供たち、きっと心配してるわね。かわいそうなことしちゃった

お父さん:いや、わかれば安心するさ

お父さん:君もみんなも、これまで、よく頑張ってきたんだもの

お父さん:楽しみがちょっと延びるだけだよ

お母さん:あの子たち、見かけよりずっと、ムリしてきたと思うの

お母さん:サツキなんか聞き分けがいいから、なおのこと、かわいそう

お父さん:そうだね

お母さん:退院したら、今度はあの子たちに、うんとワガママをさせてあげるつもりよ

お父さん:おいおい

メイ:お母さん、笑ってるよ

サツキ:大丈夫みたいだね

メイ:うん

お母さん:さあ、早く元気にならなくっちゃね

お父さん:ああ

お母さん:うふ

お父さん:あれ? だれだろう?

お母さん:あっ

お父さん:どうしたの?

お母さん:今、そこの松の木で、サツキトメイが笑ったように見えたの

お父さん:案外そうかもしれないよ。ほら

 

 

 

となりのトトロ 全セリフ スタジオジブリ

となりのトトロ 全セリフ スタジオジブリ

 

きっとみんなが想像した幼い日の記憶

無邪気で元気いっぱいで、ちょっぴり不安で。

何かを解決できるわけじゃなく、

何かを救ってあげられるわけでもない。

ひたすらに純粋に駆けていたあの頃。

忘れてしまったかもしれないけど、

みんなの中に、トトロはいたんだ。

 

耳をすませば 全セリフ スタジオジブリ作

耳をすませば全セリフ スタジオジブリ

耳をすませば全セリフ スタジオジブリ

 

耳をすませば全セリフ スタジオジブリ

 


雫:こんばんは。

近所のおばさん:あついわね。

雫:ただいま。

お母さん:ありがと。

お母さん:またビニール袋、牛乳1本なのに。

雫:だってくれるんだもの。

お母さん:断ればいいじゃない。あたしにもちょうだい。

雫:お父さんは?麦茶!

お父さん:ん、もらう。いまそっちへいく。

お母さん:ありがと。

お母さん:ワープロあいた?

お父さん:今プリントアウト中だよ…。

お母さん:やっぱりノートワープロ買おうかしら。

お母さん:わぁ、タバコくさい。

お父さん:雫も柏崎へ行けばよかったのに…。

雫:いい。お姉ちゃんとだと疲れる。

お父さん:…そうだ。明日出勤だった。

お母さん:ええーっ、お弁当?

お父さん:いいよ、外食にする。

お父さん:わが図書館もついにバーコード化するんだよ。準備に大さわぎさ。

雫:やっぱり変えちゃうの?わたし、カードのほうが好き。

お父さん:ぼくもそうだけどね。

お母さん:ねえ、この文章おかしいわよ。

お父さん:えっ、どこ?

お母さん:1行ぬけてんのかしら、ここ…。

お父さん:…あっ、そうだ。いけね!

お母さん:ああ、先貸して。急いでこれまとめなきゃ。教授うるさいんだから…。

雫:!?…この人…。

お父さん:雫、本もいいけど適当に寝なさい。

雫:うん、おやすみなさい。

雫:やっぱり…、見覚えある名まえだと思った…。

雫:これにも…。

雫:すごいこの人、みんなわたしより先に借りてる…。

雫:天沢聖司…、どんな人だろう…、すてきな人かしら…。

お母さん:雫ーっ、いいかげんに起きなさい!

お母さん:わたし、出かけるよー!

お母さん:なあに、あなたそのまま寝てたの?

お母さん:お米といどいてよ。

雫:いってらっしゃーい。

雫:わっ!こんな時間!?夕子と会うんだ!

お母さん:おさいふー!

雫:なあにー?また下まで降りちゃったの?

お母さん:そう!

お母さん:おかしいなあ…。

雫:電話のとこはー?

お母さん:あったぁ!

雫:自分で置いたくせに。

お母さん:ヒャー遅刻する!戸締りしてよ!

雫:そこつー。

雫:わあ…、随分ひくーい。

雫:今日はいいことありそう!

雫:わーっ、あっつーい。

雫:ヤッホー!元気だね。

テニスの少女:おーい、雫ーっ!

雫:ヤッホー、がんばってねー!

雫:高坂先生います~?

高坂先生:あれ?月島じゃん。どうした?

雫:センセ、お願い聞いてくれますぅ?

高坂先生:なーに?変なことじゃないだろうねぇ。

雫:図書室開けてください!

高坂先生:図書室?

高坂先生:次の開放日まで待てないの?

雫:みんな読んじゃったんです。市立図書館は今日休みだし…。

雫:わたし、休み中に20冊読むって決めたんです。

高坂先生:20冊~~~!?月島は仮にも受験生なんだよ…。

高坂先生:ほれ、早くしな。

雫:えーと…、あった!

高坂先生:早く持っといで!

雫:お願いしまーす。

高坂先生:ほれほれ、読書カードと貸出しカードを出す出す!

高坂先生:うひゃあ、何これ…。

高坂先生:今まで1人も借りてないじゃん!

雫:貴重な本なんですよぉー。

雫:市立図書館にもないんだから。

雫:…!?

雫:あまさわ…。

雫:センセッ!

雫:この天沢って人どんな人か知ってます?

高坂先生:あ~~~ん、失敗しちゃったじゃないかぁ!

高坂先生:寄贈した人だろ?そんな古いことわからないよ。

高坂先生:ベテランの先生に聞いてみな。

夕子:雫ーっ!

夕子:あーっもう!こんなところにいた!

夕子:11時に昇降口っていったくせに15分も太陽の下にいさせて!

夕子:またソバカスが増えちゃうじゃない!

雫:ご、ごめん。

高坂先生:こらこら、さわぐな。原田は気にしすぎなんだよ、ソバカス…。

夕子:先生!あたし、真剣に悩んでいるんです!!

高坂先生:あー、わかったわかった。

高坂先生:ほれ、2人共出た出た。

雫:一応やってみたけどうまくいかないよ。

雫:やっぱり英語のままでやったら?

夕子:白い雲 湧く丘をまいてのぼる 坂の町~♪古い部屋 小さな窓 帰り待つ 老いた犬♪

雫・夕子:カントリーロード はるかなる ふるさとへ つづく道~♪ウェストジーニア 母なる山 なつかしい わが町~♪

夕子:悪くないよ。

雫:だめだ!ありきたり…。

夕子:そうかなあ。

雫:こんなのも作った。

夕子:コンクリートロード どこまでも~♪森をきり 谷をうめ ウエスト東京 マウント多摩♪

雫・夕子:ふるさとは コンクリートロード♪

夕子:なぁに、これ。

雫:で、なによ相談って?

雫:訳詞はまだいいんでしょ?

夕子:…うん。

夕子:雫、好きな人いる?

雫:え…?

夕子:両思いの人がいたらいいなって思うよね…。受験だし、はげまし合ってがんばれたらって…。

雫:夕子、好きな人いるんだ。

雫:ラブレター!?もらったの?

夕子:シッ!やだっ!

雫:いつ?どんな人?かっこいい?

夕子:他のクラスの子…、少しかっこよかった。

雫:つきあってみたら?それで嫌なら断る。

夕子:…でも。

雫:…。

雫:さては他に好きな人いるでしょう!

夕子:えっ…。

雫:隠してもダメ!ほ~れ、白状しちゃえ。

夕子:えっ…、あ…、す、す…。

杉村:つきしまぁ~っ!

杉村:オレのバッグとってくれるー?

夕子:!

雫:杉村!

雫:?

杉村:ねー、そこの青いスポーツバッグ!

杉村:頼むよー、月島ーっ!

杉村:それ投げてぇ!

雫:…。

雫:うるさいなあ、もう!

雫:万年タマひろい!

杉村:ひでぇなあ、レギュラーで3回戦突破したんだぞ!

雫:夕子!?

杉村:わっ!

雫:杉村だったのかぁ…、夕子の好きな人って。

夕子:どうしよう、わかっちゃったかもしれない…。

夕子:わたし、あんな…。

雫:大丈夫だって、あいつにぶいから。

雫:でも、どうするの?ラブレターのほうは。

夕子:うん…、もう少しひとりで考えてみる。

雫:そっか…。

夕子:いいなぁ、雫ん家は勉強、勉強って言わなくて…。

雫:あんまり言われないのもつらい時あるよ。

夕子:そうかなぁ。

雫:あっ!いけない!!

夕子:どうしたの?

雫:本、忘れてきちゃった…。わたし帰るね。

夕子:乗っけてこーか?

雫:いい!夕子、塾遅れるよ。

夕子:また電話するね。

雫:うん!

雫:…。

雫:!

聖司:…!?

雫:…。

雫:そ、その本。

聖司:あ…!これ、あんたのか。

聖司:ほらよ、月島雫。

雫:名まえ、どうして…?

聖司:さて、どうしてでしょう。

雫:…。

雫:あっ…、図書カード。

聖司:おまえさ…、コンクリートロードはやめた方がいいと思うよ。

雫:…。

雫:!

雫:読んだなーっ!!

雫:ヤなヤツ、ヤなヤツ、ヤなヤツ、ヤなヤツ、ヤなヤツ、ヤなヤツ!

雫:…。

雫:ヤなヤツ!

雫:コンクリートロードはやめたほうがいいぜ…。

雫:なによっ!!

お姉ちゃん:ただいまー!

雫:お姉ちゃん、今日だったの?

お姉ちゃん:ひゃー、疲れた…。

お姉ちゃん:ちょうどこっちへ車で帰る人がいたんで乗せてもらっちゃった。

お姉ちゃん:お母さんは?

雫:夏期集中講座だって。お父さんは出勤。

お姉ちゃん:雫、少しは片づけな。晩ご飯の仕度は?

雫:お米といどくの。

お姉ちゃん:なぁにこれ!雫、ちらかしっぱなしじゃない!

雫:今やるとこー。

お姉ちゃん:お母さん、大変だから応援しようって決めたでしょう?

お姉ちゃん:お米といだら洗濯物しまって!シャワー浴びたらわたしがご飯作るから…。

お姉ちゃん:おばさんが高校生になったら雫も来いって。

雫:ん…。

お姉ちゃん:勉強進んだ?

雫:ん…。

お姉ちゃん:うちの親は何もかまわないからって安心してると、ひどいことになるからね。

雫:してるよぉ!

お姉ちゃん:でねー、おしょう油まで持たせようとするのよ…。

お母さん:おばさんらしいわねぇ…。

雫:う~~~ん。

お姉ちゃん:雫!いいかげんに起きな!

お姉ちゃん:自分のとこ掃除機かけなさい!

お姉ちゃん:シーツ洗うから出して!フトンも干すのよ!

雫:ん~~~っ。

雫:お母さんは?

お姉ちゃん:とっくに行った。

お姉ちゃん:さっさと片づけて、そのお弁当お父さんに届けてあげて。

雫:え~~~っ。

お姉ちゃん:なによその声…、図書館に行くんでしょ?

お姉ちゃん:代わりにわたしが行こうか?

お姉ちゃん:雫がトイレと風呂場に玄関掃除して、生協に行ってくれるのよね。

お姉ちゃん:フトンを取り込んで、買い物して、晩ご飯の仕度するのよ。

雫:行ってきまーす。

お姉ちゃん:雫ーっ!

雫:?

お姉ちゃん:これポストに出しといてー!

雫:なーに?

お姉ちゃん:ポ・ス・ト!

雫:…。

お姉ちゃん:見なくていーのぉ!

お姉ちゃん:クリップごと出すんじゃないよ!

雫:カレシー?

お姉ちゃん:バカ!

雫:…。

雫:ネコ君、ひとり?

ムーン:…。

雫:…!?

雫:どこまで行くの?

ムーン:…。

雫:外、おもしろい?

ムーン:…。

雫:おーい、答えてよぉ。

雫:わたし、ここで降りるの。君は?

雫:じゃあね、ネコ君。

雫:あ…。

少年1:あっ。

少年2:あーっ、ネコ!

雫:図書館の方へ行く!

雫:…。

雫:あ~~~あ、せっかく物語が始まりそうだったのに…。

雫:!

雫:いたー!!

雫:!

雫:ああっ!

雫:…すごい坂。…どこまで登るのかしら。

雫:ネコくーん。

雫:ネコくーん。

雫:このあたりに住んでいるのかしら…。

雫:!?

雫:きゃっ!

雫:ネコくーん、どこまで行くの?この辺に住んでるの?

雫:丘の上にこんなところがあるなんて知らなかった。

雫:…。

雫:性わるーう。犬をからかってまわっているんだ…。

雫:うーん、わたしのことをからかっているのかも。

雫:!

雫:こんなお店が丘の上にあるなんて知らなかった。

雫:すてきな人形…。

雫:あなたはさっきのネコ君?

雫:…!

雫:…!!

西:やあ、いらっしゃい。

雫:あ、あの…。

西:あ、いや、そのままそのまま…。

西:自由に見てやってください。男爵も退屈してるから…。

雫:男爵ってこのお人形の名まえですか?

西:そう。

西:フンベルト・フォン・ジッキンゲン男爵…。すごい名でしょう?

西:やっ、すまん。

西:ありがとう、もう大丈夫だ…。

雫:立派な時計ですね。

西:あるお城で眠ってたんだよ。すっかりサビついていたんだ。

西:ごらん。

雫:わーっ、きれい。これ、なんですか?

西:ふふふ…、できあがってのお楽しみ…。

雫:わぁ…!

雫:よくできてる!ドワーフですね!

西:よくご存知だ。

西:そうか、お嬢さんはドワーフを知ってる人なんだね。

西:文字盤を見てごらんなさい。

西:うまくいくかな?

雫:エルフ!

西:ガラスが光るね…、ここへ来なさい。

雫:はい。

雫:王女さま?

西:そうだね…。

雫:2人は愛し合ってるの?

西:…ん。しかし住む世界が違うんだ。彼はドワーフの王だからね。

西:12時の鐘を打つ間だけ彼女は羊から元の世界へ戻れるんだよ…。

西:それでも彼は時を刻むごとにああして現れて、王女を待ち続けるんだ…。

西:きっとこの時計を作った職人が届かぬ恋をしていたんだよ…。

雫:それで2人ともなんだか悲しそうなのね…。

雫:ああっ!!

雫:この時計すすんでますよね!

西:んー…、でも5分くらいかな。

雫:大変!!

西:おおっ!?

雫:わたし、図書館に行かなきゃ!

雫:さよなら!

雫:おじいさん、また来ていいですかぁ?

西:ああ。図書館なら左行った方がいいよ。

雫:きゃあ!

雫:♪

雫:わあっ、図書館の真上!

雫:ふふふ…、いいとこ見つけちゃった。

雫:物語に出てくるお店みたい!

雫:すてきー!

聖司:つきしまー!

雫:!

聖司:月島雫!!

聖司:これ、お前んだろう?

雫:えっ!?

雫:ああーっ!!

聖司:忘れっぽいんだな…。

雫:あ、ありがとう。

雫:でも、どうして…?

聖司:さて、どうしてでしょう…。

雫:!!

雫:ネコ!

雫:そっ、そのネコ、君のーーーっ!?

聖司:お前の弁当、ずいぶんでっかいのな。

雫:えっ!?

雫:!

雫:ちがうー!!

聖司:コンクリートロード どこまでも~~~♪ 続いてる 白い道~~~♪

雫:ちがうのぉ、こらあーーー!!

お父さん:あれ?来てくれたのか。

雫:…。

お父さん:どうしたんだ?怖い顔して。

雫:ちょっと説明しようがないの。

お父さん:はあ…?

雫:とてもいいことがあって洞窟で宝物を見つけた感じだったの。

雫:それが心ない一言で生き埋めになった気分!

お父さん:ハハハ、それは複雑だ…。

お父さん:今日も借りていくかい?

雫:うん、あと7冊は読まなきゃ。

お父さん:相変わらずだねえ。飯どうする?

雫:売店で済ます。

お父さん:そうか…じゃあ、ありがとう。

雫:6月16日…、すごい…天沢って人、この本も読んじゃってる…。

雫:どんな人なんだろう…。

雫:!!

雫:ちがう!おまえなんかじゃない!!

雫:…!

お母さん:雫ー、早くしなぁー!

お母さん:はあ~っ、遅刻ーーー!

お母さん:傘!傘とって!

お母さん:新学期なのに雨ばっかりねえ。

雫:文句言わない!あなたは好きで勉強しているんでしょう。

お母さん:はぁい。

雫:しっかり勉強しなさい。

お母さん:まぁかしといてー。

夕子:雫ーっ!

雫:ヤッホー。

夕子:はやく。遅れるよー。

夕子:やあねえ、テストばっかりで。

雫:毎日なんかかんかあるね。

雫:あれ、返事した?

夕子:ううん…。

雫:何も言ってこない?

夕子:うん。

夕子:わたし、やっぱり断る…。

雫:そっかぁ。うん、その方がいいかもね…。

雫:!

雫:杉村ーーーっ!

杉村:ギリギリだぞーっ!

雫:わかってるーーー!

先生1:はい、終わりー。集めてぇ。

先生1:午後は通常だからな。

夕子:雫、高坂先生のとこ行こ。

雫:うん、その前に職員室よっていい?

夕子:いいよ。

杉村:月島っ、聞いて聞いて!

雫:なによ。

杉村:ばーっちしヤマあたりすげえの。

雫:この幸せもの。

杉村:休み時間に見たところがそのままドンピシャだぜ!

雫:ただの野球バカじゃなかったんだあ。

雫:ヤマはりなら夕子得意だよねー。

雫:今度一緒に勉強したらぁ?

杉村:原田が!?

男子:杉村、杉村ーっ!

杉村:なんだよ?

夕子:行こう、雫!

雫:わっ…。

夕子:無理矢理くっつけようとしないで!

雫:わかった?

夕子:わたし、ヤマなんか当たったことないもの!

雫:ごめーん。

雫:失礼します。

先生2:本の寄贈者?ぼくにわかるかなぁ…。

雫:すみません、お食事中に。

雫:この蔵書印なんです。

先生2:ん…?えーっと…。

先生2:ああ、天沢さんじゃないか!これ、ぼくも読んだよ。いい本でしょう?

雫:はい、とても…。

雫:それでこの天沢さんという方はどんな人なんですか?

先生2:何年か前に確か…PTAの会長をされていた方だよ。

雫:PTAの…。あの、その方の名まえはわかります?

先生2:名まえ…?えーと…。

先生2:木村先生、天沢さんはなんていいましたっけねえ。天沢医院のほら…。

木村先生:天沢さん?たしか航一ですよ。天沢航一…。

雫:天沢航一…。

木村先生:月島!同じ学年に天沢さんとこの末っ子がいるじゃないか。知らないのか?

雫:ええっ!?

雫:あっ、あの…。

雫:ありがとうございました。

夕子:失礼します。

先生3:わっ!

雫:あっ!

雫:すみません。

先生3:?

夕子:雫ー、どこ行くのぉ?

雫:ハアーーーッ、驚いたぁ。

夕子:驚いたのはこっちよ!

夕子:ちゃあんと説明してもらいますからね!

雫:エヘヘ…、ごめん。

雫:!

夕子:?

雫:…。

夕子:?

夕子:雫、どっち行くのよ。

雫:なによ!完ペキに無視してくれちゃって!!

夕子:雫、誰?あいつ…。どこへ行く気?

雫:あいつヤなヤツなの。逃げるのヤじゃない!

夕子:わたし、雫のお弁当を持って走りまわってたのよぉ。

高坂先生:月島に男がねえ…。

絹:アハハハハ…。

メガネっ娘:カァワイー。

絹:先生!雫にもよーやく春が来たんですねぇー。

雫:違うって言ってるのにぃ!

絹:本当は本の王子様に会ったんでしょう?

メガネっ娘:ハンサム?

雫:だからぁ、どんな人かと思っただけ。

絹:ねえ夕子はその人の名まえ知ってんでしょ?おしえなよー。

雫:夕子ぉ!

夕子:それが…とっさのことでさ…。

夕子:マがついていたんだけど、マサキだったっけ…?アマ…、ねえ雫…。

雫:さあね。

高坂先生:でもさぁ、話を最後まで聞かずにとび出してくるなんて月島らしいねぇ。

絹:知りたいけど知りたくないのよね。ゆれる心が苦しくて…うれしい!

メガネっ娘:まあ、ロマンチックですこと…。

雫:そうやってからかっていればいいでしょ!せっかくカントリーロードの詩、書いてきたのに。

夕子:できたの?

絹:見せて見せて!

夕子:雫さま、大詩人さま、もうしませんのでお見せください。

雫:よろしい。

雫:本当は自信ないんだ。

雫:ふるさとって何かやっぱりわからないから正直に自分の気持ちで書いたの。

絹:過激ねー、これ。

夕子:カントリーロード

夕子・絹・メガネっ娘:この道 ずーっと ゆけば~♪

夕子・絹・メガネっ娘:あの街に つづいてる 気がする カントリーロード

夕子:雫、いいよ。わたし好き。

雫:歌いにくくない?

絹:なんとかなるんじゃない?

夕子:後輩にあげるだけじゃつまらない。わたし達も謝恩会で歌おうよ。

雫:ええ?謝恩会!?

メガネっ娘:気がはやーい。

絹:ここいいな…。ひとりで生きると何も持たず町をとび出した 淋しさおし込めて強い自分を守っていた…。

高坂先生:諸君、予鈴だよ。

雫・夕子・絹・メガネっ娘:はーーーい。

雫:あー、晴れた晴れた。

夕子:雫ーーー!

夕子:コーラス部にちょっと寄っていかない?あの詩見せるのー。

雫:いいー!図書館に行かなきゃ。

夕子:ええっ?明日もテストあるよ。

雫:図書館でやるもん。

夕子:好きねー。

雫:じゃあね。

夕子:バーイ。

杉村:原田…。あのさぁ…、わるいんだけどちょっといいかな…。

夕子:…うん。

雫:やっぱりお休み…。お花に水はやってあるのかなぁ…。

雫:…男爵がいないわ。買われちゃったのかしら…。

雫:…西司朗。あいつも西っていうのかな…。

雫:!

雫:ふーっ。

お姉ちゃん:雫。雫ー!

雫:…!?

お姉ちゃん:夕子ちゃんから電話!!

お母さん:耳わるくなるよぉ、雫…。

雫:夕子?…え?なに?聞こえない。

雫:…!うん。今すぐ行くから。…うん。じゃ切るよ。

お母さん:どこ行くの?

雫:すぐそこ。

雫:どうしたの?夕子…。

夕子:雫~~~。

雫:どうしたのよ。あっ、なに?その顔!?

夕子:雫ぅ、どうしよ~~~。

夕子:杉村が友達にたのまれて、あの手紙の返事くれぇーって…。

雫:ええっ!?

雫:あちゃ~~~。

夕子:なんで杉村がそんなこというのよ!!

杉村:お、おい…?

雫:…あいつ、にぶいからなぁ。

雫:でもさ、杉村だって夕子の気持ち知ってるわけじゃないし…。

夕子:…。

夕子:杉村にはあやまる…。

夕子:でも、こんな顔じゃ学校行けないから明日は休むね…。

雫:テストも?

夕子:ん…。

雫:そっか…。

杉村:!

雫:(バ~カ。)

杉村:(なんだよ…。)

メガネっ娘:うまくいったらしいよ…。

絹:雫ー!今日も図書館?

雫:夕子のとこ行ってみる。

絹:あっ、そうか。よろしくね。

雫:うん!バイバイ。

絹:バイバーイ。

杉村:月島ーーー!

雫:!

杉村:待てよーーー!

杉村:原田のことなんだけど…。

杉村:…そしたらさ原田のやつ、急に泣き出して…。

杉村:なあ…オレ、なんかわるいこと言ったかな…。

雫:…。

雫:杉村さ…、夕子はあんたがどうしてそんなこと言うのって言ったんでしょ?

杉村:うん。だから野球部の友達にたのまれたって…。

雫:ちがう~。

雫:それって杉村にはそんなこと言われたくないってことよ!この意味わかるでしょ!

杉村:わかんないよ!はっきり言ってよ!

雫:もう!本当ににぶいわねっ!夕子はね、あんたのことが好きなのよ!!

杉村:えっ!?

杉村:そんなっ、オレ困るよ!

雫:困るって…、かわいそうなのは夕子よ!ショックうけて休んじゃったんだから!!

杉村:だ…だってオレ…。

杉村:オレ、おまえが好きなんだ!!

雫:えっ!?

雫:や…やだっ。こんな時、冗談言わないでっ。

杉村:冗談じゃないよ!ずっと前からおまえのことが好きだったんだ!

雫:だ、だめよ、わたしは…。だってそんな…。

杉村:オレのことキライか?つきあってる奴がいるのか?

雫:つきあってる人なんかいないよ…。

雫:で、でも…。

雫:ごめん!!

杉村:待てよっ!

杉村:月島…、はっきり言え!

雫:だって…、ずっと友達だったから杉村のことスキだけど、好きとかそういうんじゃ…。

雫:ごめん…、うまく言えない…。

杉村:…ただの友達か…?

雫:…。

杉村:これからもか?

雫:…。

杉村:そうか…。

雫:バカ!にぶいのは自分じゃないか!

近所のおばさん:月島さん、ちょっと待って。お届け物あずかってるの。

お母さん:あっ、いつもすみません。

雫:…。

近所のおばさん:わるいわねー、いつももらっちゃって。

お母さん:いいのよ、うちじゃ食べきれないから。

お母さん:あら…、帰ってたの。

お母さん:雫?

雫:…。

雫:ヤッホー。

雫:君もしめ出されたの?

ムーン:…。

雫:君はこの家で飼われているの?…お腹減ってない?

ムーン:…。

雫:君もかわいくないね、わたしそっくり…。

雫:どうして変わっちゃうんだろうね…。わたしだって前はずーっと素直でやさしい子だったのに…。

雫:本を読んでもね、このごろ前みたいにワクワクしないんだ…。

雫:こんなふうにさ、うまくいきっこないって心の中ですぐ誰かが言うんだよね…。

雫:かわいくないよね…。

聖司:…?

雫:…?

聖司:へえ…、月島かぁ…。

雫:アアッ!

聖司:よくムーンがさわらせたな…。

聖司:おいムーン、寄ってかないのか?

雫:あのネコ、ムーンっていうの?

聖司:ああ、満月みたいだろ。だからムーンってオレは呼んでるけどね。

雫:ムーンは君んちのネコじゃないの?

聖司:あいつをひきとめるのは無理だよ。

聖司:よその家でお玉って呼ばれてるのを見たことがあるんだ。

聖司:他にもきっと名まえがあるよ…。

雫:フーン、渡り歩いているんだ…。

雫:!

雫:そうかァ!

雫:ムーンは電車で通勤しているのね!

聖司:電車!?

雫:そうなの。ひとりで電車に乗ってたの。それで後をつけたらここへ来てしまったの。

雫:そしたら素敵なお店があるでしょう。物語の中みたいでドキドキしちゃった。

聖司:…。

雫:悪いこと言っちゃったな。ムーンにおまえかわいくないねって言っちゃった。

雫:わたしそっくりだって…。

聖司:ムーンがおまえと!?

聖司:全然似てないよ!!

聖司:!

聖司:あ…、あいつはもう半分化け猫だよ…。

雫:…。

聖司・雫:…。

聖司:おまえ…。

雫:あの…。

聖司・雫:あ…。

雫:おじいさん元気?ずーっとお店お休みだから元気かなって…。

聖司:ピンピンしてるよ。この店変な店だから開いてるほうが少ないんだ。

雫:そうなの…、よかった。

雫:窓からのぞいたら男爵が見えないんで売れちゃったのかなって…。

聖司:ああ!あのネコの人形か。

聖司:見る?来いよ。

聖司:ドア閉めて。

雫:わあ…。

雫:空に浮いてるみたい…。

聖司:高所恐怖症?

雫:ううん、高いところ好き。

雫:素敵…。

聖司:この瞬間が1番きれいに見えるんだよ。

聖司:こっち…。

聖司:ちょうどいいや。そこにすわって。

雫:時計がない…。

聖司:ああ!そこにあったやつ?

聖司:今日届けにいったんだ。ここへ来いよ。

雫:売れちゃったの?

聖司:もともと修理の仕事だもん。

雫:そうかぁ、もう1度見たかったな。

聖司:3年がかりでさ…、月島が弁当忘れた日にできたんだよ。

雫:あっ!あのお弁当!

聖司:わかってるよ。おまえのじゃないことぐらい。

聖司:ここへ来てネコの眼ん中を見てみな。

雫:…。

聖司:はやくしろよ。光がなくなるぜ。

雫:!

雫:ああーーーっ!!

聖司:エンゲルスツィーマー、天使の部屋っていうんだ。

聖司:布張りの時に職人が偶然つけた傷で出来るんだって…。

雫:きれいね…。

聖司:男爵はなくならないよ、おじいちゃんの宝物だもん。

雫:たからもの?

聖司:何か思い出があるみたいなんだ。言わないけどね。

聖司:好きなだけ見てていいよ。オレ、下にいるから。

聖司:電気そこね。つけたかったらつけて。

雫:不思議ね、あなたのことずーっとセンから知っていたような気がするの…。

雫:時々、会いたくてたまらなくなるわ。

雫:今日はなんだか、とても悲しそう…。

雫:…。

雫:…?

聖司:…!

聖司:ああ…、もういいの?

雫:う、うん。ありがとう…。

雫:ねっ、それ…、もしかしてバイオリン作ってるの?

聖司:あ?…ああ。

雫:見ていい?

聖司:…うん。

聖司:こうなるんだよ。

雫:これ全部自分で作ったの?手で?

聖司:あたりまえだよ。

雫:信じらんない!

聖司:バイオリンは300年前に形が完成しているんだ。

聖司:あとは職人の腕で音の良し悪しが決まるんだよ。

雫:あれも全部作ったの?

聖司:…?

聖司:まさか…。ここでバイオリン作りの教室もやっているからさ…。

雫:でも、あなたのもあるんでしょ?

聖司:…うん。

雫:ねえ、どれ?どれ?

聖司:あれ!

雫:わぁー!これぇ?

雫:すごいなあ、よくこんなの作れるねー。まるで魔法みたい。

聖司:おまえなー、よくそういうはずかしいこと平気で言えるよな。

雫:あら、いいじゃない。本当にそう思ったんだから。

聖司:そのくらいのもん、誰でも作れるよ!

聖司:まだ全然だめさ!

雫:…。

雫:!

雫:ねえ、バイオリン弾けるんでしょ?

聖司:…まあね。

雫:おねがい!聴かせて!ちょっとでいいから。

聖司:あのなぁ~。

雫:おねがい、おねがい、おねがーい!

聖司:よーし!そのかわりおまえ歌えよ!

雫:えっ!?だっ、だめよ!あたし音痴だもん!!

聖司:ちょうどいいじゃんか。

聖司:歌えよ。知ってる曲だからさぁ。

雫:ひとりぼ~っち♪おそれずーに♪生きようと夢見て~た♪

雫:さみしーさ押し込め~て♪強い自分を守っていこー♪

雫:カントリーロード♪この道ー♪ず~っと♪ゆけばー♪

雫:あの街にー♪つづいて~るー♪気がすーるー♪カントリーロード

雫:どんなさ~みしい~時だあって♪決して涙みせないでー♪

雫:心なしか歩調がはやくなってゆく♪思い出ー♪消すためー♪

雫:カントリーロード♪この道ー♪故郷ーへー♪つづいてもー♪

雫:ぼくは~♪いかないーさ♪いけな~い♪

雫:カントリーロード

雫:カントリーロード♪明日はー♪いつもーの♪ぼくさー♪

雫:かえりた~いー♪かえれな~いー♪さよな~らー♪

雫:カントリーロード

西:いやいや、愉快愉快。

雫:月島雫です。この間はありがとうございました。

西:いや、お嬢さんにはまた会いたいなあと思ってました。

西:この2人はぼくの音楽仲間です。

南:ナイスボーカァル!例の時計が完成した時に居合わせた幸運な方ですな。

北:聖司くんにこんなかわいい友達がいたとはねえ。

雫:ええっ!?

雫:セイジ!?

雫:あなた、もしかして天沢聖司

聖司:ああ。あれ?言ってなかったっけ?オレの名まえ。

雫:言ってなーい!だって表に西って出てた。

聖司:あれはおじいちゃんの名まえだよ。オレは天沢!

雫:…。

雫:ひどい!不意討ちだわ!洞窟の生き埋めよ!

雫:空が落ちてきたみたぁい!

聖司:何バカなこと言ってんだよ。名まえなんてどうだっていいじゃないか。

雫:よくなーい!!自分はフルネームで呼び捨てにしておいて!

聖司:おまえがきかないからいけないんだろ!

雫:きく暇なんかなかったじゃない!

雫:ああ…、天沢聖司ってわたしてっきり…。

聖司:なんだよ。

雫:やさしい静かな人だと思ってたの!

聖司:おまえなあ、本の読みすぎだよ。

雫:自分だっていっぱい読んでるじゃない!

雫:ほんとに楽しかった…。みんないい人達ね。

聖司:また来いよ。じいちゃん達喜ぶから。

雫:聴くだけならなあ…、歌うのはつらいよ。

雫:…でも天沢くん、バイオリン上手だね。そっちへ進むの?

聖司:オレくらいの奴はたくさんいるよ。

聖司:それよりオレさ、バイオリン作りになりたいんだ。

雫:そうかあ…、もうあんなに上手だもんね。

聖司:イタリアのクレモーナにバイオリン製作学校があるんだよ。

聖司:中学を出たらそこへ行きたいんだ。

雫:…!?

雫:高校…、行かないの?

聖司:家中が大反対!だからまだどうなるかわからないけど、おじいちゃんだけが味方してくれてるんだ…。

雫:すごいね、もう進路を決めてるなんて…。

雫:わたしなんか全然けんとうもつかない。

雫:毎日なんとなく過ぎちゃうだけ…。

聖司:オレだってまだ行けるって決まっちゃいないんだぜ。

聖司:毎日、親とケンカだもん。

聖司:行けたとしても本当に才能があるかどうかやってみないとわからないもんな。

雫・聖司:…。

聖司:おくってかなくていいの?

雫:うん、もうそこだから。

雫:じゃあね。

聖司:あ…。

聖司:月島!

雫:ん…?なに?

聖司:おまえさ、詩の才能あるよ。

聖司:さっき歌ったのもいいけど、オレ、コンクリートロードのほうも好きだぜ。

雫:なによっ、この前はやめろって言ったくせに…。

聖司:オレ、そんなこと言ったっけ?

雫:言ったー!!

聖司:そうかあ…?

雫:…。

雫:今日はありがとう。さよなら。

お姉ちゃん:雫…、スタンドちゃんと消しな!昨日つけっぱなしだったよ。

雫:お姉ちゃん、進路っていつ決めた?

お姉ちゃん:ええっ?

雫:し・ん・ろ!

お姉ちゃん:あんた杉の宮受けるんでしょう?

雫:そうじゃなくって…。

お姉ちゃん:それを探すために大学へ行ってるの。

雫:ふ~ん。

お姉ちゃん:おやすみ。

雫:おやすみ。

雫:お母さんってば自分が休講だからって起きないんだから!

雫・杉村:!

雫・杉村:…。

杉村:…。

杉村:おはよう!

雫:…。

雫:おはよう!

杉村:もっとはやく走れ!

雫:さ、先行っていい!

杉村:…。

雫:ひゃ~~~、助かったぁ~~~。

夕子:雫っ、雫っ。

夕子:ひどい顔ねぇ…。

雫:そういうあなたは立ち直り早いわねぇ…。

夕子:夕べ、よそのクラスの男の子と歩いてたって?

雫:ええっ!?誰がそんなこと言ったの!?

夕子:ウワサよ…。恋人同士みたいだったって。

雫:そんなんじゃないよ…。

夕子:!?…。

雫:…。

杉村:原田…、あのことだけどオレのほうから断っとく。

杉村:ごめんな。

夕子:ううん。わたしこそごめんね。

杉村:いいよ。

メガネ男子:おい!夕べのサスケ見たか?すげえんだ。オレ感動した。

数学の先生:この公式は中間に出すからね!よく覚えておきなさい!

クラスの生徒たち:ええ~~~~~っ!!

数学の先生:終わります!!

聖司:あのさ、月島いるかな?

男子:天沢じゃん。なに?

聖司:月島ってこのクラスだろ?

男子:月島?

男子:ああいるよ!

男子:おーい、月島!面会だぞー!男の!

雫:…!?

杉村:!?

男子:ほらっ、あそこだよ。

雫:…!!聖司くん!

聖司:月島…、ちょっといいかな…?

雫:…あっ、はいっ!

クラスのみんな:わーい!月島に男がいたぞー!

クラスのみんな:お・と・こー!お・と・こー!

雫:違う!!

雫:そんなんじゃないわよっ!!

雫:なに?いったい。

聖司:行けるようになったんだ!イタリアへ。

雫:えっ!?

雫:あっち行こ!

聖司:どこへ行くんだよ。

雫:屋上!

雫:ああ…!

聖司:…すげえな…。

雫:だってあんなにたくさん人がいるところで呼び出すんだもん。

聖司:わるい、1番先に雫におしえたかったんだ。

雫:…。

雫:ご、誤解されるぐらいかまわないけど…。

聖司:おやじがやっと折れたんだよ。ただし条件つきだけどね。

雫:え…、なあに…?

聖司:じいちゃんの友達が紹介してくれたアトリエで2ヶ月見習いをやるんだよ…。

雫:みならい?

聖司:その親方はとってもきびしい人なんで、見込みがあるかどうか見てくれるって。

聖司:それにオレ自身が我慢できるかどうかもわかるだろうってさ。

聖司:だめだったらおとなしく進学しろって言うんだ。

聖司:オレ…、そういうの好きじゃないよ。逃げ道作っとくみたいで…。

聖司:でもチャンスだから行ってくる。

雫:いつ行くの?

聖司:パスポートが取れしだい…。

聖司:学校とは今日おやじと話をつけるんだ。

雫:じゃあ、すぐなんだ…。

雫:よかったね、夢がかなって…。

聖司:ああ。とにかく一生懸命にやってみる。

雫:あの…。

聖司:お…。

雫:…。

聖司:!

聖司:雨あがるぞ。

雫:ほんとだ…。

雫:わあ…、あそこ見て。

雫:虹が出るかもしれない…。

聖司:うん…。

雫:クレモーナってどんな町かな…。

雫:素敵な町だといいね。

聖司:うん。

聖司:古い町だって…。バイオリン作りの職人がたくさん住んでいるんだ。

雫:すごいなあ…、ぐんぐん夢に向かって進んでいくって。

雫:わたしなんかバカみたい。

雫:聖司くんと同じ高校へ行けたらいいな…なんて。

雫:ハハハ…、てんでレベル低くてやんなっちゃうね。

男子たち:しー、いるいる。

男子たち:いたぞぉ。

聖司:オレ、図書カードでずーっと前から雫に気がついてたんだ。

聖司:図書館で何度もすれちがったの知らないだろ。

聖司:となりの席にすわったこともあるんだぞ。

雫:エエーーーッ!!

聖司:オレ、おまえより先に図書カードに名まえ書くため、ずいぶん本読んだんだからな。

雫:…!

聖司:オレ…、

聖司:…、

聖司:イタリアへ行ったらおまえのあの歌うたってがんばるからな。

雫:…。

雫:…わ、わたしも…。

男子たち:押すな!バカ!

女子たち:ひゃあ!

雫:こらーーー!!

男子たち:うわっ、月島が怒ったー!

お姉ちゃん:はい。

お父さん:ああ、すまん。

雫:ごちそうさま。

お母さん:雫…、もう食べないの?

雫:夕子と待ち合わせ。

お母さん:駅の方へ行くなら牛乳買ってきて。

雫:え~~~っ。

お姉ちゃん:雫、ガブ飲みしたんでしょ!

お姉ちゃん:…このごろてんでたるんでるんだから、あの子…。

雫:ごめーん!さぼらした?

夕子:いいよ。

雫:もう頭グジャグジャ。

夕子のお母さん:あら雫ちゃん、いらっしゃい。

雫:こんばんわ。

夕子のお父さん:おかえり。

雫:失礼します。

夕子のお母さん:お茶入れるから取りに来なさいね。

夕子:はーい。

夕子:お父さんとケンカしてるの。口きいてやらないんだ。

雫:…。

夕子:男の子ってすごいなあ…。

雫:2ヶ月で帰ってきても卒業したらすぐ戻って10年ぐらいはむこうで修行するんだって。

夕子:ほとんど生き別れじゃない…。

夕子:でもさ、こういうのこそ赤い糸っていうんじゃない?

夕子:素敵だよ!

雫:相手がカッコよすぎるよ。同じ本を読んでたのに。

雫:片っぽはそれだけでさ。片っぽは進路をとっくに決めててドンドン進んでっちゃうんだもの。

夕子:そうかぁ…。

夕子:そうよね。絹ちゃん、1年のとき同じクラスだったじゃない…。天沢くんってとっつきにくいけど
    ハンサムだし、勉強もできるって言ってたわ。

雫:どうせですよー。

雫:そう、あからさまに言わないでよ。ますます落ち込んじゃう…。

夕子:なんで?好きならいいじゃない。告白されたんでしょ?

雫:それも自信なくなった…。

夕子:はぁ…。

夕子:私わかんない。私だったら毎日手紙書いて励ましたり励まされたりするけどなあ。

雫:自分よりずっとがんばってるやつにがんばれなんて言えないもん…。

夕子:そうかなあ…。

夕子:雫の聞いてるとさ、相手とどうなりたいのかわからないよ。

雫:…。

夕子:進路が決まってないと恋もできないわけ?

夕子:雫だって才能あるじゃない。

夕子:カントリーロードの訳詞なんか後輩たち大喜びしてるもの。

夕子:私と違って自分のことはっきり言えるしさ…。

雫:オレくらいの奴たくさんいるよ…。

夕子:えっ?

雫:ううん、あいつが言ったの。あいつは自分の才能を確かめにいくの。

雫:だったらあたしも試してみる。

夕子:…?

雫:決めた!あたし物語を書く!

雫:書きたいものがあるの。あいつがやるならあたしもやってみる。

夕子:でも、じき中間だよ。

雫:いいの。

雫:夕子ありがとう。なんだか力が湧いてきた。

夕子:帰る?

雫:うん。

雫:おじゃましました。

夕子のお母さん:お母さんによろしくね。

雫:はい。

雫:夕子もがんばってね。

夕子:うん…。

雫:夕子のよさ、きっと杉村にもわかるよ。

雫:さよなら。

夕子:さよなら。

雫:そうかぁ、簡単なことなんだ。あたしもやればいいんだ。

雫:…!

雫:ムーン。

ムーン:…。

雫:…。

女の子:ムター、ムター。

雫:?

女の子:お母さーん。ムタまた行っちゃったよー。

女の子:ムター。

雫:ムタだって…。

西:ほぉ…、バロンを主人公に…。

雫:お許しを頂けますか?

雫:聖司くんからこのお人形がおじいさんの宝物だとうかがったものですから…。

西:ハハハ…、それでわざわざ…。

西:いいですとも。

西:ただし条件が1つある。

雫:…?

雫:はい。

西:ぼくを雫さんの物語の最初の読者にしてくれること。

雫:あ…、あの…。

西:どうですかな?

雫:…。

雫:やっぱり見せなきゃだめですか?

雫:だって…、ちゃんと書けるかどうか、まだわからないから…。

西:ハハハハ…。

西:それは私達職人も同じです。

西:初めから完璧なんか期待してはいけない。

西:そうだ、いいものを見せてあげようかな…。

西:これこれ…。

西:見てごらん。

雫:…。

西:雲母片岩という石なんだがね。

西:その割れ目を覗いてごらん。

西:そう、そうして…。

雫:わぁーっ、きれい…。

西:緑柱石といってね、エメラルドの原石が含まれてるんだよ。

雫:エメラルドって宝石の?

西:そう。

西:雫さんも聖司もその石みたいなものだ…。

西:まだ磨いてない自然のままの石…。

西:わたしはそのままでもとても好きだがね。

西:しかしバイオリンを作ったり物語を書くというのは違うんだ。

西:自分の中に原石を見つけて、時間をかけて磨くことなんだよ。

西:手間のかかる仕事だ…。

雫:…。

西:その石の1番大きな原石があるでしょう。

雫:はい。

西:実は、それは磨くとかえってつまらないものになってしまう石なんだ…。

西:もっと奥の小さいものの方が純度が高い。

雫:…。

西:いや、外から見えない所にもっと良い原石があるかもしれないんだ。

西:いや~、いかんいかん。歳をとると説教くさくていかんな…。

雫:自分にこんなきれいな結晶があるのかどうかとてもこわくなっちゃった…。

雫:でも書きたいんです。書いたらきっとおじいさんに最初にお見せします…。

西:ありがとう。楽しみに待ってますよ。

雫:…原石。

雫:…ラピス・ラズリの鉱脈…。

バロン:いざ、おともつかまつらん!ラピス・ラズリの鉱脈を探す旅に!

バロン:恐れることはない。新月の日は空間がひずむ。

バロン:遠いものは大きく…、近いものは小さく見えるだけのこと…。

バロン:飛ぼう!上昇気流をつかむのだ!

バロン:急がねば!小惑星が集まってきた!

雫:はああああわあああ!

バロン:いいぞ!気流に乗った!

バロン:このままあの塔をいっきに越そう!

雫:あんなに高く!?

バロン:なあに、近づけばそれほどのことはないさ…。

雫:行こう!恐れずに!午後の気流が乱れる時、星にも手がとどこう!

お父さん:あれ…?

お父さん:へえ…、めずらしいなあ。雫が物語以外の本を探してるなんて…。

雫:この人…、牢屋でバイオリン作ってるんだ…。

雫:!

雫:聖司くん!

雫:もう行っちゃったのかと思ってた。

聖司:おじいちゃんに聞いて、ここじゃないかと思ったんだ。

聖司:会えてよかった。明日行く…。

雫:明日…。

聖司:いいよ、雫が終わるまでここで待ってる。

聖司:送れなくてごめんな。

雫:ううん、来てくれてとてもうれしかった。

雫:見送りにはいけないけど、帰りを待ってるね。

聖司:うん、たった2ヶ月さ。

雫:あたし…、泣きごとばかり言ってごめんね。あたしもがんばるね。

聖司:…。

聖司:じゃあ行ってくる。

雫:いってらっしゃーい!

バロン:わたしといいなずけのルイーゼは遠い異国の町に生まれた…。

バロン:その町にはまだ魔法が生きていて、魔法使いの血をひく職人達が工房をつらねていたものだった。

バロン:わたし達を作ったのは見習いのまずしい人形作りだった。

バロン:しかし、ルイーゼとわたしは幸せだった。彼が人を愛する想いをこめてくれたから…。

バロン:ところが…。

夕子:雫、雫、雫っ!

英語の先生:どうしたんだ?月島…。

雫:わ、わかりません。聞いてませんでした。

英語の先生:しっかりしろよ、大事な時だぞ。

雫:すみません。

英語の先生:原田!かわりに読め。

夕子:はい。

夕子:えーっ!また4時まで起きてたの!?

雫:平気だよ。全然眠くならないもん。

夕子:でもさ、雫このごろボーッとしてること多いよ。

夕子:さっきだって…。

雫:考えこんでただけよ。

雫:書きたいことがありすぎてまとまらないんだ。

雫:…。

雫:なんか食欲ない…。

雫:…。

お母さん:雫!いるんじゃない。

お母さん:やあね、あかりもつけないで。

お母さん:あ~あ、洗濯物ぐらいしまってくれればいいのに…。

お母さん:雫!ちょっと来なさい!雫!!

お父さん:雫は?いるんだろ?

お母さん:ほしくないって。

担任の先生:あっ、お待ちしてました。

お母さん:お手数をおかけします。

担任(英語)の先生:さあ、こちらへ。

担任(英語)の先生:進路指導室あいてるだろう?

他の先生:ああ。

担任(英語)の先生:どうぞ。

お母さん:ただいま。

お姉ちゃん:おかえりなさい。

お母さん:今日は早いのね、汐。

お母さん:はあ~、疲れた。

お姉ちゃん:コーヒー飲む?

お母さん:たのむわ。

お姉ちゃん:お母さん、ちょっと相談あるんだけど。

お母さん:なあに?

お姉ちゃん:わたし、家出ようと思うんだ…。

お姉ちゃん:もう部屋見つけてあるの。

お母さん:でも、お金かかるんでしょ?

お姉ちゃん:大丈夫。バイトで貯めたし。

お姉ちゃん:塾の先生の口見つけたからなんとかやっていける。

お母さん:そうか…。汐には手伝いばかりやらせちゃったもんね…。

お母さん:がんばりな。お父さんに話しとく。

お姉ちゃん:ほんと!?うれしい。

お母さん:春までは何かと物入りだけど、卒業したらあたしも働けるから。

お母さん:そしたら少しは応援するね。

お姉ちゃん:うん、期待してる。

お姉ちゃん:ごめんね、修士論文でたいへんな時に。

お母さん:ありがと。データの整理手伝ってくれただけで大感謝してる。

お姉ちゃん:部屋が広くなって雫も少しは勉強に集中できるよ。

お姉ちゃん:あの子この頃変だもの。

お母さん:やっぱりそう思う?

お母さん:今日、学校に呼び出されたの。

お母さん:これ見て。

お姉ちゃん:なあに?これ。

お姉ちゃん:信じらんない!100番も落っことしてるじゃない!

お母さん:あの子、机にかじりついて何やってるのかしらね…。

お父さん:あっ、こんばんわ。

近所のおばさん:おかえりなさい。

近所のおばさん:すみませんね。

お姉ちゃん:あんな成績でいったいどんな高校に行くつもりなの!?

お父さん:!?

雫:いいわよ、高校なんか行かないから!!

お姉ちゃん:高校行かない~~~?世の中を甘くみるんじゃないわよ!!

お姉ちゃん:中学出ただけでどうやっていく気!?

雫:自分の進路ぐらい自分で決めるよ!!

お姉ちゃん:…。

お姉ちゃん:生意気言うんじゃないの!!雫のはただの現実逃避だよ!!

お姉ちゃん:2学期で内申決まるのわかってるでしょう!?

雫:勉強するのがそんなにえらいわけ!?

雫:お姉ちゃんだって大学入ったらバイトしかしてないじゃない!!

お父さん:…。

お姉ちゃん:あたしはやるべきことはやってるわ!!

お姉ちゃん:今やらなきゃいけないことから逃げてるのは雫でしょう!それがわからない!?

雫:逃げてなんかいない!もっと大事なことがあるんだから!

お姉ちゃん:大事なことって何よ!?はっきり言ってごらん!!

お父さん:汐、雫、もうよしなさい。

お姉ちゃん:だって…お父さん、雫ったらひどいのよ。

お父さん:うん…、2人共こっちに来てわけを話してごらん。

お父さん:雫、ちゃんと服を着替えておいで。

お姉ちゃん:早くしな。

お父さん:なるほど…。

お父さん:雫、汐の言ったとおりかい?

雫:テストがどうでもいいなんて思ってない!!

お姉ちゃん:さっき高校なんか行かないって言ったじゃない。

雫:だって、お姉ちゃんがどこへも行けないって言った…。

お父さん:汐…、雫と2人で話をするから席をはずしてくれないか。

お姉ちゃん:はい。

お父さん:母さんは?

お姉ちゃん:田中さんとこ。

お母さん:ただいま。

お姉ちゃん:おかえりなさい。

お姉ちゃん:お母さん。

お母さん:お父さん帰ってるの?

お姉ちゃん:うん。

お父さん:母さんもここへ来てくれないか。雫のこと、汐から聞いたとこなんだ。

お母さん:はい…。

お父さん:さて…、雫。今、雫がやっていることは勉強よりも大切なことなのか?

お父さん:何をやってるのか話してくれないか?

雫:…言える時が来たら言う。

お母さん:雫、それって今すぐやらなきゃいけないことなの?

雫:時間がないの。あと3週間の内にやらないと…。

雫:あたし、その間に自分をためすって決めたんだから。

雫:やらなきゃ…。

お母さん:ためすって何を?何をためしてるの?

雫:…。

お母さん:だまってちゃわからないでしょう。

お母さん:お父さんやお母さんには言えないことなの?

お母さん:あなた。

お父さん:あ…、すまん、ついな…。

お父さん:雫が図書館で一生懸命何かやってるのを見てるしなあ…。感心してたんだよ。

お父さん:雫のしたいようにさせようか、母さん。1つしか生き方がないわけじゃないし…。

お母さん:うん…。そりゃあ、わたしにも身におぼえの1つや2つはあるけど…。

お父さん:よしっ。雫、自分の信じるとおりやってごらん。

お父さん:でもな、人と違う生き方はそれなりにしんどいぞ。

お父さん:何が起きても誰のせいにもできないからね…。

お母さん:それから、ご飯の時はちゃんと顔を出しなさい。

お父さん:そうだ、家族なんだからね。

雫:はい。

お父さん:汐を呼んできて。

お母さん:お茶入れるわ。

お父さん:うん…。

お姉ちゃん:雫。

お姉ちゃん:お父さん…、ああ言ってるけど本当は勉強してもらいたいと思ってるんだからね。

雫:わかってる。背中に書いてあるもん。

お姉ちゃん:わたし、今度の日曜日に引っ越すからね。

お姉ちゃん:部屋、ひとりでつかえるよ。

雫:お姉ちゃん、家出るの?

お姉ちゃん:そう!しっかりやんな。

バロン:はやく!

バロン:はやく!

バロン:はやく!

バロン:本物は1つだけだ!

雫:どれ?どれが本物!?

バロン:はやく!

バロン:はやく!

バロン:はやく!

雫:ああ…。

雫:!

雫:きゃあああ…!!

雫:…。

西:…!!

西:ルイーゼ、来てくれたのか。

西:わたしはもうすっかり歳をとってしまったよ…。

西:…。

西:…!?

西:雫さん…。

西:さあ、どうぞ。

西:いやぁ、すっかり眠ってしまった。

雫:すみません。あの…、物語を書いたので持ってきました。

西:お…、それでできたんですね…。

雫:約束です、最初の読者になってください。

西:これは大長編だ!

雫:あの、今すぐ読んで頂けませんか?何時間でも待ってますから。

西:しかし…、せっかくの作品だから時間をかけて読みたいがなぁ。

雫:つまらなかったらすぐにやめていいんです。いえ、ご迷惑でなかったら…。

雫:あの…、ドキドキしてとても…。

西:わかりました。すぐ読ませてもらいます。

西:さあ、火のそばへ。今日は冷えこむ。

西:これで邪魔者は来まい。

雫:あの、あたし、下の部屋で待ってちゃだめでしょうか?

西:ん…?

雫:平気です、ちっとも寒くありません。

西:ふ~む、かまわんが。しかし…。

西:こんなところで…。

西:雫さん、読みましたよ。

雫:…。

西:ありがとう、とてもよかった。

雫:うそっ!うそっ!本当のことを言ってください!

雫:書きたいことがまとまってません!後半なんかめちゃくちゃ!

雫:自分でわかってるんです!!

西:そう、荒々しくて率直で未完成で…、聖司のバイオリンのようだ。

雫:…!?

西:雫さんのきり出したばかりの原石をしっかり見せてもらいました。

西:よくがんばりましたね、あなたは素敵です。

西:あわてることはない。時間をかけてしっかり磨いてください。

雫:わあああああ…、うわ~~~ん、あ~~~ん。

西:さぁ、ここは寒い、中にお入り。

雫:あたし…、あたし、書いてみてわかったんです。書きたいだけじゃだめなんだってこと。

雫:もっと勉強しなきゃだめだって。

雫:でも、聖司くんがどんどん先に行っちゃうから無理にでも書こうって…。

雫:あたし、怖くて、怖くて…。

西:聖司を好いてくれてるんだね。

西:味はどうかな?

雫:おいしいです。

西:聖司のときはラーメンだったな。最初のバイオリンができた時さ。

西:それもジャンボ大盛りだ。

西:やぁ、ありがとう。

西:さて、どこまで話したかな?

雫:ドイツに留学して町のカフェでバロンを見つけたって…。

西:そうそう、メランコリックっていうのかな、この表情にひかれてね…。

西:店の人に是非ゆずってほしいと申し出たんだ。でも断られた。

西:このネコの男爵には連れがいる。恋人同士を引き離すことはできないってね。

西:ちょっとした修理に職人の元へもどしてある貴婦人のネコの人形の帰りをバロンは待っているっていうんだ。

雫:それって、まるでわたしの作った物語と…。

西:そうなんだ、不思議な類似だね…。

西:帰国の日もせまっていたし、ぼくは諦めようと思った。

西:その時ね、一緒にいた女性が申し出てくれたんだ。

西:恋人の人形がもどってきたら彼女がひきとって、2つの人形をきっと一緒にするからって…。

西:店の人もとうとう折れてね…、ぼくはバロンだけを連れてドイツを離れることになった。

西:必ず迎えに来るから、それまで恋人の人形を預かってほしいとその人に約束してね。

西:2つの人形が再会する時はわたしたちが再会する時だと…。

西:それからすぐ戦争が始まってね、ぼくは約束を果たせなかった…。

西:ようやく、その町に行けるようになってから随分探したんだ。

西:しかし、その人の行方もバロンの恋人もとうとうわからなかった。

雫:…その人、おじいさんの大切な人だったんですね…。

西:追憶の中にしかいなかったバロンを雫さんは希望の物語によみがえらせてくれたんだ。

西:そうだ、あれを…。

西:さあ、手を出して。

雫:…!?

雫:あの…。

西:その石はあなたにふさわしい…。さしあげます。

西:しっかり自分の物語を書きあげてください。

雫:…はい…。

雫:ありがとうございました。

雫:さよなら…。

雫:ただいま。

お母さん:おかえり。

雫:お父さんは?

お母さん:お風呂。

お母さん:あなた、今何時だと思ってるの?

雫:ご心配をおかけしました。今日からとりあえず受験生にもどります。

雫:ご安心ください。

お母さん:あら…!?じゃっ、ためしとやらが終わったのね?

雫:とりあえずね。

お母さん:ご飯は?カレーあるよ。

雫:いいーっ。

お母さん:ふぁ~、とりあえずか…。

雫:ふぅーっ。

お父さん:雫、入るぞ。

お父さん:風呂に入れ。

お父さん:…!?

お父さん:…。

お父さん:戦士の休息だな…。

雫:!!

雫:う、うそ…。

雫:!

雫:ま、待ってて…。

聖司:奇跡だ!本当に会えた!

雫:ゆ、夢じゃないよね。

聖司:飛行機を1日早くしたんだ。

聖司:乗れよ。

聖司:あっ、ちょい待ち。それじゃ寒いぞ。

雫:あ…。

聖司:さあ、乗った。

雫:あたし、コートとってくる。

聖司:時間がないんだ。さあ乗って。

聖司:しっかりつかまってろ。

聖司:雫に早く会いたくてさ。何度も心の中で呼んだんだ!雫ーーーって!

聖司:そしたらさぁ、本当に雫が顔出すんだもん。すごいよ、オレたち!!

雫:…あたしも会いたかった…。まだ夢みたい…。

雫:クレモーナはどうだった?

聖司:見ると聞くとは大違いさ。でもオレはやるよ。

聖司:わぁ、明るくなってきたな…。

雫:降りようか?

聖司:大丈夫だ。

聖司:おまえを乗せて…坂道のぼるって…決めたんだ!

雫:そんなのずるい!!

雫:お荷物だけなんて、やだ!

雫:あたしだって役に立ちたいんだから!

聖司:わかった、たのむ!

聖司:もう少しだ。

聖司:雫ーっ、早く乗れーっ!

雫:う、うん。

聖司:間にあった…。

雫:わぁーーー…。

聖司:持とうか?

雫:平気。

雫:すごーい、朝もやでまるで海みたい。

聖司:ここ、オレの秘密の場所なんだ。もうじきだぞ。

聖司:これを雫に見せたかったんだ。

聖司:おじいちゃんから雫のこと聞いてさ。オレ、何も応援しなかったから。自分のことばかり考えてて。

雫:ううん、聖司がいたからがんばれたの…。

雫:あたし、背伸びしてよかった。自分のこと、前より少しわかったから…。

雫:あたし、もっと勉強する。だから、高校へも行こうって決めたの。

聖司:雫、あのさ…。

雫:…!?

聖司:オレ…、今すぐってわけにはいかないけど、

聖司:オレと結婚してくれないか?

雫:…!?

聖司:オレ、きっと一人前のバイオリン作りになるから…。

聖司:そしたら…。

雫:うん…。

聖司:ほんとか!?

雫:うれしい!そうなれたらいいなって思ってた。

聖司:そうかぁ!やったぁー!!

雫:待って…、風冷たい。

雫:きゃっ。

聖司:雫!大好きだ!!

 

 

耳をすませば全セリフ スタジオジブリ

耳をすませば全セリフ スタジオジブリ

 

誰もが通る青春の道…

恋することは誰にも止められないし、止める必要はない

やけどをするのもいい

怖くてふるえてるだけでもいい

でも、その気持ちを否定だけはしないで。

どっちでもいいから、心に素直になって道を進もう。

たくさん悩んだその心だけが、心をより豊かにしてくれるんだから。

 

千と千尋の神隠し 全セリフ スタジオジブリ

千と千尋の神隠し全セリフ スタジオジブリ

千と千尋の神隠し全セリフ スタジオジブリ

 

千と千尋の神隠し全セリフ スタジオジブリ

 

父:千尋千尋、もうすぐだよ。
母:やっぱり田舎ねー。買い物は隣町に行くしかなさそうね。
父:住んで都にするしかないさ。
ほら、あれが小学校だよ。千尋、新しい学校だよ。
母:結構きれいな学校じゃない。

千尋:前の方がいいもん。…あっ、あああ!!おかあさん、お花しおれてっちゃった!
母:あなた、ずーっと握りしめてるんだもの。おうちについたら水切りすれば大丈夫よ。
千尋:初めてもらった花束が、お別れの花束なんて悲しい…
母:あら。この前のお誕生日にバラの花をもらったじゃない?
千尋:一本ね、一本じゃ花束って言えないわ。
母:カードが落ちたわ。
窓開けるわよ。もうしゃんとしてちょうだい!今日は忙しいんだから。

父:あれ?道を間違えたかな?おかしいな…
母:あそこじゃない?ほら。
父:ん?
母:あの隅の青い家でしょ?
父:あれだ。一本下の道を来ちゃったんだな。…このまま行っていけるのかな。
母:やめてよ、そうやっていつも迷っちゃうんだから。
父:ちょっとだけ、ねっ。
千尋:あのうちみたいの何?
母:石のほこら。神様のおうちよ

父:おとうさん、大丈夫?
父:まかせとけ、この車は四駆だぞ!
千尋:うぁっ―
母:千尋、座ってなさい。

千尋:あっ、うわっ…わっ、わっ!!
ぅああああああっ!
母:あなた、いいかげんにして!
父:行き止まりだ!

母:なあに?この建物。
父:門みたいだね。
母:あなた、もどりましょう、あなた。
千尋?…もぅ。
父:何だ、モルタル製か。結構新しい建物だよ。
千尋:…風を吸込んでる…
母:なぁに?
父:ちょっと行ってみない?むこうへ抜けられるんだ。
千尋:ここいやだ。戻ろうおとうさん!
父:なーんだ。恐がりだな千尋は。ねっ、ちょっとだけ。
母:引越センターのトラックが来ちゃうわよ。
父:平気だよ、カギは渡してあるし、全部やってくれるんだろ?
母:そりゃそうだけど…
千尋:いやだ、わたし行かないよ!
戻ろうよ、おとうさん!
父:おいで、平気だよ。
千尋:わたし行かない!!うぅ…あぁっ!
母:千尋は車の中で待ってなさい。
千尋:ぅぅ…おかあさーん!まってぇーっ!
父:足下気をつけな。
母:千尋、そんなにくっつかないで。歩きにくいわ。

千尋:ここどこ?
母:あっ。ほら聞こえる。
千尋:…電車の音!
母:案外 駅が近いのかもしれないね。
父:いこう、すぐわかるさ。

千尋:こんなとこに家がある…
父:やっぱり間違いないな。テーマパークの残骸だよ、これ。90年頃にあっちこっちでたくさん計画されてさ。バブルがはじけてみんな潰れちゃったんだ。これもその一つだよ、きっと。
千尋:えぇーっ、まだいくの!?おとうさん、もう帰ろうよぅ!ねぇーーーっ!!

千尋:おかあさん、あの建物うなってるよ。
母:風鳴りでしょ。気持ちいいとこねー、車の中のサンドイッチ持ってくれば良かった。
父:川を作ろうとしたんだねー。
ん?なんか匂わない?
母:え?
父:ほら、うまそうな匂いがする。
母:あら、ほんとね。
父:案外まだやってるのかもしれないよ、ここ。
母:千尋、はやくしなさい。
千尋:まーってー!

父:ふん、ふん…こっちだ。
母:あきれた。これ全部 食べ物屋よ。
千尋:誰もいないねー。
父:ん?あそこだ!おーい、おーい。はぁー。うん、わぁ。こっちこっち。
母:わぁー、すごいわねー。
父:すみませーん、どなたかいませんかー?
母:千尋もおいで、おいしそうよ。
父:すいませーん!!
母:いいわよ、そのうち来たらお金払えばいいんだから。
父:そうだな。そっちにいいやつが…
母:これなんていう鳥かしら。…おいしい!千尋、すっごくおいしいよ!
千尋:いらない!ねぇ帰ろ、お店の人に怒られるよ。
父:大丈夫、お父さんがついてるんだから。カードも財布も持ってるし。
母:千尋も食べな。骨まで柔らかいよ。
父:辛子。
母:ありがと。
千尋:おかぁさん、おとぅさん!!

千尋:へんなの。

千尋:電車だ!…?
ハク様:…!!
ここへ来てははいけない!!すぐ戻れ!
千尋:えっ?
ハク様:じきに夜になる!その前に早く戻れ!…もう明かりが入った、急いで!私が時間を稼ぐ、川の向こうへ走れ!!

千尋:なによあいつ…

千尋:…!!おとうさーん!
おとうさん帰ろ、帰ろう、おとうさーん!!
千尋:ひぃぃ…っ
豚:ブギぃぃぃ!!
千尋:ぅわぁあーっ!
おとおさーん、おかあさーん!!
おかあさーん、ひっ!
ぎゃああーーっ!!

千尋:ひゃっ!…水だ!
うそ…夢だ、夢だ!さめろさめろ、さめろ!
さめてぇ…っ…
これはゆめだ、ゆめだ。みんな消えろ、消えろ。きえろ。
あっ…ぁあっ、透けてる!ぁ…夢だ、絶対夢だ!

千尋:ひっ…ひっ、ぎゃあああーーっ!!

千尋:っっっ!!!
ハク様:怖がるな。私はそなたの味方だ。
千尋:いやっ、やっ!やっっ!!
ハク様:口を開けて、これを早く。この世界のものを食べないとそなたは消えてしまう。
千尋:いやっ!!…っ!?
ハク様:大丈夫、食べても豚にはならない。噛んで飲みなさい。
千尋:…ん…んぅ…んー…っ
ハク様:もう大丈夫。触ってごらん。
千尋:さわれる…
ハク様:ね?さ、おいで。
千尋:おとうさんとおかあさんは?どこ?豚なんかになってないよね!?
ハク様:今は無理だけど必ず会えるよ。…!
静かに!!

ハク様:そなたを捜しているのだ。時間がない、走ろう!
千尋:ぁっ…立てない、どうしよう!力が入んない…
ハク様:落ち着いて、深く息を吸ってごらん…そなたの内なる風と水の名において…解き放て…
立って!
千尋:あっ、うわっ!

ハク様:…橋を渡る間、息をしてはいけないよ。
ちょっとでも吸ったり吐いたりすると、術が解けて店の者に気づかれてしまう。
千尋:こわい…
ハク様:心を鎮めて。

従業員:いらっしゃいませ、お早いお着きで。いらっしゃいませ。いらっしゃいませ。
ハク様:所用からの戻りだ。
従業員:へい、お戻りくださいませ。
ハク様:深く吸って…止めて。

湯女:いらっしゃい、お待ちしてましたよ。
ハク様:しっかり、もう少し。
青蛙:ハク様ぁー。何処へ行っておったー?
千尋:…!ぶはぁっ
青蛙:ひっ、人か?
ハク様:…!走れ!
青蛙:…ん?え、え?

従業員:ハク様、ハク様!ええい匂わぬか、人が入り込んだぞ!臭いぞ、臭いぞ!
ハク様:勘づかれたな…
千尋:ごめん、私 息しちゃった…
ハク様:いや、千尋はよく頑張った。これからどうするか離すからよくお聞き。ここにいては必ず見つかる。
私が行って誤魔化すから、そのすきに千尋はここを抜け出して…
千尋:いや!行かないで、ここにいて、お願い!
ハク様:この世界で生き延びるためにはそうするしかないんだ。ご両親を助けるためにも。
千尋:やっぱり豚になったの夢じゃないんだ…
ハク様:じっとして…
騒ぎが収まったら、裏のくぐり戸から出られる。外の階段を一番下まで下りるんだ。そこにボイラー室の入口がある。火を焚くところだ。
中に釜爺という人がいるから、釜爺に会うんだ。
千尋:釜爺?
ハク様:その人にここで働きたいと頼むんだ。断られても、粘るんだよ。
ここでは仕事を持たない者は、湯婆婆に動物にされてしまう。
千尋:湯婆婆…って?
ハク様:会えばすぐに分かる。ここを支配している魔女だ。嫌だとか、帰りたいとか言わせるように仕向けてくるけど、働きたいとだけ言うんだ。辛くても、耐えて機会を待つんだよ。そうすれば、湯婆婆には手は出せない。
千尋:うん…

従業員:ハク様ぁー、ハク様ー、どちらにおいでですかー?
ハク様:いかなきゃ。忘れないで、私は千尋の味方だからね。
千尋:どうして私の名を知ってるの?
ハク様:そなたの小さいときから知っている。私の名は――ハクだ。

ハク様:ハクはここにいるぞ。
従業員:ハク様、湯婆婆さまが…
ハク様:分かっている。そのことで外へ出ていた。

千尋:ぃやっ!はっ、はぁっ…

千尋:わ…っいやああああーーーーっ!やあぁああああああー!!

千尋:あつっ…!

千尋:あの…。すみません。あ、あのー…あの、釜爺さんですか?
釜爺:ん?…ん、んんーー??
千尋:…あの、ハクという人に言われてきました。ここで働かせてください!

釜爺:ええい、こんなに一度に…チビども、仕事だー!

釜爺:わしゃあ、釜爺だ。風呂釜にこき使われとるじじいだ。
チビども、はやくせんか!
千尋:あの、ここで働かせてください!
釜爺:ええい、手は足りとる。そこら中ススだらけだからな。いくらでも代わりはおるわい。

千尋:あっ、ごめんなさい。
あっ、ちょっと待って。
釜爺:じゃまじゃま!

千尋:…あっ。

千尋:あっ、どうするのこれ?
ここにおいといていいの?
釜爺:手ぇ出すならしまいまでやれ!
千尋:えっ?…

釜爺:こらあー、チビどもー!ただのススにもどりてぇのか!?
あんたも気まぐれに手ぇ出して、人の仕事を取っちゃならね。働かなきゃな、こいつらの魔法は消えちまうんだ。
ここにあんたの仕事はねぇ、他を当たってくれ。
…なんだおまえたち、文句があるのか?仕事しろ仕事!!
リン:メシだよー。なぁんだまたケンカしてんのー?よしなさいよもうー。うつわは?ちゃんと出しといてって言ってるのに。
釜爺:おお…メシだー、休憩ー!

リン:うわ!?人間がいちゃ!…やばいよ、さっき上で大騒ぎしてたんだよ!?
釜爺:わしの…孫だ。
リン:まごぉ?!
釜爺:働きたいと言うんだが、ここは手が足りとる。おめぇ、湯婆婆ンとこへ連れてってくれねえか?後は自分でやるだろ。
リン:やなこった!あたいが殺されちまうよ!
釜爺:これでどうだ?イモリの黒焼き。上物だぞ。
どのみち働くには湯婆婆と契約せにゃならん。自分で行って、運を試しな。
リン:…チぇッ!そこの子、ついて来な!
千尋:あっ。
リン:…あんたネぇ、はいとかお世話になりますとか言えないの!?
千尋:あっ、はいっ。
リン:どんくさいね。はやくおいで。
靴なんか持ってどうすんのさ、靴下も!
千尋:はいっ。
リン:あんた。釜爺にお礼言ったの?世話になったんだろ?
千尋:あっ、うっ!…ありがとうございました。
釜爺:グッドラック!

リン:湯婆婆は建物のてっぺんのその奥にいるんだ。
早くしろよぉ。
千尋:あっ。
リン:鼻がなくなるよ。
千尋:っ…

リン:もう一回乗り継ぐからね。
千尋:はい。

リン:いくよ。…い、いらっしゃいませ。お客さま、このエレベーターは上へは参りません。他をお探し下さい。

千尋:ついてくるよ。
リン:きょろきょろすんじゃないよ。

蛙男:到着でございます。右手のお座敷でございます。?…リン。
リン:はーい。
千尋:ぅわっ!
蛙男:なんか匂わぬか?人間だ、おまえ人間くさいぞ。
リン:そーですかぁー??
蛙男:匂う匂う、うまそうな匂いだ。おまえなんか隠しておるな?正直に申せ!
リン:この匂いでしょ。
蛙男:黒焼き!…くれぇーっ!
リン:やなこった。お姉さま方に頼まれてんだよ。
蛙男:頼む、ちょっとだけ、せめて足一本!
リン:上へ行くお客さまー。レバーをお引き下さーい。

湯婆婆:…ノックもしないのかい!?
千尋:やっ!?
湯婆婆:ま、みっともない娘が来たもんだね。さぁ、おいで。…おいでーな~。
千尋:わっ!わ…っ!!いったぁ~…

千尋:ひっ、うわぁ、わあっ…わっ!
湯婆婆:うるさいね、静かにしておくれ。
千尋:あのー…ここで働かせてください!

湯婆婆:馬鹿なおしゃべりはやめとくれ。そんなひょろひょろに何が出来るのさ。
ここはね、人間の来るところじゃないんだ。八百万の神様達が疲れをいやしに来るお湯屋なんだよ。
それなのにおまえの親はなんだい?お客さまの食べ物を豚のように食い散らして。当然の報いさ。
おまえも元の世界には戻れないよ。
…子豚にしてやろう。ぇえ?石炭、という手もあるね。
へへへへへっ、震えているね。…でもまあ、良くここまでやってきたよ。誰かが親切に世話を焼いたんだね。
誉めてやらなきゃ。誰だい、それは?教えておくれな…
千尋:…あっ。ここで働かせてください!
湯婆婆:まぁだそれを言うのかい!
千尋:ここで働きたいんです!
湯婆婆:だぁーーまぁーーれぇーー!!!

湯婆婆:なんであたしがおまえを雇わなきゃならないんだい!?見るからにグズで!甘ったれで!泣き虫で!頭の悪い小娘に、仕事なんかあるもんかね!
お断りだね。これ以上穀潰しを増やしてどうしようっていうんだい!
それとも…一番つらーーいきつーーい仕事を死ぬまでやらせてやろうかぁ…?

湯婆婆:…ハッ!?
坊:あーーーーん、あーーん、ああああーーー
湯婆婆:やめなさいどうしたの坊や、今すぐ行くからいい子でいなさいね…まだいたのかい、さっさと出て行きな!
千尋:ここで働きたいんです!
湯婆婆:大きな声を出すんじゃない…うっ!あー、ちょっと待ちなさい、ね、ねぇ~。いい子だから、ほぉらほら~。
千尋:働かせてください!!
湯婆婆:わかったから静かにしておくれ!
おおぉお~よ~しよし~…

湯婆婆:契約書だよ。そこに名前を書きな。働かせてやる。その代わり嫌だとか、帰りたいとか言ったらすぐ子豚にしてやるからね。
千尋:あの、名前ってここですか?
湯婆婆:そうだよもぅぐずぐずしないでさっさと書きな!
まったく…つまらない誓いをたてちまったもんだよ。働きたい者には仕事をやるだなんて…
書いたかい?
千尋:はい…あっ。
湯婆婆:フン。千尋というのかい?
千尋:はい。
湯婆婆:贅沢な名だねぇ。
今からおまえの名前は千だ。いいかい、千だよ。分かったら返事をするんだ、千!!
千:は、はいっ!

ハク様:お呼びですか。
湯婆婆:今日からその子が働くよ。世話をしな。
ハク様:はい。…名はなんという?
千:え?ち、…ぁ、千です。
ハク様:では千、来なさい。

千:ハク。あの…
ハク様:無駄口をきくな。私のことは、ハク様と呼べ。
千:…っ

父役:いくら湯婆婆さまのおっしゃりでも、それは…
兄役:人間は困ります。
ハク様:既に契約されたのだ。
父役:なんと…
千:よろしくお願いします。
湯女:あたしらのとこには寄こさないどくれ。
湯女:人臭くてかなわんわい。
ハク様:ここの物を三日も食べれば匂いは消えよう。それで使い物にならなければ、焼こうが煮ようが好きにするがいい。
仕事に戻れ!リンは何処だ。
リン:えぇーっ、あたいに押しつけんのかよぅ。
ハク様:手下をほしがっていたな。
父役:そうそう、リンが適役だぞ。
リン:えーっ。
ハク様:千、行け。
千:はいっ。
リン:やってらんねぇよ!埋め合わせはしてもらうからね!
兄役:はよいけ。
リン:フン!…来いよ。

リン:…おまえ、うまくやったなぁ!
千:えっ?
リン:おまえトロイからさ、心配してたんだ。油断するなよ、わかんないことはおれに聞け。な?
千:うん。
リン:…ん?どうした?
千:足がふらふらするの。

リン:ここがおれたちの部屋だよ。食って寝りゃ元気になるさ。
前掛け。自分で洗うんだよ。…袴。チビだからなぁ…。でかいな。
千:リンさん、あの…
リン:なに?
千:ここにハクっていうひと二人いるの?
リン:二人ぃ?あんなの二人もいたらたまんないよ。…だめか。
あいつは湯婆婆の手先だから気をつけな。
千:…んっ…ん…
リン:…おかしいな…あああ、あったあった。ん?
おい、どうしたんだよ?しっかりしろよぅ。
女:うるさいなー。なんだよリン?
リン:気持ち悪いんだって。新入りだよ。

ハク様:橋の所へおいで。お父さんとお母さんに会わせてあげる。

千:靴がない。
…あ。ありがとう。

ハク様:おいで。

千:…おとうさんおかあさん、私よ!…せ、千よ!おかあさん、おとうさん!
病気かな、ケガしてる?
ハク様:いや。おなかが一杯で寝ているんだよ。人間だったことは今は忘れている。
千:うっ…くっ…おとうさんおかあさん、きっと助けてあげるから、あんまり太っちゃだめだよ、食べられちゃうからね!!

ハク様:これは隠しておきな。
千:あっ!…捨てられたかと思ってた。
ハク様:帰るときにいるだろう?
千:これ、お別れにもらったカード。ちひろ?…千尋って…私の名だわ!
ハク様:湯婆婆は相手の名を奪って支配するんだ。いつもは千でいて、本当の名前はしっかり隠しておくんだよ。
千:私、もう取られかけてた。千になりかけてたもん。
ハク様:名を奪われると、帰り道が分からなくなるんだよ。私はどうしても思い出せないんだ。
千:ハクの本当の名前?
ハク様:でも不思議だね。千尋のことは覚えていた。
お食べ、ご飯を食べてなかったろ?
千:食べたくない…
ハク様:千尋の元気が出るように呪い(まじない)をかけて作ったんだ。お食べ。
千:…ん…ん、んっ…うわぁああーー、わぁああーーー、あぁああーーん…
ハク様:つらかったろう。さ、お食べ。
千:ひっく…うぁあーーん…

ハク様:一人で戻れるね?
千:うん。ハクありがとう、私がんばるね。
ハク様:うん。

千:わぁっ。

リン:どこ行ってたんだよ。心配してたんだぞ。
千:ごめんなさい。

湯女:じゃまだねぇ。

リン:千、もっと力はいんないの?
兄役:リンと千、今日から大湯番だ。
リン:えぇーっ、あれは蛙の仕事だろ!
兄役:上役の命令だ。骨身を惜しむなよ。

千:あの、そこ濡れませんか?
リン:千、早くしろよ!
千:はーーい。…ここ、開けときますね。

湯女:リン、大湯だって?
リン:ほっとけ!

リン:ひでぇ、ずーっと洗ってないぞ。

千:うわっ!…あーっ。

リン:ここの風呂はさ、汚しのお客専門なんだよ。うー、こびりついてて取れやしねえ。
兄役:リン、千。一番客が来ちまうぞ。
リン:はーーい今すぐ!チッ、下いびりしやがって。
一回:薬湯入れなきゃダメだ。千、番台行って札もらってきな。
千:札?…うわっ!
リン:薬湯の札だよ!
千:はぁーい。…リンさん、番台ってなに?

湯婆婆:ん?…なんだろうね。なんか来たね。
雨に紛れてろくでもないものが紛れ込んだかな?

番台蛙:そんなもったいないことが出来るか!…おはようございます!良くお休みになられましたか!
湯女:春日様。
番台蛙:はい、硫黄の上!…いつまでいたって同じだ、戻れ戻れ!手でこすればいいんだ!
おはようございます!…手を使え手を!
千:でも、あの、薬湯じゃないとダメだそうです。
番台蛙:わからんやつだな…あっ、ヨモギ湯ですね。どーぞごゆっくり…
千:あっ…

番台蛙:んん?

番台蛙:はい番台です!…あっ、…うわっ!?
千:あっ!ありがとうございます!!
番台蛙:あー、違う!こら待て、おい!
湯婆婆:どしたんだい!?
番台蛙:い、いえ、なんでもありません。
湯婆婆:なにか入り込んでるよ。
番台蛙:人間ですか。
湯婆婆:それを調べるんだ。今日はハクがいないからね。

リン:へぇーずいぶんいいのくれたじゃん。
これがさ、釜爺のとこへ行くんだ。混んでないからすぐ来るよきっと。
これを引けばお湯が出る。やってみな。
千:うわっ!…
リン:千てほんとドジなー。
千:うわ、すごい色…
リン:こいつにはさ、ミミズの干物が入ってんだ。こんだけ濁ってりゃこすらなくても同じだな。
いっぱいになったらもう一回引きな、止まるから。もう放して大丈夫だよ。おれ朝飯取ってくんな!
千:はぁーい。…あっ。

千:うわっ!…いったぃ…った…
あの、お風呂まだなんです。
わ…こんなにたくさん…
えっ、私にくれるの?
カオナシ:あ、あ、…
千:あの…それ、そんなにいらない。
カオナシ:あ、…
千:だめよ。ひとつでいいの。
カオナシ:あ…

千:え…あっ!

千:うわぁっ!!

父役:奥様!
湯婆婆:クサレ神だって!?
父役:それも特大のオクサレさまです!
従業員:まっすぐ橋へ向かってきます!

従業員達:お帰り下さい、お帰り下さい!
青蛙:お帰り下さい、お引き取り下さい、お帰り下さい!
うっ…くっさいぃ~…!

湯婆婆:ぅう~ん…おかしいね。クサレ神なんかの気配じゃなかったんだが…
来ちまったものは仕方がない。お迎えしな!
こうなったら出来るだけはやく引き取ってもらうしかないよ!

兄役:リンと千、湯婆婆様がお呼びだ。
千:あ、はいっ!
湯婆婆:いいかい、おまえの初仕事だ。これから来るお客を大湯で世話するんだよ。
千:…あの~…
湯婆婆:四の五の言うと、石炭にしちまうよ。わかったね!
父役:み、見えました…ウッ…

湯婆婆・千:ウぅッ…!!
湯婆婆:…おやめ!お客さんに失礼だよ!
が・が・…ヨク オコシクダしゃいマシタ…
え?あ オカネ…千!千!早くお受け取りな!
千:は、はいっ!

千:うぅ…!
湯婆婆:ナニ してるんだい…!ハヤク ご案内しな!
千:ど どうぞ …

リン:セーーーン!
うぇっ…くっせえ…あっ、メシが!

湯婆婆:窓をお開け!全部だよ!!

千:えっ?ぁ、…ちょっと待って!

湯婆婆:フフフフ、汚いね。
父役:笑い事ではありません。
湯婆婆:あの子どうするかね。
…ほぉ、足し湯をする気だよ。
父役:あぁああ、汚い手で壁に触りおって!

千:あっ…あっ!

湯婆婆:んん?千に新しい札あげたのかい?
父役:まさかそんなもったいない…

千:わっ!

父役:あああーっ、あんな高価な薬湯を!

千:…?あっ?

リン:セーーーン!千どこだ!!
千:リンさん!
リン:だいじょぶかあ!釜爺にありったけのお湯出すように頼んできた!最高の薬湯おごってくれるって!
千:ありがとう!あの、ここにトゲみたいのが刺さってるの!
リン:トゲーー??
千:深くて取れないの!

湯婆婆:トゲ?トゲだって?…ううーん…
下に人数を集めな!
父役:えぇっ?
湯婆婆:急ぎな!
千とリン、そのお方はオクサレ神ではないぞ!
このロープをお使い!
千:はいっ!
リン:しっかり持ってな!
千:はいっ!
湯婆婆:ぐずぐずするんじゃないよ!女も力を合わせるんだ!
千:結びました!
湯婆婆:んーーー湯屋一同、心をこめて!!エイヤーーーーソーーーーレーーーー
一同:そーーーれ、そーーーーれ!
そーーーれ、そーーーーれ!
千:自転車?
湯婆婆:やはり!さぁ、きばるんだよ!

河の主:はぁーーー…

千:うっわっ…わあっ!

リン:セーーーン!だいじょぶかあ!?

河の主:…佳き哉…
千:あっ…

湯婆婆:んん…?
従業員:砂金だ!!
砂金だ!わあーっ!
湯婆婆:静かにおし!お客さまがまだおいでなんだよ!
千!お客さまの邪魔だ、そこを下りな!
大戸を開けな!お帰りだ!!

河の主:あははははははははは…

神様達:やんやーーやんやーー!!
湯婆婆:セーン!よくやったね、大もうけだよ!
ありゃあ名のある河の主だよ~。みんなも千を見習いな!今日は一本付けるからね。
みんな:おぉーー!!
湯婆婆:さ、とった砂金を全部だしな!
みんな:えぇーーっ!そりゃねえやな…

リン:食う?かっぱらってきた。
千:ありがとう。
リン:あー、やれやれ…
千:…ハク、いなかったねー。
リン:まぁたハクかよー。…あいつ時々いなくなるんだよ。噂じゃさぁ、湯婆婆にやばいことやらされてんだって。
千:そう…
女:リン、消すよー。
リン:あぁ。
千:街がある…海みたい。
リン:あたりまえじゃん、雨が降りゃ海くらいできるよ。
おれいつかあの街に行くんだ。こんなとこ絶対にやめてやる。

千:ヴッ…うぅっ…
リン:ん?…どうした?

青蛙:ん?んんーーっ…
…砂金だ!…あ。
おぬし!何者だ。客人ではないな。そこに入ってはいけないのだぞ!
…おっ!おっ、金だ金だ!こ、これをわしにくれるのか?
カオナシ:あ、あ…
青蛙:き、金を出せるのか?
カオナシ:あ、あ、…
青蛙:くれ~っ!!

青蛙:わあっ!!!

兄役:誰ぞそこにおるのか?消灯時間はとうに過ぎたぞ。
うっ…?
カオナシ:兄役どの、おれは腹が減った。腹ぺこだ!
兄役:そ、その声は…
カオナシ:前金だ、受け取れ。わしは客だぞ、風呂にも入るぞ。みんなを起こせぇっ!

千:お父さんお母さん、河の神様からもらったお団子だよ。これを食べれば人間に戻れるよ、きっと!

千:お父さんお母さんどこ?おとうさーん…

千:ハッ!…やな夢。
…リン?…誰もいない…

千:わぁっ、本当に海になってる!
ここからお父さんたちのとこ見えるんだ。
釜爺がもう火を焚いてる。そんなに寝ちゃったのかな…

兄役:お客さまがお待ちだ、もっと早くできんのか!?
父役:生煮えでもなんでもいい、どんどんお持ちしろ!
リン:セーン!
千:リンさん。
リン:今起こしに行こうと思ったんだ。見な!
本物の金だ、もらったんだ。すげー気前のいい客が来たんだ。

カオナシ:おれは腹ぺこだ。ぜーーんぶ持ってこい!

千:そのお客さんって…
リン:千も来い。湯婆婆まだ寝てるからチャンスだぞ。
千:あたし釜爺のとこ行かなきゃ。
リン:今:釜爺のとこ行かない方がいいぞ、たたき起こされてものすごい不機嫌だから!
女たち:リン、もいっかい行こ!
リン:ああ!

千:…おとうさんとおかあさん、分からなかったらどうしよう。おとうさんあんまり太ってたらやだなー。
はあ…

千:ん?…あぁっ!
橋のとこで見た竜だ!こっちに来る!
なんだろう、鳥じゃない!…ひゃっ!
ハクーっ、しっかりーっ!こっちよーっ!!…ハク!?
ハクーっ!!

千:うわぁっ!わぁああーっ!!…あっ?
…ただの紙だ…

千:ハクね、ハクでしょう?
ケガしてるの?あの紙の鳥は行ってしまったよ。もう大丈夫だよ。…わっ!
湯婆婆のとこへ行くんだ。どうしよう、ハクが死んじゃう!

兄役:そーれっ、さーてはこの世に極まれる♪お大尽さまのおなりだよ♪そーれっ
みんな:いらっしゃいませ!!
兄役:それおねだり♪あ、おねだり♪おねだり♪

蛙男:おっ…と。こら、何をする。
千:上へ行くんです。
蛙男:駄目だ駄目だ。…ん?あっ!血だ!!

千:あっ…
兄役:どけどけ!お客さまのお通りだ!
千:あ、あのときはありがとうございます。
兄役:何をしてる、早ぅど…うっ!?
カオナシ:あ、あ、あ…

カオナシ:え、え、…
千:…欲しくない。いらない!
カオナシ:え、え…
千:私忙しいので、失礼します!

兄役:ええい、静まれ!静まらんか!!下がれ下がれ!
これは、とんだご無礼を致しました。なにぶん新米の人間の小娘でございまして…
カオナシ:…おまえ、何故笑う。笑ったな。
兄役:ぇえっ、めっそうもない!
兄役・湯女:わっ、わっ、わああっ!

千:わっ、わっ、わっ、わあっっ!!

千:はぁっ、はぁっ…あっ!湯婆婆!
うっ、くっ…くっ!くっ…あぁっ!

湯婆婆:全くなんてことだろねぇ。
千:!
湯婆婆:そいつの正体はカオナシだよ。そう、カ オ ナ シ!
欲にかられてとんでもない客を引き入れたもんだよ。あたしが行くまでよけいなことをすんじゃないよ!
…あぁあ~、敷物を汚しちまって。おまえたち、ハクを片づけな!
千:はっ!
湯婆婆:もうその子は使いもんにならないよ!
千:あっ…あ、あ、あ…

湯婆婆:ばぁ~。
坊:んんーー、ああー…ああーー…
湯婆婆:もぅ坊はまたベッドで寝ないで~。
坊:あ…あああーーーん、ああーん…
湯婆婆:あぁああごめんごめん、いい子でおねんねしてたのにねぇ。ばぁばはまだお仕事があるの。
いいこでおねんねしててねぇ~。

千:…あっ!…ぅう痛い離してっ!あっ、助けてくれてありがとう、私急いで行かなくちゃならないの、離してくれる?
坊:おまえ病気うつしにきたんだな。
千:えっ?
坊:おんもにはわるいばいきんしかいないんだぞ。
千:私、人間よ。この世界じゃちょっと珍しいかもしれないけど。
坊:おんもは体にわるいんだぞ。ここにいて坊とおあそびしろ。
千:あなた病気なの?
坊:おんもにいくと病気になるからここにいるんだ。
千:こんなとこにいた方が病気になるよ!…あのね、私のとても大切な人が大けがしてるの。だからすぐいかなきゃならないの。お願い、手を離して!
坊:いったらないちゃうぞ。坊がないたらすぐばぁばがきておまえなんかころしちゃうぞ。こんな手すぐおっちゃうぞ。
千:うぅ痛い痛い!…ね、あとで戻ってきて遊んであげるから。
坊:ダメ今あそぶの!
千:うぅっ…
坊:…あ?
千:血!わかる?!血!!
坊:…うわぁあーーああぁあぁあーーーー!!!!

千:あっ!ハクーーーー!
何すんの、あっち行って!しっしっ!ハク、ハクね!?しっかりして!
静かにして!ハク!?…あっ!

千:あっ、わっ…あっち行って!
あっ!だめっ!!

坊:んんっ…んんんっ…
血なんかへいきだぞ。あそばないとないちゃうぞ。
千:待って、ね、いい子だから!
坊:坊とあそばないとないちゃうぞ…ぅええ~~…
千:お願い、待って!

式神:…うるさいねぇ。静かにしておくれ。
坊:ぇえ…?
式神:あんたはちょっと太り過ぎね。

銭婆:やっぱりちょっと透けるわねえ。
坊:ばぁば…?
銭婆:やれやれ。お母さんとあたしの区別もつかないのかい。

銭婆:その方が少しは動きやすいだろ?
さぁてと…おまえたちは何がいいかな?

千:あっ…
銭婆:ふふふふふふ、このことはナイショだよ。誰かに喋るとおまえの口が裂けるからね。
千:あなたは誰?
銭婆:湯婆婆の双子の姉さ。おまえさんのおかげでここを見物できて面白かったよ。さぁその竜を渡しな。
千:ハクをどうするの?ひどいケガなの。
銭婆:そいつは妹の手先のどろぼう竜だよ。私の所から大事なハンコを盗みだした。
千:ハクがそんなことしっこない!優しい人だもん!
銭婆:竜はみんな優しいよ…優しくて愚かだ。魔法の力を手に入れようとして妹の弟子になるなんてね。
この若者は欲深な妹のいいなりだ。さぁ、そこをどきな。どのみちこの竜はもう助からないよ。ハンコには守りの呪い(まじない)が掛けてあるからね、盗んだものは死ぬようにと…
千:…いや!だめ!

銭婆:なんだろね、この連中は。これおやめ、部屋にお戻りな。
白竜:グぅ…!

銭婆:!…あぁら油断したねぇ~…

千:ハク、あ、きゃああーーーっ!!
ハクーーーっ!!

釜爺:なっ…わあっ!!
千:ハク!
釜爺:なにごとじゃい!ああっ、待ちなさい!
千:ハクっ!苦しいの!?
釜爺:こりゃあ、いかん!
千:ハクしっかり!どうしよう、ハクが死んじゃう!
釜爺:体の中で何かが命を食い荒らしとる。
千:体の中?!
釜爺:強い魔法だ、わしにゃあどうにもならん…
千:ハク、これ河の神様がくれたお団子。効くかもしれない、食べて!
ハク、口を開けて!ハクお願い、食べて!…ほら、平気だよ。
釜爺:そりゃあ、苦団子か?
千:あけてぇっ…いい子だから…大丈夫。飲み込んで!
白竜:グぉウッ、グオッ…!
釜爺:出たっ、コイツだ!
千:あっ!
ハンコ!
釜爺:逃げた!あっちあっち、あっち!
千:あっ、あっ!あぁあああっ、ああああっ!
(ベチャッ!)
釜爺:えーんがちょ、せい!えーんがちょ!!
切った!
千:おじさんこれ、湯婆婆のおねえさんのハンコなの!
釜爺:銭婆の?…魔女の契約印か!そりゃあまた、えらいものを…
千:ああっ、やっぱりハクだ!おじさん、ハクよ!
釜爺:おお…お…
千:ハク!ハク、ハクーっ!
おじさん、ハク息してない!
釜爺:まだしとるがな。…魔法の傷は油断できんが。

釜爺:…これで少しは落ち着くといいんじゃが…
ハクはな、千と同じように突然ここにやってきてな。魔法使いになりたいと言いおった。
ワシは反対したんだ、魔女の弟子なんぞろくな事がないってな。聞かないんだよ。もう帰るところはないと、とうとう湯婆婆の弟子になっちまった。
そのうちどんどん顔色が悪くなるし、目つきばかりきつくなってな…
千:釜爺さん、私これ、湯婆婆のおねえさんに返してくる。
返して、謝って、ハクを助けてくれるよう頼んでみる。お姉さんのいるところを教えて。
釜爺:銭婆の所へか?あの魔女は怖えーぞ。
千:お願い。ハクは私を助けてくれたの。
わたし、ハクを助けたい。
釜爺:うーん…行くにはなぁ、行けるだろうが、帰りがなぁ…。待ちなさい。
たしか…どこに入れたか…
千:みんな、私の靴と服、お願いね。

リン:千!ずいぶんさがしたんだぞ!
千:リンさん。
リン:ハクじゃん。…なんかあったのかここ。なんだそいつら?
千:新しい友達なの。ねっ。
リン:湯婆婆がカンカンになっておまえのこと探してるぞ。
千:えっ?
リン:気前がいいと思ってた客がカオナシって化けもんだったんだよ。湯婆婆は千が引き入れたって言うんだ。
千:あっ…そうかもしれない。
リン:ええっ!ほんとかよ!
千:だって、お客さんだと思ったから。
リン:どうすんだよ、あいつもう三人も呑んじゃったんだぞ。
釜爺:あったこれだ!千あったぞ!
リン:じいさん今忙しいんだよ。
釜爺:これが使える。
リン:電車の切符じゃん、どこで手に入れたんだこんなの。
釜爺:四十年前の使い残りじゃ。いいか、電車で六つ目の沼の底という駅だ。
千:沼の底?
釜爺:とにかく六つ目だ。
千:六つ目ね。
釜爺:間違えるなよ。昔は戻りの電車があったんだが、近頃は行きっぱなしだ。
それでも行くか千?
千:うん、帰りは線路を歩いてくるからいい。
リン:湯婆婆はどうすんだよ?
千:これから行く。
ハク、きっと戻ってくるから、死んじゃだめだよ。
リン:…何がどうしたの?
釜爺:わからんか。愛だ、愛。

湯女:きゃああぁーーっ!ま、ますます大きくなってるよ!
湯女:いやだ、あたい食われたくない!
湯女:来たよ!

父役:千か、よかった、湯婆婆様ではもう抑えられんのだ。
湯婆婆:なにもそんなに暴れなくても、千は来ますよ。
カオナシ:千はどこだ。千を出せ!
父役:さ、急げ。
湯婆婆様、千です。
湯婆婆:遅い!…お客さま、千が来ましたよ。ほんのちょっとお待ち下さいね。
何をぐずぐずしてたんだい!このままじゃ大損だ、あいつをおだてて絞れるだけ金を絞りだせ…ん?
坊ネズミ:チュー。
湯婆婆:なんだいその汚いネズミは。
千:えっ、あのー、ご存じないんですか?
湯婆婆:知る訳ないだろ。おーいやだ。さ、いきな!…ごゆっくり。
父役:千ひとりで大丈夫でしょうか。
湯婆婆:おまえが代わるかい?
父役:エっ?
湯婆婆:フン!

カオナシ:これ、食うか?うまいぞー。
金を出そうか?千の他には出してやらないことにしたんだ。
こっちへおいで。千は何がほしいんだい?言ってごらん。
千:あなたはどこから来たの?私すぐ行かなきゃならないとこがあるの。
カオナシ:ウぅッ…
千:あなたは来たところへ帰った方がいいよ。私がほしいものは、あなたにはぜったい出せない。
カオナシ:グぅ…
千:おうちはどこなの?お父さんやお母さん、いるんでしょ?
カオナシ:イヤダ…イヤダ…サビシイ…サビシぃ…
千:おうちがわからないの?
カオナシ:千欲しい…千欲しい…
欲しがれ。
千:私を食べる気?
カオナシ:それ…取れ…
坊ネズミ:チュウ!(ガブ)
カオナシ:ケッ…
千:私を食べるなら、その前にこれを食べて。本当はお父さんとお母さんにあげたかったんだけど、あげるね。
カオナシ:…ウッ!グハぁ…ゲホ、ゲホ…
セぇン…小娘が、何を食わし…オグぅ…

湯婆婆:みんなお退き!お客さまとて許せぬ!!
カオナシ:オグぅ…!
湯婆婆:あらっ!?

千:こっちだよー!こっちー!
カオナシ:グぅぅ…

カオナシ:グハぁッ…!!…ハぁッ、ハぁッ…許せん…

リン:セーーン!こっちだー!
千:こっーちだよー!
リン:呼んでどうすんだよ!
カオナシ:あ、あ、…
千:あの人湯屋にいるからいけないの。あそこを出た方がいいんだよ。
リン:だってどこ連れてくんだよー!
千:わかんないけど。
リン:わかんないって…!…あーあついてくんぞあいつ…

カオナシ:…ごふっ!

青蛙:ん?

リン:こっから歩け。
千:うん。
リン:駅は行けば分かるって。
千:ありがとう。
リン:必ず戻って来いよ!
千:うん!

リン:セーーン!おまえのことどんくさいって言ったけど、取り消すぞーー!
カオナシ!千に何かしたら許さないからな!

千:あれだ!
電車が来た。くるよっ。

千:あの、沼の底までお願いします。
えっ?…あなたも乗りたいの?
カオナシ:あ、あ、…
千:あの、この人もお願いします。

カオナシ:あ、あ、…
千:おいで。おとなしくしててね。

ハク様:おじいさん。
釜爺:ん?んん…おおハク、気が付いた。
ハク様:おじいさん、千はどこです。何があったのでしょう、教えてください。
釜爺:おまえ、なにも覚えてないのか?
ハク様:…切れ切れにしか思い出せません。闇の中で千尋が何度も私を呼びました、その声を頼りにもがいて…気が付いたらここに寝ていました。
釜爺:そうか、千尋か。あの子は千尋というのか。…いいなあ、愛の力だなあ…

湯婆婆:これっぱかしの金でどう埋め合わせするのさ。千のバカがせっかくのもうけをフイにしちまって!
青蛙:で、でも、千のおかげでおれたち助かったんです。
湯婆婆:おだまり!みんな自分でまいた種じゃないか。それなのに勝手に逃げ出したんだよ。あの子は自分の親を見捨てたんだ!
親豚は食べ頃だろ、ベーコンにでもハムにでもしちまいな。
ハク様:お待ち下さい。
青蛙:ハク様!
湯婆婆:なぁんだいおまえ。生きてたのかい。
ハク様:まだ分かりませんか?大切なものがすり替わったのに…
湯婆婆:ずいぶん生意気な口を利くね。いつからそんなに偉くなったんだい?
フン…

湯婆婆:な…あ…あ…

湯婆婆:…ああ…きぃいいいーーー坊ーーーー!!!
青蛙:土くれだ!
湯婆婆:坊ーーーーーー!!どこにいるの、坊ーーーー!!!
出てきておくれ、坊ーー!坊、坊!
…おぉのぉれぇぇええーーー!!キぃイイイーー!!
あぁたしの坊をどこへやったぁーーー!!!
ハク様:銭婆のところです。
湯婆婆:銭婆…?…あぁ…

湯婆婆:なるほどね。性悪女め…それであたしに勝ったつもりかい。
で!?どうすんだい!?
ハク様:坊を連れ戻してきます。その代わり、千と両親を人間の世界へ戻してやってください。
湯婆婆:それでおまえはどうなるんだい!?その後あたしに八つ裂きにされてもいいんかい!??

千:この駅でいいんだよね。…行こう。

千:肩に乗っていいよ。

銭婆:おはいり。
千:失礼します。
銭婆:入るならさっさとお入り。
千:おいで。
銭婆:みんなよく来たね。
千:あっ、あのっ…!
銭婆:まあお座り。今お茶を入れるからね。
千:銭婆さん、これ、ハクが盗んだものです。お返しに来ました。
銭婆:おまえ、これがなんだか知ってるかい?
千:いえ。でも、とっても大事なものだって。ハクの代わりに謝りに来ました。ごめんなさい!
銭婆:…おまえ、これを持ってて何ともなかったかい?
千:えっ?
銭婆:あれ?守りの呪い(まじない)が消えてるね。
千:…すいません。あのハンコに付いてた変な虫、あたしが踏みつぶしちゃいました!
銭婆:踏みつぶしたぁ!?…あっはははははは。あんたその虫はね、妹が弟子を操るために竜の腹に忍び込ませた虫だよ。踏みつぶした…はっはははは…
さぁお座り。おまえはカオナシだね。おまえもお座りな。
千:あっ、あの…この人たちを元に戻してあげてください。
銭婆:おや?あんたたち魔法はとっくに切れてるだろ。戻りたかったら戻りな。

銭婆:あたしたち二人で一人前なのに気が合わなくてねぇ。ほら、あの人ハイカラじゃないじゃない?
魔女の双子なんてやっかいの元ね。
おまえを助けてあげたいけど、あたしにはどうすることも出来ないよ。この世界の決まりだからね。
両親のことも、ボーイフレンドの竜のことも、自分でやるしかない。
千:でも、あの、ヒントかなにかもらえませんか?ハクと私、ずっとまえに会ったことがあるみたいなんです。
銭婆:じゃ話は早いよ。一度あったことは忘れないものさ…想い出せないだけで。
ま、今夜は遅いからゆっくりしていきな。おまえたち手伝ってくれるかい?

銭婆:ほれ、がんばって。そうそう、うまいじゃないか。ほんとに助かるよ。魔法で作ったんじゃ何にもならないからねぇ。
そこをくぐらせて…そう、二回続けるんだ。
千:おばあちゃん、やっぱり帰る。…だって…こうしてる間にも、ハクが死んじゃうかもしれない。お父さんやお母さんが食べられちゃうかもしれない…。
銭婆:まぁ、もうちょっとお待ち。…さぁ、できたよ。髪留めにお使い。
千:わぁ…きれい。
銭婆:お守り。みんなで紡いだ糸を編み込んであるからね。
千:ありがとう。

銭婆:いい時に来たね。お客さんだよ、出ておくれ。
千:はい。

千:ああっ…!ハク!
ハク、会いたかった…ケガは?もう大丈夫なの?よかったぁ…
銭婆:ふふふ、グッドタイミングね。
千:おばあちゃん、ハク生きてた!
銭婆:白竜、あなたのしたことはもう咎めません。そのかわり、その子をしっかり守るんだよ。
さぁ坊やたち、お帰りの時間だよ。また遊びにおいで。
坊ネズミ:ちゅう。
銭婆:おまえはここにいな。あたしの手助けをしておくれ。
カオナシ:あ、あ…
千:おばあちゃん!…ありがとう、私行くね。
銭婆:だいじょうぶ。あんたならやり遂げるよ。
千:私の本当の名前は、千尋っていうんです。
銭婆:ちひろ。いい名だね。自分の名前を大事にね。
千:はい!
銭婆:さ、お行き。
千:うん!
おばあちゃん、ありがとう!さよなら!

千:…ハク、聞いて。お母さんから聞いたんで自分では覚えてなかったんだけど、私、小さいとき川に落ちたことがあるの。
その川はもうマンションになって、埋められちゃったんだって…。
でも、今思い出したの。その川の名は…その川はね、琥珀川。あなたの本当の名は、琥珀川…

千:ああっ!
ハク様:千尋、ありがとう。私の本当の名は、ニギハヤミ コハクヌシだ。
千:ニギハヤミ…?
ハク様:ニギハヤミ、コハクヌシ。
千:すごい名前。神様みたい。
ハク様:私も思いだした。千尋が私の中に落ちたときのこと。靴を拾おうとしたんだね。
千:そう。琥珀が私を浅瀬に運んでくれたのね。嬉しい…

リン:帰ってきたーー!!
みんな:おおっ…
湯婆婆:坊は連れて戻ってきたんだろうね?…えっ?
坊:ばぁば!
湯婆婆:坊ーー!!
ケガはなかったかい!?ひどい目にあったねぇ!…坊!あなた一人で立てるようになったの?え?
ハク様:湯婆婆様、約束です!千尋と両親を人間の世界に戻してください!
湯婆婆:フン!そう簡単にはいかないよ、世の中には決まりというものがあるんだ!
みんな:ブー、ブー!
湯婆婆:うるさいよっ!
坊:ばぁばのケチ。もうやめなよ。
湯婆婆:へっ?
坊:とても面白かったよ、坊。
湯婆婆:へぇっ?ででででもさぁ、これは決まりなんだよ?じゃないと呪いが解けないんだよ?
坊:千を泣かしたらばぁば嫌いになっちゃうからね。
湯婆婆:そ、そんな…
千:おばあちゃん!
湯婆婆:おばあちゃん?
千:今、そっちへ行きます。

千:掟のことはハクから聞きました。
湯婆婆:フン、いい覚悟だ。これはおまえの契約書だよ、こっちへおいで。…坊、すぐ終わるからねぇ。
千:大丈夫よ。
湯婆婆:この中からおまえのお父さんとお母さんを見つけな。
チャンスは一回だ。ピタリと当てられたらおまえたちゃ自由だよ。

千:…?おばあちゃんだめ、ここにはお父さんもお母さんもいないもん。
湯婆婆:いない!?それがおまえの答えかい?
千:…うん!

湯婆婆:ヒッ!?
豚に化けた従業員たち:おお当たりーー!
みんな:やったあ!よっしゃーーー!!!
千尋:みんなありがとう!!
湯婆婆:行きな!おまえの勝ちだ!早くいっちまいな!
千尋:お世話になりました!
湯婆婆:フン!
千尋:さよなら!ありがとう!

千尋:ハク!
ハク様:行こう!
千尋:お父さんとお母さんは!?
ハク様:先に行ってる!

千尋:水がない…
ハク様:私はこの先には行けない。千尋は元来た道をたどればいいんだ。でも決して振り向いちゃいけないよ、トンネルを出るまではね。
千尋:ハクは?ハクはどうするの?
ハク様:私は湯婆婆と話をつけて弟子をやめる。平気さ、ほんとの名を取り戻したから。
元の世界に私も戻るよ。
千尋:またどこかで会える?
ハク様:うん、きっと。
千尋:きっとよ。
ハク様:きっと。
さぁ行きな。振り向かないで。

母:千尋ー。なにしてんの、はやく来なさい!
千尋:ああっ…!
お母さん、お父さん!
母:だめじゃない、急にいなくなっちゃ。
父:行くよ。
千尋:お母さん、何ともないの?
母:ん?引越しのトラック、もう着いちゃってるわよ。


父:千尋ー。早くおいでー。
足下気をつけな。
母:千尋、そんなにくっつかないでよ。歩きにくいわ。

父:出口だよ。…あれ?
母:なぁに?
父:すげー…あっ、中もほこりだらけだ。
母:いたずら?
父:かなあ?
母:だからやだっていったのよー…

母:オーライオーライ、平気よ。
父:千尋、行くよー。
母:千尋!早くしなさい!

 

 

 

千と千尋の神隠し全セリフ スタジオジブリ

千と千尋の神隠し全セリフ スタジオジブリ

 

少女は成長した。元に戻るのではなく、成長、つまりは前に進んだ。

前なのか、後ろなのか、脇道なのか、それでも足は前に進み、すべてが少女の今になった。それは幻の時間なのか、現実にあった時間なのか。

誰も知る人はいない。

ただ、それは其処にあった。

少女だけの物語

ハウルの動く城 全セリフ スタジオジブリ作

ハウルの動く城

 

ハウルの動く城全セリフ スタジオジブリ


年配の店員:ソフィーさん、お店閉めました。ソフィーさんも行けばいいのに。
ソフィー:これ仕上げちゃう。楽しんできて。
年配の店員:じゃ、行ってきますね。行くわよ。
店員:あっ、待って。
店員:これおかしくなーい?
店員:ねえ見て、ハウルの城が来てる!
店員:えっ、ハウル!?
店員:どこどこ!?
店員:ほら、あんなに近くに!
年配の店員:やぁねえ。
店員:ハウル、街に来てるのかしら。

店員:…逃げちゃった。
店員:隠れただけでしょ、軍隊がいっぱい来てるから。
店員:聞いた?隣町のマーサって子、ハウルに心臓取られちゃったんだってね!
店員:怖いねー。
店員:大丈夫、あんたは狙われないから!
一同:あははは、あはははは!
年配の店員:はやくして!
一同:あはははは…

ソフィー:はっ!
兵隊1:やあ、何かお探しかな?子ネズミちゃん。
ソフィー:いえあの、ご心配なく。
兵隊1:ではお茶などいかがでしょう。お付き合い願えますか?
ソフィー:結構です、用事がありますので。
兵隊2:ほんとに子ネズミちゃんだぜ。
兵隊1:ねぇ、君いくつ?この街の子?
ソフィー:通してください!
兵隊1:ほぉら、お前の髭面のせいだぞ!
兵隊2:怒ったとこも可愛いじゃないか。

ハウル:やぁ、ごめんごめん。探したよ。
兵隊1:なんだお前は!
ハウル:この子の連れさ。君たち、ちょっと散歩してきてくれないか。
兵隊:あっ、えっ?おっ?あれっ、おい、お…
ハウル:許してあげなさい、気はいい連中です。どちらへ?私が送って差し上げましょう。
ソフィー:いえ、チェザーリの店へ行くだけですから。
ハウル:知らん顔して。追われてるんだ。歩いて。

ハウル:ごめん、巻き込んじゃったな。
ソフィー:あっ!
ハウル:こっち!…このまま!
ソフィー:ああっ!

ハウル:足を出して、歩き続けて。
ソフィー:あっ、ああっ…
ハウル:そう、怖がらないで。上手だ。

ハウル:僕は奴らを引き付ける。あなたはちょっと待ってから出なさい。
ソフィー:はい。
ハウル:いい子だ。
ソフィー:あっ…!

ティー:はい、ありがとう。
客:レティーっていうチョコはないのかい?
客:俺もそっちが欲しいな。
客:レティー、散歩に行かないか?
ティー:…お姉ちゃんが!?
客:レティー、早く戻ってきてくれよ!

ティー:お姉ちゃん!?
ソフィー:レティー…。
ティー:どうしたの!?ベランダに降りてきたって、天使にでもなっちゃったの!?
ソフィー:あたし…、夢見てるみたいなの。
店長?:レティー、オフィスを使いなよ。
ティー:でも、仕事中ですから。ありがとう!
店長?:いーや。

ティー:えーっ、それ魔法使いじゃないの?
ソフィー:とってもいいひとだった…。私を助けてくれたの。
ティー:それでお姉ちゃん心を取られちゃったってわけ?その魔法使いがハウルだったら、お姉ちゃん心臓を食べられちゃってるよ!?
ソフィー:大丈夫よ。ハウルは美人しか狙わないもの。
ティー:またそんな。あのねぇ、世の中物騒になってるんだから!荒地の魔女までうろついてるって言うよ。お姉ちゃん?
ソフィー:…ん?
ティー:もう!
お菓子職人:レティー、マドレーヌがあがったよ。
ティー:はーい、ちょっと待ってねー。
お菓子職人:いいよ。
ソフィー:あたし、帰るね。レティーの元気な顔見たら安心したから。

仕入業者:やあレティー
ティー:ごくろうさまー。…ねえお姉ちゃん。ほんとに一生あのお店にいるつもりなの?
ソフィー:お父さんが大事にしてたお店だし…、あたし長女だから。
ティー:違うの!帽子屋に本当になりたいのかってこと!
ソフィー:そりゃあ…
仕入業者:レティー、またね。
ティー:今度お店に来てね。
仕入業者:ああ。
ソフィー:あたし行くね。
ティー:お姉ちゃん。自分のことは自分で決めなきゃダメよ!
ソフィー:うん。

ソフィー:…?あの、お店はおしまいなんです。すみません、鍵をかけたつもりだったんですが…
荒地の魔女:安っぽい店…安っぽい帽子。あなたも十分、安っぽいわねえ。
ソフィー:…ここはしがない下町の帽子屋です!どうぞ、お引き取り下さい!
荒地の魔女荒地の魔女に張り合おうなんて、いい度胸ね。
ソフィー:荒地の魔女?…あっ!
荒地の魔女:その呪いは人には話せないからね。ハウルによろしくね、フフフフ…

ソフィー:…?…んん…あっ!?あっ、あ……ほんとに私なの!?落ち着かなきゃ…んん、ああ~……ああっ!落ち着かなきゃ~…慌てるとロクなことはないよ、ソフィー。ああ…なんでもない、なんでもない…落ち着かなきゃ…あああ落ち着かなきゃ…ううう…

ソフィーの母:ただいま~!
店員:奥様!
店員:お帰りなさい!
ソフィーの母:どう、これ!キングズベリーで流行りはじめたのよ!
店員:わぁ、きれい!
店員:お似合いですよ。
ソフィーの母:これ絶対いけると思わない?ソフィー、ソフィー…あら?
店員:奥様、ソフィーさんは今日は下りてきていません。
ソフィーの母:まぁ、どうしたのかしら。

ソフィーの母:ソフィー、ソフィー。

ソフィーの母:ソフィー。
ソフィー:開けないで、ひどい風邪なの。移っちゃ大変よ。
ソフィーの母:すごい声ね。90歳のおばあさんみたい。
ソフィー:今日は一日寝てるわ。
ソフィーの母:そぅお?じゃあね。
ソフィー:よいしょっと…大丈夫よおばあちゃん、あなた元気そうだし、服も前より似合ってるわ。
階下の店員:(あははは、うふふふ…)
ソフィー:でもここには居られないわね。

ソフィー:あいた!年寄りって大変ね。

街の若者:おばあちゃん、手を貸そうか?
ソフィー:親切だけは頂くよ、ありがとさん。
藁運びの御者:構わねえけど、ばあちゃんどこ行くの?
ソフィー:あんたの行くとこの、その先だよ。

藁運びの御者:やめときなよばあちゃん、この先には魔法使いしかうろついてないぜ!
ソフィー:ありがとよー!
御者の家族:これから中折れ谷へ行くの?
藁運びの御者:末の妹がいるんだって。

ソフィー:まだいくらも来てないね。歯だけは前のまんまで良かったよ。ん?杖に良さそうだ。よっ…あいたたっ。ちょっと太いかしらね。ん…うんん…!ふう、ふう…頑固な枝ねえ…。ソフィーばあちゃんを甘く見ないで!うんん…!

ソフィー:かかしか。また魔女の手下かと思ったよ。でもおまえ、なんで一人で立ってるの?頭がカブね。あたし、小さい時からカブは嫌いなの。逆さになってるよりましでしょ。元気でね。

ソフィー:うぅ、寒い…。まだ街があんなとこにある。…んん?ついてくるんじゃないよ!恩返しなんかしなくていいから!あんたも魔法のなんかだろ、魔女とか呪いとかもうたくさん!どこでも好きなとこに立ってなさい!

ソフィー:はあ、はあ…これはぴったりの杖だね。ありがとさん。今夜泊まるうちも連れてきてくれると、いいんだけどねえ。…年を取ると悪知恵がつくみたい。

ソフィー:大きな軍艦。あぁ、年寄りがこんなに体が動かないなんて思わなかった。…煙の匂いだ。山小屋でもあるのかね?ふう、ふう…

ソフィー:カブ頭、あれハウルの城じゃない!?あんた、うちを連れてこいって、まさか…!

ソフィー:まあ、これ。これでお城なの?

ソフィー:そこが入口なの?ちょっと待ちなさいよ、はあっ、はあっ…これ、ちょっと!乗せるの乗せないの、どっちかにして…うわあっ!肩掛けが…!

ソフィー:カブ、中はあったかそうだからとにかく入らせてもらうわ。ありがと!いくらハウルでもこんなおばあちゃんの心臓は食べないでしょ。今度こそさよなら。あんたはカブだけどいいカブだったよ!幸せにね!

ソフィー:はぁ…。あいててて…よいしょ。なんだろねえ、ただのボロ屋にしか見えないけど…ま、年を取っていいことは、驚かなくなることね。
カルシファー:…こんがらがった呪いだね。
ソフィー:んん!?
カルシファー:その呪いは、簡単には解けないよ。
ソフィー:火が喋った!
カルシファー:おまけに人には喋れなくしてあるね。
ソフィー:あんたがハウル
カルシファー:違うね。おいらは火の悪魔カルシファー!…っていうんだ。
ソフィー:ならカルシファー、あんたあたしに掛けられた呪いを解けるの?
カルシファー:簡単さ、おいらをここに縛り付けている呪いを解いてくれれば、すぐあんたの呪いも解いてやるよ。
ソフィー:悪魔と取引をするってわけね。あんたそれ約束できるの?
カルシファー:悪魔は約束はしないさ。
ソフィー:…他を当たるのね。
カルシファー:おいら、可哀想な悪魔なんだ。契約に縛られて、ここでハウルにこき使われてるんだ!この城だって、おいらが動かしてるんだぜ!
ソフィー:そぅ…大変なのねぇ…
カルシファーハウルと、おいらの契約の秘密を見破ってくたら呪いは解けるんだ。そしたら、あんたの呪いも解いてやるよ!
ソフィー:分かったわ…取引ね…んん…
カルシファー:…ばあちゃん。ばあちゃん!
ソフィー:グガガガ…
カルシファー:…大丈夫かなあ。

ソフィー:うん…んん……?…ぐがー、ぐがー
マルクル:あれっ、誰だろう?
カルシファー:港町ー!
マルクル:いつ入ったのかなあ。…待たれよ。

マルクル:これは町長殿。
町長:日はすっかり昇りましたぞ。ジェンキンス殿はご在宅か。
マルクル:師匠は留守じゃ。わしが代わりに承りましょうぞ。
町長:国王陛下からの招請状です。いよいよ戦争ですぞ。魔法使いも呪い(まじない)師も魔女ですら、皆国家に協力せよとの思し召しです。必ず出頭するように。では。
ソフィー:やだねぇ、戦争なんて。
マルクル:其許は何者じゃ。
ソフィー:カルシファーが入れたんだよ。
カルシファー:俺じゃないよ、荒地から勝手に入ってきたんだよ。
マルクル:荒地から?うーむ…まさか魔女じゃないでしょうね。
カルシファー:魔女なら入れるもんか。…また、港町ー。
マルクル:お客かな?…待たれよ。何用かな?
女の子:母さんの代わりに来たの。
マルクル:またいつもの呪い(まじない)じゃな?
女の子:うん。
マルクル:大人しくしておれよ。
ソフィー:あれ…?荒地じゃない。
女の子:おばあちゃん、おばあちゃんも魔女?
ソフィー:ん?そうさ、この国一こわーい魔女だよ?
女の子:うふふ。
マルクル:この粉を撒けば船に良い風が吹く。
女の子:うん。
マルクル:ご苦労。困るんじゃ、デタラメを言いおって。
ソフィー:あんたその変装やめた方がいいよ。
マルクル:変装じゃありません、魔法です!
カルシファー:キングズベリーの扉ー!
マルクル:待たれよ。
侍従:魔法使いペンドラゴン氏のお住まいはこちらか。
マルクル:如何にも。
侍従:国王陛下の招請状をお持ち致しました。ペンドラゴン氏には必ず宮殿へ参上されるよう、お伝え願いたい。
マルクル:ご苦労様でござる。
ソフィー:まるで王様のいる都だね。
マルクル:引っ込まないと鼻がなくなりますよ。もう、うろうろしないでください!

マルクル:…いい加減にしてください!怒りますよ!
ソフィー:ここは魔法のうちなんだね。
マルクル:もーう。
ソフィー:この黒い所はどこに行くの?
マルクルハウルさんしか知りません!僕は朝ごはんにします!
ソフィー:ベーコンに卵もあるじゃない。
マルクルハウルさんがいなければ、火は使えないんです!
ソフィー:あたしがやってあげる。
マルクル:無理ですよ、カルシファーハウルさんの言うことしか聞かないんです。
カルシファー:そうだ。料理なんかやんないよ。
ソフィー:あらあら、帽子がこんなとこに。さぁカルシファー、お願いしますよ。
カルシファー:やだね。おいらは悪魔だ。だーれの指図も受けないよー。
ソフィー:言うこと聞かないと、水を掛けちゃうよ。それとも取引のことをハウルにばらそうか?
カルシファー:うっ…こ、こんなばあちゃん入れるんじゃなかった!
ソフィー:さあ、どうする!?
カルシファー:う、うう…
ソフィー:そうそう、いい子ねー。
カルシファー:チェ、チェッ、ベーコンなんか焦げちまえ!
マルクルカルシファーが言うことを聞いた…
ソフィー:お茶も欲しいね。ポットもあるの?
マルクル:うん。

マルクルハウルさん、お帰りなさい!王様から手紙が来てますよ、ジェンキンスにも、ペンドラゴンにも!
ハウル:…カルシファー、よく言うことを聞いているね。
カルシファー:おいらを苛めたんだ!
ハウル:誰にでも出来ることじゃないな。あんた、誰?
ソフィー:あ、あたしはソフィーばあさんだよ。ほら、この城の新しい掃除婦さ。
ハウル:貸しなさい。
ソフィー:ええっ…
ハウル:あとベーコン二きれに、卵を六個ちょうだい。
ソフィー:あ、えっ…。
カルシファー:うまい、あむっ、うまっ…
ハウル:掃除婦って、誰が決めたの?
ソフィー:そりゃあーあたしさ。こんな汚いうちはどこにもないからね。
ハウル:ふーん。…マルクル、皿!
カルシファー:うー、皆でおいらを苛めるんだ!
マルクル:ソフィーさんもどうぞ。こっちに座って。選んで!汚れてないのこれしかないんだ。
ソフィー:…仕事はたくさんありそうね。
ハウルマルクル
マルクル:はい。
ハウル:ソフィーさん。
ソフィー:あ、ありがとう。
ハウル:諸君、いただこう。うまし糧を。
マルクル:うまし糧!久しぶりですね、ちゃんとした朝ごはんなんて!はぐ、むっ…むぐ…
ソフィー:…教えることもたくさんありそうね。
ハウル:で。あなたのポケットの中のものは何?
ソフィー:へ?…何かしら。
ハウル:貸して。
マルクル:ああっ!焼き付いた、ハウルさん、これ…!
ハウル:とても古い魔法だよ。しかも強力だ。
マルクル荒地の魔女ですか!?
ハウル:『汝、流れ星を捕らえし者:心なき男:お前の心臓は私のものだ』……テーブルが台無しだね。
ソフィー:ああっ!
マルクル:すごい、消えた!
ハウル:焼け焦げは消えても、呪いは消えないんだ諸君、食事を続けてくれたまえ。カルシファー、城を100キロほど動かしてくれ。
カルシファー:むっ、むぐ、うまっ…
ハウル:それに風呂に熱いお湯を送ってくれ。
カルシファー:えーっ、それもかよう!
マルクル:…ソフィーさんて荒地の魔女の手下なの?
ソフィー:バカを言うんじゃないよ!あたしこそ荒地の魔女に…むぐぐ…ほんとはあたしは…わ、ん、わ、ん……荒地の魔女め!今度会ったらただじゃおかないからね!!さっさと食べちゃおう!

ソフィー:虫どもー、さっさと出ないと掃き出しちゃうよー!どいつもこいつも人をバカにして!
老人:呪い(まじない)を頼みたいんじゃが…
マルクル:後にして!中で魔女が暴れておるんじゃ。

カルシファー:ソフィー!消えちゃうよ!薪をくれなきゃ死んじゃうよー!わ、何するんだ、あー!落ちる、落ちる!危なーい!
ソフィー:灰を掻くのよ。すぐだからね。
カルシファー:やばいよ、あ、危なーい!あぶなっ、う、落ちる、う、あ、やばい…あ、お、落ち…あー!
ハウル:ふうーっ…

ソフィー:…?
ハウル:友人をあまり苛めないでくれないか。
マルクルハウルさん、お出掛けですか?
ハウルマルクル、掃除も大概にするように、掃除婦さんに言っといて。
マルクル:…ソフィー、何かやったの?
ソフィー:ん?
カルシファー:おいらを苛めたんだ!おいらが死んだら、ハウルだって死ぬんだぞ!ううう
ソフィー:あたしは掃除婦なの!掃除をするのが仕事なの!

マルクル:あ、だ、だだ、だめっ!二階はだめ!!
ソフィー:あたしなら大事なものを急いでしまっとくけど?
マルクル:あっ!…僕んとこ後回しにして!
ソフィー:ふふふ。腹を立てたら元気が出たみたいね。変なうちねぇ…。…ん?うわっ…わあーっ…!すごーい!カルシファーカルシファー!この城あんたが動かしてるの!?
カルシファー:うるさいなあ、当たり前じゃないか。
ソフィー:すごいよカルシファー、あんたの魔法は一流だね、見直したわ!
カルシファー:そうかなあ?…そおぉうかなあぁあ!?
マルクル:あー!ま、まだ駄目だよ!
ソフィー:ふわわ…わあー!

ソフィー:きれいだねえ。
マルクル:星の湖(うみ)って言うんだよ。
ソフィー:ん?…なにか穴に挟まってる。何かしら。マルクル、手を貸して。
マルクル:うん。
二人:んー、うーん…
マルクル:かかしだ!
ソフィー:カブ頭のカブって言うの。あんた、逆さになるのが好きだねえ。
マルクル:あっ!
ソフィー:妙なものになつかれちゃったねえ。あたしについてきたんだよ。
マルクル:…ソフィーってほんとに魔女じゃないの?
ソフィー:そうさ、この国一番のきれい好きな魔女さ。

マルクル:カブー、引っ張りすぎだよー!

マルクル:洗濯物が気に入ったみたいだね。
ソフィー:おかげで早く乾くでしょう。
マルクル:カブって悪魔の一族じゃないかな。カルシファーが怒らないもの。
ソフィー:そうね。死神かもしれないわね。でも…こんなところに来られたんだから…

マルクル:ソフィー。洗濯物、しまったよ。
ソフィー:あぁ、ありがと。もう戻らなきゃね。不思議ね、こんな穏やかな気持ちになれたの初めて…

ハウル:はあ…
カルシファー:くさい。生き物と…鉄が焼ける匂いだ。
ハウル:はあ、はあ…うっ!…は、はあっ…
カルシファー:あんまり飛ぶと、戻れなくなるぜ。…すごいだろ、ソフィーが置いてくれたんだ。
ハウル:ひどい戦争だ。南の海から北の国境まで、火の海だった…
カルシファー:おいら火薬の火は嫌いだよ。奴らには礼儀ってものがないからね。
ハウル:同業者に襲われたよ。
カルシファー荒地の魔女か?
ハウル:いや。三下だが、怪物に変身していた。
カルシファー:そいつら、後で泣くことになるな。まず人間には戻れないよ。
ハウル:平気だろ。泣くことも忘れるさ。
カルシファーハウルも国王に呼び出されてるんだろ?
ハウル:まあね。…風呂にお湯を送ってくれ。
カルシファー:えっ…またかよ。

ソフィー:んっ!?ああっ!?…ハウル
カルシファー:そ。お湯の使いすぎだよ。

マルクルハウルさん、絶対食べないと思うよ。
ソフィー:いいの!
街人:おはよう。
ソフィー:おはよう。…朝の市場なんて素敵じゃない。あたし海初めてなの。きれいね、きらきらしてて。
マルクル:いつもと同じじゃ。
マルクル:わしは芋は嫌いじゃ。
ソフィー:払って。ありがとさん。
野菜売り:まいど!
魚売り:どれもさっき揚がった魚だよ。うめえぞ。
マルクル:わしは魚嫌いじゃ。

街人:艦隊が帰ってきたぞ!
マルクル:ん?
街人:ひといくさあったらしいんだ。
魚売り:ほんとかよ!奥さん、後にして!
街人:がんばれ、がんばれー!
マルクル:ソフィー、もっと近くに行ってみようよ!
ソフィー:いや、あたしこういうのだめ!戻ろう!…マルクル、ゴム人間よ!
マルクル:え?
ソフィー:動かないで!荒地の魔女の手下よ!
ソフィー:…行ったわ。あんなお化け、他の人には見えないのかしら。

街人:…あそこだ!
街人:あいつだ、あいつが落としたんだ!
マルクル:ソフィー、あれ敵の飛行軍艦だよ!ソフィー、ビラだよ!ソフィー!
軍人:拾うな!そのビラを拾うな!

マルクル:はぁ、はぁ…
マルクル:ソフィー、大丈夫?
ソフィー:はぁ…はぁ…お水を一杯お願い。
マルクル:うん。
ソフィー:はぁ…はー…。
ハウル:わあぁああああーーっ!!
二人:わっ!?
ハウル:ああああ、あー、あぁあー!…ソフィー、風呂場の棚いじった!?見て!こんな変な色になっちゃったじゃないか!!
ソフィー:き、きれいな髪ね。
ハウル:よく見て!!ソフィーが棚をいじくって、呪い(まじない)をめちゃくちゃにしちゃったんだ!
ソフィー:何もいじってないわ、きれいにしただけよ。
ハウル:掃除、掃除!だから掃除も大概にしろって言ったのに!!絶望だ…何という屈辱…うっ、うっ…うううっ…
ソフィー:そんなにひどくないわよ。
ハウル:ううっ…うっ…
ソフィー:あ、あたしはそれはそれできれいだと思うけど?
ハウル:もう終わりだ…美しくなかったら生きていたって仕方がない…うっ…ううう…
ソフィー:…ええっ!?
カルシファー:やめろー!ハウル、やめてくれ!
マルクル:闇の精霊を呼び出してる!前にも女の子にふられて、出したことがあるんです!
ソフィー:えぇ!?…さあハウル、もうやめなさい。髪なら染め直せばいいじゃない。え?ひっ!?…もう!ハウルなんか好きにすればいい!あたしなんか美しかったことなんて一度もないわ!!こんなとこ、もういやっ!

ソフィー:ひっ、っ…うわーあああん、あーああーん、あー…うわーん…

ソフィー:…ありがとう、カブ。あなたは優しいカカシね。
マルクル:ソフィー!お願い、戻って来て!ハウルさんが大変なんだ!!

カルシファーハウル、やめろー!消えちゃうよう!あー、うー!ソフィー!早くしてー!
ソフィー:派手ねえ…。
マルクル:死んじゃったかなあ?
ソフィー:大丈夫よ。癇癪で死んだ人はいないわ。マルクル、手伝って。
マルクル:うん。

二人:うん、うーん!
ソフィー:マルクル、お湯をたっぷりね!
マルクル:うん!
ソフィー:ほら、自分で歩くのよ!

ソフィー:マルクル、あとお願いね!
マルクル:うん!
ソフィー:…またお掃除しなきゃ。

ソフィー:入りますよ。温かいミルクよ。飲みなさい。

ソフィー:ここに置いておくから。冷めないうちに飲みなさいね。
ハウル:…行かないで、ソフィー。
ソフィー:…。ミルク飲む?

ハウル:…荒地の魔女が僕の家を探しているんだ。
ソフィー:えっ、あっ…港で手下を見掛けたわ。
ハウル:僕は本当は臆病者なんだ。このがらくたは、全部魔女よけの呪い(まじない)なんだよ。怖くて怖くてたまらない…
ソフィー:ハウルはどうして荒地の魔女に狙われてるの?
ハウル:面白そうな人だなーと思って、僕から近づいたんだ。それで逃げ出した。恐ろしい人だった…
ソフィー:ふぅーん…
ハウル:そしたら今度は戦争で王様に呼び出された。ジェンキンスにも、ペンドラゴンにも。
ソフィー:ハウルって一体いくつ名前があるの?
ハウル:自由に生きるのに要るだけ。
ソフィー:ふうん。王様の話断れないの?
ハウル:あれ。魔法学校に入学するとき、誓いを立てさせられてる。
ソフィー:…ねえハウル、王様に会いに行きなさいよ!
ハウル:えぇ!?
ソフィー:はっきり言ってやればいいの。くだらない戦争はやめなさい、私は手伝いません!って。
ハウル:はあー…。ソフィーはあの人達を知らないんだ。
ソフィー:だって王様でしょ?みんなのことを考えるのが、王様でしょ。
ハウル:…そうか!ソフィーが代わりに行ってくれればいいんだ!
ソフィー:えぇ!?
ハウル:ペンドラゴンのお母さんってことでさ。息子は役立たずのろくでなしですって言ってくれればいいんだ!マダムサリマンも諦めてくれるかもしれない!
ソフィー:マダムサリマン?

ハウル:…その帽子かぶるの?せっかく魔法で服をきれいにしたのに。
ソフィー:行ってくるね。
マルクル:うん。
カルシファー:いってらっしゃーい。
ソフィー:あっ…
ハウル:お守り。無事に行って帰れるように。
ソフィー:…。
ハウル:大丈夫、僕が姿を変えてついていくから。さあ、行きたまえ!
ソフィー:絶対うまくいかないって気がしてきた。
ソフィー:見守るってまさか、カラスに化けてるんじゃないわよね。ハウルならもっと派手なものに化けるわね。…まさかね。王宮って遠いわねえ…

ソフィー:…ハウル?まさかね。あんたまさかハウルじゃないでしょうね?
ヒン:ヒン!
ソフィー:もう、よりによって年寄り犬に化けるなんて!年寄りがどんなに大変だか分かってるの?

荒地の魔女:お久しぶり。あの時の帽子屋さんでしょ?
ソフィー:荒地の魔女
荒地の魔女ハウルに手紙を届けてくれてありがとう…ハウル元気かしら?
ソフィー:震え上がっていたわ。おかげで私は掃除婦として働いてるけど。
荒地の魔女:おほほほ、そりゃ良かったわねえ。ところであなた、なんで王様の所へ行くのよ?
ソフィー:就職活動!ハウルのところはもううんざり!あんたこそなんなの?
荒地の魔女:私は王様に呼ばれているの。サリマンのバカもいよいよ、あたしの力が必要になったみたいね。
ソフィー:そんなことよりあたしに掛けた呪いを解きなさいよ。
荒地の魔女:あらぁ、ダメよ。あたしは呪いは掛けられるけど、解けない魔女なの。お先に失礼~。
ソフィー:ちょっと待ちなさい!待ちなさいってば!…もう!あんたがいなかったら杖で殴ってやったのに!

荒地の魔女:おまえたち、どうしたんだい!
侍従:奥様!これより先は禁じられております!どうかお歩き下さい!
荒地の魔女:サリマンめ、魔法陣など仕掛けてあたしに階段を登らせる気かい!

ソフィー:追いついちゃうわ!知らん顔していくのよ。

ヒン:ヒン!
ソフィー:!?…はあ。よっこいせっ…うっ…なんでこんなに重いのよっ…
荒地の魔女:ふっ…ちょっとっ…待ちなさいよっ…
ソフィー:何よ…呪いの、解き方でも…思い出したの!?
荒地の魔女:だから…それは…知らない、の!
ソフィー:じゃあ勉強するのね!
荒地の魔女:はぁ、はぁ…おっかしぃわねぇ…なんであんな、元気なの!?
ソフィー:はぁ、ふう…あんたちょっと降りて。…あんた、今日はやめといたら?無理だよ!
荒地の魔女:あたしはね、ここを追い出されてから、五十年もね、荒地でこの日が来るのを、ずぅう~っと、待ってたんだよ!
ソフィー:じゃあ頑張りなー!手を貸すほど、あたしは親切じゃないんでね!おいでハウル
荒地の魔女:もぅ、なによ薄情者!今度こそ、よぼよぼにしてやるから!はぁ、はぁ…
ソフィー:早くおいでー!
侍従:奥様、ご案内します。
ソフィー:ふん、それより、あの人を助けてあげなさいよ。
侍従:お手をお貸しすることは、禁じられております。
ソフィー:なによ!来いって言ったのは王様じゃない!
ソフィー:あんたー、がんばりなー!もうすぐだよー!それでも魔女なのー!
荒地の魔女:うるさいわねー!ふ、は、ふ、は、はぁ…
ソフィー:あんた急に老けてない?

侍従:ペンドラゴン夫人、荒地の魔女様ー!
荒地の魔女:はぁ、はあ…
ソフィー:しっかりしなさいよ!ここにずっと来たかったんでしょ?
荒地の魔女:はぁ、はぁ…
侍従:ペンドラゴン夫人、荒地の魔女様ー!
荒地の魔女:ペンドラゴン…聞いたことある名だね…
ソフィー:当たり前でしょ、私のいた、帽子屋の名だもん。
荒地の魔女:そだっけ?

侍従:こちらでお待ち下さい。
荒地の魔女:ああ…椅子…あたしんだよ!…ああ、はあー…
ソフィー:ハウル?こっちおいで!…ん?
小姓:奥様はこちらへ。
荒地の魔女:…んんんん!?…ひっ、…あああっ…あああ…!

サリマン:…ハウルのお母様だそうですね。
ソフィー:はい。ペンドラゴンと申します。
サリマン:お疲れでしょ。どうぞ、それへ。
ソフィー:はい。
サリマン:私は王室付き魔法使いのサリマンです。
ソフィー:…ん?あの、その犬は…
サリマン:ヒンのこと?私の使い犬。あなたを案内させました。
ソフィー:は?…はぁあ…
サリマン:つまり、ハウルは来ないのですね?
ソフィー:母親を身代わりにするような息子です。王様のお役には立てないと思います。
サリマン:困ったことになりました。あの子は私の最後の弟子なのに…素晴らしい才能の持ち主でした。ようやく跡継ぎに恵まれたと、本当に嬉しかったのです。ところが、あの子は悪魔に心を奪われ、私の元を去りました。魔法を自分のためだけに使うようになったのです。
ソフィー:…。
サリマン:お母様。
ソフィー:はい。
サリマン:あの子はとても危険です。心を無くしたのに、力がありすぎるのです。このままでは、ハウル荒地の魔女のようになってしまう。…ここへ。
ソフィー:…えぇっ!?あんた、どうしちゃったの!?
サリマン:本当の年に戻してあげただけです。もう魔力はありません。その人も昔は、とても素晴らしい魔法使いでした。悪魔と取引をして、長い間に身も心も食い尽くされてしまったのです。今、王国はいかがわしい魔法使いや魔女を野放しにはできません。ハウルがここへ来て、王国のために尽くすなら、悪魔と手を切る方法を教えます。来ないなら力を奪い取ります。…その女のように。
ソフィー:お言葉ですが!ハウルが何故ここへ来たがらないのか、分かりました。ここは変です。招いておきながら年寄りに階段を登らせたり、変な部屋に連れ込んだり…まるで罠だわ。ハウルに心が無いですって?確かに、わがままで臆病で、何を考えているか分からないわ。でもあのひとはまっすぐよ。自由に生きたいだけ。ハウルは来ません。魔王にもなりません。悪魔とのことは、きっと自分で何とかします。私はそう信じます!
サリマン:…お母様、ハウルに恋してるのね。
ソフィー:はっ!
荒地の魔女ハウルハウルが来るのかい!?欲しいよ、ハウルの心臓が欲しい…!
ソフィー:あんたいい加減にしなさい!ハウルは来ないのよ!
サリマン:ハウルは来ますよ。ハウルの弱点も見つかったわ。

サリマン:王陛下。
国王:いや、そのまま。どうだ、体の具合は?
サリマン:恐れ入ります。
国王:会議はつまらぬ。息抜きにひと飛びしてきたのだ。
サリマン:それはそれは…
国王:この者達は?
サリマン:魔法使いハウルの母君です。
国王:おぉ…せっかくだがな、私は魔法で戦に勝とうとは思わんのだ。確かに、この王宮にはサリマンの力で敵の爆弾は当たらない。その代わり、周りの街に落ちるのだ。魔法とはそういうものだ…なあ、サリマン。
サリマン:今日の陛下は能弁ですこと。
二人目の国王:サリマン!!
ソフィー:えっ?ええっ!?
二人目の国王:いよいよ決戦だぞ!今度こそ叩きのめしてやる!…お?…はっははははは、サリマン、今度の影武者はよくできてるな!良い知らせを待て!
サリマン:恐れ入ります。
二人目の国王:将軍達は集まったか!?
侍従:はい!

サリマン:…ハウル。久しぶりね。
ハウル:先生もお元気で何よりです。
サリマン:初めから分かっていましたよ?
ハウル:誓いは守りました。先生と戦いたくはありません。母を連れて行きます。
サリマン:逃がしませんよ?
荒地の魔女:ひぃ、ひいい~…!
ハウル:下を見ないで。すごい力だ。
サリマン:お母様にそなたの正体を見せてあげよう。
荒地の魔女:ひいい…!

ハウル:うぅう…ううあああああっっ!
ソフィー:ハウルだめ!罠よ!!

ハウル:掴まって!ソフィー、前へ移れ!あーあ…ソフィーがみんな連れてきちゃったなあ。
荒地の魔女:わんちゃん。
ヒン:ヒン!
ソフィー:ヒン、あんたはサリマンの回し者でしょ。しょうがないわねぇ、今更おろせないじゃない。
ハウル:ソフィー、舵を取れ。
ソフィー:えー、できないわよそんなこと!
ハウル:追いかけてきた!
ソフィー:えっ?
ハウル:僕が相手をする。ソフィーはこのまま荒地の城まで飛ぶんだ。
ソフィー:えー?そんなの無理よ!
ハウル:大丈夫、方向は指輪が教えてくれる。カルシファーを心の中で呼ぶんだ。
ソフィー:カルシファーを?
ハウル:光の差す方へ飛べばいいんだ。夜には着く。
ソフィー:なによ!ハウルが来るなら私が来ることなかったのよ!
ハウル:ソフィーがいると思うから行けたんだ。あんな怖い人のところへ一人で行けるもんか。
:おかげで助かった。さっきは本当に危なかったんだ。
ソフィー:あぁあああ、離さないで、きゃあー!うわわわわー!
ハウル:上手いじゃないか!
ソフィー:どこが!
ハウル:ちょっと引き離した。五分間だけ見えなくするから、その間に行きなさい。
ソフィー:うーわわわ…!ハウルー!

サリマン:いえ、要らないわ。はい、ありがとう。久しぶりにわくわくしたわ。ハウルは逃げたつもりでしょうけど…ふふ、ずいぶん若いお母様だったこと。

ソフィー:…ん?もうすぐよ、私の生まれた街だわ!
ヒン:ヒン!
ソフィー:馴れ馴れしくしないで。あんたは信用してないからね。お城だわ。迎えに来てくれた!
マルクル:ソーフィー!
ソフィー:マルクル大変ー!あたし止め方しらないのー!わ、わ!

マルクル:ソフィー!…!?
荒地の魔女:わんちゃん。
ヒン:ヒン!
ソフィー:マルクル!ただいま!
マルクル:ソフィー、怪我はない!?
ソフィー:えぇ。
マルクル:よかったー!
ソフィー:迎えに来てくれてありがとうね。

荒地の魔女:グゴゴゴゴ、グゴゴゴ…

カルシファー:…やばいよ、やりすぎだよう…!

ソフィー:はっ!ハウルが戻ってきたのかしら?…あっ!?

ソフィー:ハウル

怪鳥:…うぅあぁあ…あああ…
ソフィー:ハウルハウルね?苦しいの?怪我をしてるのね?
怪鳥:…来るな…
ソフィー:あたし、あなたを助けたい。あなたにかけられた呪いを解きたいの。
怪鳥:自分の呪いも解けないおまえにか?
ソフィー:だってあたし、あなたを愛してるの!
怪鳥:もう遅い…!
ソフィー:ああっ!…ハウルー!

ソフィー:はっ!…はあ……ハウル帰ってきたのね?
カルシファー:ソフィー、早くおいらとハウルの契約の秘密を暴いてくれ!おいらたち、もう時間がないよ!
ソフィー:ハウルが魔王になるってこと?そうなの?
カルシファー:そんなこと言えるかよ、おいらは悪魔だぜ?
ソフィー:カルシファー、サルマンが言ってたわ。ハウルは大切なものをあなたに渡したって…なにそれ?どこにあるの?
カルシファー:契約の秘密については、おいらは喋れないよ。
ソフィー:あんたに水を掛けて消すって脅したら?
カルシファー:あああああーっ!なんてこと言うんだ!そしたらハウルも死ぬぞ!

ソフィー:おはよう、カブ。…勇気を出さなくちゃね。

マルクル:ソフィー、いいよー!
ソフィー:オーラーイ!カルシファー、もっと口開けて!
:いくわよー、それー!
マルクル:そーれー!
ソフィー:うーごーき、…な、さい、…よっ!!
マルクル:あ、ああーっ!わあーっ!…あ、あはは、あはははは、ははははっ!
ソフィー:お城ったって中から見るとがらくたの寄せ集めね!みんなー、ご飯にするよー!

ソフィー:はい、おばあちゃん。
カルシファー:ソフィー、やだよう。荒地の魔女だぜ!
ソフィー:もう大丈夫よ。
カルシファー:俺をじっと見てるよ!
荒地の魔女:きれいな火だねえ。

ソフィー:ハウル!?
ハウル:やあみんな!
ソフィー:お帰りなさい。
マルクルハウルさん、この犬飼っていいでしょう!?
ハウル:魔女のおばあちゃんにサリマン先生の犬とは…カルシファー、よく城の中に入れたね。
カルシファー:冗談じゃないよ、ソフィーが丸ごと飛び込んで来ちゃったんだ!
ハウル:はっはっはっはっは!また派手にやったね!やあ、君がカブだね!ふぅん…君にもややこしい呪いがかかってるね。我が家族はややこしい者ばかりだな。
荒地の魔女:いい男だねえ。
ハウル:さて、今日は忙しいよ。引っ越しだ!
ソフィー:引っ越し?
マルクル:よかった、お城だけじゃ買い物もできませんからね!
ハウル:ここにいたらすぐサリマン先生に見つかっちゃうからね。…君はここにいてもらわなきゃならないな。魔力が強すぎる。

ハウル:よーし、できた!カルシファー、いいよー!

ハウル:よし、上出来だ!しばらくそこにいてね。
カルシファー:そっとやってくれー。
ハウル:はじめるよ。

マルクル:…わあ!
ソフィー:わ…
ハウル:引っ越し終わり!もう降りていいよ。
マルクル:うわー!すごい、お師匠様、広いですね!

ソフィー:ああ…っ!ここは…!
ハウル:トイレも作ったんだよ、家族が増えたからね。ソフィー、こっちへきて、ソフィー!部屋もひとつ増やしたんだ。入ってごらん。
ソフィー:あ、ぁっ…!…ここ…何故?
ハウル:ソフィーの部屋にどうかなー?って。気に入った?
ソフィー:…そうね。掃除婦にはぴったりの部屋ね。
ハウル:着替えも買っといたから、後で見て。次だ。ソフィー、こっちに来て!早くー!
マルクル:中庭だー!
ハウル:お店もあるよ!…ソフィー。ドアの色が変わったからね。新しい出口だ。
ソフィー:あぁっ…!
ハウル:ソフィーへのプレゼント。どうぞ。

ソフィー:わああーっ…!
ハウル:僕の秘密の庭さ。
ソフィー:素敵ね…。ここもハウルの魔法なの?
ハウル:ちょっぴりね。花を助けるのに。
ソフィー:わーっ!ハウルー、ありがとうー!夢みたい…

ハウル:ソフィー。
ソフィー:不思議ね。あたし、前にここに来た気がするの。涙が出てきちゃった。
ハウル:おいで。
ソフィー:うん。

ハウル:ほら!
ソフィー:まあーっ!ちっちゃな家!
ハウル:僕の大事な隠れ家さ。子供の頃の夏に、よくあそこでひとりで過ごしたんだ。
ソフィー:…ひとりで?
ハウル:魔法使いのおじが、僕にこっそり遺してくれた小屋なんだ。ソフィーなら、好きに使っていいよ。…どうしたの?
ソフィー:怖いの。小屋へ行ったら、ハウルがどこかへ行っちゃうような気がするの。ハウル、ほんとのこと言って。あたし、ハウルが怪物だって平気よ。
ハウル:僕は、ソフィー達が安心して暮らせるようにしたいんだよ。ここの花を摘んでさ、花屋さんをあの店でできないかな?ねっ、ソフィーなら上手くやれるよ!
ソフィー:そしたらハウルは行っちゃうの?あたし、ハウルの力になりたいの。あたしきれいでもないし、掃除くらいしかできないから…。
ハウル:ソフィー。ソフィーはきれいだよ!

ソフィー:…年寄りのいいとこは、失くすものが少ないことね。
ハウル:…。…はっ。…こんなところを通るなんて…
ソフィー:軍艦?
ハウル:町や人を焼きに行くのさ。
ソフィー:敵?味方?
ハウル:どちらでも同じことさ。…人殺し共め。ごらん、あんなに爆弾をくっつけてる。

ソフィー:…止まっちゃった。ハウルがやったの!?
ハウル:ちょっといじった。落としゃしないよ。
ソフィー:…はっ!ハウル
ハウル:おっとっと、気付かれたかな?

ハウル:サリマン先生の下っ端の下っ端さ。戻ろう!
ソフィー:うわっ!わ、わ、あっ…!
ハウル:走れ!足を踏ん張れ!あそこへ走れ!
ソフィー:いやー、離さないで!いやーあああ!

マルクル:…ソフィー、どうしたの?
ソフィー:はぁ、はぁ、…もーこんなうち出てってやる!

マルクル:ソフィー、お休み。
ソフィー:お休み。
マルクル:…ソフィー、ハウルさんなら心配いらないよ。前も何日もいなかったことあるから。
ソフィー:ありがとうマルクル

ソフィー:トイレは?
荒地の魔女:平気だよ。
ソフィー:お休みなさい。
荒地の魔女:…恋だね。
ソフィー:…!
荒地の魔女:あんたさっきからため息ばっかりついてるよ。
ソフィー:…はぁ…
荒地の魔女:図星だね。
ソフィー:おばあちゃん、恋をしたことあるの?
荒地の魔女:そりゃしたね。今もしてるよ?
ソフィー:えー?
荒地の魔女:男なんか仕方のないものだけどね。若い心臓は良いよ。
ソフィー:あっきれた。
荒地の魔女:それにかわいいからね。

ソフィー:なにかしら?
荒地の魔女:空襲警報だよ。
ソフィー:空襲?
荒地の魔女:この街じゃないよ。でも今夜は外に出ない方がいいね。そこら中でサリマンの手先がこの家を探し回っているよ。いい火だねえ…よくこのうちを隠してる。

マルクル:ソフィー、変な人が入って来ちゃった!
ソフィー:ん?…お母さん!
ソフィーの母:ソフィー!!!あなたどこ行ってたの、さんざん探したのよ!まあこんなおばあちゃんになっちゃって…!みんな私が悪いの…ごめんねソフィー…ごめんね…!
ソフィー:お母さん…。

ソフィーの母:すっかり模様替えしたのねー。…あの方はどなた?ああ、家主さんね。そうだ、ソフィー、私再婚したの!
ソフィー:ええ!?
ソフィーの母:とってもいい人、それにお金持ちなの!またみんなで暮らせるわ!ねっ、掃除婦なんてしなくていいのよ!
ソフィー:でもあたし、今の暮らしが気に入ってるから…
ソフィーの母:そぅお?…あ、いけない、車を待たせてあるの。行かなきゃ。

荒地の魔女:覗き虫かい。サリマンも古い手を使うね。カルちゃん燃して!
カルシファー:むぐっ…あ、ああああー!

ソフィー:お母さん、幸せになってね。
ソフィーの母:ありがとう。ソフィーもね。

ソフィーの母:…言われた通りにしたわ。夫の元へ返して。
小姓:はい。サリマン先生もさぞお喜びでしょう。
ソフィーの母:…ごめんね、ソフィー…

ソフィー:すごい人ね。みんな逃げ出して、町中空っぽになっちゃうわね。
マルクル:ソフィーも行きたいんか?
ソフィー:えっ?
マルクル:さっきの人がそう言っておったぞ。
ソフィー:そうね。仲直りできて良かった。
マルクル:ソフィー、行かないで!僕、ソフィーが好きだ!ここにいて!
ソフィー:あたしもよマルクル。大丈夫、行かない。
マルクル:本当!?
ソフィー:うん。
マルクル:ぼくら、家族?
ソフィー:そう。家族よ。
マルクル:…よかった!

荒地の魔女:サリマンなんかにハウルは渡さないよ!

マルクル:…でも、勝ったって書いてあるよ?
荒地の魔女:若者だけさ、信じるのは。
マルクル:ふーん…
ソフィー:おかしいわね、カルシファーがちっとも燃えないの。おばあちゃんそれやめてくれない?ひどい匂いよ。
荒地の魔女:年寄りの楽しみを取るもんじゃないよ。
ソフィー:窓開けて、マルクル
マルクル:うん。
荒地の魔女:窓は開けない方が良いと思うよ…カルちゃんの力が弱くなってるからね。奴らが入ってくるよ。
ソフィー:…マルクル!きゃあっ!わ、わっ…!早く閉めて!おばあちゃんをお願い。お店見てくる!
マルクル:うん!

ソフィー:こんな時に何よ!そんなヒマがあったら、火事を消しなさい!

荒地の魔女:派手ねえ…。

ソフィー:は、ハウル
ハウル:すまない…今夜は相手が多すぎた。
ソフィー:ハウル、ああ、ハウル

マルクルハウルさん!ソフィー!
ハウルカルシファー、しっかりしろ!…マダム、それはサリマン先生のプレゼントですね?
カルシファー:そのばあちゃんがおいらに、変なものを食わせたんだ!
荒地の魔女:あら、ハウルじゃない。あなたとはゆっくり話をしたいわねえ。
ハウル:私もです、マダム。でも今は時間がありません。
荒地の魔女:あら~、珍しいわねえあなたが逃げないなんて。
ハウル:では、また。ソフィーはここにいろ。カルシファーが守ってくれる。外は僕が守る。
ソフィー:待って!ハウル、行ってはだめ!ここにいて!
ハウル:次の空襲が来る。カルシファーも、爆弾は防げない。
ソフィー:逃げましょう。戦ってはだめ!
ハウル:何故?僕はもう十分逃げた。ようやく守らなければならないものができたんだ。…君だ。
ソフィー:ハウル!ああっ…!

ソフィー:あたしたちのいる街だ!あそこにハウルがいる…!あっ!ハウル
マルクル:ソフィー!…カブ!
ソフィー:マルクル、こっちへこよう!
マルクル:えっ!?

カルシファー:引っ越し!?無茶だよ、あっちは空っぽだよ!
ソフィー:だめ!あたしたちがここにいるかぎり、ハウルは戦うわ。あのひとは弱虫がいいの。おばあちゃん、さあ!
荒地の魔女:散歩かい?
カルシファー:だって、サリマンにすぐ見つかっちゃうよ!
ソフィー:もう見つかってる!こんなことしてたら、あのひと戻れなくなっちゃう!
マルクル:ソフィー!お城ぼろぼろだよ!
ソフィー:いいの!マルクル、おばあちゃんお願い!
マルクル:うん!
ソフィー:あなたも行くの!乗って!
カルシファー:えぇえ、無理だよ。おいらは契約で暖炉から出られないんだ!
ソフィー:あなたたちにできないなら、あたしがやってあげる!
カルシファー:あぁああ、あぶない!やめろ!やめろってば、やめてー!おいらが出たらこの家も崩れちゃうぞ!
ソフィー:いい!
マルクル:出たよ!
ソフィー:離れて!
カルシファー:お、おいらを最後にした方がいいぜ!何が起こるか、おいらにももう分からないんだ!

カルシファー:だから言ったろ、崩れるって!…雨だ!

マルクル:街に行くのかな?
ソフィー:マルクル、おばあちゃんお願いね!カブ、中に入れる所を探して!
マルクル:おばあちゃん、大丈夫だよ。僕がついてる。
ソフィー:マルクル、ここから入れる!

カルシファー:あああ雨漏りしてる!おいら消えちゃうよ!
ソフィー:ここで待ってて!
カルシファー:ここ濡れてるよー!これ湿ってるー!
ソフィー:マルクル、おばあちゃんをここへ!
マルクル:お城空っぽだね。
カルシファー:だから、あっちにいればおいらとハウルで守れたんだよ!
ソフィー:カルシファーお願い。あなたにしかできないの。ハウルの所に行きたいの、お城を動かして!
カルシファー:えぇーっ!
ソフィー:あなたならできるわ、すごい力を持ってるもの!
カルシファー:でもさあ、ここには煙突もないしぃ、湿ってるしぃ~…。
ソフィー:だって昔から言うじゃない。一流は場所を選ばないって。
カルシファー:そりゃそうだけどさー。そうかなあ?
荒地の魔女:カルちゃんきれいだねー。
マルクル:おばあちゃん、ここ!
カルシファー:じゃあさ、ソフィーの何かをくれるかい?
ソフィー:あたしの?
カルシファー:おいらだけじゃだめなんだ、目とか…
ソフィー:目?これは?

ソフィー:すごいわカルシファー!あなたは一流よ!
カルシファー:目か心臓をくれれば、もっとすごいぞ!
荒地の魔女:心臓!?心臓があるのかい!?あらーっ!

ソフィー:あそこにハウルがいる。囲まれてるわ。あっ!カルシファー早く…あっ!
カルシファー:やめー!
ソフィー:おばあちゃん!やめて!
荒地の魔女ハウルの心臓だよ!
カルシファー:やめろー!
ソフィー:おばあちゃん!
荒地の魔女:熱い、熱い!!
ソフィー:放して、死んじゃう、おばあちゃん!
荒地の魔女:嫌だ、あたしんだよ!熱い、熱いよ!
カルシファー:あーーー!
マルクル:ソフィー!ソフィー!!

ヒン:…ヒンッ、ヒン!ヒン!
ソフィー:…ヒン大変なことしちゃった…カルシファーに水を掛けちゃった…ハウルが死んだらどうしよう…!うわあああーん、あああーん…!
ヒン:ヒン!ヒン、ヒン、ヒン!
ソフィー:…動いてる!ハウルは生きてるの!?ハウルの居場所を教えて!はっ!お城のドア!

ソフィー:はっ。…ヒン。

ソフィー:ああっ!…ハウル!あたし今、ハウルの子供時代にいるんだ!

ソフィー:あっ、あああ!ハウルー、カルシファー!あたしはソフィー!待ってて、あたしきっと行くから!未来で待ってて!

ヒン:ヒン、ヒン!
ソフィー:…うん、歩くよ。ヒン、歩くから。涙が止まらないの。

ソフィー:ハウル…。ごめんね、あたしぐずだから。ハウルはずっと待っててくれたのに…。あたしをカルシファーの所へ連れてって。

マルクル:死んじゃった?
ソフィー:ううん、大丈夫。…おばあちゃん。
荒地の魔女:あたしゃ知らないよ、何にも持ってないよ。
ソフィー:お願い。おばあちゃん。
荒地の魔女:…そんなに欲しいのかい?
ソフィー:うん。
荒地の魔女:仕方ないね。大事にするんだよ。
ソフィー:うん。
荒地の魔女:ほら。
ソフィー:ありがとう、おばあちゃん。

ソフィー:カルシファー
カルシファー:ソフィー、くたくただよ…
ソフィー:心臓をハウルに返したら、あなたは死んじゃうの?
カルシファー:ソフィーなら平気だよ、たぶん…おいらに水を掛けても、おいらもハウルも死ななかったから…
ソフィー:やってみるね。暖かくて、小鳥みたいに動いてる。
カルシファー:子供の時のまんまだからさ。
ソフィー:どうか、カルシファーが千年も生き、ハウルが心を取り戻しますように…。

カルシファー:…生きてる!おいら、自由だー!
ハウル:んん…う…
マルクル:動いた!生きてる!…わっ!?カルシファーの魔法が解けたんだ!
ソフィー:カブ!

ソフィー:カブ、大丈夫!?すぐ新しい棒を見つけてあげるね!カブ、ありがとう!…ああっ!?
カブ王子:ありがとう、ソフィー。私は隣の国の王子です。呪いで、カブ頭にされていたのです。
荒地の魔女:愛する者にキスされないと解けない呪いね。
カブ王子:その通り。ソフィーが助けてくれなければ、私は死んでいたでしょう。
荒地の魔女:いい男だねえ。
ハウル:…うるさいな、なんの騒ぎ?…うっ!こりゃひどい、体が石みたいだ。
ソフィー:そうなの!心って重いの。
ハウル:あっ、ソフィーの髪の毛、星の光に染まってるね!…きれいだよ。
ソフィー:ハウル、大好き。よかったー!
ハウル:いたっ!

荒地の魔女:ソフィーの気持ちは分かったでしょ。あなたは国へ帰って、戦争でも止めさせなさいな。
カブ王子:そうさせていただきます。戦争が終わりましたら、また伺いましょう。心変わりは、人の世の常と申しますから。
荒地の魔女:あら良いこと言うわねえ。じゃあ、あたしが待っててあげるわ。

ヒン:ヒン、ヒン!
サリマン:…なんです?今頃連絡してきて。あなた何をやってたの?ハッピーエンドってわけね。この浮気者
ヒン:ヒン!
サリマン:しょうがないわね…。総理大臣と、参謀長を呼びなさい。この馬鹿げた戦争を、終わらせましょう。
小姓:はい!

マルクルカルシファーが!
ハウル:戻ってこなくても良かったのに。
カルシファー:おいら、みんなといたいんだ。雨も降りそうだしさ。
ソフィー:ありがとう、カルシファー

カルシファー:うふ、うふっ。

 

 

スタジオジブリ ハウルの動く城