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新世紀エヴァンゲリオン(TVシリーズ) 第弐拾四話 「最後のシ者」 全セリフ

新世紀エヴァンゲリオン(TVシリーズ) 第弐拾四話 「最後のシ者」

新世紀エヴァンゲリオン(TVシリーズ) 第弐拾四話 「最後のシ者」

 

新世紀エヴァンゲリオン(TVシリーズ) 第弐拾四話 「最後のシ者」

 

 

アスカ:ママーッ!ママッ!私、選ばれたの!人類を守る、エリートパイロットなのよ!世界一なのよ!

アスカ:誰にも秘密なの!でも、ママにだけ教えるわね!

アスカ:いろんな人が親切にしてくれるわ。だから、寂しくなんかないの!

アスカ:だから、パパがいなくっても大丈夫!さみしくなんかないわ!

アスカ:だから見て!私を見て!

アスカ:ねぇ、ママッ!

アスカ:…

アスカ:シンクロ率0。セカンドチルドレンたる資格無し。もう私がいる理由もないわ。誰も私を見てくれないもの。パパもママも誰も。

アスカ:私が生きてく理由もないわ…

諜報課員:惣流・アスカ・ラングレーだな?

マコト:諜報二課から、セカンドチルドレンを無事保護したそうです。

ミサト:そう。ロストした挙げ句七日後に発見とは、二課らしくないわね。

マコト:わざと、でしょ。嫌がらせじゃないんですか?作戦課への。

ミサト:そうかもね…

ミサト:(で今日、アスカの代わりのフィフス到着。出来過ぎてるわね、シナリオ。)

シンジ:綾波レイ。やっぱりそうなのか?あの感じ。母さんの。綾波レイを、母さんを、何をしているんだ、父さん!

リツコ:碇司令…

ゲンドウ:…

リツコ:猫が死んだんです。おばあちゃんのところに預けていた。ずっと構っていなかったのに。突然、もう二度と会えなくなるのね。

ゲンドウ:なぜ、ダミーシステムを破壊した?

リツコ:ダミーではありません。破壊したのはレイですわ。

ゲンドウ:…今一度問う。なぜだ?

リツコ:あなたに抱かれても嬉しくなくなったから。私の体を好きにしたらどうです!?あの時みたいに!

ゲンドウ:君には失望した…

リツコ:失望!?最初っから期待も望みも持たなかったくせに!私には何も!何も!何も…

リツコ:どうしたらいいの…母さん…

シンジ:(どこに行ったんだろう…アスカ…)

シンジ:(でも会ってどうするんだ…綾波の話でもするのか?)

シンジ:(トウジもケンスケもみんな家を失って他のところへ行ってしまった。友達は…友達と呼べる人はいなくなってしまった…誰も…)

シンジ:(綾波には会えない…その勇気がない。どんな顔をすればいいのか、分からない。アスカ、ミサトさん、母さん!僕はどうしたら…どうすればいい?)

カヲル:フンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフーンフフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフーンフフン…(←第9をハミングで)

カヲル:歌はいいねぇ。

シンジ:え?

カヲル:歌は心を潤してくれる。リリンが生み出した文化の極みだよ。そう感じないか?碇シンジ君。

シンジ:僕の名を?

カヲル:知らないものはないさ。失礼だが、君は自分の立場をもう少しは知ったほうがいいと思うよ。

シンジ:そうかなぁ…?あの、君は?

カヲル:僕はカヲル。渚カヲル。君と同じ、仕組まれた子供。フィフスチルドレンさ。

シンジ:フィフスチルドレン?君が、あの、渚君?

カヲル:カヲルでいいよ、碇君。

シンジ:僕も、シンジでいいよ。

マコト:フィフスチルドレンが、今到着したそうです。

ミサト:渚カヲル。過去の経歴は抹消済み。レイと同じくね。

マコト:ただ生年月日は、セカンドインパクトと同一日です。

ミサト:委員会が直で送ってきた子供よ。必ず何かあるわ。

マコト:マルドゥックの報告書も、フィフスの件は非公開となっています。それもあって、ちょいと諜報部のデータに割り込みました。

ミサト:危ない事するわねぇ!

マコト:その甲斐はありましたよ。

マコト:リツコさんの居場所です!

マコト:フィフスのシンクロテスト、どうします?

ミサト:今日のところは小細工をやめて、素直に彼の実力、見せてもらいましょ。

冬月:後、0コンマ3下げてみろ。

冬月:このデータに間違いはないな?

マコト:全ての計測システムは、正常に作動しています。

マヤ:MAGIによるデータ誤差、認められません。

冬月:よもや、コアの変換も無しに弐号機とシンクロするとはな。この少年が。

マヤ:しかし、信じられません!…いえ、システム上、ありえないです…

ミサト:でも事実なのよ。事実をまず受け止めてから、原因を探ってみて。

カヲル:君がファーストチルドレンだね。

レイ:…

カヲル:綾波レイ

カヲル:君は僕と同じだね。

レイ:…あなた誰?

冬月:フィフスの少年がレイと接触したそうだ。

ゲンドウ:そうか…

冬月:今、フィフスのデータをMAGIが全力を挙げて当たっている。

ミサト:にもかかわらず、未だ正体不明。何者なの?あの少年。

ミサト:シンジ君も未だ戻らず。保護者失格ね、私。

マヤ:現在、セントラルドグマは開放中。移動ルートは3番を使用してください。

カヲル:やぁ、僕を待っててくれたのかい?

シンジ:いや、別に、あ、そんなつもりじゃ…

カヲル:今日は?

シンジ:あの、定時試験も終わったし、後はシャワーを浴びて帰るだけだけど…でも、本当はあまり帰りたくないんだ。このごろ。

カヲル:帰る家、ホームがあるという事実は、幸せにつながる。良いことだよ。

シンジ:そうかなぁ。

カヲル:僕は君ともっと話がしたいな。いっしょに行っていいかい?

シンジ:え?

カヲル:シャワーだよ。これからなんだろ?

シンジ:…うん。

カヲル:だめなのかい?

シンジ:いや、別に、そういうわけじゃないけど…

カヲル:一時的接触を極端に避けるね、君は。恐いのかい?人と触れ合うのが。

カヲル:他人を知らなければ裏切られることも互いに傷つくこともない。でも、さびしさを忘れることもないよ。

カヲル:人間はさびしさを永久になくすことはできない。人は一人だからね。ただ忘れることができるから、人は生きていけるのさ。

シンジ:時間だ…

カヲル:もう、終わりなのかい?

シンジ:うん、もう寝なきゃ。

カヲル:君と?

シンジ:あっ、いや、カヲル君には部屋が用意されていると思うよ。別の…

カヲル:常に人間は心に痛みを感じている。心が痛がりだから、生きるのも辛いと感じる。

カヲル:ガラスのように繊細だね。特に君の心は。

シンジ:僕が?

カヲル:そう。コウイに値するよ。

シンジ:コウイ…?

カヲル:好きって事さ。

ゼーレ:NERV。われらゼーレの実行機関として結成されし組織。

ゼーレ:われらのシナリオを実践するために用意されたモノ。

ゼーレ:だが、今は一個人の占有機関と成り果てている。

ゼーレ:さよう。われらの手に取り戻さねばならん。

ゼーレ:約束の日の前に。

キール:NERVとEVAシリーズを本来の姿にしておかねばならん。碇、ゼーレへの背任、その責任は取ってもらうぞ。

ゲンドウ:われわれに与えられた時間はもう残り少ない。

ゲンドウ:だがわれらの願いを妨げるロンギヌスの槍はすでにないのだ。

ゲンドウ:まもなく最後の使徒が現れる。それを消せば願いがかなう。

ゲンドウ:もうすぐだよ、ユイ。

レイ:私、なぜここにいるの?

レイ:私、なぜまた生きてるの?

レイ:何のために?

レイ:誰のために?

レイ:フィフスチルドレン。あの人、私と同じ感じがする。

レイ:どうして?

ミサト:ここが街外れで良かったわ。あなたが巻き込まれなくて良かったもの。

ミサト:でも、この次の保証はないの。だから、明日からは洞木さんちのお世話になるのよ。

ミサト:しばらくお別れね、ペンペン。

ペンペン:クワァッ!

ミサト:ウウッ!

カヲル:やはり、僕が下で寝るよ。

シンジ:いいよ、僕が無理言って泊めてもらってるんだ、ここでいいよ。

カヲル:君は何を話たいんだい?

シンジ:え?

カヲル:僕に聞いてほしいことがあるんだろう?

シンジ:いろいろあったんだ、ここに来て。

シンジ:来る前は、先生のところにいたんだ。穏やかで何にもない日々だった。ただそこにいるだけの。

シンジ:でもそれでも良かったんだ。僕には何もすることがなかったから。

カヲル:人間が嫌いなのかい?

シンジ:別に、どうでも良かったんだと思う。

シンジ:ただ、父さんは嫌いだった。

シンジ:(どうしてカヲル君にこんな事話すんだろう…)

シンジ:!

カヲル:僕は君に逢うために生まれてきたのかもしれない。

ミサト:どう?彼のデータ、入手できた?

マコト:これです。伊吹二尉から無断で借用したものです。

ミサト:すまないわね、泥棒みたいなことばかりやらせて…何これ!

マコト:マヤちゃんが公表できないわけですよ。理論上は、ありえないことですから。

ミサト:そうね、謎は深まるばかりだわ。EVAとのシンクロ率を自由に設定できるとはね。それも自分の意志で。

ミサト:またも、なり振り構ってらんないか…

リツコ:良く来られたわね。

ミサト:聞きたいことがあるの。

リツコ:ここでの会話、録音されるわよ。

ミサト:構わないわ。あの少年の、フィフスの正体は何?

リツコ:おそらく、最後のシ者ね。

カヲル:さあ行くよ、おいで、アダムの分身。そしてリリンの僕。

BGM:L.v.ベートーヴェン 交響曲第9番 ニ短調 作品125より第4楽章(164小節~330小節)

マコト:EVA弐号機、起動!

ミサト:そんなバカな!アスカは!?

シゲル303(サンマルサン)病室です。確認済みです。

ミサト:じゃあいったい誰が…?

マヤ:無人です、弐号機にエントリープラグは挿入されていません!

ミサト:誰もいない?フィフスの少年ではないの?

マコト:セントラルドグマに、A.T.フィールドの発生を確認!

ミサト:弐号機?

マコト:いえ、パターン青!間違いありません!使徒です!

ミサト:何ですって?

ミサト:使徒…あの少年が?

オペレーター:目標は第4層を通過、なおも降下中!

シゲル:だめです、リニアの電源は切れません!

オペレーター:目標は第5層を通過!

冬月:セントラルドグマの全隔壁を緊急閉鎖!少しでもいい、時間を稼げ!

アナウンス:マルボルジェ全層緊急閉鎖、総員待避、総員待避!

冬月:まさか、ゼーレが直接送り込んでくるとはな…

ゲンドウ:老人は予定を一つ繰り上げるつもりだ。我々の手で。

ゼーレ 02:最後の使徒セントラルドグマに侵入した。現在降下中だ。

ゼーレ:予定通りだな。

キール:碇。君はよき友人であり、志を共にする仲間であり、理解ある協力者だった。これが最後の仕事だ。初号機による遂行を願うぞ。

シゲル:装甲隔壁は、EVA弐号機により突破されています!

シゲル:目標は、第2コキュートスを通過!

ゲンドウ:EVA初号機に追撃させろ。

ミサト:はい。

ゲンドウ:いかなる方法をもってしても、目標のターミナルドグマ侵入を阻止しろ。

ミサト:しかし、使徒はなぜ弐号機を?

冬月:もしや、弐号機との融合を果たすつもりなのか?

ゲンドウ:あるいは破滅を導くためか、だ。

シンジ:嘘だ嘘だ嘘だ!カヲル君が、彼が使徒だったなんて、そんなの嘘だ!

ミサト:事実よ。受け止めなさい。

ミサト:出撃、いいわね。

カヲル:遅いな、シンジ君。

オペレーター:EVA初号機、ルート2を降下!目標を追撃中!

シンジ:裏切ったな…僕の気持ちを裏切ったな…父さんと同じに裏切ったんだ!

オペレーター:初号機、第4層に到達、目標と接触します。

シンジ:いた!

カヲル:待っていたよ、シンジ君。

シンジ:カヲル君!

シンジ:アスカ、ごめんよ!

カヲル:EVAシリーズ。アダムより生まれし人間にとって忌むべき存在。それを利用してまで生き延びようとするリリン。僕にはわからないよ。

シンジ:カヲル君!やめてよ、どうしてだよ!

カヲル:EVAは僕と同じ体でできている。僕もアダムより生まれしものだからね。魂さえなければ同化できるさ。この弐号機の魂は、今自ら閉じこもっているから。

シンジ:ハッ…A.T.フィールド…!?

カヲル:そう、君たちリリンはそう呼んでるね。なんぴとにも侵されざる聖なる領域、心の光。リリンもわかっているんだろ?A.T.フィールドは誰もが持っている心の壁だということを。

シンジ:そんなの分からないよ、カヲル君!クッ!

シンジ:うわぁぁぁ!

オペレーター:EVA両機、最下層に到達。

オペレーター:目標、ターミナルドグマまで、後20。

ミサト:初号機の信号が消えて、もう一度変化があったときは…

マコト:分かってます。その時はここを自爆させるんですね。サードインパクトが起こされるよりはマシですから。

ミサト:すまないわね。

マコト:いいですよ、あなたといっしょなら。

ミサト:ありがとう。

カヲル:人の宿命(さだめ)か…人の希望は悲しみに綴られているね…

ミサト:どういうこと!?

マコト:これまでにない強力なA.T.フィールドです!

シゲル:光波、電磁波、粒子も遮断しています!何もモニターできません!

ミサト:まさに結界か…

マヤ:目標およびEVA弐号機、初号機共にロスト、パイロットとの連絡も取れません!

シンジ:う…くっ…カヲル君!

カヲル:…

シンジ:待って!うっ!

シゲル:最終安全装置、解除!

マコト:ヘヴンズドアが、開いて行きます…

ミサト:遂にたどり着いたのね、使徒が…

ミサト:日向君…

マコト…

シンジ:うわぁあああ!

シンジ:なんだ!?

ミサト:状況は?

マコト:A.T.フィールドです!

シゲル:ターミナルドグマの結界周辺に先と同等のA.T.フィールドが発生。

マヤ:結界の中へ侵入していきます!

ミサト:まさか、新たな使徒?

シゲル:だめです、確認できません!あ、いえ、消失しました!

ミサト:消えた!?使徒が?

カヲル:アダム…われらの母たる存在…アダムより生まれしものはアダムに還らねばならないのか?人を滅ぼしてまで…

カヲル:違う…これは…リリス!そうか、そういうことかリリン!

カヲル:ありがとう、シンジ君。弐号機は君に止めておいてもらいたかったんだ。そうしなければ彼女と生き続けたかもしれないからね。

シンジ:カヲル君…どうして…

カヲル:僕が生き続けることが僕の運命だからだよ。結果、人が滅びてもね。

カヲル:だが、このまま死ぬこともできる。生と死は等価値なんだ、僕にとってはね。

カヲル:自らの死、それが唯一の絶対的自由なんだよ。

シンジ:何を…カヲル君…君が何を言っているのか分かんないよ!カヲル君!

カヲル:遺言だよ。

カヲル:さあ、僕を消してくれ。そうしなければ君らが消えることになる。滅びの時を免れ、未来を与えられる生命体は一つしか選ばれないんだ。

カヲル:そして、君は死すべき存在ではない。

シンジ:…

カヲル:君たちには未来が必要だ。

カヲル:ありがとう。君に逢えて、嬉しかったよ。

シンジ:…

ゲンドウ:…

レイ:…

シンジ:カヲル君が好きだって言ってくれたんだ…僕のこと…初めて…初めて人から好きだっていわれたんだ…

シンジ:僕に似てたんだ…綾波にも…好きだったんだ。生き残るならカヲル君のほうだったんだ…

シンジ:僕なんかより、彼のほうがずっといい人だったのに…カヲル君が生き残るべきだったんだ。

ミサト:違うわ。生き残るのは生きる意志を持った者だけよ。

ミサト:彼は死を望んだ。生きる意志を放棄して見せ掛けだけの希望にすがったのよ。シンジ君は悪くないわ。

シンジ:冷たいね…ミサトさん

 

 

 

最後の使徒は消えた
だが、シンジは苦悩する
そして、ミサト、アスカも心を吐露する
人々に救いを求めながら
これも、終局の一つの形である事を認めながら
次回、『終わる世界』