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新世紀エヴァンゲリオン(TVシリーズ) 第拾伍話 「嘘と沈黙」 全セリフ

新世紀エヴァンゲリオン(TVシリーズ) 第拾伍話 「嘘と沈黙」

新世紀エヴァンゲリオン(TVシリーズ) 第拾伍話 「嘘と沈黙」

 

新世紀エヴァンゲリオン(TVシリーズ) 第拾伍話 「嘘と沈黙」

 

 

冬月:第2、第3芦ノ湖か。これ以上増えない事を望むよ。

冬月:昨日キール議長から、計画遅延の文句が来たぞ。俺のところに直接。

冬月:相当苛ついてたなぁ。仕舞いにはおまえの解任も仄めかしていたぞ。

ゲンドウ:アダムは順調だ。EVA計画もダミープラグに着手している。SEELEの老人は何が不満なのだ。

冬月:肝心の人類補完計画が遅れてる。

ゲンドウ:全ての計画はリンクしている。問題はない。

冬月:レイもか?

ゲンドウ:…

冬月:まあいい。

冬月:…ところで、あの男はどうする?

ゲンドウ:好きにさせておくさ。マルドゥック機関と同じだ。

冬月:もうしばらくは、役に立ってもらうか。

加持:16年前、ここで何が始まったんだ…?

謎のオバサン:私だ。

加持:ああ、あんたか。

オバサン:シャノンバイオ。外資系のケミカル会社。9年前からここにあるが、9年前からこの姿のままだ。

オバサン:マルドゥック機関と繋がる108の企業のうち、106がダミーだったよ。

加持:ここが107個目、と言うわけか。

オバサン:この会社の登記簿だ。

加持:取締役の欄を見ろ、だろ?

オバサン:もう知っていたか。

加持:知ってる名前ばかりだしな。マルドゥック機関。エヴァンゲリオン操縦者選出のために設けられた、人類補完委員会直属の諮問機関。組織の実体は未だ不透明。

オバサン:貴様の仕事はNERVの内偵だ。マルドゥックに顔を出すのはまずいぞ。

加持:ま、何事もね、自分の目で確かめないと、気が済まない質だから。

加持:はい、加持です。ただいま外出しています。ご用の方は、お名前とメッセージをどうぞ。

アスカ:キャァ~あ!助けて!加持さん!何すんのよヘンタイ!キャー!

アスカ:なんちゃって…

ヒカリ:どうしたの?

アスカ:明日の日曜にさ、加持さんにどっか連れてって貰おっかな~と思って電話したんだけども、ずっといないの。ここんとこ、いつかけても留守。

ヒカリ:てことは、明日、暇なのね?

アスカ:残念ながら、そういう事。

ヒカリ:じゃぁさぁ、ちょっと頼みがあるんだけど…

アスカ:は?

ヒカリ:実はさ…

アスカ:え~!デートぉ?

ヒカリ:コダマお姉ちゃんの友達なんだけど、どうしても紹介してくれって頼まれちゃってさぁ、お願い!

レイ:…

シンジ:…

トウジ:メーン!!まじめにやらんかい!

シンジ:ごめん…

ヒカリ:まじめにやるのは、掃除でしょ!

マヤ:ネクローシス作業、終了。

オペレータ:可逆グラフ、測定完了。

オペレータ:3機とも、シンクロ維持に問題なし。

リツコ:明日何着てく?

ミサト:あぁ、結婚式ね。ピンクのスーツはキヨミのとき着たし、紺のドレスはコトコのとき着たばっかだし…

リツコ:オレンジのは?最近着てないじゃない。

ミサト:あれね…あれはちょっち訳ありで…

リツコ:きついの?

ミサト:…そうよ!あぁ…帰りに新調すっか…

ミサト:ふぁ~あ、出費がかさむなぁ。

リツコ:こう立て続けだと、ご祝儀もバカにならないしねぇ。

ミサト:ケッ!三十路前だからって、どいつもこいつも焦りやがって。

リツコ:お互い最後の一人にはなりたくないわねぇ。

リツコ:三人とも、あがっていいわよ。

リツコ:お疲れさま。

アスカ:あ~ぁ、テストばっかでつまんな~い!

リツコ:そう言えば、今日はまた一段と暗いわね、シンジ君。

ミサト:明日だからね。

リツコ:そうね。明日ね。

シンジ:明日、父さんに会わなきゃならないんだ。

シンジ:何話せばいいと思う?

レイ:どうして私にそんな事聞くの?

シンジ:いつか、綾波が父さんと楽しそうに話ているのを見たから…

シンジ:ねぇ、父さんって、どんな人?

レイ:分からない。

シンジ:…そう。

レイ:それが聞きたくて昼間から私のほうを見てたの?

シンジ:うん…あ、掃除のときさ、今日の…雑巾絞ってたろ?あれって、何か、お母さん、って感じがした。

レイ:お母さん?

シンジ:うん。何か、お母さんの絞り方、って感じがする。案外、綾波って主婦とかが似合ってたりして。あは、は…

レイ:何を言うのよ…

ミサト:ただいまー。

アスカ:おかえりー。

ミサト:もう寝なさいよー。明日デートなんじゃなかったの?

アスカ:そう。美形と。ああ、そうだ、ねぇ、あれ貸してよ。ラベンダーの香水。

ミサト:だめ。

アスカ:ちぇっ!ケチぃ!

ミサト:子供のするものじゃないわ。シンジ君は部屋?

アスカ:篭りっぱなしよ。父親に会うのがイヤみたい。嫌ならいやって言えばいいのに。日本人てのはねぇ~。

ミサト:嫌、って言うわけでもないのよ。それが問題なのよね。

(ゲンドウ:帰れ!)

(ゲンドウ:よくやったなぁ、シンジ。)

ミサト:シンジ君?

シンジ:!

ミサト:開けるわよ。

ミサト:恐いの?お父さんと二人で会うのが。逃げてばかりじゃだめよ。自分から一歩を踏み出さないと、何も変わらないわ。

シンジ:分かってるよォ!

ミサト:これから分かるのよ、最初の一歩だけじゃなく、その後に続ける事も大切だって事が。

ミサト:とにかく、明日は胸を張っていきなさい。お母さんにも会うんだから。じゃ、お休み。

アスカ:ねぇ、明日の服、買ったんでしょ?見せてよ!

ミサト:フフーン。見たい?高かったんだから。

アスカ:値段よりセンスよ。

ミサト:ほれ!バッチリだから!うん!

アスカ:やっぱり、加持さんの趣味に合わせたりする?

ミサト:それはないっしょ、もはや。

ミサト:じゃあ

アスカ:行って

シンジ:きます。

ペンペン:クギュウッ!

スピーチ:三つの袋と言うものを心に…

挿入歌:てんとう虫のサンバ

司会者:では、しばしご歓談のほどを。

ミサト:フーッ!

リツコ:来ないわね、リョウちゃん。

ミサト:あのバカが時間通りに来た事なんて、一遍もないわよ!

リツコ:デートのときは、でしょ?仕事は違ってたわよ。

加持:いやー、お二人とも!今日は一段とお美しい!時間までに仕事抜けられなくてさ。

ミサト:いつもプラプラ暇そうにしてるくせに。どうでもいいけど何とかならないの、その無精ひげ。ほら、ネクタイ曲がってる!

加持:お、お、お…これは、どうも。

リツコ:夫婦みたいよ、あなたたち。

加持:いいこと言うねぇ、リッちゃん!

ミサト:誰がこんな奴と!

ゲンドウ:3年ぶりだな。2人でここに来るのは。

シンジ:僕は、あの時逃げ出して、その後は来てない。ここに母さんが眠ってるって、ピンと来ないんだ。顔も覚えてないのに。

ゲンドウ:人は思い出を忘れる事で生きていける。だが、決して忘れてはならない事もある。

ゲンドウ:ユイはそのかけがえのないものを教えてくれた。私はその確認をするためにここへ来ている。

シンジ:写真とかないの?

ゲンドウ:残ってはいない。この墓もただの飾りだ。遺体はない。

シンジ:…先生の言ってた通り、全部捨てちゃったんだね。

ゲンドウ:すべては心の中だ。今はそれでいい。

ゲンドウ:時間だ。先に帰るぞ。

シンジ:父さん!

シンジ:あの、今日は嬉しかった。父さんと話せて。

ゲンドウ:そうか…

ペンペン:クゥ~クッ…クゥゥゥ…

シンジ:ん?

アスカ:結構いけるじゃない。そんなの持ってたの?

シンジ:5歳のときから始めてこの程度だからね…才能なんて別にないよ。

アスカ:継続は力か。少し見直しちゃった。

シンジ:先生に言われて始めた事だし、すぐやめてもよかったんだ。

アスカ:じゃあ、なんで続けてたのよ。

シンジ:誰もやめろ、って言わなかったから…

アスカ:やっぱりね…

シンジ:早かったんだね、夕飯、食べてくるんだと思った。

アスカ:退屈なんだもん、あの子。だからさ、ジェットコースター待ってるあいだに、帰ってきちゃった。

シンジ:それはないと思うな…

アスカ:あ~ぁ、まともな男は加持さんだけね。

ミサト:今更何言ってんだか。ちょっち、お手洗い。

加持:とか言って、逃げんなよ。

ミサト:ベー!

加持:ヒールか…何年ぶりかな。3人で飲むなんて。

リツコ:ミサト、飲みすぎじゃない?なんだかはしゃいでるけど。

加持:浮かれる自分を抑えようとして、また飲んでる。今日は逆か。

リツコ:やっぱり一緒に暮らしてた人の言葉は重みが違うわね。

加持:暮らしてたっていっても、葛城がヒールとか履く前の事だからなぁ。

リツコ:学生時代には想像できなかったわよねぇ。

加持:俺もガキだったし、あれは暮らしって言うより共同生活だな。ままごとだよ。現実は甘くないさ。

加持:そうだ、これ、ネコのみやげ。

リツコ:あらありがとう。マメねぇ。

加持:女性にはね。仕事はズボラさ。

リツコ:どうだか。ミサトには?

加持:一度敗戦してる。負ける戦はしない主義だ。

リツコ:勝算はあると思うけど?

加持:リッちゃんは?

リツコ:自分の話はしない主義なの。面白くないもの。

加持:遅いなぁ、葛城。化粧でも直してんのか?

リツコ:京都、何しに行ってきたの?

加持:あれ?松代だよ、そのみやげ。

リツコ:とぼけてもムダ。あまり深追いすると、火傷するわよ。これは友人としての忠告。

加持:真摯に聞いとくよ。どうせ火傷するなら、君との火遊びでね。

ミサト:花火でも買ってきましょうか?

加持:あー、おかえり。

ミサト:変わんないわね、そのお軽いとこ。

加持:いやぁ、変わってるさ。生きるって事は、変わる、って事さ。

リツコ:ホメオスタシストランジスタシスね。

ミサト:何それ?

リツコ:今を維持しようとする力と変えようとする力。その矛盾する二つの性質を一緒に共有しているのが、生き物なのよ。

加持:男と女だな。

リツコ:そろそろおいとまするわ。仕事も残ってるし。

ミサト:そぉ?

リツコ:うん。

加持:残念だな。

リツコ:じゃあね。

ミサト:うん…

ミサト:あ~、シンちゃん?あたし。今加持君と飲んでるの。そ。三次会でね。

シンジ:はい、はい。じゃ。

アスカ:ミサト?

シンジ:うん。遅くなるから先に寝ててって。

アスカ:ええっ!朝帰りって事じゃ、ないでしょうね。

シンジ:まさか。加持さんも一緒なのに。

アスカ:あんたバカ?だからでしょ。

加持:いい年して、戻すなよ。

ミサト:悪かったわね、いい年で…

加持:年はお互い様か…

ミサト:そーよー…

加持:葛城がヒール履いてんだからなぁ。時の流れを感じるよ。

ミサト:無精ひげ、剃んなさいよ。

加持:へいへい。

ミサト:あと歩く。ありがと。

加持:ん。

ミサト:加持君、私変わったかな?

加持:きれいになった。

ミサト:ごめんね、あの時、一方的に別れ話して。他に好きな人ができたって言ったのは、あれ、嘘。ばれてた?

加持:いや…

ミサト:気付いたのよ、加持君が、私の父に似てるって。

ミサト:自分が、男に、父親の姿を求めてたって、それに気付いたとき、恐かった。どうしようもなく、恐かった。

ミサト:加持君と一緒にいる事も、自分が女だと言う事も、何もかもが恐かったわ。

ミサト:父を憎んでいた私が、父によく似た人を好きになる。すべてを吹っ切るつもりでNERVを選んだけれど、でも、それも父のいた組織。

ミサト:結局、使徒に復讐する事でみんな誤魔化してきたんだわ。

加持:葛城が自分で選んだ事だ。俺に謝る事はないよ。

ミサト:違うのよ、選んだわけじゃないの。ただ、逃げてただけ。父親と言う呪縛から逃げ出しただけ!

ミサト:シンジ君と同じだわ!臆病者なのよ…ごめんね、ほんと。酒の勢いでいまさらこんな話。

加持:もういい。

ミサト:子供なのね。シンジ君に、何も言う資格ない。

加持:もういい!

ミサト:その上こうして都合のいいときだけ男にすがろうとする、ずるい女なのよ!

ミサト:あの時だって加持君を、利用してただけかもしれない!嫌になるわ!

加持:もういい!やめろ!

ミサト:自分に、絶望するわよ!

加持:…

ミサト:…

アスカ:ねぇシンジ、キスしようか?

シンジ:え?何?

アスカ:キスよ、キス。した事ないでしょ?

シンジ:うん…

アスカ:じゃあ、しよう。

シンジ:!!!…どうして?

アスカ:退屈だからよ。

シンジ:退屈だからって、そんな…

アスカ:お母さんの命日に、女の子とキスするの嫌?天国から見てるかもしれないからって。

シンジ:別に。

アスカ:それとも、恐い?

シンジ:恐かないよ!キスくらい!

アスカ:歯、磨いてるわよね。

シンジ:うん…

アスカ:行くわよ。

アスカ:鼻息がこそばゆいから、息しないで。

シンジ:ああっ、あっ、グッ!

ペンペン:クギュッ、クギュルルルルルル、クッ。クゥッ?クゥゥ、クゥ、ク。

シンジ:ぶはぁぁっ!はぁ…

アスカ:ガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラ、プハッ!

アスカ:うぇぇぇっ!やっぱ暇つぶしにやるもんじゃないわ!

アスカ:ガラガラガラガラガラガラガラガラガラ

加持:ほら、着いたぞ!しっかりしろ!

シンジ:加持さん!

アスカ:えーっ!あ、加持さん!

加持:じゃあ、俺は帰るから。

アスカ:加持さんも泊まっていけば?

加持:この格好で出勤したら、笑われちゃうよ。

アスカ:えー?大丈夫よ!ねーぇ、加持さんてばぁ…

加持:またな。

アスカ:………ラベンダーの、香りがする。

加持:すまないが二人とも、葛城の事、頼んだぞ。

シンジ:はい!

加持:じゃ、お休み。

シンジ:おやすみなさい。

シンジ:どうしたの?元気ないね。

アスカ:あんたとキスなんかしたからよ!

老教師:えー、では、続いて女子。

老教師:綾波…おお?綾波は、今日も休みか?

ゲンドウ:…

レイ:…

加持:やー、二日酔いの調子はどうだ?

ミサト:おかげでやっとさめたわ。

加持:そりゃよかった。

ミサト:これがあなたの本当の仕事?それともアルバイトかしら?

加持:どっちかな?

ミサト:特務機関NERV特殊監査部所属加持リョウジ。同時に、日本政府内務省調査部所属、加持リョウジでもあるわけね。

加持:バレバレか。

ミサト:ネルフを甘く見ないで。

加持:碇司令の命令か?

ミサト:私の独断よ。これ以上バイトを続けると、死ぬわ。

加持:碇司令は俺を利用してる。まだいけるさ。だけど葛城に隠し事をしてたのは、謝るよ。

ミサト:昨日のお礼に、チャラにするわ。

加持:そりゃどうも。

加持:ただ、司令やリッちゃんも、君に隠し事をしている。

加持:それが、これさ!

ミサト:これは…

ミサト:EVA?…いえ、まさか…

加持:そう、セカンドインパクトからその全ての要であり、始まりでもある…アダムだ。

ミサト:アダム?あの第1使徒がここに?

ミサト:確かに、NERVは私が考えているほど、甘くないわね。

 

 

 

増長したシンジは、ディラックの海に取り込まれてしまう
残されたわずかな時間が、彼に絶望を教える
次回、『死に至る病、そして』
この次も、サービス、サービスゥ!